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モバライダー mobarider

水星は40億年で14キロも縮小していた?

2014年03月21日 | 宇宙 space
干しブドウのように縮み、しわをふやしつつある惑星…

この太陽の周りを回る惑星“水星”が、
約40億年の間に直径を最大14キロも小さくしていることが、
最新の研究で分かってきました。

水星の岩盤プレートは1枚だけだった

水星が縮小しているのは、
この惑星が冷却しつつあるからです。

地球と異なり水星には、熱損失が地殻に及ぼす圧力に応じて、
振動したり押し返したり横滑りしたりする、
複数のプレートはありません。

なので、水星を一枚で覆っている岩石のプレートが縮むことで、表面がひずみ、
しわ状の尾根と、耳たぶ状の崖と呼ばれる、波打った断崖が形成されることになります。

NASAの水星探査機“メッセンジャー”がとらえた画像から、
こうした惑星表面の全体像が明らかになってきたんですねー
NASAの水星探査機“メッセンジャー”がとらえた水星の画像。
クレーター(青色の部分)の間を、
しわ状の尾根の筋が540キロにわたって走っているのが見える。

程度の差はあれ、すべての惑星は冷却し熱を発散していて、
太陽に最も近い水星も例外ではありません。

でもそのプロセスが、
既にクレーターだらけの水星表面に大きなダメージを与えていて、
最大3キロの断崖や、長く連なる尾根の筋を形成しています。

水星の表面全体を走る尾根の全長は、最大1700キロもあり、
フロリダ州の南北の長さの倍以上に達しているんですねー


あまり行われなかった水星の探査

これまで水星の表面のようすは、半分も分かっていませんでした。

それは“メッセンジャー”以外で、
水星に接近した探査機が、NASAの“マリナー10号”だけだったからです。
マリナー10号
メッセンジャー

“マリナー10号”は、1974~1975年に3度のフライバイを行い、
水星表面の45%を撮影しています。

ただ、この部分的なデータは、研究者たちを不思議がらせることになります。

それは、“マリナー10号”の画像では、
水星が誕生初期の約40億年前、小惑星に次々と衝突されていたころから、
直径にして2~6キロしか縮んでいないことを示していたからです。

これに対し、惑星内部の熱史に基づくモデルでは、
その最大10倍の収縮を予測していました。

それが今回の研究によって、
水星はこれまでに半径にして4~7キロ収縮していることが示されたんですねー


水星の断崖や尾根は、火星や月の表面に見られるものと似ているのですが、
月や火星に比べて、はるかに収縮が進んでいるとみられる点が重要な違いになります。

19世紀ヨーロッパの地質学者の説には、
地球に収縮が起こったので山脈ができたというものがありました。

でも、1950~1960年代に入って、
地球の岩石質の地殻は縮むとしわが寄る一枚の層でなく、
それぞれが独立して動く多数のプレートの集まりだと分かることに…

なので、この説は否定されることになるのですが、
どうやら地球でない惑星“水星”では正しかったようですね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 水星に大量の“水の氷”


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2 コメント

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Unknown ()
2015-07-26 16:53:08
すみません、ちょっと疑問なんですが、
最少の画像は月ではないのですか?模様があんまりにもそっくりなので。。
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間違っていました。 (モバライダー)
2015-07-27 17:28:53
最初の画像は月でした…
画像の貼り間違いです。
コメントありがとうございました。
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