すべては愛する宗像のため

福岡県宗像市在住、井上正文のブログです。

JCI World Congress/歴史認識セミナー

2006年11月29日 | 国際交流
16日(木)11時、JCI World Congress Seoul Korea/日韓歴史認識セミナーに参加。
このセミナーは日本JC・韓国JC合同の世界平和推進委員会が主催したもので、日韓の歴史認識の違いを、セミナーを通じて確認し、さらにソウル近郊の歴史関係施設を見学、韓国で常識とされている「日本に対する歴史認識」を、実際に感じてみようというものです。

まず、11時から豊田(プジョン)ホテルで1時間のセミナーを受講。
ホテル内で昼食後、バスで「西大門刑務所歴史館」に向かいました。
西大門刑務所歴史館とは
「祖国の独立のために、日帝の侵略に立ち向かって戦った末に、命を捧げた愛国烈士を偲び、烈士の自主独立の精神を振り返る、生きた歴史教育の場(以上、館内のパンフより)」とのこと。
ソウルの日本人観光ツアー客は絶対に行くことはない施設、しかし韓国では殆どの国民が知っているという場所。

 

館内で配布されたパンフ(日本語版)には冒頭に次のように書かれています。
「我が民族は、日本帝国による強制占領という痛みを抱えてきました。この時期は民族のプライドが傷つけられ、民族自らの発展が中断されるなど、苦難の歴史でありました。それにもかかわらず、我々には歴史的な現実に屈したり、妥協したりせず、民族の独立に向ける闘争の歴史があり、そのおかげで今の私たちが存在し得るのです。西大門刑務所歴史館はこのような歴史を引き継ぐための教育の場として開館しました。明日を担う若者たちはもちろん全国民が、国ために命を捧げた烈士たちの志を偲び、屈辱的な過去の歴史を克服するために、国を愛し民族を愛する志を学ぶ場となりますことを祈年します。」
本館は大きく分けて3つの部門から構成されております。
まず1つめが「追悼の場」。
「日帝の侵略と弾圧に抵抗して亡くなられた烈士たち」を追悼する映像や資料が展示されています。

二つめが、「歴史の場」。
「日帝の拷問と弾圧に関する獄中生活の実状」を展示、「観覧客が直接体験できるよう」に壁棺と独房を再現してあります。

三つめが、「体験の場」。
「愛国烈士たちを拘束・監禁し、取り調べや拷問をした日帝の過酷な拷問の数々を再現」してあります。

悲鳴を上げる血まみれの蝋人形。
過酷な拷問に耐える「殉国先烈たちの自主独立への強靭な意志」をより身近に感じることができるようにとのことですが、私には日本人保安官の行った拷問の「残虐性」を強烈に表現しているように思えます。
これを観た子ども達は間違いなく日本という国に怒りを感じ、日本人が嫌いになることでしょう。

見学は約1時間、このツアーに参加した日本JCのメンバーは一様に口数少なく、陰鬱な面持ちでした。

帰る際、歴史館の入り口に小学生の団体が来ました。



「あの子たちも、日本と日本人が嫌いになってしまうのか」
これは果たして両国にプラスになっているのか?
世界平和に貢献しうる次世代を担う子ども達が、こんな教育を受けていて良いのだろうかと疑問に思えます。

平和ボケした日本人である私の認識が甘いだけなのかもしれません。
しかし、心の中で感じる違和感や嫌悪感は、わだかまったままです。

今年、宗像JCでは姉妹JCの韓国・昌原JCと意見交換会を開催しました。
その中で敢えて私から「靖国参拝問題」「竹島問題」「「歴史教育」について言及させていただきましたが、これはまだまだ小さな一歩に過ぎません。

世界平和に貢献しうる組織として、JCIのメンバーたる我々は、「国際親善ごっこ」から脱却して、本音で語り合え、対等に議論できる関係を、韓国のみならず諸外国の人々と築いていかねばならないと思います。

政治家にできないなら、私たち自らが率先して行っていきましょう。

過去の歴史認識や争いの事実はあっても、世界中の人々が通じ合える「心」があれば、未来に向けた新たな関係は築けると信じます。

世界に通じる「心」とは何か?
その答えを見つけるのが日本の青年会議所運動のテーマではないか、私はそう思います。

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2 コメント

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独立門 (2007「誇り」推進議長)
2006-12-01 10:25:59
補足ですが、西大門刑務所の近くに「独立門」というのがあるのですが、そこにも行きました。
そこでガイドさんからの説明には、「日本の統治からの独立を記念して作られた門」と説明がありましたが、本当は「当時清国の属国であった朝鮮が、日清戦争で日本が清国に勝利したことにより、朝鮮国が独立したのを記念して作られた門」なのです。
僕らのグループは池田会頭もご一緒だったこともありガイドさんは会頭に付きっ切りであまりガイドさんの声は聞こえませんでしたが、他のグループは大ブーイングだったそうです。
でも、そこのガイドさんは「あなた方はよく勉強していらっしゃいますね、私が今言ったことは間違いでした。」とすぐに非を認められたそうです。
今回のツアーで日本JCが僕たちに知ってほしかったのは、そういった事実を自分たちの都合のいいように教育しているという事実があるということだそうです。
日清戦争後に締結された下関条約の第1条には「朝鮮を独立国として認めること」とあります。
いいですか?日本は清国と戦争して勝利したあとの条件の一番最初に他国のことを言っているのですよ。
その背景にはいろんな駆け引きがあったのかもしれませんが、日本人は、この日本の美学というか潔さというか、まさに「OMOIYARI」の精神を持った民族ではないでしょうか?
長くなりましたが、現在の日本人は本来もってる日本人としての「誇り」を失っているのでしょうか?それは違います。僕たちは何も失ってません。ただ、ちょっと忘れているだけなのです。忘れているだけなのですから思い出せばいいのです。
2007年度子ども達とともに真の歴史観を確立し、愛国心を醸成していき、真の理想国家を創造し、恒久的な世界平和を目指していきましょう。
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2007「誇り」推進議長さまへ (井上)
2006-12-02 14:20:34
丁寧なコメントありがとうございます。

西大門刑務所と独立門でのガイドの説明には僕も矛盾を感じました。

今年は「品格」という言葉が注目されました。

品格と誇り、武士道精神や道徳心そして美意識。
そんな忘れてかけていた日本の古き良き精神を、
地域や子どもたちと育む運動こそが、
JCの仕事であるかと思います。

大変ですがとても意義のあることです。
共に頑張りましょう!!
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