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ミトコンドリアと放射能そして冷え性(冷え症)・低体温症

2011年12月02日 | 冷え・アレルギー

ミトコンドリアと放射能そして冷え性(冷え症)・低体温症

 福島原発の爆発で飛び散った放射性同位体のヨウ素131とセシウム137。ヨウ素は馴染みのある元素ですが、一般の人はセシウムはまず聞いたことのない元素です。
 セシウムは、ナトリウムやカリウムと同族(第1族)の元素ですから、その化学的性質は似ており、体内で同じような挙動をするものの、ナトリウムやカリウムと違って、体内に蓄積しやすいようで、大変厄介なものと思われます。なんせ、ヨウ素131(半減期8日)と違って、セシウム137は半減期が30年と長く、放射能を出し続けますからね。
 ところが、原発推進派は、セシウムはカリウムと類似しており、自然界にはカリウムの放射性同位体がかなりあり、人が食べ物から取り込んでいる放射性同位体の過半はカリウム40であるから、セシウムの放射性同位体をそんなに怖がることはない、と言います。
 逆に、原発反対派は、人工的に作られた放射性同位体から浴びる放射能は、基本的にゼロでなければならないと主張します。これは、医学的見地から、放射能はどこまでが安全かという閾値(しきいち)はない、つまり少しでも浴びれば、それだけ発ガンの危険性が増えるのだから、極力避けなければならないというものです。
 この議論は平行線をたどるしかないですが、カリウム40が放射性同位体であるからといって、これまでを毛嫌いされてはたまりません。

 なぜならば、細胞核を有する真核生物にとっては、カリウム40という放射性同位体なくしては生存できないからです。
 ヒトの細胞もそうですが、細胞内小器官としてミトコンドリアというものがあります。20億年前までは、全ての生物は、これを持ち備えていなかったようです。ところが、シアノ・バクテリア(核を持たない原始的な単細胞生物)がこの頃から大気中に酸素を放出するようになり、酸素を好むミトコンドリアというバクテリアが勢いを増して、他の単細胞生物に潜り込んで寄生を始めたようです。
 そして、12億年前には、共生関係が成立して細胞合体が起こり、細胞内小器官となったようです。しかし、他の細胞内外小器官(これも最初は寄生から始まったと考えられています)のように融合する段階までは進んでおらず、ミトコンドリアは二重の膜でもって細胞内で隔離されていますし、独自の遺伝子をその中に抱え込んだままです。
 ミトコンドリアは通常の細胞の1000分の1程度の大きさで、1つの細胞内に数百個程度あり、得意技はエネルギーを作り出すことでして、地球上の世界の国々に例えれば、小さな産油国として独立を保ち、わが道を行くといったところでしょうか。

 このミトコンドリアは、いわば原子力発電所です。
 放射能を利用して、エネルギーを作り出す元になる、ATPという有機化合物をじゃんじゃん作ってくれ、これでもって、細胞は様々な化学反応を行い、生命を維持するとともに、体温も作り出します。ヒトの場合、何と、全エネルギーの95%をミトコンドリアに依存しているのです。
 この発電をするのに欠かせないのが、カリウム元素の約8000個に1個存在する、放射性同位体カリウム40です。カリウム40が出し続ける高エネルギーのガンマ線がATPを作り出す化学反応過程で、なくてはならないものなのです。
 ガンマ線が化学反応を起こすなんて聞いたことないと思われるでしょうが、ビタミンDは皮膚において紫外線を浴びることによって合成されるように、電磁波(ガンマ線、X線や紫外線)なくしては化学反応が起きないものはけっこう多いのです。
 また、直射日光で看板が色あせするのも電磁波が引き起こす化学反応によるものですから、ヒトであれば皮膚ガンが起きるのもいたしかたないことです。
 ですから、ミトコンドリアという原子力発電所が放射能で高エネルギーを作り出してくれる一方で、ヒトの細胞は、放射能で内部被曝しているのです。この放射能によって、当然にして遺伝子が傷付くのですが、それを修復して正常化したり、ガン化した遺伝子を細胞ごと破壊するといった機能があらゆる生物に備わっていますから、どってことないです。
 じゃあ、どの程度までの内部被曝なら、その機能つまり自然治癒力が発揮できるのかとなると、生命誕生時やミトコンドリア合体が起きた太古の放射能量から鑑みるに、一般論からすれば1桁上であっても、どってことないと言えましょうが、自然治癒力は常時正常に発揮できるものではなく、大幅に落ち込むことがありますから、自然放射能だけであってもガン化し生命の危機が訪れることがありましょうし、逆に、自然治癒力が高まっておれば2桁上の人工放射能を浴びても、どってことないとなります。
 このように、必要悪のような放射能ですが、ヒトの体内において、放射能を必要とするのは、ミトコンドリアだけのようですから、内部被曝は、天然のカリウム40だけに止まっていてほしいものです。

 ところで、カリウム40の半減期は約12億年です。ミトコンドリアが勢いを付けてきた時代に比べれば、今日、地球上のカリウム40は約4分の1に減っています。さらに約12億年経つと、カリウム40は半分に減ってしまいます。どんどん減っていくカリウム40ですから、ミトコンドリアという原子力発電所の出力が落ちないかと心配になってきます。
 これは遠い将来のことですから、余計な心配であって、何とかなるだろうで済まされますが、今現在、ちゃんとミトコンドリアが発電してくれているか、これに大きく注目していただきたいです。

 近年、冷え性(冷え症)や低体温症がどんどん増えてきています。
 その原因は、過食や運動不足が大きな原因とされていますが、それだけではなさそうです。ミトコンドリアの発電出力そのものが落ち込んでいるように思われます。
 と言いますのは、低体温の方が全身日光浴を繰り返していると、だんだん元気になってくるとのことです。太陽光の赤外線に体を温める効果がありますが、それは一時的なものであって、本質的には紫外線に大きな効果がありそうです。紫外線はけっこう大きなエネルギーを持つ電磁波ですから、これがガンマ線に代わってミトコンドリアの発電に寄与しているのではないかと考えらるのです。実際に、人工太陽でもって、低体温症の治療に当たっておられるお医者さんもいらっしゃいます。

 ここで少々脱線しますが、真夏に海水浴などで長時間直射日光を全身に浴びますと、倦怠感が生じますが、これは紫外線を浴びすぎた影響と思われます。戦前には、強いレントゲン(X線)を浴びると、全身の倦怠感が生じ、これは放射線宿酔と呼ばれていました。そして、長崎の原爆投下で、放射線宿酔と同じ症状が現れたことから、秋月振一郎医師は、あの強い光線は放射線ではないかと考え、放射線宿酔の治療法(強い塩分の補給)でもって対処したら、その症状が消えていき、加えて原爆病の発病が抑えられ、多くの命を救われたとのこと
です。(秋月氏著「長崎原爆体験記」より)
 このように、紫外線とガンマ線はエネルギー量が違うだけで類似した性質を持ち、一定量の紫外線はカリウム40のガンマ線の代替をするようで、ミトコンドリアが何らかの原因で出力低下しているときには、紫外線が出力アップつまりATPの生産に寄与すると考えて良いと思われます。よって、
冷え性(冷え症)や低体温症の方には、先ずは全身の日光浴がお勧めとなります。

 さて、ミトコンドリアの発電出力が落ち込む原因は何でしょうか。
 先ず考えられるのは、酸素を好むミトコンドリアですから、細胞への酸素供給不足が挙げられます。よって、全身くまなく血液循環をスムーズにしてあげれば良いです。
 これによって、冷え性(冷え症)や低体温症が改善する方もいらっしゃいますが、残念ながら、顕著に改善する方はまれですし、逆に症状が酷くなる方もあります。
 これは、十分な酸素供給によってミトコンドリアの発電出力がどれだけかアップしても、末梢血流が良くなったことにより、生産される熱量よりも放熱される熱量の方が多くなってしまうからでしょう。

 本質的な原因は別のところにあり、それは、腸内細菌などの雑菌が全身の細胞に入り込んで寄生し、ミトコンドリアの発電を阻害している可能性が大きいようです。
 酸素を嫌い、ミトコンドリアの助けなしで発電している腸内細菌などの雑菌は、寄生した細胞内にいる、酸素を好むミトコンドリアを毛嫌いするのは当然のことで、何らかの形でミトコンドリアの発電を阻害していると考えられます。
 じゃあ、どうやって腸内細菌が体内侵入を果たし、細胞内にもぐりこんだのか。
 これは、冷たい物中毒と口呼吸の2つのルートがあるとのことです。
 先ず、冷たい物中毒ですが、異常に冷えた飲食物を多量に口にすれば、腸が冷やされて、腸壁のセンサーが運休状態になってしまい、腸内細菌はやすやすと体内侵入できてしまうというものです。次に、鼻から息を吸えば雑菌を殺菌する機能が整っているのですが、口呼吸すると、それが不完全になり、乾いた喉の粘膜から雑菌が体内侵入するというものです。こうして、冷たい物中毒なり、口呼吸が恒常化すると、体中の細胞に雑菌の寄生がどんどん進行し、ミトコンドリアの発電を阻害してしまうというものです。
 これは、元東大講師、西原克成先生の説ですが、数多くの臨床とミトコンドリア研究から生まれ出たものですから、信憑性が高いものと、小生は捉えています。
(2016.9.14挿入追記 注:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わりだけを論文にしていますが、既にその10年前、西原氏は著「究極の免疫力」の中で、腸内細菌が血液中に移行することを様々な疾患との関わりの中で述べておられます。<挿入追記ここまで>
 実は、小生と女房は、数年前の夏に冷たい物中毒がために、秋になって、西原先生がおっしゃる典型的な病症が出ましたし、当店のお客様の中に、明らかに恒常的な冷たい物中毒がために低体温症に陥っていると考えられる例が数多く見られます
から、そのように思われるのです。もっとも、冷えたビールを毎晩ゴクゴク飲んでも、どってことのない、オバケのような健康体の方もお見えでして、何事にも例外があり、そうした方は、よっぽど腸が丈夫に出来ているのではないでしょうか。もう1ルートの口呼吸については、当店のお客様の中には例が少なく、明らかにそうだと思えるのは1名だけです。

 じゃあ、どうやったら寄生した雑菌を退治できるのか、これがポイントになりますが、一筋縄では困難極まり、複合的に様々な対処法を講じなければ不可能なようです。
 取り敢えずは、これ以上症状を進行させないために、冷たい物中毒から脱却することですし、口呼吸を止めることです。
 あとは、このブログのカテゴリー「冷え・アレルギー」の過去記事の中で、対処法をいくつか挙げていますので、そちらをご覧になってください。
 これとは全く別の問題として、ミトコンドリアの毒になる物質があり、それは玄米の胚芽に多く含まれるアブシジン酸です。これは十分に長い時間、玄米なり胚芽米を水に漬けておくことで無毒化できます。
 詳細は、このブログの「玄米VS白米論争」をご覧ください。クリック↓
http://blog.goo.ne.jp/miyakekazutoyo230910/e/bd8208d4c19a7d852f8900cb46146466


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2 コメント

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Unknown (我無駄無)
2015-05-19 23:56:33
「ミトコンドリア、電磁波、エネルギー」でググっているうちに、こちらのページを見つけて、コメントを書いています。

で、なんでこういう検索をしているかというと、ミトコンドリアがある種の進化をすることで、グルコースを必要としなくても、生命活動を維持するためのエネルギーを発生させることは可能ではないか、こう思ったからです。

こういうことを考えるようになったきっかけの一つが、大規模災害であり、その際に食料の確保が困難な場合に、ミトコンドリアが、直接電磁波からエネルギーを生み出せればよいのではないか、こう思ったわけですね。

それで、原発に対する水かけ論はともかくとしても、「カリウム40によるガンマ線を利用して、ミトコンドリアがATPを作り出す」というくだりに、ある種のヒントがあると思います。

ミトコンドリアは通常クエン酸回路をまわしてグルコース(ブドウ糖)を酸化分解して、その際にADP(アデノシン二リン酸)をATP(アデノシン三リン酸)にして、その際に発生する、化学的エネルギーを細胞核に与えていて、その集積が動物の生命活動を維持しているわけですが、その際のカギになるのが、「カリウム40のガンマ線」であるという理解でよいのでしょうか?

あと、日光浴で紫外線を浴びることで、ミトコンドリアの出力がアップするとすると、非常時において日光浴をすることで、食糧不足を乗り切ることも可能かもしれません。

まあ、これは極論ですが。

それと、当然ながら体内に供給される酸素の量が増えれば、ミトコンドリアの出力もアップするので、この場合「呼吸法」がこれまで以上に、重要視されるようになるかもしれません。
ミトコンドリアの働き (薬屋のおやじ)
2015-05-20 09:52:13
ミトコンドリアは単なる発電所と考えていいのではないでしょうか。
そこには燃料がいります。代表的なものがグルコースですが、他に食物繊維が発酵してできた有機酸であったり、脂肪由来のケトン体であったり、タンパク質由来の窒素化合物であったりと、いろんな燃料がATP産生回路に投じ込まれるだけのことでしょう。
そして、燃料の着火剤の1種が強力な電磁波と考えてよいでしょう。
もう一つの燃料が酸素であって、ミトコンドリアは残念ながら電磁波エネルギーを生体維持に必要な化学エネルギーに変換する装置を持ち備えていないと思われます。
なお、日光浴も良い呼吸法も、ミトコンドリアのエネルギー産生回路をよく回すことになりますから、エネルギー生産を盛んにし、つまりカロリー消費を多くする方向に働きますから、食糧供給を多くせねばならなくなります。
小生の知見では以上のようになります。

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