一燈照隅

日本が好きな日本人です

主権回復…か。

2009年04月28日 | 日本の戦後
昭和二十七年四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が発効し、それまで米国に占領されていた日本國の主権が回復しました。

風さゆるみ冬は過ぎてまちまちし八重桜咲く春となりけり
昭和天皇 御製


翌、二十九日が御誕生日であられる昭和天皇にとって一番のお祝いになったのではないでしょうか。
しかし、五十七年後の今日、未だに精神を占領されたままの人達が國内に大勢います。
国防に於いても、曾ての敵国である米国におんぶに抱っこのような状態です。
これで主権を回復したと言えるでしょうか。

日本が占領の呪縛から解けるのは憲法を改正したときです。
麻生首相は次期総選挙では憲法改正主張を第一にして貰いたい。



日本の少年よ!我が愛する皆さんよ!私は今、皆さんに、大切な贈物をしょうとしているのだ。それは何か? 即ち此の少年日本史だ。之を贈ろうとする考を、私は前々からいだいていた。
それは二十年近く前に、ある中學校で、急に講演をした時に始まる。私は云った。「皆さん! 皆さんはお氣の毒に、長く敵の占領下に在って、事實を事實として教えられる事が許されていなかった。今や占領は終った。重要な史實は、正しく之を知らねばならぬ」。こう云って、二、三の重要な歴史事實を說いた。生徒一千人。その千人の目、二千の瞳は、私が壇上にある間は、壇上の私に集中し、壇を下りた時には、壇下の私に集中した。歸ろうとして外へ出た時、生徒は一齊に外へ出て私を取卷いた。彼等は何も云わぬ。只穴のあくほど私を見つめるのみだ。私は自動車に乗った。車は生徒に取巻かれた。四、五人の生徒は、自動車の屋根の上へ這い上って來た。車はしばらく動きがとれなかった。此の感動以來、私は眞實の歴史を、ひろく日本の少年、皆さんに語りたいと思いつづけて來た。機會は途に到來した。今や私は、皆さんに語りたいと思う事を、少年日本史一冊にまとめ、之を皆さんに贈る事が出來た。皆さん、どうか之を受け、之を通讀して下さい。
皆さんは日本人だ。皆さんを生んだものは、日本の歴史だ。その顔、その心、その言葉、それは皆幾百年前からの先祖より受けついだものだ。それを正しく受けついだ者が、正しい日本人だ。
從って、正しい日本人となる爲には、日本歴史の眞實を知り、之を受けつがねばならぬ。然るに、不幸にして、戰敗れた後の我が國は、占領軍の干渉の爲に、正しい歴史を教える事が許されなかった。占領は足掛け八年にして解除せられた。然し歴史の學問は、從って皆占領下に大きく曲げられたままに、今日に至っている。從って皆さんが、此の少年日本史を讃まれる時、それが一般に行なわれている書物と、大きく相違しているのに驚くであろう。
皆さんよ、人の貴いのは、それが誠實であるからだ。誠實は一切の徳の根本だ。その誠實を守る爲には、非常な勇氣を必要とするのだ。世の中には、自分の慾の爲に、事實を正しく視る事の出來ない人もあれば、世間の人々を恐れて、正しく事實を述べる勇氣のない人も多い。今後の日本を擔うべき少年の皆さん、敗戰の汚辱を拭い去って、光に充ちた日本の再興に當るべき皆さんは、何よりも先ず誠實でなければならぬ。そしてその誠實を一生守り通す勇氣を持たなければならぬ。日本の歴史は、さような誠實と勇氣との結晶だ。凡そ不誠實なるもの、卑怯なるものは、歴史の組成に與(あずか)る事は出來ない。それは非歴史的なるもの、人體でいえば病菌だ。病菌を自分自身であるかのような錯覺をいだいてはならぬ。
私は今、数え年七十六歳だ。從って本書は、皆さんへの、最初の贈物であって、同時に最後の贈物となるであろう。私は職で疲れ切った心身に、ようやく残る全力をあげて、一氣に之を書いた。
その原稿一千枚。それを私は歴史的假名遣で書いた。それが正しいと信ずるからだ。然し皆さんは學校で、現代假名遣しか學んでいない。よって時事通信社は、皆さんの讀みやすいように現代假 名遣に改めたいと希望した。私は他日、日本が正しい日本にかえる時、必ず歴史的假名遣にかえるに違ないと信じつつ、しばらくその申入を容認した。

昭和四十五年秋九月
平泉澄
「少年日本史」より







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3 コメント

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日本の誇りと靖国 (Unknown)
2009-04-29 07:55:23
先日靖国神社に行って参りました。
祀られていらっしゃる方々は今のこの国の現状を誰よりも憂いておられることでありましょう。
鳥居の前で老夫婦がここがあの問題の靖国神社ですかと私に尋ねられた。
正直落胆しました。
お節介かと思いましたが、参拝後に遊就館の見学を薦めました。
唯、日本が好きで誇りに思いたい。
其れを維持することがこんなにも難しい日本を
一刻も早く正常な在り方に戻ってほしいと願います。
麻生総理も経済対策も大事ですが日本の矜持を守ることこれを大事にして頂きたいですね。
この国に大事なのは自身の国を誇りに思うことではないでしょうか?
誇りがあればもっと日本は元気になれると信じております。
其れでは失礼いたします。
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昭和45年 (70代の青年)
2009-04-29 15:37:51
高度成長期の最中に書かれたものですが現在にも必要な文言です。
楠公の近くに疎開をしており、飛行場の草刈り整備に明け暮れた時代から、戦後の都会に帰り汚いもの・酷いものを見た乱れた時代から抜け出して、所得倍増にめがけて働く事が美徳の時代。日本人が日本の歴史を剥ぎ取られ、忘れて行く時代でも有りました。

平泉さんの云われる旧仮名使い。私も当初は困ったものでした。現在でも癖が抜けないところも有るのです。旧仮名を使うと日本の歴史を理解出来るかは判りませんが、本当の歴史は素直に教えるべきですね。

私個人は旧陸軍中尉の社会科の先生に教わり戦場での日本兵・シナ兵の違い日本軍の規律などを教科で教わる機会を持てましたので、今でも少しの時代でも明治の人の丹力・気力を植え付けて呉れた先生に感謝の気持ちを持ち続けられて居ます。良き先生に当り感謝でした。

今日も新聞を読んで居ましたら叙勲の方々の名簿が記載されており、じっくり読んで居ると外国人叙勲者の国籍記載方法がブラジルを始めとする外国の人の肩書が「日伯・・・」韓国人に成ると「韓日・・・」???と目を疑いましたが印刷が変わる訳が有りません。午前中・午後読んでも変わりませんでしたが?何故か変ですね。

こんな事にも贖罪史観が「こびりついている」のかと呆れた次第ですが、日本のマスコミの歴史音痴には降参です。
一日も早い教育の正常化・日本史の教育が正常に成って欲しいと願うのみです。そこから日本の再生が始まる気の長い話ですが諦めないでほしいです。

昭和の日・昭和21年の陛下の御歌ですが
 ”ふりつもる み雪にたへて いろかえぬ
       松ぞおおしき 人もかくあれ”
日本人よ!気力を持てと仰せと考えています。
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記事に感銘 (感謝)
2009-05-25 17:43:06
「少年日本史」は、「物語日本史」と改題して講談社文庫に入っていますね。(上中下3冊)
すべての日本人にぜひ読んでほしい本です。
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