安田節子著「自殺する種子」(平凡社新書)は衝撃的な本だ。
生命を次世代に伝えるというもっとも基本的な種子の役割を奪い、第二世代の種を自殺させるアグオバイオ。映画にちなんで「ターミネーター・テクノロジー」と呼ばれている。
企業は、自殺する種子を販売し、農家が「種取り」をできなくし、かならず種子を購入するようにする。そして、発芽や耐病性などにかかわる遺伝子を働かないようにしておいて、特定の抗生物質や農薬を使用しないと、まともに育たない仕組みをつくった!
こうして世界の食糧を支配していく・・・・おぞましい世界ではないか。
著者は日本の農業政策にも手厳しい。「大規模近代化農業には未来はない」「ミニマムアクセス米は日本の農業を潰す」と喝破し、「農地集積のネックといわれる日本の田畑の分散も、水害などのリスク分散を考えた祖先の知恵」と書いています。
★
先日福井のニュースで刈り取った稲の「はさ掛け」体験が報道されていた。
自分の小学生時代の体験と重なった。あの頃は、種籾をきちんと確保し、発芽から刈り取り、乾燥・精米までをそれぞれの家でおこなっていて、まさに「家の米」をつくり、食べ、販売していた。
農業の衰退がいわれて久しいが、「荒れた蜜柑山をみると、国民はなぜ日本の蜜柑を食べず、アメリカのフルーツを食べるのか」と書く著者の胸の痛みをびんびん感じる。
「個人的な抵抗」としてわたしは外国産の果物は自分では買わない。買うときは、日本の、福井の農産物を買うようにしている。
農業問題は、「はさ掛け」「ボランティア」にとどめるのではなく、問題の本質からせまることも必要だろう。まさに「生殺与奪の権」を、外国にまかせていいのか、ということだから。
「自殺する民族」になってはならない。
生命を次世代に伝えるというもっとも基本的な種子の役割を奪い、第二世代の種を自殺させるアグオバイオ。映画にちなんで「ターミネーター・テクノロジー」と呼ばれている。
企業は、自殺する種子を販売し、農家が「種取り」をできなくし、かならず種子を購入するようにする。そして、発芽や耐病性などにかかわる遺伝子を働かないようにしておいて、特定の抗生物質や農薬を使用しないと、まともに育たない仕組みをつくった!
こうして世界の食糧を支配していく・・・・おぞましい世界ではないか。
著者は日本の農業政策にも手厳しい。「大規模近代化農業には未来はない」「ミニマムアクセス米は日本の農業を潰す」と喝破し、「農地集積のネックといわれる日本の田畑の分散も、水害などのリスク分散を考えた祖先の知恵」と書いています。
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先日福井のニュースで刈り取った稲の「はさ掛け」体験が報道されていた。
自分の小学生時代の体験と重なった。あの頃は、種籾をきちんと確保し、発芽から刈り取り、乾燥・精米までをそれぞれの家でおこなっていて、まさに「家の米」をつくり、食べ、販売していた。
農業の衰退がいわれて久しいが、「荒れた蜜柑山をみると、国民はなぜ日本の蜜柑を食べず、アメリカのフルーツを食べるのか」と書く著者の胸の痛みをびんびん感じる。
「個人的な抵抗」としてわたしは外国産の果物は自分では買わない。買うときは、日本の、福井の農産物を買うようにしている。
農業問題は、「はさ掛け」「ボランティア」にとどめるのではなく、問題の本質からせまることも必要だろう。まさに「生殺与奪の権」を、外国にまかせていいのか、ということだから。
「自殺する民族」になってはならない。