薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報には嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

慢性胃炎:交感神経の高ぶりで胃への血流は2段構えで絞られます

2017年10月12日 | 胃の病

慢性胃炎:交感神経の高ぶりで胃への血流は2段構えで絞られます

 このブログで最近一番アクセスが多いのは2015.3.10投稿の「胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち)」です。あらためて慢性胃炎の方がいかに多いのかを感じています。コメントやメールでの相談もずっと続いています。その後、相談者の大半の方が心因性のものであると気付き、2016.9.24に少々きついですが、「胃の調子が少々おかしくてもヒーヒー言うんじゃない!」と題して記事にしました。これでもって、慢性胃炎は心因性のものであることがご理解いただけたのではないかと思っています。
 しかし、そうであるからこそ、つまり心因性であるからこそ、その治療はたいそう難しいものとなります。安易に心療内科にかかって向精神薬でも飲まされようものなら、慢性胃炎をかえって悪化させた上に、心まで蝕まれてしまう恐れさえ出かねません。

 じゃあ、どうすればいいか。
 容易にはこれといった解決法が出てきませんが、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と申しますように「敵=慢性胃炎」とはどういうものか、「己=生活習慣・精神」はどんな状態にあるのか、まずはこれをしっかり捉えなければいけないでしょう。
 「己=生活習慣・精神」を知るについては、2016.9.24の記事「胃の調子が少々おかしくてもヒーヒー言うんじゃない!」で触れましたから、本稿では「敵=
慢性胃炎」について、別サイドから、どういうものなのかを探ってみることにします。

 慢性胃炎の症状は、説明するまでもないですが、むかつき、吐き気、げっぷ、痛み、膨満感など様々な胃(時には下腹部も)の不快感が、人によっては強弱を伴って全部であったり、一部であったりし、これが恒常的に続いています。
 そして、慢性胃炎は胃下垂(胃の入り口の位置は正常なのですが胃袋が引っ張られて下に伸びている状態をいいます)を伴うことが多いようです。
 胃下垂の原因は、胃での消化が悪くなり、それによって食物が長時間滞留することにより引き起こされるのが一般的で、慢性胃炎と同時並行で起きると言えましょう。

 健全な胃から分泌される胃液は、1日に約2リットルと言われています。
 胃液と一口に言いますが、主成分は次の3つです。
 ・食べ物を殺菌する胃酸(=塩酸)
 ・タンパク質を分解する消化酵素(=ペプシノーゲン:不活性な前駆体であり、これが分泌後に塩酸と反応して活性型のペプシンに変化する)
 ・胃粘膜を守る胃粘液
 胃粘膜は、強い酸性を示す胃酸によって炎症を起こしやすいですし、ペプシンによって胃粘膜も消化されます。よって、急性胃炎で胃袋に穴が空くということも起こります。
 それを防いでくれているのが胃粘液なのですが、食べ物を殺菌・消化するために胃は蠕動運動をしますから、健全な胃であっても不完全にしか防げません。
 よって、胃粘膜はどんどん作り替えられていて、3日もすれば新しい粘膜に入れ替わるようです。この作り替え(新陳代謝)は、夕食を胃で消化しきって胃が空っぽになった後の夜中に盛んに行われ、朝には概ね完了するようですが、十分なエイジング(慣らし、熟成)を必要とし、健全な胃の持ち主にあっても、できれば朝食を抜くと、十分な厚みのある、より健全な胃粘膜をキープすることができます。

 慢性胃炎の方は、胃液のこれら3成分の出が悪くなっていますし、かつ、胃の蠕動運動も弱々しいものになっています。なお、胃粘液の出方が胃酸や消化酵素に比べて相対的に少ないと、胃粘膜を荒らして痛みを強く感ずることになります。

 以上のことからして、慢性胃炎の方は胃全体の働きが極端に悪くなっているのでして、胃が“眠らされている”状態になっています。
 健康な人の場合、たっぷり食事を取ると、動きたくなくなり、眠くなります。これは血液が消化系(特に胃:蠕動運動のため)へ多く送り出され、手足の筋肉や脳への血流がすぼめられますから、特に、脳細胞が酸素不足になって、眠くなるのです。
 ここらあたりの調節をするのが自律神経です。神経は、大きく2分され、随意的な運動を支配する体性神経と不随意運動(意志に基づかない自動的に行われる運動)を担う自律神経があります。そして、自律神経は、交感神経と副交感神経という相反する働きを指示する神経系に分かれ、その絶妙なるバランスでもって正常な生命活動を続けることができるのです。

 さて、ここで全身に張り巡らされている血管と神経の働きを、その生い立ちから眺めてみることにしましょう。
 この地球上に動物が発生してから血管と神経は順次できてきました。動物の体は、その性質によって大きく2分されます。一つは内臓系で、腸管(吸収)・腎管(排出)・血管(循環)の3つで成り立っています。もう一つは体壁系で、外皮(感覚)・筋肉(運動)・神経(伝達)の3つで成り立っています。原始的な動物の場合、そうそう動き回らなくても餌は容易に得られましたから、最初に発達したのは内臓系で、体壁系の発達はどれほどのものもなく、主従関係は、内臓系が主で、体壁系が従でした。これはしごく当然なことで、生きていくためには内臓系をしっかりさせ、餌を獲得する体壁系の機能はどれだけも必要としないからです。
 動物も脊椎動物の発生そして哺乳類の誕生へと進んでくると、餌を得んとする体壁系の運動機能が必然的に発達します。それに伴い、内臓系に属していた血管なのですが、血管からの酸素と栄養を体壁系が求め、血管が内臓系から体壁系へ伸びていき、酸素と栄養が体壁系へも順次回されるようになります。これだけに止まらず、餌を獲得するための神経が発達するに伴って、神経は内臓系にも伸びていき、先ずは血管を支配し、より多くの酸素と栄養が体壁系に回されるよう操作するようになります。次に、腸管・腎管を神経が支配し、吸収・排出の働きをコントロールするようにもなったのです。
 こうして、主従関係が逆転したのですが、正常な生命活動を続けるためには、この状態は危うい力関係です。動物がすこやかに生きていくためには、やはり内臓系が健全なのが基礎になりますからね。哺乳類に至って、いつしか主従関係が逆転してしまった原因としては、餌が容易には得られない厳しい環境がきっと恒常化したからでしょうね。

 そもそもの起源が体壁系にあった神経ですが、今ではヒトに顕著ですが自律神経が体全体を支配し、様々な臓器、器官の働きをコントロールするようになってしまいました。
 神経は、本来、“餌を見つけた!筋肉を動かして捕りに行こう”とか“天敵が来た!筋肉を動かして逃げよう!”という体性神経だけで十分であったのですが、これだけでは発見が遅れるし、取り逃がしたり捕まってしまうからと、感覚を研ぎ澄ませ、俊敏な動きが可能となるよう、より濃密に酸素を外皮(感覚)・筋肉(運動)に供給するために、つまり、血管を操作して内臓系への血流を絞り込み、体壁系への血流を十分に確保する働きを担う自律神経わけても交感神経を発達させたと言えましょう。
 元々内臓系であった血管は、こうして自律神経わけても交感神経によって完全に支配されます。副交感神経が働くのは、獲物がたっぷり獲れたときや天敵から逃げおおせたとき、つまり満足感や安心感があるとき、リラックスして楽しいというとき、ということになります。そうしたときは、交感神経を高ぶらせる必要がないですからね。

 ここで、表題にしました「交感神経の高ぶりで胃への血流は2段構えで絞られます」について説明しましょう。
 心臓から送り出される動脈血は、先ずは体壁系3系統の大動脈に流された後、下行大動脈となって内臓へ向けて送り出されます。前者が体壁動脈であり、後者が内臓動脈です。この分岐点あたりで、どちらに多く血液を送るかが交感神経節によって調節されます。下行大動脈は順次枝分かれして各内臓に供給されるのですが、その中で胃袋へ行く腹腔動脈にあっては、その分岐点で血流の絞込みを強烈にする機構ができています。腹腔動脈入り口の左右に大きな塊=腹腔神経節があり、それが血流の絞込みを行うのです。なお、こうした神経節は、腹腔動脈に続いて枝分かれする上腸間膜動脈(主として小腸へ)、その下の下腸間膜動脈(大腸へ)、腎動脈(腎臓などへ)にも用意されていて、必要に応じて交感神経節が血流の絞込みを行っています。

 このように、胃への血流は2段構えで絞られますから、交感神経の高ぶりが延々と続くとなると、胃への血流は極端に絞られ続けることとなり、食べ物が胃に入ってきても消化はままならず、長時間滞留するしかなくなるのです。
 胃を健全にするには、まずもって胃への血流を大きくしてあげて、血液中にたっぷりある酸素でもって胃の機能を正常化させ、つまり、胃液の分泌を盛んにさせ、胃粘膜の新陳代謝を促進させねばなりません。
 そのためには、交感神経の高ぶりを鎮めないことには何ともならないのです。
 そして、胃の蠕動運動を盛んにしてあげる必要があるのですが、これには、胃への血流を大きくしてあげることのほかに、休みっぱなし、抑えられっぱなしの副交感神経をよく働くようにしてあげるしかありません。
 交感神経は「闘争と逃走の神経」とも呼ばれています。ストレス社会にあって仕事や家庭で大きな悩み事を抱え続けていると、日夜「闘争と逃走」の状態にあり、ずっと交感神経優位の状態になってしまい、眠っている時間帯でさえ熟睡できず、夢見も悪く、副交感神経は抑えられっぱなしになっています。

 どうしたらいいか。
 つまるところ、自分で心のケアをするしかない、ということになります。リラックスして楽しい気分になれば、交感神経は抑えられ、副交感神経が働き出すのですからね。
 なお、小腸や大腸への血流は、胃ほど強くは絞られないようですが、血流の絞り方は胃と同様に2段構えになっていますから、消化吸収が滞りますし、大腸の蠕動運動が不十分となって便秘がちになったりします。
 交感神経が高ぶりやすい方は性格によるところが大きいようで、ベテランの解剖学者、三木成夫氏(故人)は、「屍体解剖してみますと、交感神経系が非常によく発達している人と、あるかないかわらない人と、これくらい個人差の甚だしいものはありません。」 とおっしゃっておられます。
 でも、あきらめる必要はありません。心の持ち方は訓練次第でいくらでも変えることができ、副交感神経優位の生活を楽しむことも可能なのです。
 このブログのカテゴリー「心に安らぎを」「心に安らぎ・トイレ掃除」「心の病からの脱却」「笑い話&回文物語」をお暇な時間にお読みになってください。 

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24節気の健康と食養:寒露から霜降まで

2017年10月07日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:寒露から霜降まで

 秋分の次にやってくる24節気が寒露で、毎年10月8日頃(2017年は10月8日)になります。朝は冷気により寒々とした露がたくさん結ぶようになります。秋もいよいよ本番となります。1年で一番過ごしやすい時期ではないでしょうか。
 
でも、日中に汗をかいて日が落ちるとスコッと肌寒く感じて風邪を引いいてしまう、ということになりやすいですから、十分に用心なさってください。

 さて、前回(秋分)で申しましたが、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」で、秋本番となっても残ることが往々にしてあります。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることが多いです。
 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前々回紹介しました秋刀魚(サンマ)、前回紹介しましたイワシが旬になっています。焼き魚にして脂を切ってはらわたや骨まで食べるのが理想的です。もっともサンマの場合は骨は硬いですから焼き直す必要がありますが。
 野菜を多く摂ってミネラル不足を解消するのが一番ですが、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、不十分になりがちです。まだ夏バテしている方は総合ミネラル剤で不足分を充足させる必要がありましょう。

 本格的な涼しさの訪れとともに食欲がぐんと出てきます。食欲の秋の到来です。馬肥ゆる秋です。前回(秋分)にも申しましたが、四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。
 ただし、冬になったら、そして夏も、腹八分かそれ以下にすべきですが。
 参考までに、飽食して太ったらその後はダイエットして一時的に痩せると健康にとてもいいです。それはどうしてか。「
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」をご覧ください。

 この時期、小生が魚釣りに行った帰りに買い求めるのが「サバの浜焼き」です。サバのうち「マサバ」は日本近海で獲れる代表的なサバの種類。「秋さば」「寒さば」などと呼ばれるように、秋から冬にかけてが脂がのり、美味です。串刺しし、脂を切るため斜めに立てて炭火でじっくりと焼いた「浜焼き」ほど美味しいものはありません。でも、この正統な焼き方はほとんど姿を消してしまい、残念です。味が落ちます。
 ところで、“秋サバは嫁に食わすな”ということわざがあります。2説ありますが、ここは、“サバは非常に痛みやすいものだから食中毒でも起こしたらお腹の子にさわる”ということにしておきましょう。詳しくは、「秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!」をご覧ください。

 気象は、これも前回(秋分)にも申しましたが、カラッとした大陸の空気が入り込むことが恒常化し、空気は乾いています。秋の臓器は肺で、肺は乾燥を嫌います。肺に潤いを与えてあげねばなりません。それには、食が大いに関係します。もっとも重要なのが「辛味」で、これが肺を潤してくれます。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 畑では露地物のピーマンやシシトウの収穫がピーク終盤となり、これからの時期は昔であればピリッと辛いピーマンやシシトウが多くなったのですが、今はすっかり品種改良されてしまい、これら皆、辛くないものばかりになりましたから、残念です。食卓に乗った料理には、唐辛子なり胡椒を気持ち多めに振りたいものです。
 また、これから旬となったショウガが採れはじめますから、料理に使いたいものです。
 そして、これも前回(秋分)で申しましたが、秋はカレーライスの季節です。この時期、辛いカレーライスがますますおいしく感じられます。でも、過ぎたるは及ばざるが如しでして、激辛は度が過ぎて肺を痛めつけることになりますから、ほどほどになさってください。
 ところで、カレーに入れる肉は、鶏、豚、牛、羊といったものがあげられますが、お年寄りの場合は牛、できれば羊がおすすめです。というのは、肉に含まれるカルニチンの量がこの順番でぐんと多くなるからです。カルニチンは、エネルギー代謝向上のほか「脳力」アップにとてもいいものです。詳しくは別立てブログの『アミノ酸誘導体「カルニチン」に意外な効能あり、それは「脳力」アップ』をご覧ください。

 果物では、梨、ブドウ、イチジクが終りかけ、これから旬となるのが柿です。
 “柿が赤くなれば、医者が青くなる”という言葉がありますが、トマトやリンゴも同様に言われます。それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょうが、毎日ほどほどの量を、ということになりましょう。特に、柿は冷性の食品ですから、食べ過ぎると体を冷やしますので、ご用心を。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 夏野菜は、もうほとんどが終わりますが、秋ナスが今しばらく収穫できそうです。そして、
 ピーマンは収穫量が減ってきますが、11月半ばまで収穫が続きます。
 
秋冬ニンジンの収穫が始まります。
 9月に時差種蒔きした大根の選り葉が順次収穫できています。
 そして、昨年から栽培に取り組んでいるショウガが収穫できるようになります。
 果物は柿の木がありますが、ここ3年、ヘタムシの被害が長期化し、大半が落果してしまい、収穫できるのは何とか自家消費する分だけになってしまいました。

 次回は、「霜降」(10月23日頃)の健康と食養です。

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首・腰タオル枕健康法(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.272)

2017年09月27日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.272:2017年9月25日発行
表題:首・腰タオル枕健康法

副題:1日5分、畳の上で横になるだけで体のゆがみを治す

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。 

 

(裏面)瓦版のボヤキ
    果樹栽培は欲を出さないこと

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24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

2017年09月22日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

 白露の次にやってくる24節気が秋分で、毎年9月23日頃(2017年は9月23日)になります。これより夜が昼より長くなる(厳密には異なりますが)のですから、秋も本番となります。「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。過ごしやすい季節の到来です。
 
でも、朝晩は肌寒く感じ、風邪を引きやすくなってきますから、用心なさってください。
 (秋の彼岸:秋分の日を中日(ちゅうにち、おちゅうにち)といい、その前後3日間、計7日を言います。)

 さて、前回(白露)で申しましたが、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」です。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることが多いです。
 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前回紹介しました秋刀魚(サンマ)が旬の真っ只中となり、新鮮なものならミネラルたっぷりのはらわたも美味しく食べられます。しかし、ここ4、5年前から、中国、台湾、韓国の超大型漁船が日本の排他的経済水域外側の公海でゴッソリとサンマを捕獲してしまったり、海流の変化があったりして、三陸沖へ戻ってくる十分な大きさがあって脂が乗ったサンマが随分と減ってきています。サンマがだんだん高級魚になって、庶民の口に入りにくくなり、まことに残念なことです。
 サンマのほかに、秋はイワシが旬になっています。脂の乗ったイワシの丸干しを焼いて、脂を切って、丸ごと全部食べるのがベストです。ミネラル補給にとてもいいです。なお、青背の魚の脂(オメガ3)が体にいいからといって、残さず脂を全部摂るのは考えものです。油脂の摂取はバランスが重要で、高レベルでバランスを取るのではなく、低レベル(少ない摂取量)でバランスを取りたいものです。
 野菜を多く摂ってミネラル不足を解消するのが一番ですが、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、不十分になりがちです。夏バテした方は総合ミネラル剤で不足分を充足させる必要がありましょう。

 夏バテせず、あるいは夏バテが解消すると、本格的な涼しさの訪れとともに食欲が出てきます。食欲の秋の到来です。馬肥ゆる秋です。
 四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。
 ただし、冬になったら、そして夏も、腹八分かそれ以下にすべきですが。
 参考までに、飽食して太ったら、その後はダイエットして、一時的に痩せると健康にとてもいいです。それはどうしてか。「
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」をご覧ください。

 気象は、秋雨前線が終わり、カラッとした大陸の空気が入り込むことが恒常化し、空気は乾いてきます。秋の臓器は肺で、肺は乾燥を嫌います。肺に潤いを与えてあげねばなりません。それには、食が大いに関係します。もっとも重要なのが「辛味」で、これが肺を潤してくれます。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 この時期、露地物のピーマンやシシトウの収穫がピークとなり、ピリッと辛いピーマンやシシトウが求められるのですが、すっかり品種改良されてしまい、これら皆、辛くないものばかりになりましたから、残念です。食卓に乗った料理には、唐辛子なり胡椒を気持ち多めに振りたいものです。また、これから旬となるショウガが採れはじめます。
 そして、秋はカレーライスの季節です。この時期、辛いカレーライスがますますおいしく感じられます。でも、過ぎたるは及ばざるが如しでして、激辛は度が過ぎて、逆に肺を痛めつけることになりますから、ほどほどになさってください。

 果物では、梨が終りかけ、ブドウはマスカットが旬となり、イチジクが今しばらく続いています。食味は梨が寒性で食べ過ぎると体を冷やしますが、ブドウとイチジクは平性で、さほど体を冷やすものではないです。食欲の秋ですから、食後に何かこうした旬の果物を少々いただきたいものです。
 これからの時期、体を冷やす(寒性の食べ物)ことで有名なのが「秋ナス」です
。“秋ナスは嫁に食わすな”ということわざがあります。2説ありますが、ここは、姑が秋ナスの調理を嫁に任せて諭した言葉、“もうじき、お腹に子が宿るじゃろうよ。秋ナスは体を冷やしてしまうから、子にさわる。食べるのは遠慮しときなされ。”ということにしておきましょう。
 詳しくは、秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!をご覧ください。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 夏野菜は、もうほとんどが終盤となり、オクラが今しばらく収穫できるくらいです。
 ただし、秋ナスは寒露の頃まで収穫が続きそうです。
 ピーマンはとても足が長く、夏秋野菜と言え、11月半ばまで収穫が続きます。
 
これから旬となる秋冬ニンジンの収穫が始まります。
 9月に種蒔きした大根の選り葉が順次収穫できるようになります。
 果物ではイチジクが3本ありますが、若木1本を残して2本とも枯れてしまい、収穫も終わってしまいました。残念です。

 次回は、「寒露」(10月8日頃)の健康と食養です。

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24節気の健康と食養:白露から秋分まで

2017年09月06日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:白露から秋分まで

 処暑の次にやってくる24節気が白露で、毎年9月7、8日頃(2017年は9月7日)になります。大気が冷えてきて露が多くでき、白色となることから、白露と呼ばれます。
 残暑を感ずることは大幅に減り、乾いた涼しい風が吹き、秋になったことを実感できるようになります。また、白露から秋分にかけて夜は一晩ごとに涼しくなるとも言われ、本格的な秋の訪れを感ずるようになります。

 この時期になりますと、時に朝晩の急な冷え込みがありますから、風邪や下痢から身を護るため、身体を露出した服装は避けたほうがいいことになりましょう。
 一方で、日中30度を超えるような暑い日もあり、まだまだ冷たい物を欲することが多いです。
冷蔵庫で冷やし過ぎた飲食物の摂取は、24節気の食養で再々記事にしていますが、「冷たい物中毒」の恐れがあり、要注意です。暑いときは暖かいお湯がおすすめなのは当店新聞で解説したとおりです。→ 暑い時期はお湯を飲むべし(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.271)

 さて、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」です。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることも多いです。

 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前回(処暑)紹介しました、そろそろ旬になる魚、秋刀魚(サンマ)が白露の頃から本格的に出回ります。スタミナ食にもなるサンマですから、この時期大いに食していただきたいですし、新鮮なものであれば、はらわた、これはミネラルたっぷりですから、これも食べていただきたいです。
 なお、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、夏バテした方は総合ミネラル剤をお飲みになることをおすすめします。

 涼しさの訪れとともに食欲もだんだん出てきます。食欲の秋の到来です。
 前回(処暑)紹介しましたが、
野菜では立秋以降が旬となるカボチャが一押しです。保存が利き、栄養価が高いですから、大いに食していただきたいです。
 それ以外の野菜となると、皆、夏野菜の類となりますが、ピーマンやシシトウがピークとなります。これも前回説明しましたが、秋には辛味の食材を大いに食していただきたいですから、ピリッと辛いシシトウなどが求められます。

 果物も夏物の晩生のものとなりますが、この時期に多く出回るものがあります。
 梨は旬が続いており、食味は寒性で、体を冷やしますから、食べすぎには注意したいですが、体を潤してくれますから、この時期の食後のフルーツに最適でしょう。
 イチジクは旬が長いですから秋果の最盛期となり、出回っています。女性ホルモン様成分を含むことから更年期障害にいいですし、食物繊維は不溶性と水溶性の両方ともたっぷり含まれ便秘にいいです。一言で申せば「女性保健薬、それはイチジク」なのです。

 海産物では、前回紹介しましたが、やはり旬の魚、秋刀魚(サンマ)がいいですね。
 そして、カツオです。三陸沖で捕れる戻りカツオが旬となります。北の豊かなプランクトンを食べて肥え、脂がのっていて美味しいです。カツオのタタキが一般的ですが、薬味をたっぷり添えたいです。刻みネギ、ミョウガ、青シソに、おろしショウガとおろしニンニクです。具沢山といわれるほどに薬味をたっぷり添えると、美味しくもあり、野菜もたっぷり摂取できるというものです。うちでは、こうした食べ方をしています。

 またまた前回の繰り返しになりますが、立秋以降、体は秋モードに変化しています。その秋は、五臓では肺の季節。肺が活動的になります。その肺が好む味が辛味です。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 この時期、まだまだ暑いですが、熱いカレーライスを食べるのもいいです。汗をかくほどに熱いカレーライスは、冷えた胃を温めてくれますから、初秋の料理としては効果的です。そして、料理には意識的に唐辛子を振っていただきたいです。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 夏野菜は、もうほとんどが終盤となり、終ったものも多いです。なお、カボチャは納屋で備蓄していますが、今年は夏の長雨で腐りがくるものがけっこうあります。
 キュウリは足が短く、時差栽培の最終第3弾が盛りとなりました。十六豆(十六ササゲ)第2弾はほぼ終ってしまいましたが、第1弾が大復活し、しばらく高収穫できます。
 ナス(白ナス・紫ナス)は足が長いですが、随分と生りが悪くなってきました。紫ナスは白露が過ぎたら枝を大きく切り払い、秋ナス仕立てにし、長期収穫を目論見ます。
 
ピーマンは、これから収穫がピークとなります。 
 オクラ、ゴーヤは、遅植えにつき、まだまだ収穫が続きます。
 枝豆を時差栽培していますが、最終第3弾の収穫が続いています。
 薬味として、ミョウガと大きく生長した青シソがあり、これはまだまだ収穫できます。
 てんぷらに添える夏大根を栽培していますが、今年は失敗し、ほとんどダメです。
 果物ではイチジクがまだ採れていますが、3本中2本が枯れてしまい、小木1本だけですから、どれだけも採れません。

 次回は、「秋分」(9月23日頃)の健康と食養です。

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