薬屋のおやじのボヤキ

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玄米VS白米論争:軍配はどちらに?

2011年01月12日 | 正しい栄養学

(改題)「玄米VS白米論争:軍配はどちらに?」
 2011.01.12付け「玄米VS白米論争:軍配はどちらに?猛毒の玄米ですが、炊飯の仕方で無毒化できます。」と題して記事にした本稿に追記することとし、併せて表題も変更しました。(以上追記:2017.4.18)

 このブログの2010.10.29(並べ替えのため、2011.01.13に日付を変更)に、「なぜ、白米を食べるの」を書き、白米をケチョンケチョンにけなしました。
 でも、玄米食に変えたことにより、体調を悪くしたり、アトピーが悪化したりすることが数多くあることを最近知りました。不勉強で申し訳ありません。

 アトピー治療では、この方に勝る人はいないと思われます西原克成先生が、「アトピーが治った!」(たちばな出版)の中で、玄米信仰について、痛烈に批判されています。
 玄米食によって、理工系大学生が九九ができなくなったり、突然死したり、ギョッとする例さえも出ているとのことです。
 原因は、胚芽に多く含まれるアブシジン酸やフィチン酸などの毒素が体を蝕むというものです。アブシジン酸は、ミトコンドリア(細胞内小器官でエネルギーを生産する)の毒となり、フィチン酸はミネラル吸収を阻害するというのが、その根拠になっています。
 便利な圧力釜で玄米を短時間で炊き上げ、毎日これを食べている人は、自覚症状が出なくても、皆共通して、顔色が悪く、土気色をしているとのことです。
 1940年生まれのベテランの大先生ですから、豊富な臨床例をお持ちで、これは間違いのないことでしょう。

 でも、ご安心ください。一方で、発芽玄米や七分搗きの米は問題ないと西原先生はおっしゃっておられます。アブシジン酸やフィチン酸は、発芽に伴って無毒な物になり、また、これらは胚芽の表面に多いから、七分搗きすることによって、大半が削り取られるからとのことです。

 うちで10年以上にわたって食べ続けている胚芽米は、どうか。
 これについては調べても分かりませんでしたが、小生思うに、七分搗き米に胚芽がまだかなり付いていることから、糠を全部そぎ落とす胚芽米は、胚芽がこぼれないように丁寧な精米をする中で、胚芽の表面をけっこう削っていると考えられ、七分搗き米と同等でしょう。小生も女房も、顔色が悪くなったりしていませんから、ホッとしているところです。

 なお、別の文献によりますと、アブシジン酸は、胚芽が芽吹くのを防ぐ物質ですから、発芽環境、つまり水に漬すと、その役割を終えて消滅するのですし、フィチン酸は、ミネラルを抱き抱えて離さない力があるのですが、発芽後はミネラルを離して新たに生まれる細胞に必要なミネラルを供給しますから、これも無害な形に変性しているとのことです。

 日本人の主食の米、これは、はるか昔の弥生時代からです。そして、精米技術が中国から伝わったのは室町時代で、それも酒造のためとかで、白米を食べるようになったのは、ごく最近のことです。ずっと玄米食を通してきた日本人です。もっとも、庶民は雑穀米でしたが。その雑穀とて米と類似した種ですから、胚芽があり、米と同様に、アブシジン酸やフィチン酸の類を大なり小なり含んでいましょう。
 こうした毒素をたっぷり含んだ穀類を食べ続けてきた日本人でありながら、世界的には、ずっと健康優良児を通してきました。
 これは、欧州キリスト教宣教師の古文書の記述内容から明らかなことです。

 なぜでしょうか。どうやら、これは、炊飯方法の違いにあるようです。
 多少とも圧力釜に近い「炊き干し法」(釜に重い蓋を乗せ、おこげができるほどに水を控える)になったのは江戸時代です。それ以前は、鍋で煮たり、煮た後で蒸したり、その逆であったり、といった具合で、時代によって様々でした。
 この方法で玄米なり雑穀米を水洗いするだけで普通に炊いたら、芯があって食べられたものではないでしょう。芯まで十分に火を通そうとすると時間がかかり、燃料代もかさみます。よって、その昔は、どの時代にあっても、前日から十分に水に漬し(そのままで、あるいはザルに上げ)、発芽玄米とはいえないものの、前発芽状態になったところで、やっと炊飯に取り掛かったようです。
 なお、この状態になれば、アブシジン酸やフィチン酸の類の大半が無毒化されるのです。これは、実証されています。

 時代が進み、便利になればなるほど、時計の針が早く回るようになりました。今日の玄米ご飯は、米櫃から必要量を1発で計り取り、手早く洗って圧力釜に入れ、スイッチを押す。小1時間で出来上がり。
 これは、昔の人にとっては想定外のことであり、「無毒化工程」を省略するという、この急ぎ過ぎによって、とんでもない落とし穴に、はまってしまったのです。

 これで、「玄米VS白米」論争に終止符が打てると思うのですが、いかがなものでしょうか。ただし、アトピーの方の中には、胚芽や糠に含まれる物質でアレルギーを起こすことがありますので、玄米や胚芽米にはご注意を。

(追記:2017.4.18)
 以上が2011.01.12付けの記事ですが、先に紹介した西原克成先生の弁「胚芽に多く含まれるアブシジン酸やフィチン酸などの毒素が体を蝕む」について、その後において少々疑問に思うところが出てきました。
 というのは、幾多の難病を完治させてこられた甲田光雄先生が、よく取られる治療法として完全生菜食があり、そのメニューとして「生玄米粉」(玄米を生のままで粉にし、それをそのまま食べる)を少々(70gとか80g)摂るというものがあるからです。体が弱っていて抵抗力・免疫力が低い状態にある難病患者にあっては、アブシジン酸やフィチン酸が難病改善にマイナスに働くと思うのですが、でも、そうしたことはなさそうです。
 このあたりが不思議なところです。粉にしたからといってアブシジン酸やフィチン酸が直ぐに酸化したりして無害なものに変化するとは考えにくいからです。
 ヒトは特に肝臓において、かなりの解毒力を持ち備えています。アブシジン酸やフィチン酸の解毒もけっこう行われるのかもしれません。でも、ヒトによってその解毒力に差がある、例えばアルコールの解毒のように、ということで、アブシジン酸やフィチン酸の解毒工程抜きの玄米炊飯でも何ら健康を害することがない方がおられるのかもしれません。あるいは少量(それがどの程度?)の玄米なら西原克成先生の弁「アブシジン酸やフィチン酸は七分搗きすることによって大半が削り取られる」からしても解毒可能とか。
 まるっきり推測ばかりで、確かなことは小生には何も言えないのですが、ただし、体にいい食事というものは長い歴史の中で培われてきたものですし、どれもこれも理にかなったものばかりですから、やはり玄米炊飯についてもそれに従うのが安全なんでしょうね。

(補記:2017.4.18)
 本稿で書きましたように、我が家では長く胚芽米を食べていたのですが、その後、アトピー体質の娘が同居するようになり、やはり胚芽に含まれる物質はアレルギーを起こすことがあるようで、白米食に変えました。今は娘は同居していないのですが、最近は当店のお客様(専業農家)からお譲りいただく米がめっぽう美味しく、その方から、七分搗きに精米するとよいとのアドバイスを受け、コイン精米機でそうしているのですが、精白米と七分搗きとの差はいかに? 見た目では七分搗きには胚芽がどれだけかくっついているだけで、精白米と味は変わらない感がします。また、ときどき娘にも七分搗き米を送ってやるのですが、アレルギーを起こすこともないようです。何とも不思議な七分搗き米です。


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