宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

若い散開星団に新種の変光星を発見

2013年07月06日 | 宇宙 space
南米チリにある、ヨーロッパ南天天文台“ラ・シーヤ観測所”。
ここのレオンハルト・オイラー望遠鏡を使った観測で、新種の変光星が見つかったんですねー

この変光星が発見されたのは、ケンタウルス座の方向7000光年彼方にある散開星団“NGC 3766”です。








“ラ・シーヤ観測所”の
MPG/ESO 2.2メートル望遠鏡による
“NGC 3766”






生まれてからおよそ2000万年… っという若い星団に存在する3000個以上の星の明るさを、口径1.2メートルという比較的小さな天体望遠鏡で、
7年間にわたり観測し、星の明るさの微小な変動を計測した結果発見できたということです。

高度な観測と、慎重なデータの分析によるものなんですが、
やっぱり7年にもわたって、広範囲な観測プログラムが続行できたおかげといえるんですねー

これは、比較的小さな天体望遠鏡を使ったから実現できたことだとか…
もっと大きな望遠鏡を使っていたら、これほど長い観測時間を獲得することは不可能だったそうです。

観測では36個の星に、意外な明るさの変動が見られ、
2時間から20時間の周期で、平常時の明るさからわずか0.1%の幅で変光していました。
これは、太陽に比べてわずかに明るく温度も多少高い程度の、いたって平凡な星ということになります。

でも、現行のモデルに則して考えると、これらの星はこんな具合には変光しないことになるんですねー

一体何によって変光が引き起こされているのか?

この答えは、まだ分かっていないのですが、ひとつヒントがあるそうです。
このヒントとは36個のうちのいくつかが、どうやら高速で自転しているらしいというもの…
これにより星が不安定となり、宇宙空間へ物質を放り出す臨界速度の半分以上の速度で、自転しているとみられています。

そして、こういった条件下では、高速の自転が星の内部特性に重要な影響を及ぼすことになるようです。

まぁー 今回の変光を適切にモデル化するのは、これからの研究次第ですね。