スイスワインについてこの場で紹介できればと思い、いくつか試してきたが、なかなか”これは!”というものに巡り会うことができなかった。
スイスは避暑地としては素晴らしいが、ワインを作る環境としてはこれがある種のハンディになる。
それでもスイスの葡萄畑の景色は素晴らしい。
10月のラボーの畑
ローザンヌの東に広がるラヴォーLaveauxの葡萄畑はその美しさから世界遺産に指定されているし、ヴァレー地区では、フランスだったらコート・ロティに匹敵するような急な傾斜に葡萄の木が植えられている。
これもラボーの畑。レマン湖や対岸の山も綺麗だ。
スイスでは世界的には無名な葡萄でワインが造られており、フランスワイン等と同じ尺度でワインを語ることは難しい。
それでも、近年のスイスワインの質の向上は目を見張るものがあるようで、シャルドネ、ソーヴィニョン、メルロー、シラー、ピノノワール等のメジャーな葡萄でも世界的なワインコンクールに出品し、それなりの成功を収めているようだ。
パリにはマドレーヌ寺院とオペラ座の間にLAVINIAというパリで最大のワイン屋があるが、ジュネーブにも同じ店がある。パリの店の規模とは比べることは出来ないが、フランスをはじめ世界のワインがそろっており、当然ご当地モノのスイスワインのコレクションもある。
店員に、これまでそれなりに試してはいるが、スイスワインのことは正直あまりよくわからないと伝えた上で、彼のお勧めを聞いてみた。
すると、まず世界的にメジャーな葡萄で造ったワインとスイス特有の葡萄で造ったワインのどちらがいいかと聞かれた。
スイス特有の葡萄で造ったワインはそれはそれで美味いのだが、折角だから、フランスワインの同じ葡萄の品種のワインと比較しやすいようにメジャーな葡萄で造ったワインの中でのお勧めを聞いてみた。
何本か説明してもらったが、値段も手頃なものの中での彼の一押しは、ヴァレー地区の優秀な造り手Domaine des Muses 2007のSyrah。
ヨーロッパでもトップレベルのシラーだという。
色は赤紫。透明感はあるが色が濃い。
香りは、熟した赤い果実、フランボワーズなどを煮詰めたジャム、それに白胡椒のようなスパイスの香りもする。
飲むと、若々しくて果実味があり、酸もタンニンもアルコール分もしっかりとして骨格がある。マルシェで買ってきたハーブを利かせた豚のローストと、にんにくをきかせたトマトソースのパスタともよく合う。
2007年は日照時間が多くてよい年だったそうで、このワインもスイスのコンクールでシラー部門の銀賞を取っただけのことはある。
ただ、途中から時間が経ってもあまり香りや味に変化が見られないのが気にかかり始める。カラフに入れて空気に触れさせてみたが、それほどは効果がない。
まだ若すぎるせいなのか。
ボトルを半分開けようとするところでテースティングをいったん中止して、翌日続けることにした。
翌日もう一度残りを飲んでみると、昨日とは異なるスパイス感がより前面に出た感じで、飲みやすくなっていた。
ヨーロッパのトップのシラーであるフランスのコート・デュ・ローヌ地方のコート・ロティやエルミタージュの秀逸な造り手のワインとは比べるべくもないが、地理的なハンディを負っていることを考慮すれば、なかなか見事なものだ。
とりあえず、スイスワイン紹介の第一号とするには、十分ふさわしいワインといえるだろう。(M)
スイスは避暑地としては素晴らしいが、ワインを作る環境としてはこれがある種のハンディになる。
それでもスイスの葡萄畑の景色は素晴らしい。
10月のラボーの畑
ローザンヌの東に広がるラヴォーLaveauxの葡萄畑はその美しさから世界遺産に指定されているし、ヴァレー地区では、フランスだったらコート・ロティに匹敵するような急な傾斜に葡萄の木が植えられている。
これもラボーの畑。レマン湖や対岸の山も綺麗だ。
スイスでは世界的には無名な葡萄でワインが造られており、フランスワイン等と同じ尺度でワインを語ることは難しい。
それでも、近年のスイスワインの質の向上は目を見張るものがあるようで、シャルドネ、ソーヴィニョン、メルロー、シラー、ピノノワール等のメジャーな葡萄でも世界的なワインコンクールに出品し、それなりの成功を収めているようだ。
パリにはマドレーヌ寺院とオペラ座の間にLAVINIAというパリで最大のワイン屋があるが、ジュネーブにも同じ店がある。パリの店の規模とは比べることは出来ないが、フランスをはじめ世界のワインがそろっており、当然ご当地モノのスイスワインのコレクションもある。
店員に、これまでそれなりに試してはいるが、スイスワインのことは正直あまりよくわからないと伝えた上で、彼のお勧めを聞いてみた。
すると、まず世界的にメジャーな葡萄で造ったワインとスイス特有の葡萄で造ったワインのどちらがいいかと聞かれた。
スイス特有の葡萄で造ったワインはそれはそれで美味いのだが、折角だから、フランスワインの同じ葡萄の品種のワインと比較しやすいようにメジャーな葡萄で造ったワインの中でのお勧めを聞いてみた。
何本か説明してもらったが、値段も手頃なものの中での彼の一押しは、ヴァレー地区の優秀な造り手Domaine des Muses 2007のSyrah。
ヨーロッパでもトップレベルのシラーだという。
色は赤紫。透明感はあるが色が濃い。
香りは、熟した赤い果実、フランボワーズなどを煮詰めたジャム、それに白胡椒のようなスパイスの香りもする。
飲むと、若々しくて果実味があり、酸もタンニンもアルコール分もしっかりとして骨格がある。マルシェで買ってきたハーブを利かせた豚のローストと、にんにくをきかせたトマトソースのパスタともよく合う。
2007年は日照時間が多くてよい年だったそうで、このワインもスイスのコンクールでシラー部門の銀賞を取っただけのことはある。
ただ、途中から時間が経ってもあまり香りや味に変化が見られないのが気にかかり始める。カラフに入れて空気に触れさせてみたが、それほどは効果がない。
まだ若すぎるせいなのか。
ボトルを半分開けようとするところでテースティングをいったん中止して、翌日続けることにした。
翌日もう一度残りを飲んでみると、昨日とは異なるスパイス感がより前面に出た感じで、飲みやすくなっていた。
ヨーロッパのトップのシラーであるフランスのコート・デュ・ローヌ地方のコート・ロティやエルミタージュの秀逸な造り手のワインとは比べるべくもないが、地理的なハンディを負っていることを考慮すれば、なかなか見事なものだ。
とりあえず、スイスワイン紹介の第一号とするには、十分ふさわしいワインといえるだろう。(M)