夏休みにコルシカに滞在することになった。
コルシカになんてなかなかくる機会はないから,できれば気になるワインの造り手を訪問したい。
あまり訪問客を受け付けないとガイドブックには書いてあったが、コルシカ・ワインの大本命ともいうべき北部Patrimonio村のDomaine Antoine ARENAに事前にアポを申し入れてみると、すぐにOKという回答が返ってきた。
ここのワインは赤白ともに力強く濃いワインで,とりわけその白ワインに何度か感銘を受けていたのだ。
造り手に到着するとアントワヌ・アレナ氏の奥さんが我々を迎えてくれた。
14ヘクタールの畑を所有し,4世紀に及ぶ歴史を持つという。
コルシカの伝統でもある自然志向のワイン造りが信条ということで、殺虫剤,除草剤などいっさい使わず、醸造の過程で酸化を防ぐためにごく少量の亜硫酸(1ヘクタール当たり2~3グラムのSO2)を使うだけという。
あまりに少ないように思うが、天候が悪くて収穫した葡萄の状態が良くない時にはリスクがあるのではないかと聞くと,確かに2002年は雨が多くで大変だったので,若干多めの亜硫酸を入れたが、基本的に葡萄の木が丈夫で健康であれば,酸化防止剤はごく少量でいいという。
確かに,マダムが案内してくれたMorta Maioの畑の葡萄の葉の状態からして、葡萄の木の健康状態は非常に良いものに思われた。
畑から戻ったら,早速試飲に取りかかった。
(1)Patrimonio Bianco gentile 2010
bianco gentileは100%コルシカの葡萄ということで、他の地域ではこの葡萄でワインは作っていないという。パイナップル、グレープフルーツといった白い果実や白い花の香りがする。
(2)次はPatrimonio Vermentino Carco 2010
より芳醇で力強い感じ。
ここは白ワインもすべて乳酸発酵をさせているという。
乳酸発酵とは,ワイン中のフレッシュなリンゴ酸をよりまろやかな乳酸に変化させる醗酵のこと。
フレッシュ感を売りにする白ワインは酸味が命なので、それを犠牲にする乳酸醗酵をあえて行うには、フレッシュ感以外のワインのポテンシャルが要求される。さもないと緊張感の欠けたダレたワインになってしまうわけだ。
この造り手でVermentino種の葡萄で造る白ワインには、Carco, Grotto de Sole, Hauts de Carco(Carcoの上の畑)の3つの畑があるが、残念ながらHauts de Carcoは試飲させてもらえなかった。このHauts de Carcoは最近急速にその評価を高めているワインのようだ。
(3)赤ワインはステンレス桶に入っているPatrimonio Morta Maio2010から始める。
土壌は赤土で、赤いフルーツの果実味と強めのタンニンが特徴。
(4)赤の2つめは2010 Grotto de sol。より酸味が強い。熟した赤い果実やそのジャムのような感じ。
ただ、香りについてはこの2つは共通性があるように思う。
(5)赤3つ目は、Carco 2009。濃くて、ミネラル感があり、バランスの取れたワイン。
CarcoとHauts de Carcoの畑は2003年にアレナ氏が固い石灰岩を削って切り開いた新しい畑で2005年から収穫が始まった新しい畑のようだ。
その岩からは化石がいっぱい出たようで,カーブの玄関に化石の固まりが一つ置いてあった。
これです。
このミネラル感はこの化石を含む石灰岩の土壌から生まれるのだ。
(6)この後,2004年のGrotte de Soleという4年間も醗酵を続けたというdemi sec(ちょっと甘口の白ワイン)を頂く,どんなに強いワインかと思ったら、繊細で、ほんのりと甘めの白ワインだ。
(7)最後に,muscat(vin doux naturel)をいただく。甘ったるいワインを想像していたら,ミントなどのハーブの香りがするワインで,甘ったるくない。
マダムによれば醗酵アルコールの添加を最小限にしてできるだけ葡萄本来のアルコールと甘みを大切にしているという。
15時半に試飲を始めたのだが、16時を過ぎると蔵のドアが開いているのを見て、ひっきりなしにアポ無しの客が、「飲ませてくれるか、買わせてくれるか」とやってきた。マダムははじめはきっぱりと断っていたが,途中からたまりかねて受け付けていたら、あっという間に蔵の中が客でいっぱいになってきた。
マダムも慌ただしくなってきたし、この辺りで失礼することにした。
もちろん、試飲させて頂いたワインと、暑いコルシカ滞在中に飲むためのロゼワインをいくらか購入して。(M)
コルシカになんてなかなかくる機会はないから,できれば気になるワインの造り手を訪問したい。
あまり訪問客を受け付けないとガイドブックには書いてあったが、コルシカ・ワインの大本命ともいうべき北部Patrimonio村のDomaine Antoine ARENAに事前にアポを申し入れてみると、すぐにOKという回答が返ってきた。
ここのワインは赤白ともに力強く濃いワインで,とりわけその白ワインに何度か感銘を受けていたのだ。
造り手に到着するとアントワヌ・アレナ氏の奥さんが我々を迎えてくれた。
14ヘクタールの畑を所有し,4世紀に及ぶ歴史を持つという。
コルシカの伝統でもある自然志向のワイン造りが信条ということで、殺虫剤,除草剤などいっさい使わず、醸造の過程で酸化を防ぐためにごく少量の亜硫酸(1ヘクタール当たり2~3グラムのSO2)を使うだけという。
あまりに少ないように思うが、天候が悪くて収穫した葡萄の状態が良くない時にはリスクがあるのではないかと聞くと,確かに2002年は雨が多くで大変だったので,若干多めの亜硫酸を入れたが、基本的に葡萄の木が丈夫で健康であれば,酸化防止剤はごく少量でいいという。
確かに,マダムが案内してくれたMorta Maioの畑の葡萄の葉の状態からして、葡萄の木の健康状態は非常に良いものに思われた。
畑から戻ったら,早速試飲に取りかかった。
(1)Patrimonio Bianco gentile 2010
bianco gentileは100%コルシカの葡萄ということで、他の地域ではこの葡萄でワインは作っていないという。パイナップル、グレープフルーツといった白い果実や白い花の香りがする。
(2)次はPatrimonio Vermentino Carco 2010
より芳醇で力強い感じ。
ここは白ワインもすべて乳酸発酵をさせているという。
乳酸発酵とは,ワイン中のフレッシュなリンゴ酸をよりまろやかな乳酸に変化させる醗酵のこと。
フレッシュ感を売りにする白ワインは酸味が命なので、それを犠牲にする乳酸醗酵をあえて行うには、フレッシュ感以外のワインのポテンシャルが要求される。さもないと緊張感の欠けたダレたワインになってしまうわけだ。
この造り手でVermentino種の葡萄で造る白ワインには、Carco, Grotto de Sole, Hauts de Carco(Carcoの上の畑)の3つの畑があるが、残念ながらHauts de Carcoは試飲させてもらえなかった。このHauts de Carcoは最近急速にその評価を高めているワインのようだ。
(3)赤ワインはステンレス桶に入っているPatrimonio Morta Maio2010から始める。
土壌は赤土で、赤いフルーツの果実味と強めのタンニンが特徴。
(4)赤の2つめは2010 Grotto de sol。より酸味が強い。熟した赤い果実やそのジャムのような感じ。
ただ、香りについてはこの2つは共通性があるように思う。
(5)赤3つ目は、Carco 2009。濃くて、ミネラル感があり、バランスの取れたワイン。
CarcoとHauts de Carcoの畑は2003年にアレナ氏が固い石灰岩を削って切り開いた新しい畑で2005年から収穫が始まった新しい畑のようだ。
その岩からは化石がいっぱい出たようで,カーブの玄関に化石の固まりが一つ置いてあった。
これです。
このミネラル感はこの化石を含む石灰岩の土壌から生まれるのだ。
(6)この後,2004年のGrotte de Soleという4年間も醗酵を続けたというdemi sec(ちょっと甘口の白ワイン)を頂く,どんなに強いワインかと思ったら、繊細で、ほんのりと甘めの白ワインだ。
(7)最後に,muscat(vin doux naturel)をいただく。甘ったるいワインを想像していたら,ミントなどのハーブの香りがするワインで,甘ったるくない。
マダムによれば醗酵アルコールの添加を最小限にしてできるだけ葡萄本来のアルコールと甘みを大切にしているという。
15時半に試飲を始めたのだが、16時を過ぎると蔵のドアが開いているのを見て、ひっきりなしにアポ無しの客が、「飲ませてくれるか、買わせてくれるか」とやってきた。マダムははじめはきっぱりと断っていたが,途中からたまりかねて受け付けていたら、あっという間に蔵の中が客でいっぱいになってきた。
マダムも慌ただしくなってきたし、この辺りで失礼することにした。
もちろん、試飲させて頂いたワインと、暑いコルシカ滞在中に飲むためのロゼワインをいくらか購入して。(M)