薬屋のおやじのボヤキ

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冬の土用、季節の変わり目。土用は甘味。でも、重労働するときだけ。

2017年01月17日 | 漢方五季の食養

冬の土用、季節の変わり目。土用は甘味。でも、重労働するときだけ。

 季節が目まぐるしく変わる漢方の世界。四季の変わり目に18日間程度の「土用」が入りますから、細かく分けると、8季に区分されます。
 立冬(11月7日頃)に始まった冬は、1月16日頃に終わり、1月17日頃から大寒(1月20日頃)を挟んで立春(2月5日頃)の前日(節分)までが「冬の土用」です。
 2017年は、1月18日から2月3日までが、冬の土用になりです。
 夏の土用(7月19、20日頃から立秋(8月7日頃)の前日まで)も大暑(7月23日頃)を挟んでいて、この2つの土用は寒暑が一番激しい時期になります。一方、春の土用は4月17日頃から立夏(5月5日頃)の前日まで、秋の土用は10月20日頃から立冬(11月7日頃)の前日までと、1年で一番気候がよい時期に当たります。
 年4回訪れるこの土用、たいていは「土(つち)」に「用(よう)」がある時期です。春は夏野菜の定植、夏はネギの本伏せ、秋は稲刈りといった具合に農繁期です。
 冬の土用の農作業としては、畑の「寒起こし」があります。畑を粗起こししてやりますと、ある程度の深さまで空気が十分に入り込むようになり、越冬していた虫や卵が氷点下の気温にさらされ、死滅します。よって、この時期も農作業に勤しむことになります。

 こうして、冬にあっても土用には、土の湿気を浴びながら重労働を強いられ、食事の量が増えます。各土用ともに漢方の世界では「脾(ひ)」の季節です。
 脾は「消化吸収の要となり、水分代謝を調節する役割を担う働き」を指し、脾に密接な臓器は胃とされています。
 よって、「消化吸収・水分代謝」に気を付けねばならないことになります。
 まず、消化吸収ですが、重労働で大食しかねませんし、忙しいからと早食いになりがちです。これでは胃に負担が掛かり過ぎ、この時期、胃が高ぶっていて、胃を壊す原因になりますから、くれぐれもご注意を。
 ゆっくり、よく噛むしか方法はなさそうです。これで大食いも防げます。
 次に、水分代謝ですが、のどが渇いても水分補給は控えめにしたいです。水分補給し過ぎると、汗をほとんどかかない時期ですから、水が体内に溜まりがちとなり、脾に負担が掛かり過ぎます。冬に働く「腎」も水分代謝に関わる臓器ですが、土用の頃には、その機能も落ちてきてますから、水分補給は慎重にせざるを得ないのです。

 さて、冬の土用食ですが、各季の土用と同じとなります。
 ただし、重労働をすることが前提となります。
 注目すべき五味ですが、脾が欲しがるものは、甘味で、それに塩味を足し、辛みを添えれば満点です。この三味の組み合わせ<主:甘味、従:塩味、添:辛味>が肝腎です。
 甘味とは、砂糖を使った饅頭などを指すのではなく、よく噛んで甘味を感ずるものをいうと考えてください。ご飯がその代表的なものです。そして肉(魚を含む)です。
 例えば、夏の土用であれば、ウナギのかば焼き(甘味と塩味)に山椒(辛味)を添えます。秋の土用であれば、焼きサンマ(甘味と塩味)に大根おろし(辛味)を添えますし、焼きサバ(甘味と塩味)に生姜(辛味)を添えます。
 これと同様にすればよいのですが、重労働といっても、夏や秋に比べれば、どれほどのこともないですから、仕事が一区切りついたときに「甘酒」を飲むのがベストでしょう。
 酒粕(甘味)に少々の塩を加え、これで甘味が引き立ちます。そして、おろし生姜(辛味)をほんの少し加えます。これで、不思議と深みのあるうまさが出ます。
 これでは足りないとなれば、食事のときに甘味(よく噛んで甘味を感ずるもの、つまり、ご飯)をお代わりしていただき、塩味と辛味のあるものをおかずにされるとよいでしょう。例えば、辛子明太子です。
 この三味の組み合わせ<主:甘味、従:塩味、添:辛味>は、何も土用に限らず料理の基本になりますから、知っておいてください。
 残りの2味は、酸味と苦味です。
 各土用とも酸味を避けたいです。苦味はほどほどであれば問題ないです。

 あと半月もすれば、立春です。日が長くなり、暖かさを感じるようになりましょう。
 それまでの一番寒い土用の時期を、甘酒でも飲んで体調を整えてください。
 風邪、インフルエンザも、この季節の変わり目が要注意となりますからね。
 

(関連記事)
 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。
 24節気の健康と食養:小寒から大寒まで 
 24節気の健康と食養:大寒から節分まで

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困ったあ~、返事が差し上げられない。

2017年01月15日 | よもやま話

 このブログでも健康相談を受け付けているのですが、今日届いたこのブログの「メッセージ」からの相談者は、メールアドレス欄が空白で、ご返事の差し上げようがありません。
 この記事が目にとまりましたら、再送信をお願いします。

 ・メッセージを送信した人 S様
 ・件名 高血圧で悩んでいます

 gooブログの「メッセージ」は、匿名で何かを伝えたいときはメールアドレス欄を空白、送信者がわかっていい場合はメールアドレス欄に打ち込む、という方式が取られています。
 今まで数多く匿名メッセージが届いていますが、なかには健康相談の場合もあり、「困ったあ~、返事が差し上げられない。」となっちゃいます。

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24節気の健康と食養:小寒から大寒まで

2017年01月04日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:小寒から大寒まで 

 小寒(1月5、6日頃:2017年は1月5日)は本格的な冬の訪れで、寒さはこのあとの24節気「大寒」(1月20日前後)以降に最も厳しくなります。ちなみに当地岐阜(濃尾平野の奥地)の気温(岐阜気象台観測値:平年値)は、小寒の日には平年値で最高気温9.1度、最低気温0.8度でして、最も寒くなる1月終わり頃の最高気温8.5度、最低気温0.0度に比べてまだ幾分高めです。これは全国的な傾向です。

 さて、日本では、小寒というと、正月休みが終って仕事始めの時期と重なります。
 年末年始に毎日ご馳走を食べまくり、胃も腸も相当疲れていて、胃もたれ、便秘などの胃腸障害を訴える方が多くなりますし、この頃に検診を受けると食後高血糖(過血糖)で糖尿病の疑いありとなったりします。

 よって、小寒の食養としては、何よりも小食にし、「胃腸に負担を掛けないものを少量」ということになります。朝食をとられるのであれば「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしょうね。お昼は軽くうどんかソバ。夕食はお節料理の残りを少し入れた味噌おじや、といったところでしょう。おじやには冬野菜の大根や小松菜などをたっぷり入れたいものです。
 季節は冬ですから、腎が喜ぶ塩味を楽しみたいです。詳細は「 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。 」で書いていますが、ここではその概要を述べます。
 ところで、高血圧防止に減塩すべきなどと言われていますが、これは大きな間違い。(参照 → 塩を摂りすぎると高血圧になる?心配ご無用!…) 
 塩味は、おいしいと感じる程度に楽しめばいいのです。その点、味噌料理や後から述べます漬物は冬期には望ましいものです。
 そして、冬野菜や味噌・塩は身体を温める食品ですから、この時期に最適です。
 お節料理が片付けば、味噌料理ばかりではなんですから、野菜たっぷりの湯豆腐でもいかがでしょうか。あるいは魚の切り身や魚肉のつみれを少々入れた魚すき鍋です。
 こうした食事でもって胃腸の元気を取り戻してあげてください。

 5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため冬は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせを最適としています。
 その代表的なものが、冬場の保存食である漬物です。当然に塩味が利いていますし、発酵して酸味があります。足りないのが苦味ですが、カブ(特に葉っぱ)は苦味食品ですし、ユズやスダチの皮が苦味食品です。高級料亭ではさりげなくこれらの皮が添えられていますよね。こうすると漬物の味も良くなるのです。
 なお、苦味食品は健胃薬にもなりますから、苦味食品に分類されるゴボウ(不思議と味噌に合います)、春菊(煮すぎてはダメ。しなーっとなったら直ぐ食べればおいしい)も意識して摂取したいものです。
(注:場合によって、ゴボウは「辛味」「酸味」、春菊は「辛味」「甘味」に分類されることもあります。)
 4つ目の味である唐辛子などの辛味は、お好みでとっていただいてよいです。
 しかし、5つ目の味である甘味を付けるのは避けたいです。冬の時期は、腎に悪影響する甘味を極力抑えるのが漢方養生法です。

 冬の時期に甘味を抑えるということは、摂取カロリーを思い切って減らしなさいということです。身体をあまり動かさない冬場は、炭水化物(噛めば唾液で消化されてブドウ糖となり甘く感じる)と肉(噛めばうまみ成分のアミノ酸が出てきて甘味を感じる)の摂取をうんと減らし、体重が減るぐらいがちょうどいいのです。

 そこで、おすすめしたいのが朝食抜きです。朝食をさきほど例として示した「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしばらく我慢し、それに慣れたら量を半分、これにも慣れたら一口だけ、といった塩梅で進めて、最後は朝食抜きにするのです。
 朝食を抜くなんて身体に悪い、と一般に言われていますが、それは逆です。
 (参照 → 朝食有害論の歴史的推移

 なお、時期は冬で腎の季節、塩気が必要ですから、朝、白湯で梅干を1粒いただきましょう。小生がもう10年以上前から実行している健康法です。皆さんにもおすすめ。

 さて、昨年一年間にわたって記事にしてきました「24節気の食養」ですが、今年は「24節気の健康と食養」に改題し、節気おりおりの健康についても紹介することにしました。
 そこで、今季はノロウイルスについて取り上げることとします。
 今冬は例年以上にノロウイルスが暴れているようで、要注意です。
 ピークは毎年12月頃から2月頃になり、症状としては吐き気・嘔吐や下痢、腹痛などがみられ、発熱は軽度で、多くは1日から2日で改善しますが、ときに長引くことがあります。
 昔は、胃腸風邪と言われることが多かったです。
 対処医療法的に吐き気を止める薬や下痢止めを使いたくなりますが、これではノロウイルスを胃腸の中で増殖させることになり、逆効果です。出すものは出すしか手がありません。そして、水分補給だけにし、食を断つことです。あとは自然治癒力でもってノロウイルスを殲滅(せんめつ)するしかないのです。
 つまり、免疫力が高ければ、感染しても発症しなかったり、軽い発症で終ったり、早く治癒したりするのです。ノロウイルスに対する免疫力は特徴的なものがあり、腸免役が高ければ容易に対応できます。つまり、腸内環境が良ければいいのです。
 これについては、順天堂大学大学院医学研究科(2011年5月10日)の報告があります。その要旨は「介護老人保健施設に入所する高齢者にラクトバチルス カゼイ シロタ株を含む発酵乳を飲用してもらった結果、感染性胃腸炎(ノロウイルスによることを確認)に起因する発熱症状を緩和する効果を確認しました。」というものです。その詳細は、「ノロウイルスを原因とする感染性胃腸炎の発熱症状に対する乳酸菌飲料の軽減効果を確認」で報告されているのですが、ざっくばらんに申せば、“ヤクルトを毎日飲んでいると、ノロウイルスに感染しても治りが早い”というものです。
 “だからヤクルトを毎日飲むといい”となるのでしょうが、そんなことをしなくても、今からの時期には食養について先に申しましたように、野菜たっぷりの雑煮であったり、味噌おじやであったり、そして漬物(植物性の乳酸菌が特に効果的)を毎日食せば腸内環境はグーンと良くなりますので、これに勝る対処法はないでしょうね。
 なお、ノロウイルスにやられてしまった場合に良く効く漢方薬があります。それは「柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)」です。長引く風邪にも効きますから冬季は1箱常備されるのをおすすめします。

 最後に、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 畑では各種の冬野菜がいきいき元気にしています。毎日幾種類も食卓にのぼります。
 また、畑の際に1本あるユズも何かと使わせていただいています。
 冬野菜で底をついたのはカリフラワー。そして、今季は昨季ほどではないですが、カブが不作でまもなく収穫終了となり、漬物は白菜漬ぐらいになってしまいます。
 なお、ゴボウは栽培していませんが、ゴボウの特徴的な成分「フラクトオリゴ糖」(これはすぐれものです)をゴボウの3倍も含むヤーコン芋をたくさん作付けし、毎日のように料理に入れています。ヤーコン芋は、そのフラクトオリゴ糖の働きで整腸効果抜群。ヤーコン芋の大半を当店のお客様に差し上げているのですが、お通じが良くなったと大好評です。参考までに、ヤーコン葉は糖尿病改善にとてもいいです。

 次回は、「大寒」(1月20日前後)の健康と食養です。ご期待ください。

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2017年 新年にあたって

2017年01月01日 | よもやま話

 明けましておめでとうございます。
 本年も当ブログのご愛読のほどよろしくお願いします。
 今年の干支は酉(とり)です。その昔、干支を覚えやすいようにと、酉には鶏(にわとり)が当てられたようです。そして、酉は、酒壷の象形文字のようで、意味としては「果実が極限まで熟した状態・酒熟して氣が漏れる状態」とのことです。
 偶然にも、11月19日に投稿した「老い、赤秋に生きる」の本質と同じです。今年は“熟しましょうぞ!”といきたいものです。 
 一方、鶏は人に時を報せる動物ですから、人の生活を正してくれますし、また、
「とり」は「とりこむ」ことになり、商売には縁起がよいものとなります。
 当店の売上も昨年で底を突いた。今年は増収増益!といきたいものです。

 さて、当ブログを立ち上げて早7年目に入り、お陰さまで読者も増え、昨年暮れにはトータル訪問者数が200万人を突破しました。改めてご愛読のほどお礼申し上げます。
 そして、記事数も413本とかなり多くなってきてはいます。しかしながら、今年は、ついにネタ切れ状態に陥りそうで、新規の記事はどれだけも書けそうにありません。
 今までの記事に、新たな知見を追記したり、訂正したり、といったものになりそうです。
 昨年は、シリーズで「24節気の食養」を書いてきたのですが、今年の新企画は何もなく、それを若干補充した「24節気の健康と食養」と題した改訂記事ぐらいになりそうです。

 読者の皆様のご期待に沿えず申し訳ありませんが、数えで70歳になった小生ゆえ、今年は「酉=果実が極限まで熟した状態・酒熟して氣が漏れる状態」でもありますので、しばし充電し、今後はじっくりと「赤秋」の趣を味わうなかで、このブログの充実を図ってまいりたいと思っております。

 末筆ながら皆様方のご健康とご多幸を陰ながらお祈りいたしております。

 

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いくつになってもやることがある人生を(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.263)

2016年12月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.263:2016年12月25日発行
表題:いくつになってもやることがある人生を

副題:ベテランの高齢医師がおっしゃる「治すのは患者の心」

(表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。

(裏面)瓦版のボヤキ
表題:老い、赤秋に生きる
    11月19日、このブログで投稿したものの要約版です。

 

 

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