王林

2017-10-27 04:39:34 | 日記

 葉摘み、玉回しが不要な王林だが病気に弱く値段の安くなり栽培面積が減って来た。我が家でもわい正台木の王林を別な果樹に改稙した。未だ王林の出始めで甘いりんごで着色管理はいらない青リンゴ。当時は青りんごは珍しくしかもパリッとした食感で美味しいりんごで高値で販売された。

主力の品種は紅玉、スターキング等で過剰生産で安価で取引されていた。園地にはジュース用のりんごが捨てられネズミの餌になって酷い野鼠害だった。品種更新が盛んの行われて紅玉から王林に高接ぎ一挙更新された。

一方では高接ぎ一挙更新の他に外国からわい性台木が輸入された。地化した圃場にりんご栽培仲間農家がりんごのジュース搾り粕を缶詰会社から貰って来た。粕に混じっているりんごの種を水で流して集めて当時に始まった、減反政策で狭い苗代圃場を畑地化した場所に秋に播種した。

春先に芽だしして苗木を造り1年後にはわい性台の108やM26の台木を接いでわい性台木を造った。翌年の春にまたその台木に流行の品種、王林やジョナゴールド等接ぐ木して苗木の養成をした。3年間の長い期間防除や草取りで大変な管理で育てた苗木。定植出来るまで4年、5~6人に仲間で分け合いそれぞれの園地に定植してから半世紀近く経った。

生産者は量、質共に日本一の合い言葉に生産に励んで来た。その後増え続き集荷場には王林のコンテナが山積みになって置き場所がない程だった。また安値になり貯蔵りんごとしてまだ珍しい炭酸ガスを使用したC-A冷蔵庫で年明け販売で高値販売が出来た。紅玉も年明け販売でびっくりする程の高値販売だった。この王林は古木になり生産量が落ちて3年前に改稙した。

今ある王林は高接ぎ一挙更新したマルバ台木。今年黒星病やビターピットが心配されたがもいで見ると大玉で製品化率も高く喜んでもいでいる。甘いりんごの味が忘れられず顧客がいて贈答品として発送する。