薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報には嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

24節気の食養:大雪から冬至まで

2016年12月07日 | 24節気の食養

季節ごとの食養については、カテゴリー「漢方五季の食養」で五味を中心に解説しました。春夏秋冬の4季そして季節の変わり目の土用(4回)併せて8区分し、その時節折々のポイントを紹介しました。これと一部重複する部分がありますが、もう少し細かくした区分「24節気」ごとの食養について、この一年をかけて、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介してまいります。皆様方の健康にどれだけかでもお役に立てれば幸いです。

 

24節気の食養:大雪から冬至まで

 「小雪」の次にやってくる24節気が「大雪」で、毎年12月7日頃頃(2016年は12月7日)になります。「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」とのことで、「大雪」と言われるのですが、これは「小雪」のときに申しましたように中国大陸中心部でのことでしょう。
 ちなみに中国のとある旅行社の説明では、その昔、中国の中心地であった西安(昔の長安)の気候について「温和な気候と自然環境に恵まれた土地であり、原始先住民族が生活するのに理想的な土地でもあった。」と書かれていますが、
西安の12月の平均最低気温は-3.1度(東京:3.5度)ですから、降った雪は根雪になりましょう。
 ちなみに、当地:岐阜と東京の最低気温(平年値)も示しておきましょう。
  小雪(11月22日頃) 岐阜:6.2度 東京:7.0度
  大雪(12月 7日頃) 岐阜:3.8度 東京:4.8度
  冬至(12月22日頃) 岐阜:1.8度 東京:2.7度
 岐阜より寒いはずの東京のほうが約1度も高いのは、ヒートアイランド現象なのか、海との距離の関係なのか、両方あいまってのことか、よく分かりませんが、けっこうな差があるものです。(岐阜地方気象台:標高13m 
伊勢湾まで約40km)

 「大雪」の時期ともなると外気温はぐんと下がり、冬型の気圧配置が卓越して濃尾平野では“伊吹おろし”、関東平野では“からっ風”が吹き荒れる日が多くなり、ときに雪が舞うようにもなってきます。本格的な冬の到来を感じさせます。ちなみに岐阜地方気象台での初雪観測は平年で12月14日、「大雪」の7日後となります。
 植物は葉を落とし、すっかり休眠状態になっており、動物も冬眠したり、
あまり体を動かさなくなっています。ヒトも動物ですから冬ごもりの態勢に入り、生体反応は不活発になっています。そして、朝晩は室内暖房が欠かせなくなります。

 本格的な寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものがより求められます。
 冬野菜がどれも旬となっており、基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓に欠かせません。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんよう、ご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいますからね。

 前回、前々回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームになって久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「大雪」からの節気の食養生について。
 特に留意すべき点は、これは「小雪」のときと同じですが、急激な冷え込みで、体の芯まで冷えきってしまうことがあります。
 
こんなときは、意識して少々塩味をきつくするとよいです。なぜならば、塩ほど体を温めるものはないからです。少し濃い目の味噌汁や豚汁になさるといいでしょう。
 そして、そうした冷え込んだ日の夕食にお勧めなのが鍋物です。外からも中からも体を温めてくれますからね。
 鍋物もいろいろありますが、我が家のトップバッターはキムチ鍋です。
 辛さはお好みに合わせればいいでしょう。鍋にはキムチを控えめに入れ、辛いもの好きであれば、お椀に取ってからキムチを足すなり、一味唐辛子を振ればいいです。
 冬の食味は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせが望まれますから、キムチが持っている塩味と酸味の他に苦味が求められ、うちでは苦味食材である「もやし」をふんだんに鍋に入れることにしています。なぜかキムチ鍋には「もやし」がよく合いますが、こうした三味の組み合わせが理にかなっているからかもしれません。
(注:もやしは漢方五味分類で甘味にも分類されることあり。)

 冬は、海の幸があれこれ旬になります。立冬以降、毎季、同じことを言っていますが、何がいいかとなると小生も分かりかねます。ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 小生のお気に入りは何と言ってもズワイガニ。ここらでは「越前がに」のブランドで知られていますが、足が何本か取れてしまっている“わけあり品”で、まだ生きている新鮮なものが比較的近くにある土
日に開く市場で安く手に入ります。これをその場でゆで上げたものなり、生を買ってきて蟹鍋にしたりして、蟹味噌を食べるのが何よりの楽しみです。
 他にもあります。その市場で買ってきた生のアンコウ(冷凍品でないもの)も、これまたいいです。鍋にするのですが、わずかばかり付いている肝が何と言っても最高です。
 冬は、海の幸でグルメを満喫したいものです。

 果物は前季で書きましたが、今季もそのまま再掲しておきます。
 リンゴが本格的に出回っています。“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。七味唐辛子にも加えられています。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 カリフラワーの収穫は生長遅れの2玉を残して収穫が終わり、ブロッコリーも主玉の収穫が終わり、脇芽の収穫に入ったのですが寒さで生長がストップした感がします。
 
秋冬ニンジン、大根、白菜、カブ、小松菜、ホウレンソウの収穫が続いています。
 この中で変り種が「ビタミン大根」です。中まで緑色で、大根おろしにすると、とてもいい香がして美味しいです。大量作付けして、当店のお客様に差し上げています。
 キャベツは第1弾の収穫が終わり、第2弾は苗の植え付けが遅れ生長が思わしくないですが、何とか今季に少々収穫出来そうです。
 例年なら春菊が採れはじめるのですが、今年は勘違いで種蒔きをうっかり忘れ、大幅に時期が遅れて、まだ当分収穫できそうにありません。
 冬野菜の中で一番多く作付けしているのがネギでして、当地のブランド品「徳田ねぎ」は柔らかくて甘いと大評判で、遠方の方へ贈答したり、お客様に差し上げたりしています。ところが、今年は8月9月の多雨で根腐れして生長が悪く、史上最低の収穫量になりそう。今季に収穫を始めたいのですが、いかにも小さく、この先、どれだけも大きくならないでしょうが、冬至の頃まで待つことにします。弱ったものです。
 芋類は保存してあり、サツマイモ、里芋、山芋(栽培種のイチョウ芋)、ヤーコン芋がいつでも食べられます。
 なお、ヤーコン芋はすぐれもの。フラクトオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群。癖のない味ですから、どんな料理にも入れられ、毎日少しずつ食べています。
 (参照 当店[三宅薬品]のホームページ:ヤーコンの魅力

 果物は、みかん類を2品種栽培しています。オレンジがかかった晩生のものはずっと先になりますが、普通のみかんは今年は大豊作で毎日風呂上りに食べています。
 それ以外には、ユズがあり、概ね熟してきましたので、香り付けに時々使っています。

 次回は、「冬至」(12月22日頃)の食養です。ご期待ください。

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年には絶対勝てない。医療の常識は、世の非常識?(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.262)

2016年11月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.262:2016年11月25日発行
表題:年には絶対勝てない。医療の常識は、世の非常識?

副題:ベテランの高齢医師が痛烈に現在の医療方針を批判

(表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。

 
(裏面)瓦版のボヤキ
表題:キツ~イ挿話(とある中学生の作)
「あるバッタの話」です。
「行き当たりバッタリ」、「ガンバッタ」、「じたバッタ」などが登場する、とても面白い話です。

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24節気の食養:小雪から大雪まで

2016年11月22日 | 24節気の食養

季節ごとの食養については、カテゴリー「漢方五季の食養」で五味を中心に解説しました。春夏秋冬の4季そして季節の変わり目の土用(4回)併せて8区分し、その時節折々のポイントを紹介しました。これと一部重複する部分がありますが、もう少し細かくした区分「24節気」ごとの食養について、この一年をかけて、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介してまいります。皆様方の健康にどれだけかでもお役に立てれば幸いです。

 

24節気の食養:小雪から大雪まで

 立冬の次にやってくる24節気が小雪で、毎年11月22日頃(2016年は11月22日)になります。「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」とのことで、小雪と言われるのですが、これは中国大陸中心部でのことでしょう。
 ちなみに中国のとある旅行社の説明では、西安(昔の長安)の気候について「温和な気候と自然環境に恵まれた土地であり、原始先住民族が生活するのに理想的な土地でもあった。」と書かれ、
そして、西安の気温が月別に表示されており、平均最低気温を東京と比べると次のとおりとなっています。西安の緯度は紀伊半島の真ん中辺りになりますが、冬はとても寒そうです。
 11月:2.6度(東京:8.3度)、12月:-3.1度(東京:3.5度)
 このことからすれば、11月下旬には雪が舞うということになるでしょう。

 小雪ともなると、日は日増しに短くなりますし、日射しが弱まり、外気温もぐんと下がってきます。濃尾平野では“伊吹おろし”、関東平野では“からっ風”が吹き荒れるようになり、しぐれる日がでてきますから、とうとう冬が来たな、と実感できるようになります。ちなみに岐阜地方気象台での初霜の観測日は平年で11月20日、小雪の頃になります。
 植物はあらかた葉を落とし、すっかり休眠状態になりますし、動物も冬眠したり、
あまり体を動かさなくなってきます。ヒトも動物ですから冬ごもりの態勢に入り、生体反応は不活発になります。あわせて防寒対策をしっかり取るようになります。

 寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものが求められます。
 これから冬野菜が旬となり、冬野菜は基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓にのぼるようにしていただきたいものです。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんようにご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいます。

 前回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームが出てから久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「小雪」からの節気の食養生について、特に留意すべき点を記すこととします。
 この時期、急激な冷え込みがくることがあり、まだ体が慣れていませんから、体の芯まで冷えきってしまうことがあります。
 こんなときは、意識して少々塩味をきつくするとよいです。なぜならば、塩ほど体を温めるものはないからです。少し濃い目の味噌汁や豚汁になさるといいでしょう。
 そして、そうした冷え込んだ日の夕食にお勧めなのが、鍋物です。外からも中からも体を温めてくれますからね。

 芋類で一番最後に旬がくる里芋。イカを入れた芋の煮っ転がしが、ことのほか美味いですね。その里芋、けっこう体にいいんです。ガラクタンとムチンがいっぱい含まれています。ガラクタンは、動脈硬化の予防、免疫力強化、脳細胞の活性化などに効果がありますし、ムチンは唾液の分泌を促進して消化を助け、便秘を改善します。
 また、漢方では、腎陰虚(手足がほてる、頭のふらつきやのぼせ、イライラ、不眠、耳鳴り、口渇、腰がだるい)に、芋類では山芋と並んで里芋が良いとされています。
 これから旬となる里芋を食卓に飾っていただきたいものです。

 冬は、海の幸があれこれ旬になります。何がいいかとなると小生も分かりかねます。
 ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 ところで、今年の特異現象としてサンマの水揚げが遅れたものの豊漁続きのようでして、安値でスーパーに並んでおり、我が家では大根おろしをたっぷり添えて時折いただいております。今しばらくサンマが食べられるのではないでしょうか。
 なお、サンマのはらわたは、けっこううまいです。小生は、腹周りの小骨、肉もはらわたと一緒に口に放り込み、よく噛んで食べるようにしています。肝は小さいですが、少なくともこれだけは食べていただきたいものです。また、サンマの骨は冷凍保存しておき、まとめてフライパンで炒って酒の肴にする、これもけっこううまいです。

 果物では、リンゴが本格的に出回っています。前にも書きましたが“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。七味唐辛子にも加えられています。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 秋冬ニンジンの収穫が続いています。
 キャベツは第1弾が終わり、第2弾の収穫は苗の植え付け遅れで当分先です。
 大根、白菜、カブ、小松菜、ホウレンソウ、ブロッコリー、カリフラワーの収穫が始まります。この中で変り種が「ビタミン大根」です。中まで緑色で、大根おろしにすると、とてもいい香がして美味しいです。大量作付けして、当店のお客様に差し上げています。
 里芋の成長が止まりますから、全部を掘り出します。里芋の株間に植えている、今年初めて栽培したショウガも同時に収穫します。
 大量作付けしているヤーコン芋も成長が止まり、掘り出す時期となりますが、大半をシート掛けして防寒し、春先までかけて順次1畝ずつ掘り出すことにしています。
 ヤーコンはすぐれもの。葉は糖尿病にいいですし、芋はフラクトオリゴ糖たっぷりで、整腸作用が抜群です。(参照 当店[三宅薬品]のホームページ:ヤーコンの魅力

 果物は、みかん類を2品種栽培しています。オレンジがかかった晩生のものはずっと先になりますが、普通のみかんは今季から収穫できるようになります。今年は大豊作。

 次回は、「大雪」(12月7日頃)の食養です。ご期待ください。

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老い、赤秋に生きる

2016年11月19日 | やがて訪れる死に備えて

老い、赤秋に生きる

 うちは、真宗大谷派、俗に言う“お東”、東本願寺の門徒でして、毎年11月に小冊子「真宗の生活」が配布されます。3分法話が12掲載されているので、これをパラパラッとめくって面白いなと感じた法話を昨年の今時分に紹介しました。それは“坊主もたまにはいい話をする”と言っては失礼に当たりましょうか。ゴメンナサイ。」にあります。
 今年もその配布を受けましたので、早速見てみました。
なるほどと感じたものが1つありましたので、まずそれを紹介させていただきます。

 「老い」で見える世界(佐賀枝夏文:大谷大学名誉教授)
 お釈迦さまは、今から2500年前、現在のインドの小さな国の王子さまとして生まれられました。
 あるとき、お城の外へ出かけようと東の門から出ようとすると「老人」に、南の門から出ようとすると「病人」に、また
西の門では「死人」にと、人生において逃れることのできない「老病死」に出会われました。そして、北の門ですがすがしい出家僧に出会い、出家されたといい伝えられています。お釈迦さまが29歳のときでした。
 「老い」は、そのテーマである「老病死」のひとつであり、人間にとって逃れることのできない、じぶんの意思では叶わないことのひとつです。
 「老い」に至る人生の歩みは、どれひとつも「夢」ではなく「事実」です。老いの道中は、「叶わない」「意のままにならない」ことのなかで、苦汁を味わい、また、悲しみのなかで、ひとはみ教えを聞き、正しく観ることを知ることになります。それは、「あきらめ」ではなく、「正しく観る」ことで、他人事ではなく、「じぶん」のこととしてみえてくるのだとおもいます。
 ボクは樹木からさまざまな教えを聞いてきました。樹木は、陽春に芽吹き、新芽が育ちます。まるで赤ちゃんが育つかのようです。次第に季節が初夏に向かえば、新緑の葉っぱは立派に育ちます。そして、季節が移ろい秋になり冬に向かいはじめ寒風が吹き始めると、広葉樹の樹木は、錦秋の彩りをみせてくれます。「老い」の輝きが艶やかにさえみえます。ひとびとを、「もみじ狩り」に足しげく向かわせるのは、錦秋の彩りに秘められた多くの物語と出会うからではないでしょうか。その背景には、春の桜にはない、「人生の趣」を感じるからのようにおもいます。
 そして、落葉の季節を迎えます。しかし、枯れ葉の後には、すでに新芽が準備されていることは、驚きです。「老い」は単独であるものではなく、「起承転結」のなかにあり、それは、「いのち」の連なりでありバトンタッチのときでもあります。また、大地へ還ることは、「いのち」の源である樹木を肥やす滋養となるのですから、「老い」のはたす役割は「尊い」ものであるといえます。
 「老い」もこのように考えてみると、「老い」をじぶんのものと独占していることが間違いであることになります。じぶんの「老い」から、開放されて「つながり」のなかで考えてみてはいかがでしょう。大きな「つながり」のなかに、「連綿とつづく」なかに「いのち」があります。そのなかに、おひとりおひとりの「老い」があるということです。
 このように「老い」も、じぶんの手元から開放されてはじめて、「衰えること」から意味が転じて、大きな「いのち」として「よみがえる」という世界がみえてきます。
<『すべてが君の足あとだからー人生の道案内ー』(東本願寺出版)より>

 いかがでしたでしょうか。
 小生は、この法話の中で2つのことを感じました。
 一つは、「自分はやがて枯れ葉が落ちるごとく死にゆき、取るに足りない人生を歩んできたであろうものの、それが、周りの者たち、特に我が子の肥やしに必ずやなっているであろう。樹木の葉っぱのごとく。」であって、導師がおっしゃる『「老い」のはたす役割は「尊い」ものであるといえます。』というお言葉をうれしく感じたところです。
 もう一つは、導師がおっしゃる「季節が移ろい秋になり…錦秋の彩りをみせ…「老い」の輝きが艶やかにさえみえます。…春の桜にはない、「人生の趣」を感じる…』という、今や我が世の春という老年生活の捉え方です。これにはワクワクさせられます。

 そこで、思い出しました。2つ目に感じたことは、これは「春」つまり「青春」ではなくて、「赤秋」なんだと。この言葉を知ったのは、つい最近のことです。
 
韓国人キム・ウク氏(86歳)のエッセイの翻訳文で知ったのですが、その一部を紹介しましょう。(出典:ブログ「天安からアンニョン」 ブログ管理人の日本語への翻訳文)

 私がこの韓国では一番老いぼれの翻訳作家だと思う。そんな関係もあってかときどき聞かれることがある。「日本語の中で一番好きな表現は何ですか?」。私は躊躇なく答える。赤秋(せきしゅう)っていうことばだけど聞いたことある?って。日本語が朝鮮半島から渡っていったということは多くの人々が知っているけれど、「赤秋」ということばは韓国語にはない。ことばそのまま「赤い秋」という意味だ。何がそんなに赤いといういうのか。紅葉だろうか。あるいは夕日がしばし立ち止まる広大な草原だろうか。
 「赤秋」ということばは、日本では高齢者の青春という比喩で用いられている。物質と出世という世の束縛から逃れ、これからは自分の好きなことを自分勝手にやれるという自由を手にしたということなのである。
 老年期に差しかかった人なら誰でも共感する話だ。青春が青い春の日だとすれば、赤秋は赤い秋だ。春夏秋冬の四季の中で春と秋は対称をなしている。満開の夏を準備する春が青春とするならば、もう一度土に返る冬を準備する時期が秋、すなわち赤秋だ。冬が残っているからまだ終りではなく、それに結実の時でもある。豊かで美しい紅葉はおまけだ。(引用ここまで)

 いかがでしたか。
 キム・ウク氏は「豊かで美しい紅葉はおまけだ。」とおっしゃっていますが、「赤秋」の本命はここにあり、ではないでしょうか。
 季節はこれから「もみじ狩り」最盛期となります。赤い秋を満喫し、「人生の趣」をじっくり噛みしめ、やがて来る結実そして冬に備えましょうぞや。

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24節気の食養:立冬から小雪まで

2016年11月07日 | 24節気の食養

季節ごとの食養については、カテゴリー「漢方五季の食養」で五味を中心に解説しました。春夏秋冬の4季そして季節の変わり目の土用(4回)併せて8区分し、その時節折々のポイントを紹介しました。これと一部重複する部分がありますが、もう少し細かくした区分「24節気」ごとの食養について、この一年をかけて、うちで採れる野菜などもおりまぜながら紹介してまいります。皆様方の健康にどれだけかでもお役に立てれば幸いです。

 

24節気の食養:立冬から小雪まで

 霜降の次にやってくる24節気が立冬で、毎年11月7日頃(2016年は11月7日)になります。これより季節は冬となります。
 漢方の世界では、通常の感覚より1か月前倒しされています。
 外気温からすると、“これはおかしい”となりますが、通常の植物は、これがぴったり当てはまります。草は種を残し、木は葉を枯らして立春の頃まで冬眠するのです。
 植物を食べる動物も、この時期は食べられるものが少なくなりますから、生体は休眠状態になり、あまり体を動かさなくなってきます。ヒトも動物ですから、生体反応は活発さが弱まってきます。

 ところが、今日的感覚では、この節気は晩秋として捉えられ、五穀豊穣を迎え、今年採れた穀類、芋類、豆類がわんさと入手できるようになり、それらは皆とてもおいしいです。こうして食欲の秋がまだまだ続きます。
 しかし、五穀豊穣のお祝い、新嘗祭は一つ先の節気、小雪の頃に行われ、神社では今年採れた稲穂が新嘗祭で供えられ、新米が出回るのはもっと先のことです。
 でも、今日では早々に稲刈りが行われ、1節気か2節気早く新米が出回りますし、春夏秋冬、あらゆる農作物が早期育成、早期出荷の傾向にあります。早ければ早いほど高値で売れるという経済活動がこぞってそうさせてしまうのですが、もう少しスローライフで行きたいものですね。
 こうしたこともあって、本来なら立冬の頃は、味が落ちた古米を食べ、冬野菜もまだ出回らず、食材に美味しそうなものはなくて、自然と小食へと向かっていったのでしょうが、現在は立冬の頃に五穀と冬野菜がどっと市場に出ますから、つい飽食してしまいます。

 さて、立冬から季節は冬となり、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームが出てから久しいですが、その必要は全くありません。詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「立冬から小雪まで」の節気の食養生について、特に留意すべき点を記すこととします。
 先ほど申しましたように、今日的感覚では、この節気は晩秋として捉えられ、
食欲の秋がまだまだ続き、無理に食欲を抑えるのは精神的ストレスが溜まりすぎますから、五穀豊穣にしっかりとした感謝の気持ちを持って、有り難くあれこれいただきましょう。感謝の気持ちがあれば、良く味わってゆっくり食べることになりますから、早食いに付き物の過食をけっこう防ぐことができます。

 穀類では、新米の出荷が始まり、御飯をお代わりしたくなりますし、蕎麦(ソバ)も新蕎麦が出回りますから、蕎麦料理もとてもおいしくなります。芋類では、サツマイモは既に出回っていますし、長芋や山芋もこれからが旬です。里芋はもう一つ先の小雪以降が本来の旬となりましょう。立冬の頃は芋がまだ成長中ですからね。
 こうして
出回りだした新物の穀類や芋類を有り難くいただきましょう。

 これからの時期、海の幸があれこれ旬になります。何がいいかとなると小生も分かりかねます。ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 
果物では、晩生の「富有柿」が終盤となります。そして、リンゴが本格的に出回り出します。前にも書きましたが“柿が赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、りんごについても同様に言われます。それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょうが、毎日ほどほどの量を、ということになりましょう。特に、柿は冷性の食品ですから、食べ過ぎると体を冷やしますので、ご用心なさってください。リンゴは涼性ないし平性ですから、さほど体を冷やすものではないですが、ほどほどにしておきたいものです。

 最後に、今回も、うちの自家栽培野菜などの状況をご紹介させていただきます。
 細々続いていた秋ナスとオクラは立冬前に終了し、残っている夏野菜は
ピーマンだけで、収穫量はガクンと落ちますが、今しばらく細々と続きます。
 
秋冬ニンジン、キャベツの収穫が続いています。
 早生品種であるビタミン大根の収穫が始まります。
 山芋を畑で栽培しており、葉が枯れたところで全部掘り出します。
 里芋はまだ成長中ですから収穫は次の節気になってからです。

 果物は、晩生の富有柿が3本あり、例年ならこの時期に収穫の終盤となるのですが、今年はヘタムシの被害が長期化し、全部落果してしまい、残念ながら無収穫です。

 次回は、「小雪」(11月22日頃)の食養です。ご期待ください。

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