薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報には嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

セロトニンとメラトニンを十分に出す生活習慣を

2016年06月28日 | 心に安らぎを

セロトニンとメラトニンを十分に出す生活習慣を

 近年ますます注目されるようになってきた「セロトニン」と「メラトニン」です。
 一言で言えば、「幸せホルモン」セロトニン、「睡眠ホルモン」メラトニンです。
 ともに重要でありながら不足がちなホルモンです。なお、セロトニンからメラトニンが作られ、どちらも加齢により分泌量が減っていくと言われています。

☆セロトニン
 脳内では、
三大神経伝達物質(広い意味でのホルモン)である「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「セロトニン」がバランスをとって働いています。
 ノルアドレナリンは、神経を興奮させ、やる気や意欲を高める反面、不安、恐怖、緊張といった感情を引き起こします。別名「怒りのホルモン」と言われ、
「ストレスホルモン」の一種です。
 
ドーパミンは、快感を引き起こし、やる気を出させ、学習能力、運動機能、記憶力をアップさせる「報酬系」と言われる神経伝達物質です。
 セロトニンは、精神面に大きな影響与え、心の安定や心の安らぎなどに関与することから「幸せホルモン」と呼ばれます。セロトニンが十分に機能していると、精神が安定し、不安になりにくく、穏やかになり、幸福感が続きます。逆に不足したり機能しなくなると、鬱病や慢性疲労症候群のような症状を引き起こすようです。
 そして、
セロトニンは、他の2つの神経伝達物質のブレーキ役も担当しています。よって、セロトニンが不足すると、暴力的(キレる)になったり、暴走することもあるようです。
 なお、セロトニンは脳幹の縫線核という場所で合成されますが、メラトニンは別の場所である松果体(松果腺)でセロトニンを化学変化させて作られます。

 そのセロトニンは、脳内で作られるだけではなく、その数十倍もの量が腸で作られるのですが、血液脳関門を通過することができず、これを脳で利用することはできません。
 なお、
腸には全セロトニンの90%が存在し、腸の蠕動運動や消化を助ける役割を果たしており、腸で作られたセロトニンの一部が血液中の血小板(存在比率8%)に取り込まれ、血液凝固や血管収縮
作用に関与しています。
 残りのわずか2%が脳内で作られて中枢神経に存在し、これが精神面に大きな影響を与えていると考えられています。なお、脳内セロトニンの働きは多義にわたり、気分のほか、睡眠、痛みの認知、食欲抑制などにも関与しています。

 「幸せホルモン」セロトニンが脳内でたくさん作られるようにしたいものです。
 先ずは、原材料の補給ということになります。セロトニンは、トリプトファン(必須アミノ酸の一種)がビタミンB6の助けを借りて合成されますから、この2つが重要です。
 トリプトファンを多く含む食品は、必然的にタンパク質を多く含む食品となり、肉・魚・豆に多いのですが、白米にもけっこう含まれており、不足することはないでしょう。
 ビタミンB6も同様な傾向にあり、これも不足することはないと思われます。
 ただし、食べ物を十分に咀嚼(そしゃく)し、腸内環境が健全でないと、これはたいていの食品に言えることですが、不十分にしか吸収されません。

 2つ目が、「ゆっくり、よく噛んで食べる」ことです。
 
「リズムを刻む運動」がセロトニンの活性化を促進します。そうした運動を30分間行うのが理想のようですが、“運動なんてとてもできない”というのが一般的で、小生とて無理です。でも、よい方法があります。食事の際にゆっくりよく噛んで食べるだけで、ちゃんとしたリズム運動になるのです。1口30回噛むのを目標にすれば、少なくとも夕食は30分は噛み続けねばならないでしょう。これでセロトニンの分泌が随分と促進されます。
 また、よく噛むことで、先に言いましたセロトニンの原材料であるトリプトファン(必須アミノ酸)やビタミンB6の吸収率をアップさせることができ、一石二鳥です。
 加えて、唾液の分泌が増え、唾液に含まれる成長ホルモンの一種「パロチン」の分泌も増えて身心の若返りにもなりますから、高齢者の場合には加齢による
セロトニン・メラトニンの分泌減少をけっこう食い止めることができるのではないでしょうか。

 3つ目は、「朝日を浴びる」ことです。
 午前中に太陽の光を浴びると、それが刺激となってセロトニンの分泌が活性化します。特に朝日を浴びるのがポイントのようで、浴びる時間は30分が理想のようですが、5分程度でもかまわないようです。1日のスタートは朝日からです。
 できれば、そのときにラジオ体操(リズム運動です)をなさるとより良いです。
 冬季の日射量が少ない北欧では、「冬季うつ病」の発症が知られています。これは、日射量が少ないことによってセロトニンの量が不足するためと言われています。
 日本でも、梅雨時や冬季は日射量が減るため、セロトニンが不足しがちになりますから、その時節には意識してお日様に当たりたいものです。

 4つ目が、「笑い、泣き、微笑む」ことです。
 まずは「笑う」ことです。心の底からの笑いではなく、作り笑いでもセロトニンの分泌を促し活性化させてくれるようです。一番いいのは、当然、腹を抱えて転げまわるような面白いものを見て、苦しいほどに笑うことですがね。
 次に、感動のあまり「泣く」というものです。何度見ても「泣ける映画」があります。“セロトニンがもっと出て欲しい”といった状況にあるときは、そうした映画を見て、感動のあまり号泣するとよいです。セロトニンがドバッと出ること間違いなしです。
 そして、親しい
人や生き物との触れ合いを通じて「微笑む」ことです。一家団らん、気が許せる友人との懇談、可愛いペットや動物との触れ合いがセロトニンの分泌を活発にしてくれます。スキンシップがあればより効果的です。
 こうした「笑い、泣き、微笑む」ことは、ストレスを解消してくれることにもなります。
 精神的ストレスのみならず肉体的ストレスであっても、これらが溜まりすぎると、セロトニン分泌の働きが弱まります。そうなると、悪循環が始まり、ますますセロトニンの分泌を鈍らせてしまいます。

☆メラトニン
 「睡眠ホルモン」メラトニンは、光の刺激と体内時計からの指令で、日中は分泌が抑えられ、日が落ちてしばらくしてから分泌が急上昇します。
 セロトニンから作られるメラトニンですから、セロトニンが十分に作られないと、メラトニン不足になってしまい、メラトニン不足は不眠症などの睡眠障害の原因となります。
 また、メラトニンの分泌は、体内時計がコントロールしているので、体内時計のリズムが狂っていると、メラトニンの分泌リズムにも狂いが生じます。

 よって、メラトニンの分泌を適正化するには、セロトニン生産にとっても必要な3つ目の「朝日を浴びる」ことが、体内時計のリセットのためにも重要になります。
 そして、日中に強い光を浴びていると、その間はメラトニンの分泌が大きく抑えられ、その反動でもって、暗くなってきたら分泌量をグーンと増やす態勢が整えられるのです。
 ただし、夜の蛍光灯の寒色系はメラトニンの分泌を妨げます。いまだに昼だと脳が感知してしまうからです。ですから、自然な睡眠に入っていくためには、就寝1、2時間前には弱い暖色系照明に切り替えるとよいです。

 メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれますから、睡眠導入剤のような効果を持っているのですが、これだけでスムーズに眠りにつけるものではありません。
 睡眠に入るには、それなりの準備が必要です。日中はしっかり覚醒し、交感神経優位で活動的でなければなりません。暗くなって、日中の活動による程よい疲労感がなによりです。そして、夕食、リラックスタイム、入浴など一連の副交感神経優位の状態が一定時間続いた後、脈拍・血圧・体温が低下していき、ここではじめて眠りの準備ができ、自然と眠気がでてきて、スーッと睡眠に入っていくことができるのです。

 ですから、リラックスタイムに心配事を抱えて悩んだり、イライラしていると、交感神経優位になって覚醒してしまいますから、スムーズな眠りにつくことは不可能です。また、日中に過剰な刺激を受け続けていると交感神経が異常に高ぶり続け、疲労感があっても副交感神経優位とならず、これまた眠りにつけません。
 逆に、日中だらだら過ごして覚醒していないと、夜になって交感神経、副交感神経のメリハリの利いた切り替えができませんし、疲労感もないですから、なかなか眠気をもよおしてきません。
 こうした場合、何とか早く眠りたいとあがけばあがくほど覚醒してしまいますから、横になって「地球の重力から体を開放し、単に体を休めるだけ。これで十分だ。」と決め込めば、そのうち遅かれ早かれ眠りにつけるでしょう。なお、眠りにつくまで考えごとをすることが多くなりますが、今日一日の「3つの小さな幸せ探し(=別立てブログの<小さな幸せに気づくレッスン>」をし、それを思い起こしていると幸せ感が出てきて、セロトニンの分泌も高まることでしょう。

 ところで、セロトニンが足りていても、高齢者となるとメラトニンの分泌が随分と落ちるようでして、これによって寝つきが悪くなったり、夜中に目を覚ました後はなかなか寝つけなかったりします。こうした不眠症は、特に女性に多い傾向があります。
 これは、先の述べました「日中だらだら過ごして覚醒していない」ことが最大の原因ですし、高齢者は一般に眠る時間が短くなってくるのが正常ですから、気にする必要はないです。なお、女性の場合、若い頃は子育てを通じて細切れ短時間熟睡ができる体質になっていますが、高齢となるとその体質を失い、昔のようなバタンキュー睡眠ができなくなり、より不眠症を意識しやすくなりますから、その点、ご承知おきください。

 最後に、仕事柄、「幸せホルモン」セロトニン、「睡眠ホルモン」メラトニンの恩恵を受けられない、昼夜逆転生活を余儀なくされている方はどうしたらよいでしょうか。
 不完全にしかできませんが、就業前に可能な限りお日様に当たり、セロトニンの分泌を少しでも促したいものです。なお、お日様は丈夫な骨作りに不可欠なビタミンDの活性化にも欠かせませんから、全くお日様に当たらないと、くる病(骨軟化症=筋肉痛、筋力低下、骨の痛みなどの症状が出ます)になってしまう恐れが大です。

 ここのところ、うっとおしい毎日が続いています。梅雨真っ盛りで気分も滅入ってきます。これは、朝、お日様に当たることができず、セロトニン不足になっていることも原因していましょう。それがために不眠症ぎみにもなります。
 季節の話題として、本稿を投稿した次第です。どれだけか参考になれば幸いです。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

梅雨時の健康法(その2)(三宅薬品・生涯現役新聞N0.257)

2016年06月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.257:2016年6月25日発行。
表題:梅雨時の健康法(その2)

副題:体の外側を冷し、
体の中へは温かい物を入れましょう
(表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。
 

(裏面)瓦版のボヤキ
表題:楽しみが多いのは男のほう?女のほう?

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

24節気の食養:夏至から小暑まで

2016年06月21日 | 24節気の食養

季節ごとの食養については、カテゴリー「漢方栄養学」で五味を中心に解説しました。春夏秋冬の4季そして季節の変わり目の土用(4回)併せて8区分し、その時節折々のポイントを紹介しました。これと一部重複する部分がありますが、もう少し細かくした区分「24節気」ごとの食養について、この一年をかけて、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介してまいります。皆様方の健康にどれだけかでもお役に立てれば幸いです。

24節気の食養:夏至から小暑まで

 芒種(ぼうしゅ)の次にやってくる24節気が夏至で、毎年6月21日頃(2016年は6月21日)になります。
 気温もどんどん高くなって、この先、小暑そして大暑でもってピークを迎えるというのが、中国中心部の気候で、梅雨はありません。中国で梅雨があるのは、長江下流域とその西方の中国南部だけです。北海道を除き、全国的に梅雨がある日本ですから、中国とは季節の捉え方が随分と変わったものとなります。
 芒種の頃から夏至、小暑、大暑と3つ先の節気までの1か月半、ジメジメとし、気温も梅雨明け後にグーンと上がり、まるで季節感が違いますから、日本における対処法は異なったものとなります。

 芒種から夏至そして小暑までは昼の長さは1年で最も長くなる時期です。よって、活動時間はとても長くなり、夏:心の季節ということもあって、心臓の働きも活発になります。人の体は、夏:心の季節に十分に対応していることでしょう。
 
これを踏まえた夏の養生法を下記の記事で紹介しています。参照なさってください。
  
立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

 ここでは、夏至から小暑までの養生について、前回の芒種とかなり重複しますが、夏の季節として特徴的なものを紹介することにしましょう。
 昼がとても長くなりますから、その分活動量が増え、心臓も長時間働かされます。よって、エネルギー代謝をスムーズにしてあげる必要があります。
 芒種の頃から旬となっているのがタマネギです。タマネギにはこれといった栄養価はないものの、特有の刺激臭「硫化アリル」がビタミンB1を活性化させ、これによってエネルギー産生回路を円滑に回す、つまりスタミナ食になりますから、心臓にとって実に望ましい食品といえます。旬のタマネギを大いに食したいものです。
 つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、夏は<主・苦味、従・辛味、添・甘味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。

 次に、夏至の頃には既に梅雨入りしており、梅雨時の養生について説明します。これの詳細な解説は、次をご覧いただくとして、ここでは簡潔に要点を述べます。
  梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却
 梅雨に入ると、「湿熱」で「脾=胃」が弱ってきますから、胃に負担がかからないよう、油っこいものを避け、よく噛んで食べるのが第1となります。また、この時期、通常はエネルギーの消耗が少ないですから腹八分とし、食欲も落ちてきますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。
 そして、梅雨の晴れ間には少しはお日様に当たりたいものです。骨を丈夫にする活性化ビタミンDは皮膚で太陽光線により作られるのですからね。
 しかし、晴れた日の屋外は、蒸し暑さが相当なものとなります。体に熱がこもることもありましょう。軽い熱中症です。よって、この時期は旬が盛りとなったキュウリを毎日いただくと良いです。体の芯を冷やしてくれる夏野菜の一番手として登場するのがキュウリです。

 汗をかきますから、毎日入浴したいですね。そして、のぼせそうになる前にあがり、冷水シャワーをたっぷり浴びましょう。これで体にこもった熱が取り除けます。
 なお、この時期から冷房が入り、そうした環境で丸1日仕事をなさる方は、体の芯が冷え切っていることが多いです。そうした方も、この入浴法がベストで、温めの湯に長く浸かり、汗が出だしたら体の芯が十分に温まったことでしょうから、湯上がりに冷水シャワーを気持ちいい程度に浴びます。すると、皮膚がしまり、熱を閉じ込めてくれます。
 いずれの場合も、初めて全身に冷水を浴びると心臓麻痺を起こしそうになりますから、先ずは手足だけ、次に下半身だけ、といった具合に少しずつ体を慣らしてください。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 キュウリは足が短く、第1弾が最盛期を迎えています。この時期の終盤には第2弾が採れ始めます。そして、トマト・白ナスが初生りする時期です。
 こうして、順次、夏野菜の種類が増えていきます。
 今年初めて栽培に取り組んだチマサンチュ(韓国では焼き肉にこれを巻いて食べることで有名)が大きく育ち、下のほうの葉から順次もいで、おひたしや味噌和えにしたり、生食したりしています。菜っ葉類が少ない夏ですから貴重な葉野菜です。
 なお、今年のフキは新設畑での栽培につき、肥料を吸って絶好調で、まだまだ収穫が続きます。苦味食材は夏にピッタリですが、少々食べ飽きてきました。
 これ以外にもありまして、ニンジンが採れ始めますし、時期外れですが夏大根と夏キャベツの収穫が続いています。

 次回は、「小暑」(7月7日頃)の食養です。ご期待ください。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

24節気の食養:芒種から夏至まで

2016年06月05日 | 24節気の食養

季節ごとの食養については、カテゴリー「漢方栄養学」で五味を中心に解説しました。春夏秋冬の4季そして季節の変わり目の土用(4回)併せて8区分し、その時節折々のポイントを紹介しました。これと一部重複する部分がありますが、もう少し細かくした区分「24節気」ごとの食養について、この一年をかけて、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介してまいります。皆様方の健康にどれだけかでもお役に立てれば幸いです。

24節気の食養:芒種から夏至まで

 小満の次にやってくる24節気が芒種(ぼうしゅ)で、毎年6月5、6日頃(2016年は6月5日)になります。言葉のいわれは「芒(のぎ=籾殻にあるトゲのような突起)ある穀類、稼種する時なり」からきています。
 これを早とちりしたのか、“現在の日本においては少々遅いと言われていますが、稲や麦など芒のある穀物の種まきをする季節とされてきました。”とか“実際には現在の種まきはこれよりも早い。”とか解説されているものが目立つのですが、「稼種」の「稼」は、「
①穀物を植える、栽培②みのり、取り入れた穀物」と2つの意味があり、芒種の場合は後者の意味で使われているのです。つまり、「この頃に、秋に播いた麦類の実が稔って刈り入れが行われる」というものです。なお、芒種の一つ前の節気である小満は、麦の実が次第に充実してきた様を言っていますし、24節気の発祥地は中国中心部でして、穀類といえば小麦ですから、このように解釈すべきです。

 気温もどんどん高くなって、この先、夏至、小暑と気温は上がり続け、大暑でもってピークを迎えるというのが、中国中心部の気候で、梅雨はありません。中国で梅雨があるのは、長江下流域とその西方の中国南部だけです。
 北海道を除き、全国的に梅雨がある日本ですから、中国とは季節の捉え方が随分と変わったものとなります。芒種の頃から1か月半、3つ先の節気である大暑の頃までジメジメとし、気温も梅雨明け後にグーンと上がり、まるで季節感が違いますから、日本における対処法は異なったものとなります。

 芒種から梅雨入りまでのしばらくの間は、夏至に近いこともあって、昼の長さは1年で最も長くなる時期です。よって、活動時間は長くなり、夏:心の季節ということもあって、心臓の働きも活発になります。人の体は、夏:心の季節に十分に対応していることでしょう。
 
これを踏まえた夏の養生法を下記の記事で紹介しています。参照なさってください。
  
立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

 ここでは、芒種から夏至までの養生について、まず、梅雨入り前の特徴的なものを紹介することにしましょう。(今年は、6月4日に東海地方まで梅雨入りしましたが)
 昼が長くなりますから、その分活動量が増え、心臓も長時間働かされます。よって、エネルギー代謝をスムーズにしてあげる必要があります。
 芒種の頃から旬となるのがタマネギです。タマネギにはこれといった栄養価はないものの、特有の刺激臭「硫化アリル」がビタミンB1を活性化させ、これによってエネルギー産生回路を円滑に回す、つまりスタミナ食になりますから、心臓にとって実に望ましい食品といえます。旬のタマネギを大いに食したいものです。
 同じ頃に旬となってくるニンニクも、薬効成分アリシンが同様な働きをしますから、これも料理に取り入れたいものです。
 つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、夏は<主・苦味、従・辛味、添・甘味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。

 次に、梅雨入り後の養生について説明します。これの詳細な解説は、次をご覧いただくとして、ここでは簡潔に要点を述べます。
  梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却
 梅雨に入ると、「湿熱」で「脾=胃」が弱ってきますから、胃に負担がかからないよう、油っこいものを避け、よく噛んで食べるのが第1となります。また、この時期、通常はエネルギーの消耗が少ないですから腹八分とし、食欲も落ちてきますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。
 そして、梅雨の晴れ間には少しはお日様に当たりたいものです。骨を丈夫にする活性化ビタミンDは皮膚で太陽光線により作られるのですからね。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 畑では、この時期に旬となるタマネギが軸折れして収穫が始まります。
 前後してニンニクの収穫もします。
 今年初めて栽培に取り組んだチマサンチュ(韓国では焼き肉にこれを巻いて食べることで有名)が食べられるようになりました。うちでは生食ではなく、おひたしや味噌和えが定番になりそうです。
 そして、夏野菜の第1号、キュウリの収穫が本格化し、第2号の紫ナスがポツポツ採れはじめます。これらは体にこもった熱を取ってくれますから、生食することにします。
 なお、今年のフキは新設畑での栽培につき、肥料を吸って絶好調で、まだまだ収穫が続きます。夏は苦味を欲すると言いますが、少々食べ飽きてきます。
 これ以外にもありまして、時期外れですが夏大根と夏キャベツの収穫が始まります。

 次回は、「夏至」(6月21日頃)の食養です。ご期待ください。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却

2016年06月04日 | 漢方栄養学

梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却

 中国大陸の中心部は梅雨がないですから、中医学(漢方)には「梅雨」の季節の健康法なるものは基本的には登場しません。せいぜい「湿熱」による疾病への対処の仕方が書かれているだけです。もっとも、小生は漢方にからきし弱くて、ただいま勉強中ですから、よう見つけないだけかも分かりませんが。
 何にしても、「5」にこだわる中国人ですから、漢方の季節区分も、「春夏秋冬と土用」の5つです。これは間違いないです。でも、土用は4季の間に毎回入りますから、実質は8区分。「夏」は5月5日頃の立夏から始まって7月18、19日頃まで、「夏の土用」は7月19、20日頃に始まって8月7日頃の立秋の前日まで、といったぐあいです。
 でも、日本には、6月上旬から7月中旬まで約1か月半の「梅雨」があります。「梅雨」が明けるのは、だいたい「夏の土用」入りの頃。そうなれば、細かく季節を区分すれば、9つになります。何もかも複雑に分類する傾向が強いインド哲学が日常生活に深く浸透しているインド人、彼らであれば、日本の気候は9区分にすべきだ、と言うでしょうね。
 インド哲学を少々かじり、百姓仕事に精を出している小生ですから、インド人の主張に賛成したいです。のちほど述べますが、身をもって体験していますからね。

 さて、漢方の世界での「夏」は「心(しん)」の季節で、夏至を中心として昼間の時間帯が非常に長くなり、原始時代からつい最近まで、ずっと、毎日長時間活発に動き回ったことでしょうから、この季節には「心=心臓」が活動的となるのは理解できます。
 そして、夏の食事は、「心」が求める「苦味」を主体にして「辛味」と「甘味」を添えると良い、「酸味」はほどほど、避けるのは「塩味」、ということを、
過去記事(「 立夏は夏の入り、五味を「上手に夏食に 」)で述べました。
 日本においても、梅雨入りまでは、これで良いでしょう。
 しかし、梅雨入り後においては、その気候は、中国大陸中心部とは全く様相を異にします。雨や曇天で気温は真夏ほどには上がらないものの、やたらと蒸します。
 
「湿熱」地帯と化します。
 
「湿」と言えば「土用」で、これは、土を掘り返すことが多くなる時期であって、土中の湿気に中(あた)ることが多くなり、この季節に対応する臓器は「脾=胃」です。
 「土用」は農作業が忙しい時期ですから、高カロリー食を摂ることになり、「脾=胃」が活動的になるのはうなづけますし、「湿」に対して「脾=胃」を労(いた)わらねばならないのも分かります。

 「梅雨」入り後の農作業はさほど多くないですから、「脾=胃」が活動的になることはないでしょうが、明るい時間帯が1年で一番長くなり、「心」は活動的と考えて良いでしょう。
 つまり、心臓は毎日長時間、元気に働こうとし、その結果、汗もかきます。空気が乾燥していれば、少しの汗で体熱を十分に放散してくれますから、水分補給はたいして必要ないですが、「湿熱」地帯にあっては、気化熱の放散がままならず、たらたらと汗をかくことになり、水分補給がたっぷり必要です。
 しかし、汗を大量にかいたとしても、どれだけの効果も上がらず、「湿熱」が体内にこもってしまい、冷蔵庫が普及した今日にあっては、「冷たい物」でもって、ダイレクトに体の芯を冷やしたくなります。
 さあ、こうなると大変。「脾=胃」が、びっくり仰天!
 
「脾=胃」は「湿」の季節に対応していますから、水分代謝の機能もどれだけか備えているのですが、その「土用」の期間は半月ちょっとです。ですが、「湿」が1か月半も延々と続く「梅雨」ですし、限度を超えて水分が体内に入ってくるのですから、「脾=胃」の処理能力を超えてしまい、何ともなりません。ましてや、昭和の高度成長以降は、異常に「冷たい物」が「胃の腑」に入ってくるようになったのですから、大変なことになります。つまり、梅雨時の日本人の体内は、「冷たい物の大洪水」で、ギブアップの状態になってしまいます。
 「湿熱」の疾病と「冷たい物中毒」の合併症です。
 中医学においては、大陸南部に「湿熱」地帯を抱えていますから、「湿熱」の疾病にも十分に対応できましょうが、「冷蔵庫文化」が普及しきった今日情勢は想定外のことですから、「冷たい物中毒」には対応できていません。もっとも、「冷たい物中毒」が高ずれば、「冷え症」となり、これは昔からありましたので、「湿熱を伴う冷え」として、複合的に対応する処方を用いることができ、症状の改善を図ることはできます。
 でも、残念ながら、中医学においても、「冷たい物中毒」がいかに恐ろしいものであるかは、まだ十分には認識されていないようです。

 さてどうしたものか。日本の「梅雨」ほど厄介なものはないですね。
 最優先せねばならないのが、何と言っても「冷たい物中毒」からの脱却でしょう。暑くっても「冷たい物」を絶対に摂らないことです。40度を超すアラビアでは、「熱い物」をチビチビ飲んで水分補給しています。カラッカラに乾燥していますから、汗の蒸散効果が高く、この方法がベストとのことでして、少しは見習いたいですね。
 でも、
湿度が異常に高い日本では、しっとり汗では済まず、たらたらと汗をかくことが多くなります。そんなときは、大量に水分補給せねばなりませんが、たいていは、飽食によって体の中が洪水を起こしていますから、「汗」即「水」とせず、「のどがカラカラ」となってから、チビチビと小まめに水分補給するだけで良いでしょう。
 これであっても、「脱水症状」を起こすことはないと思います。
 次に「湿熱」の除去です。可能であれば、日中に「水風呂」に入ることですし、夜の入浴時には、前後にたっぷりと冷水シャワーを浴びることです。

 ここで、さきほど日本の気候を9区分すべきと言った訳を述べましょう。
 
小生が2011年6月19日に梅雨の合間に行なった農作業。午後3時から6時過ぎまでの3時間強でしたが、土が湿っていて鍬を動かすのにその重かったこと。汗たらたら。
 終了後に冷水シャワーをたっぷり浴びたものの、湿気に中(あた)って「湿熱」のこもりが抜け切っていなかったようでして、軽めの晩酌(焼酎の湯割り)が回りに回り、夕食はいつもの半分しか喉を通り
ませんでした。
 これは、軽い熱中症にかかっていたところへ、アルコールで追い討ちをかけたものですから、「脾=胃」が拒否反応を示したからと思われます。
 小生のこんな経験は記憶にないのですが、還暦を過ぎて3年目の老体であるがゆえとも思えず、これはやはり「湿熱」が原因でしょう。

 このように、日本の梅雨は、暑い上に異常な湿り気がありますから、尋常な方法では健康を維持するのが困難になります。
 今はエアコンが普及し、これでもって体熱を放散させれば良いと、安易な方法に頼るのは考え物です。先の小生の例では、これが有効な手段となるでしょうが、熱中症でもないのにエアコンを恒常的に使うと、体内温度が下がってしまい、「冷え症」と同じ状態になって、様々なトラブルを引き起こすのは、皆さん経験済みのことでしょう。
 よって、エアコンの使用は、我慢の限界を超えたときに、やむを得ず使うといった気構えで当たっていただきたいものです。お勧め法は、しっとり汗をかきつつ、扇風機で涼を取り、その風が苦になりだしたら切り、また付けるという方法です。
 この時期は、やはりどれだけかは汗をかきたいですからね。尿としては出ない老廃物は汗として出るのですから。

 最後になりましたが、梅雨時の食事を漢方栄養学から説明しましょう。
 と言ったものの、冒頭で言いましたように、小生ただいま漢方を勉強中で、手元にある書物には、これが書いてありません。書いてあるのは、次の2つ。

 夏の食事は、先に述べましたように、「心」が求める「苦味」を主体にして「辛味」と「甘味」を添えると良い、「酸味」はほどほど、避けるのは「塩味」、これが基本です。なぜ夏に「塩味」を控えるかといえば、「塩味」の強い物を摂ると、塩は体を温める最たるものですから体に熱がこもってしまうからです。
 土用、これは各季共通ですが、「脾=胃」が求める「甘味」を主体にして「塩味」と「辛味」を添えると良い、「苦味」はほどほど、避けるのは「酸味」、これが基本です。
ここで注意すべきは、「甘味」は、砂糖など甘い物だけを指すのではなく、主として「よく噛むと、ほのかな甘味が出てくる物」を言うのでして、ご飯(米)や肉のようにエネルギー源となるものを言います。

 単純に考えれば、「梅雨」は「湿」ですから、「土用」と同じで良いとなります。
 なお、季節は「夏」ですから、「心」を考慮して、避けるべきものは「塩味」となりますが、大汗をかけば「ミネラル=塩分」が失われますから、これを補給せねばならず、敢えて「塩味」避ける必要はないと考えて良いです。
 こうしたことを総合的に考えてみますと、「湿熱」で「脾=胃」が弱っていますから、胃に負担がかからないよう、よく噛んで食べるのが第1となり、この時期にはエネルギー消耗が少ないですから腹八分とし、五味の使い分けは土用を基本としつつも、さほどこだわる必要はないということになります。食欲も落ちていますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。

 以上、中医学(漢方)に基づき、栄養学を説明しましたが、先に述べましたように「冷たい物中毒」は、中医学でも想定外の出来事でして、「梅雨」の時期の食事の摂り方で注意すべきは、繰り返しになりますが、決して「冷たい物」を摂らないことです。
 その昔には、「冷めた物」も摂りすぎには要注意、と言われました。つまり、「常温」であっても胃腸に差しさわりがあると言っていたのでして、ましてや「冷たい物」となったら論外なのです。

 梅雨時には、うちでは「むしシャブ」をやることが多いです。様々な野菜と茸を中心にして、豚肉を少々乗せます。「胃」に負担を掛けず、「胃」を温めるという、「胃」に優しい料理です。食事中に汗をかきましょうが、日中に汗をほとんどかくことがない女性群にとっては、こうでもして汗をかかねば健康を維持できませんからね。
 ところで、「酸味」は避けるべしですが、「むしシャブ」に「ポン酢」は付き物、これなしでは美味しくありません。顔から汗が噴出すほどに濃いポン酢
は胃にもよくないでしょうが、ほどほどであれば、気にする必要はないと思われます。ただし、食事の最後に、漬物は「酸味」が強い梅干とするのは避けるべきでしょうね。梅干は朝に1粒で十分です。

 なお、「冷たい物中毒」については、「 暑くなった5月半ば、“冷たい物中毒”から脱却するチャンス! 」をご覧ください。 

(備考)本稿は、2011年6月23日に投稿したものを一部修正して再投稿したものです。  

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加