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井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

愛山渓から永山岳に向かって!

2015-06-17 09:12:20 | 大雪山系の山
 今年の6月は寒い日が続いています。
5月は暖かい日が多かったので余計に6月の寒さが身体に堪えます。

 さて、Omさんから大雪山で遊びたいという話をいただいていました。
旭岳の麓にある裾合平付近を歩きたいということでしたが、この時期の裾合平は残雪が多く花の時期にも早いのです。
そこで愛山渓から永山岳を目指すことにしました。

 6月8日(月曜日)

 早朝5:30分に札幌を発ちます。
天気の方は曇が空一杯に広がっています。
あまり天気は良くないのですが風がないのが救いです。

 高速道路を飛ばし8時少し前に愛山渓に着きました。
平日の月曜日とあって駐車場に止まっている車は2台しかありません。
それも愛山渓温泉の車のようです。

 登山準備を済ませて8:05分、出発です。
   
   登山口です。

 今日はイズミノ沢沿いを登って、帰りは沼ノ平を回るつもりです。
沢沿いの道には残雪が残っているので登山道が所々分かりずらうなっています。
   
   登山道を外さないように慎重に歩きます。

 やがて、左手から大きな音を立てて滝となって沢水が流れ込んできます。
   
   昇天の滝です。

 この滝には9:30分到着しました。

 この滝の少し上に今日のハイライトとなる村雨の滝があります。
村雨の滝は左岸を登るのですが、そこには残雪が張り付いた雪壁を登らねばなりません。
この雪壁が曲者でした。
下を見ると沢に流れる水が融かした大きな口がポッカリと開いているのです。
間違って滑ると沢に飲み込まれるのです。

 傾斜がある雪壁を慎重に登ります。
滝の落ち口まで登ってホッと一息つきました。

 村雨の滝の直ぐ上に永山岳と沼の平への分岐点があります。
この分岐点を左に登ります。
   
   ジグをきっている登山道が雪で埋まっています。

 この雪で埋まっている登山道には注意が必要です。
というのは、登山道の下を融けた水が流れています。
岩の周りには大きなくぼみを作っていますが、それが隠れていて上から見えないのです。
大丈夫だと思い足を下ろして踏み出すと落とし穴にはまったように膝まで埋まってしまうのです。

後ろを歩いているOmさんの叫び声が聞こえました。
何事かと思い後ろを見ると、何とOmさんの腰下がスッポリと雪の中に埋まっているではありませんか。
そのため自力で脱出できないのです。
Omさんの手を掴んで引き上げます。

 こんなことを繰り返しながら登っていると、今度は大きな雪原が広がってます。
さて、どちらへ進めばいいか? 
雪面にはうっすらと足跡が残っているのでそれを参考に登ります。
すると前方のハイ松にピンクテープを見つけました。

   
   後ろを振り返ると沼の平が見えてきました。

   
   遠くには十勝連峰の山並みが見えます。
 
 登るにしたがって沼の平の池が見える様になってきました。
   

 視界を遮るものがなくなると風が強くなってきます。
   
   永山岳が見えてきますが、この景色は春のものではありません。

 冷たい風が身体を冷やしていきます。
何とか当麻岳の稜線見えるところまでと思って登りました。
    
   当麻岳の姿が見えたところが限界でした。

 これ以上登っても寒いだけですでOmさんと相談の結果、今日はここから降ることにします。
11:00分、下山することにしました。

 そうと決まれば下山は早いです。
大きな雪原は滑るように降ります。

 アッという間に沼の平への分岐まで降りました。
ここで、慎重に登り口を探します。
数回のジグで沼の平へ続く台地に登りました。
ここからは笹原を歩きますが、やはりここの登山道も雪解け水が流れています。

 雪融け水が流れ込む沢のような登山道を靴を濡らさないように歩くのは神経が疲れます。
それでも、下山したら愛山渓の温泉が待っています。
冷えた身体を早く温泉で暖めたい一心で足早に降ります。

   
    山頂部は雲に隠れていますが、愛別岳です。

 イズミノ沢まで降ると後は登った時の足跡を辿って降ります。

 愛山渓温泉は私達しかお客がいなかったので湯船が貸切状態でした。
ゆっくりお湯に浸かって冷えた身体を暖めます。
極楽、極楽、これがあるから山に登っているくらいの楽しい時間です。


GWは旭岳周辺で 2日目

2015-05-19 21:07:01 | 大雪山系の山
 1日目の夜は東神楽町にあるキャンプ場でテント泊しましたが、とても気持ちのいいキャンプ場でした。
直ぐ近くには温泉施設もあり、キャンプ場に子供が遊べる施設もあり沢山の人が利用していました。
私達のテントは炊事状の近くで桜の木の下です。
満開の桜を楽しみながら夕食はNt氏の作ってくれたすき焼きをいただきます。
今夜のすき焼きは和牛のお肉を1人づつ千円ほどのお肉が用意されていました。
このお肉は本当に美味しかった!
サシの入ったお肉で口の中でとろけます。

5月4日(月曜日)

 今日も良い天気です。
今日は当麻岳の大斜面を滑ります。
昨日と同じようにロープウェイに乗ってまずは姿見の池駅へ向かいます。

 そこから昨日と同じように裾合平に向かいます。
昨日と違うのは旭岳の裾を回りながら当麻岳を目指します。
   
   旭岳の姿が小さくなっていきます。

 しかし、ハイ松が行く手をふさいでいます。
それを交わしながら一番薄いところを選んで抜けていきます。
この辺りは勘に頼るしかありません。
なんとか当麻岳に繋がるルートを見つけることが出来ました。
   
   変わった形をした岩がありました。まるで手を突きだしたような形でした。

 さて、愛山渓方向から単独の男性が歩いてきます。
話を聞いたところ今年は雪融けが早かったので5月14日に国道から愛山渓までの林道を早くも通すことになったといいます。
そんな情報があるなら愛山渓で1泊する手もあったのにと思いました。

 小塚の横まで来て一休みします。
ここからは目の前に広がる急斜面を登らなければなりません。
どこを登るかちょっと話し合いました。

休憩後は一気に登ります。
当初考えていた所より左手に進みます。
いざ登りだしてみるとその方が傾斜が少し緩く感じたからです。

 さて、やっと尾根に登るとすごい風が吹いています。
身体が飛ばされそうな風が吹いているのです。
それでも、目の前には永山岳が見えていますが、山頂は雪がなく黒々としています。
   
   当麻岳まで3時間ほどかかりました。

 この強風の中でシールを外して滑降の準備をするのは大変です。
皆さん座り込んで作業をしています。
   

 ここからは木の滑った旭岳と熊の岳への大斜面がよく見えています。
   
   左が熊の岳、右が旭岳です。

 目の下の方には沼の平の湖沼群が見えています。
   

 滑降の準備が出来たので小塚に向かって大斜面を滑ります。
左右に広がる大斜面を思い思いの場所を選んで滑ります。
一番楽しい時間ですが、アッという間に滑り降りてしまいます。

 今日一番の楽しい斜面を滑ると後は姿見の駅を目指してのハイクが続きます。
   
   後ろを振り返ると私達が滑った当麻岳の斜面が見えています。

 あ~あ、今日も1日楽しく滑ることが出来ました。
感謝、感謝の2日間でした!

GWは旭岳周辺で・1日目

2015-05-18 09:59:21 | 大雪山系の山
 GWの3日から4日は大雪山は旭岳周辺でスキーを楽しんできました。
今回は、ピオレ山の会に人達に混じってのスキーとなります。

 3日は、旭岳ロープウェイの駐車場に9時集合。
札幌を朝5:30分に発ちます。
この時間だと道路も混んでいず順調に旭岳駐車場に到着。
すでに駐車場にはロープウェイの運行を待つ人達の車が止まっています。
大きなザックに荷物を詰め替えている縦走組もいますが、大半はスキーを楽しむ日帰り組でしょう。

   
   ロープウェイの駅越しに見える旭岳は黒々とした姿で夏道の登山道から雪が消えているようです。

 ロープウェイで姿見の池駅に到着。
ここから見る旭岳はとてもスキーで登れる状態ではありません。
   

 さて、今日の予定は、朝日岳の山頂まで登り裏側を滑り降り熊の岳のコルから裾合平らを回ってくるというものです。
しかし、山の雪は夏道からほとんど消えており地獄谷の雪さえも少ないのです。
結局、昨年滑った裾合平らから旭岳に向かって登り、適当な場所から滑り降りようという話になりました。

    
   スキー場から左手に進み裾合平らを目指します。

 前方にハイ松が顔を出している場所があります。
ちょっとした尾根状の地形では雪が消えているのです。
一番狭いところを何とかスキーを履いたまま越えます。

     
   適当な所から山頂へ向かってのびている沢を登ります。
  
   
   右手の沢を登ります。

 正面には当麻岳の雪の斜面が見えています。
   

   
   我慢の登りが続きます。
左上に大きな岩があり、昨年はそこから滑り降りたといいます。
今年はその上までいきたいということで登ります。
岩の上まで来ると隣の沢と合流します。
そして傾斜のゆるんだ雪のコブを越えてみると、何と山頂が直ぐ近くに見えるではありませんか。
   
   ここから山頂まで20分もあれば十分いけるでしょう。

追いついてきた人達に山頂まで行きましょうと話して進みます。
さて、やっと山頂に着きました。
そこには沢山の人達がいました。
昨年以上の人が山頂まで登っています。
   
   
 私達も記念に写真を写してもらいました。
   

 山頂からは直ぐ近くに白雲岳が見えています。
   

 正面には熊の岳から黒岳も見えています。
   
   さすがに大雪山、山の広さが十分に実感できます。

 左手には明日滑る予定の当麻岳の斜面が白く輝いています。
   

 さあ、熊の岳のコルに向かって滑りますが、まだら模様に滑らない雪が混在しており気持ちよく滑ることが出来ません。
それでも何回か休みをはさんで滑ります。
山頂から続く大斜面ですので滑っても滑っても下に着かないのです。

適当なところから左手に進み裾合平を目指します。

 そして、ロープウェイの姿見の池駅まで戻ると、ここからはスキー場を一気に滑って降ります。

 今日は天気も良く、風もあまりないなど最高のスキー日和でした。


今シーズン初めて黒岳を滑る!

2015-04-08 21:17:25 | 大雪山系の山
 ここ数年、シーズン初めは黒岳を滑っていたのですが、12月は天気に恵まれず足が遠のいていました。
そんなことで、いつかは黒岳を滑ろうと思っていたのですが、今年は羊蹄山が面白く5回も通った影響でこんな時期になってしまいました。

 4月1日(水曜日)

 ここ数日、天候が荒れていました。
前日も全道的には雨でした。
私はこの雨が黒岳は雪になると思っていました。
案の定、層雲峡は真っ白な雪に包まれていました。

 ロープウェイで5合目まで上がると真っ白な雪で目がまぶしいのです。
7合目のリフト乗り場に着くと黒岳の山頂が見えています。
   
   リフトは9時に動きます。
そのリフトに乗って7合目に着くと目の前にニセイカウシュッペの真っ白な姿が見えています。
   
   この景色を見ることができるから山に来ているようなものです。

 7合目に着くとスキーにシールを付けてさっそくハイクの開始です。
雪面はクラストした上にうっすらと粉雪が積もっています。
その粉雪にスキーが横滑りしてしまいます。
我慢してだましだまし登っていましたが、スキーアイゼンを付けた方が安全ですので休んで付けます。

 ここからは順当に高度を稼ぎます。
   
   山頂に向かうと時々雲が出てきて辺りが見えなくなってしまいます。

   
   一瞬、赤岳方面が見えました。

 1時間半ほどで山頂に到着です。
今回の山頂は風もなく穏やかでビックリしました。
いつも強風が吹き荒れる山頂しか知らないので拍子抜けしてしまいました。
   
   雲が一瞬晴れ、旭岳の姿も見せてくれました。

 その時間もほんの5分ほどでした。
記念写真を写す頃には雲で辺りは隠れてしまいました。
   

 さてシールを外して滑降の準備が終わると、真っ直ぐ谷に向かって滑り込みます。
斜面はクラストしている上にシュプールがデコボコに堅くなっておりバランスを取るのが大変です。
それでも粉雪をまき散らしながら滑るのは快感です。

 谷の下まで2分はかかりません。
肩まで登り返して、今度はスキー場目指して滑ります。
わずか2本の滑降でしたが十分に楽しめました。

 それでは、私の滑りを見てください。
2015年4月1日大雪山・黒岳を滑る!



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  4月7日、この黒岳で男性が1人亡くなりました。
 亡くなった方は、黒岳ロープウェイやリフトを運営している会社の専務さん(68歳)でした。

 この日は風が強いため7合目から上の状況を見に行くといって1人で登ったようです。
 1時には帰ると言ってで掛けたようですが、帰ってこないので探したところ7合目のリフトの
 降り場から15分のところに倒れていたようです。

こういった方達の見えないところでの活動によって私達の安全が担保されています。
 その活動中に体調が急変しての急死だったと思われます。
 とても残念なことでした。

  お亡くなりになった専務さんのご冥福をお祈りします。 
 
  合掌!!

三川台の兜岩の紅葉を見に行く!

2014-10-01 21:23:00 | 大雪山系の山
 旭岳の紅葉を楽しんだ後、三川台へ紅葉を見に行きたくなりました。
なぜかというと、以前、秀岳荘白石店で三川台の兜岩周辺の素敵な紅葉が写っていた写真を見ていたからです。

 三川台というのは、トムラウシ山から十勝岳へ向かって歩いてくる途中にあります。
しかし、三川台からトムラウシ山へ登るルートは、国土地理院の地図には表示されていません。
トムラウシ山からの避難経路として付けられた道だということで載せていないという話を聞いたことがあります。

 
 9月22日(月曜日)

 朝5時に札幌を発ちます。
三川台から入山するには、旭川市か美瑛町にある森林管理署で林道ゲートを開けるための鍵を借りなければなりません。
そのため、美瑛町の森林管理署の前で職員の人が出勤するのを待ちます。
7時過ぎに美瑛町に着いてしまったためにしばらくの時間役所前で一眠りします。

 8時を回ったところで職員の方が出勤してきましたので鍵を借りる手続きをします。
さあ、これで登山口へ向かうことが出来ます。

 小1時間ほど走ってやっと登山口に着きました。
ここから先にも台地林道が延びているのですが、沢水で傷んでいる箇所があるのでゲートが閉じられています。
昨年通った時よりも林道の傷み方がひどくなっていました。

 林道を歩き終えると沢水が流れる登山道を歩きますが、幸いなことに数日雨が降っていないので登山道を流れる水はありません。
それでも、所々泥濘となっている場所があるので気を付けて歩きます。
1時間ほど歩くと岩がゴロゴロしたところへ出ます。
その手前で休憩します。

 大きな岩を乗り越えて登ると一気に視界が開けてきます。
頭の上には厚い雲が流れており、天気予報では晴れの予報でしたが山の天気はちょっと違うようです。
岩登りを終えると笹を刈り払った登山道を歩きます。
ここまで来ると扇沼山は直ぐそこです。

 登山道の両側ににハイ松が出てくると扇沼山です。
ここからは、目の下に硫黄沼が見えます。
   
   沼の直ぐ向こうにオプタテシケが見えるはずですが雲の中です。

 思ったより紅葉が進んでいません。
稜線は風が強いので少し先の風が当たらない場所で休憩を取ります。

   
   オプタテシケからトムラウシ山側の稜線です。
この稜線がトムラウシとオプタテシケを繋いでいます。

   
   右側の尖った岩が兜岩です。

 しかし、紅葉の具合は今一つです。
秀岳荘で見た写真では、この岩の周辺が紅葉で真っ赤になっていました。

   
   旭岳方面の厚い雲の中です。
 一つ向こうに見える稜線は黄金が原の一部なのですが、紅葉はしていないようです。

 この先へ進んでも紅葉は期待できないので、この付近でゆっり休むことにします。
お湯を沸かしてカップ麺を食べると体が温まってきます。

 1時間ほど休んでしまいました。
下の方を見ると右手から真っ黒い雲が流れてきます。
岩場を過ぎて林道へ出た辺りでゴロゴロ雷が鳴り出します。
これは、一雨きそうです。

 急いで歩いていると強い風が吹き抜けバラバラという音がします。
雨に降られる前に雨具を着ます。
私は、雨具の上だけをザックの上からかぶるようにして歩きます。
すると、いきなり大粒の雨が降ってきます。
雨粒が大きいと思って見ると、なんと、ヒョウが混ざって降っています。
あわてて、道の横に生えている蕗の葉を取って傘代わりにします。

 20分は雨の中を歩いたでしょうか。
やっと車を止めていた登山口に着きました。
雨降る中ですので雨具を着たまま車に乗り込みます。
そのまま、雨の降っていないところまで走り着替えることにします。

 しばらく走っても雨が降り止まずタワラマップの町まで降ってしまいました。
ここで、農家さんがやっている産直の店があったので倉庫を借りて登山靴を履き替えました。

 美瑛町で鍵を返し札幌へ向かいます。
今回一緒に登ったOmさんが、白金温泉にある「青い沼」を見たことが無いというので見に行きます。
   
   夕方で曇り空、あまり条件は良くないのですが、池の青さは健在でした。
池の向こうには雪を被った十勝岳の山頂も見えていました。


 今回は、兜岩の紅葉を見に行ったのですが、今一つの状況でした。
でも、紅葉はドンドン低い山へと下がってくるので、今度はニセコあたりの紅葉を見に行こうと思っています。

初雪の旭岳で紅葉を楽しむ!

2014-09-25 20:15:29 | 大雪山系の山
 9月7日に今年一番早い紅葉を楽しみました。
旭岳には例年より9日、昨年より3日早く9月16日に初雪が降りました。
その情報を元に20日の土曜日に初雪と紅葉を楽しむために再度旭岳へ行ってきました。
一緒に行ったのはOmさんです。

 20日の天気予報は晴れです。
それまでの3日間はぐずついた天気が続いていたのです。
もっとも、このぐずついた天気で旭岳に初雪が降ったのですから文句は言えません。

 札幌を朝5時に出発します。
今日は連休ですので沢山の人出が予想されます。
旭岳の駐車場には限りがあります。
8時前には着きたいと思いました。

 途中で雨に降られながら高速道路を走ります。
旭川の街を走っていても所々で雨が降っているのです。
今日の天気予報ですと晴れるはずですが、ちょっと天気の回復が遅れているようです。

 ロープウェイの駅に向かって走っていると雲の中に突入です。
その雲が薄くなってきたところで旭岳ロープウェイの乗り場に到着です。
駐車場は半分ほど空いています。
ホッとして、車を止めます。

 予定より30分は早くロープウェイに乗ることができました。
7:55分、姿見の駅を出ると目の前に見える紅葉は2週間前に比べると色が濃くなっています。
   
    旭岳は雲の中ですが、中腹は雪で真っ白になっています。
   山頂の積雪は20~30cmあるとレインジャーの人が説明していました。

 さて、今回は旭岳には登らず、裾合平から当麻乗越まで行って、そこから当麻岳、比布岳、北鎮岳を経由して御鉢平を歩き、中岳温泉に下るというルート選択をしました。
しかし、稜線の雪の状況もあり、出たとこ勝負というところです。

   
   裾合平を目指して歩いていると紅葉の朱が目に飛び込んできます。

   
   雪の白さが目に沁みます。

 9:10分、裾合平の分岐に到着です。
   
   木道の上にも雪が積もっています。

 この雪の積もった木道は滑りますので注意して歩きます。
この分岐を右に進むと中岳温泉ですが、今日は左に進み当麻乗越を目指します。

   
   ピウケナイ沢が見えてきました。
この沢を渡渉しなければなりません。
   
   中央部に飛び石があります。

   
   この沢の下流部の紅葉が綺麗でした。

 ここからは山腹を登って行きます。
   
   途中から見た紅葉です。

 10:00分、当麻乗越に到着です。
ここからは眼科に沼ノ平が見えるはずなのですが、ガスに隠れて何も見えません。
チュッと休憩したあと、当麻岳を目指して登りますが、足元に雪が現れ、周囲がガスに包まれてきます。
我慢を重ね登ります。
雪が登るに従って深くなっていきます。
登山道が分かりづらくなってきます。
そして稜線に近づくに従って風も強くなってきます。

 10:50分、当麻岳に到着です。
しかし、ここからの登山道はさらに雪が深くなり、分かりづらくなってきました。
おまけに風が強く体が急に冷えてきます。
この状態で北鎮岳を目指すのは危険と感じ、Omさんと相談して下山することにします。

   
   下山は、雪の下に隠れている石に足を取られないように慎重に降ります。

 途中の岩に面白いものを見つけました。
   
   大きな岩が手水石のように真ん中が丸く抉れているのです。
   中にある数個の石が風雪によって動き岩の中をえぐったようです。
   ここまで抉るのにいったい何年の月日が掛かるのでしょうか?
 
 11:30分、当麻乗越へ戻ってきました。
ここで昼食を取ることにします。
そうするとガスがだんだん晴れてきました。
   
   沼の平が見えてきました。
沼の水と紅葉のコントラストが素敵です。

   
   山腹も負けじと紅葉が進んでいます。

   

   

 カップ麺を食べて体を温めながら目に下に広がる紅葉を楽しみます。
大雪山の紅葉ですが、今年の紅葉は10年に1度あるかないかの好条件により色付きがとてもいいとのことです。この紅葉を目の前に至福の時を刻みます。

 重い腰を上げて裾合平を目指して歩くと朝日岳の山裾も少しずつ見えてくるようになります。
   

   
   沼と紅葉、言葉がありません。

   
    左が小塚山、右が大塚山です。

 裾合平の分岐に着くと大勢のツァー客が休んでいました。
   
   こんなに沢山の人をここで見るのは初めてです。

   
   チングルマの紅葉です。

   

   

   
   
   
 雲が切れてきて当麻岳の稜線が見えてきました。
中央に見える山を左の稜線に沿って登り、最初のコブが当麻岳です。
さらに稜線を右手に進まなければいけないのですが、この様子では、当麻岳から先はさらに雪が深くて無理だったと思います。

   
   
 空に青空が現れ、旭岳の方向が上の方まで見えてきます。
   
   真っ白な雪がとても綺麗です。

   
   池に映る旭岳ですが、山頂部は雲の中です。

   
   散策している人が沢山歩いています。

 14:50分、姿見の池駅に到着です。
今日は予定していた登山ではなかったのですが、紅葉と初雪の旭岳を十分に楽しめた1日でした。

大雪山で日本一早い紅葉に出会う!

2014-09-14 21:00:56 | 大雪山系の山
 山友達のUchiさんから旭岳の中岳温泉に足湯を楽しみにいかないかと誘われていました。
しかし、8月はUchiさんの体調が今一なので延び延びになっていました。
9月になってようやく体調が戻ってきたということで7日の日曜日に出掛けてきました。

 朝6;30分に札幌で合流、旭岳のロープウェイの駅前駐車場に着いたのが9時少し前でした。
登山準備を済ませて9:15分のロープウェイで姿見の池駅まで登ります。
トイレを済ませて駅舎から外へ出たのが9:35分、すると駅舎の前の樹木が紅葉しているではありませんか。
   
   今年は思いのほか早く紅葉が始まっているようです。

 旭岳の山頂は雲の中です。
   
   姿見の池に映る噴煙は春より勢いがあるように見えます。

 ここからは砂礫の登山道を登ります。
春にも来ているのでドンドン登ります。
途中でUchiさんの様子を見ましたが、体調は問題ないようです。
9合目あたりで給水の休憩を少し取っただけで順調に山頂まで歩くことができました。

 11:10分、旭岳の山頂に到着です。
   
   しかし、山頂はガスがかかり眺望がありません。

 今日はここから裏側に降り、間宮岳からお鉢平を時計回りに少し歩いて中岳分岐から中岳温泉を目指します。
旭岳の裏側は地面の砂礫がグズグズになっており足元が滑ります。
それをダマしダマし降ります。
目の下のコルには裏旭のテントサイトが見えます。
黄色いテントが1張り張られています。

 この足元がすべる急斜面を下りきったところで休憩を取ります。
ここまでゆっくり休憩を取っていなかったので軽く食べ物も口に入れます。
身体冷えない程度に休憩を取ると間宮岳を目指して登ります。
後ろを振り返ると旭岳の裏側が見えています。
   
   まだ、大きな雪渓が残っています。

 この斜面を登っているとチングルマが赤く紅葉しているのが見えてきます。
   
   正面に見える白雲岳の中腹も紅葉しているのが見えてきます。
   
 
 今シーズンは早くも紅葉が始まっています。
例年に比べると1週間は早く始まっているようです。
これは思わないものを見ることができたと写真を写しながら間宮岳へ向かいます。

   
   チングルマの紅葉です。

   
   ウラシマツツジも真っ赤に紅葉しています。

   
   山の斜面にチングルマやウラシマツツジの群落が紅葉しています。

 左に見える熊の岳の斜面もうっすらと紅葉が始まっています。

 12:00分、間宮岳に到着です。
目の下にはお鉢平の絶景が広がっています。
   

 右手に見える小泉岳を見るとお鉢平の斜面にも紅葉が始まっています。
   

 そして左手には北海道第2の高峰である北鎮岳が姿を見せてくれました。
   

 ここからは中岳分岐を目指して降ります。
目はお針平の内側の斜面に始まった紅葉にクギ付けです。
こんなに素晴らしい紅葉に出会えるとは思っていませんでした。

 12:25分、中岳分岐に到着です。
ここから裾合平に向かって降ります。
中岳温泉はその途中にあります。

 ここからの紅葉も素晴らしかった!!
   
   チングルマやウラシマツツジのほかにナナカマドの紅葉も混ざってくるのです。

   

   

   

 息を呑む光景が目の前に広がります。

 遥か目の下には裾合平の湖沼群が見えています。
   
   ここも錦を織り込んだような紅葉が始まっています。

   
   下に大きなゴルジュが見えてきました。
中岳温泉はこのゴルジュの下にあります。

   
   中岳温泉付近も素晴らしい紅葉です。

   
   中岳温泉です。

   
   白く見えるのは湯の花が沈着したものです。

 13:00分、中岳温泉に到着です。
ここで昼食を取りながら足湯を楽しむことにします。
   
   源泉のお湯の温度は手を付けられないほどの温度です。
足を入れているところは沢水をうまく引き込んで温度調整がなされています。
ちょっと熱めといった温度でしょうか。

 昼食はUchiさんの用意してくれたカップ麺を食べます。
足湯も楽しんですっかりのんびりムードです。
ここで1時間以上ゆっくり休みました。

 14:15分、そろそろ下山しなければと腰を上げます。
あまりの気持ちよさに去りがたい気持ちで一杯です。

 ここからの紅葉がさらに素晴らしかった!
   
   赤だけでなく黄色も混ざりハイマツノ緑と相まって本当に綺麗です。

 圧巻だったのはチングルマの大群落が真っ赤に紅葉して様です。
   
   山側だけでなく、反対側にもチングルマの紅葉が広がっているのです。
   
   これほど大きな群落は見たことがありません。

 来年の夏、このチングルマが白い花をつけているのを何としても見たいと思いました。
旭岳の山裾も綺麗です。
   
   もう言葉が出ないです。

 地獄谷の噴煙が見えてくるとロープウェイの駅が間近になった証拠です。
   

 遊歩道の脇に紫の花が咲いていました。
   
   エゾオヤマリンドウの花の群落でした。

 15:40分、楽しい登山もロープウェイの駅について終了です。
今日は、思いがけない紅葉を、しかもこれほど綺麗な紅葉を目にすることができて本当に幸せな1日でした。
誘ってくれたUchiさんに感謝です。
 

沼の原からトムラウシ山へ登る! その3

2014-08-12 10:16:54 | 大雪山系の山
 昨夜はウトウトと寝ていると目の端が光ったような気がしました。
おやっ!と思ったらゴロゴロと雷が鳴ります。
天気予報では、明朝未明まで大気が不安定なので所によっては雷が発生すると報じていました。
そのとおり、雷雲が大雪の山並みを覆っているようです。

 しかし、今夜も小屋泊まりですので雷や雷雨が来ても心配することはありません。
何度か瞼越しに光る稲光を見ていましたが、そのうち寝てしまいました。


 8月1日(土曜日)

 周りがざわついてきたので目を覚まし、時計を見るとまだ3時半です。
そのまま寝袋の中でウトウトしていました。
4時になったので私も起きます。

 朝食を済ませて外へ出て上を見ると曇り空ですが空気は暖かいのです。
風は時折強く吹きますが、歩くには支障がない程度です。

 5:05分、用意が出来たので出発します。
今日は沼ノ原へ下山するだけですので気楽なものです。
ヒサゴ沼からいきなりの登りですが、下草が濡れているのでパンツの裾がグジャグジャに濡れてしまいます。

今日の天気なら稜線で風に吹かれるとすぐに乾くと思い気にしないようにします。
化雲岳の分岐を過ぎて風が強くなりましたが、気にするほどではありません。
視界も200mはありそうです。
   
   相変わらずのお花畑が癒してくれます。

   
   濡れた木道は滑るので気を付けながら歩きます。

   
    トリカブトの花が咲いていました。

 6:45分、五色岳に到着です。
   
   ここには若いカップルが休んでいました。

 このカップル、お互いにスマホに夢中で会話がありません。
山の中でもスマホに夢中とは、これが今の世の中ですね。

 ここからは、五色ヶ原に向かって長い降りが続きます。
しかし、その降り道も木道がほとんどですのでドンドン歩けます。 

   
   登ってきたときに見た景色ですが上から見るとまた違った景色に見えます。

   

   お花畑も見る角度が違うと新鮮です。
   

   
   エゾツガザクラの群落です。

 やがて水場に降る急な坂道の上に来ました。
この斜面は登山道を流れる水によって深くえぐれています。
泥の足場がツルツル滑ります。
両側にある笹や灌木の枝を利用しながら慎重に降ります。

 8:45分、降り終えると水場です。
ここで一休みします。

 ここまで来ると、あとは沼ノ原からの急な降りがあるだけです。
その沼ノ原を歩く辺りで雲が切れてきます。
太陽が顔を出すと急に暑くなってきます。

   
   トムラウシ山が見えてきましたが、山頂部には雲がかかっています。

 あとは単調に歩きます。

 10:40分、登山口に到着です。
やあ、今回の2泊3日のトムラウシ登山はこれで終わりです。
トムラウシ山の山頂は天気が悪く視界が無かったものの、50年振りに表大雪からトムラウシへのルートを歩くことが出来たので満足のいく山行でした。

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  今回の小屋泊まりで2組のガイドツァーと一緒になりました。
 そこで気のついたことですが、忠別岳で一緒になったガイドは浄水器を持ってきていました。
 私は雪渓の融けた水や沢水を飲むのにいちいち消毒や浄水などはしていません。
 しかし、本州から来る人達はエキノコックスなどから身を守るために沢水を煮沸してから
 飲むようにするなど気を遣っている人が沢山います。

 そういったことを考えるとガイドツァーでは浄水した水をお客に提供するのは
 当たり前となっていくと思います。

 エキノコックスについては、根室に住んでいたときに講演を聴き勉強したことがあります。
 この時の経験もありますが、私はそれ以前から沢水を飲むことに抵抗を持っていません。
 エキノコックスは全道でも大半の市町村が感染地域に指定されています。

 エキノコックスは、寄生虫が肝臓において卵が幼虫になると慢性の肝臓病のような症状が
 出てきます。
 この時にエキノコックスかもしれないとの情報を医師に伝えれば超音波診断などで肝臓を
 見れば直ちに原因を掴むことが出来ます。

 もし、肝臓に幼虫がいた場合には、外科的な手術でその部分を切除すれば良いだけです。
 それで全治します。

 エキノコックスはキツネを媒体としていますので、観光客がキツネに手渡しでお菓子など
 やっている行為の方が感染する危険性が高いと思います。

 沢水にキツネの糞などが入り込み、その沢水を飲んで感染する確率はとても低いものです。

 そんなことから、私はエキノコックスを心配しないで沢水を飲んでいます。
 
  




沼ノ原からトムラウシ山へ登る! その2

2014-08-08 21:01:32 | 大雪山系の山
 昨夜は小屋泊まりですので風の音に悩まされることなく、ぐっすりと寝ることが出来ました。

 7月31日(木曜日)

 朝4時にガサゴソする音で目を覚ましましたが、外はまだ薄暗いので寝袋の中でうたた寝を貪っていました。
隣にいるツァーの人達は早くも出発準備をしています。
それではと起き出して朝食の準備をします。

 今回の食事は、とても簡単です。
マルチャン正麺を主にして、これに尾西のアルファー米を加えるだけです。
ご飯は前夜の残りを使いますのでとても簡単にできあがります。
チャチャカと朝食を済ませて、パッキングを済ませると丁度5時です。

 それではと、出発です。
外は曇り空、でも気温が高いんで下草は濡れていません。
雪渓を登り、登山道をゆっくりと登ります。
15分ほどで分岐に着きます。
化雲岳方面を見ますが、トムラウシ山はガスに隠れています。
   

 誰もいない山道を五色岳に向かって登ります。
朝一の歩きですのでペースを抑えめにして歩きます。
ハイ松のトンネルなどがありますが、登山道はハッキリしていますので何の心配もいりません。

 6:00分、五色岳に到着。
給水のため一息ついてすぐに出発します。
ここからは、緩い上り下りが続きます。
身体が動くなってきたので自然にピッチが上がります。

 木道を降っていくとお花畑があります。
   
   黄色い花が咲いていますが、高山植物というよりは、浜辺にある原生花園に咲く花のようです。
   花の名前を調べてみるとエゾゼンテイカという花のようでした。
   
   群落となって咲いていますが、この場所だけに咲いていました。

 途中の登山道ですが、ハイ松が切り払われ綺麗に整備された場所があります。
    
 しかし、この刈り払方は少し行き過ぎた感があります。
ハイ松の切り口が白く見えますが、それが痛々しく感じます。
こんなに広く刈り払わなくても、と思いました。(ハァ、残念!)

 6:45分、化雲岳とヒサゴ沼への分岐に到着です。
   
 ここで、男女2人の登山者に出会いました。
話を聞きますと鹿児島から来てるといいます。
そして、ヒサゴ沼から直接稜線へ出るには雪渓を登らなければならず、自信がないので遠回りにあるけれどこちらへ回ってきたといいます。
賢い選択だと思います。
自分たちの力量に会わせて登山することは大切なことです。
この先、ロックガーデンなど登山道が分かりづらい箇所があるので注意して登るように助言します。

   
   ヒサゴ沼へ向かって降りますが、そこにチングルマのお花畑がありました。

 雪渓も出てきます。
   
   遠くにヒサゴ沼が見えてきました。

 所々雪渓から溶けた水が登山道を洗っています。
足場の悪いところもあるので注意して降ります。
降り終えるとヒサゴ沼です。
ここからは木道を歩いて小屋へ向かいます。
   

 7:35分、ヒサゴ沼の避難小屋に到着です。
   
   中を覗くと誰もいません。
入り口側の床にザックが2個置いてあります。
私も小屋泊まりとしてザックを一番奥に置いて、水と食料、雨具などをサブザックに詰めます。

 準備が出来たんでトムラウシ山に向かって出発します。
   
   正面に見える2つの雪渓を越えます。
右手に見える雪渓は下の方をトラバースしながら歩きます。
これが意外と難敵でした。
傾斜はないものの、雪面が堅く滑ると湖面に落ちてしまいます。
ここは慎重に歩きます。

 最初の雪渓を越えると次の雪渓は長く途中が急斜面となっています。
これは、ステップを切った跡があったのでそれを使って慎重に登ります。
登り終えて振り返るとヒサゴ沼が目の下に見えています。
   
   この景色を見るのは50年振りです!
 昔と変わらない光景です。
雪渓の大きさもそれほど変わらないような気がします。
しかし、昔は両側の岩場からナキウサギの警戒音が沢山していたのですが、今はシーンとしています。
あれだけいたナキウサギはどこへ行ったのでしょうか?

 8:25分、稜線分岐に到着です。
   
   ここからは、稜線通しにトムラウシ山へ向かって歩きます。
少し登って振り返るとヒサゴ沼の反対側に小さな沼が見えています。
   
   この沼には大きな思い出があります。
50年前、高校2年の夏山合宿でこの沼の横で2泊したのです。
この時は、悪天のためトムラウシ山に登ることは出来ませんでした。
私が初めて大雪山を縦走した思い出が甦ってきました。

 天気は良くありません。
ガスの中で見通しが悪く、時折風が強く吹いてきます。
それでも気温が高いのでウィンドブレーカーを着ないで歩きます。

   
   曇っていても高山植物の花が目を楽しませてくれます。

   
   天沼です。
   晴れているともっと綺麗だと思います。

 ロックガーデンは登山道を見失いやすいので方向を十分に見定めて歩きます。
この辺りは本当に標識のペイントが薄くなり、ルートミスしやすい所です。

 ロックガーデンを越えて砂礫地を登っているとキキヨウの花が目に飛び込んできます。
   
   ちょっと紫色が薄いのでイワキキョウだと思います。

 そして、お色の濃いのがチシマキキョウです。
   
   私はこのチシマキキョウの濃い紫が好きです。
   
   こんなに混み合って咲く株は初めて目にします。

 ヒタ、ヒタ、ピチャ、ピチャと不思議な音が聞こえ来ます。
9:45分、北沼に到着です。
   
   不思議な音の正体は、北沼の水が岸に打ち寄せる音でした。

 ここから山頂へ向かって登りますが、風が強くなってきます。
ガスも濃くなってきましたので視界もあまりありません。
岩の上を歩くときは慎重にルートを見定めます。

 10:10分、トムラウシ山の山頂に到着です。
   
   風が強いので写真を1枚写すとすぐに風の陰に避難します。

 山頂には数人の人が休んでいました。
私は、大きな岩陰で風を避け、昼食を取ります。
ここで、何か食べておかなければ体力が持ちません。

 昼食を食べ終えるとすぐに下山します。
風にともなってポツポツと雨が落ちてきます。
雨具をすぐに出せるようにして降ります。

 少し降ると雨足が強くなってきたので雨具を着ます。
北沼へ下り、時折強く風に吹かれながら歩きます。
降るにしたがって雨が小降りになってきます。

 雨は、通り雨だったようです。
雨具を着ていると暑いので脱いでしまいます。
あとは来た道を引き返すだけです。

 ヒサゴ沼への降りは、雪渓を慎重に降ります。
今回はストックを持ってきていません。
簡易アイゼンは持ってきているものの、使うほどでもないかと思い、雪渓の急斜面は横の岩伝いに降ります。

 12:00分、避難小屋に到着です。
天気には恵まれなかったのですが、トムラウシ山に登れたのですから良しとしましょう。


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  ヒサゴ沼を目にしたのは50年振りとなります。
 50年前の高校2年生の時です。
 夏山合宿で愛山渓から天人峡へ抜ける大雪山の縦走が行われました。
 この時にトムラウシ山へ登るためヒサゴ沼の登山道を挟んだ反対側にある沼の
 横でテント泊をしました。

 この当時は、テントを張る場所も自由に決めて張っていました。
 しかし、天候が回復せず、トムラウシ山に登ることが出来ないまま天人峡へ
 下山しました。
 
 高根ヶ原のコマクサに感動し、重いザックに喘ぎながらトムラウシ山へ向かったのは
 とても良い思い出となっています。
 若かれし頃の貴重な思い出を造ってくれた山が大雪山でした。
  



 
  

沼ノ原からトムラウシ山へ登る! その1

2014-08-05 20:01:32 | 大雪山系の山
 7月30日から2泊3日で沼の原から五色ヶ原を抜けてトムラウシ山へ登ってきました。

 沼ノ原への登山口となるクチャンベツ沢へ通ずる層雲峡本流線の林道は、4年ほど前の8月に北海道を襲った豪雨により林道の一部が崩壊し、その改修工事のため通行が出来ませんでした。
その工事もようやく昨年秋に終了し、この春から入林が出来るようになったわけです。

 このルートからは、以前、五色ヶ原の手前まで歩いたことがあります。
この時は日帰りだったために帰りの時間を考えるとこの辺りで帰らざるを得ませんでした。
今回は2泊3日で日程を組みました。
宿泊場所は、1日目を虫別岳の避難小屋、2泊目をヒサゴ沼の避難小屋としました。
もちろん、小屋泊まりが無理な場合を考えてテント持参の山行です。


 7月30日(木曜日)

 朝4時30分、札幌を発ちます。
高速道路を飛ばして層雲峡へ向かいます。
層雲峡のコンビニで行動食を購入してクチャンベツの登山口へ向かいます。
上士幌へ向かう国道から高原温泉へ向かう道へ右折します。
そして、10分弱走ったところにゲートがあります。
   
   今ゲートはダイヤル錠で閉じられています。
   ダイヤルの番号は、上川森林管理署上川事業所(TEL 0165822001)に電話して教えてもらいます。

 林道を走ること15分くらいでクチャンベツの登山口に到着です。
   
   駐車場としてのスペース間十分にあります。

 すでに10台以上の車が止まっています。
まとわりついてくる蚊を払いながら登山準備をします。

 7:50分、さあ、まずは沼ノ原を目指します。
軽く登るといったん沢に向かって降ります。
そして、渡渉するのですが、この沢がクチャンベツの沢です。
流れの手前が水で削られています。
しかし、沢水の量は多くないので飛び石伝いに渡れば靴を濡らすことはありません。

 渡渉を終えると傾斜の緩い登山道ですのでゆっくり登ります。
林の中は空気が涼しく気持ちよく歩けます。
やがて、急な登りとなります。
雨が降ったときには雨水が登山道に流れ込んでくる荒れた道が続きます。
一気に汗が噴き出してきます。

 この急斜面を頑張って歩くと空が明るくなってきます。
どうやら、沼ノ原に近づいたようです。

 9:10分、登山道が一気に明るくなります。
沼ノ原の端に到着です。
   
   ここからは木道歩きが続きます。

 小さな沼が見えてきました。
ワタスゲの白い綿毛がポツポツと見えています。
   

 そして、大きい沼まで来ると正面にトムラウシ山の大きな姿が見えてきます。
   
   ここから見るトムラウシ山は本当に大きく見えます。

 私は、トムラウシ山が一番よく見えるポイントがこの沼ノ原だと思っています。
木道は大きく右に回り込むように造られています。
   

   
   しばらくは、この湿原の景色を楽しみながら木道を歩きます。

 大沼の先から新しい木道が付けられていました。
そういえば、以前来たときには、この先の木道は痛みがひどく朽ちていた部分が沢山ありました。
この古い部分をすべて作り替えたようです。
   

 ワタスゲ以外の花も見られます。
   
   ミヤマリンドウです。

 木道を歩き終えて少し降るとそこは水場といわれる休憩に最適な場所でした。
10:05分、水場に到着です。
   
    小さな流れですが、冷たくて美味しい水でした。

 沼ノ原の指定キャンプ地は大沼の所ですが、実は、指定キャンプ地は水が浮いているような場所です。
とてもテントを張れるような場所ではありません。
私は、この水場にテントを張ることを薦めます。
このテン場は、正式なものではありませんが、沢水もすぐ汲めます。
林の中ですので風の影響もありません。

 この水場で休憩を取ると、さあ、五色ヶ原へ向かっての急登へ挑戦です。
水場からは急な登山道を登ります。
雪融け水が流れて土の登山道は深く彫り込まれています。
泥ですので滑りますが、両側の笹が綺麗に刈り込まれていますのでそちらを歩くことも出来ます。

 今回歩いて感じたのですが、五色ヶ原まで笹が綺麗に刈り払われていました。
その結果でしょう、とても歩きやすくなっています。
 
 強くなってきた日差しの中、急登を登ります。
この坂を登ると五色ヶ原の末端部に到着です。
ちらほら高山植物の花も目に付いてきます。
   
   チングルマです。

   
   ミヤマリンドウです。

   
   エゾコザクラもまだ咲いています。

   
   こんな光景を見ながら歩きます。

 五色ヶ原も湿原ですので、登山道のほとんどに木道が設置されています。
木道は濡れると滑るので歩きやすいとはいえません。
ゴツゴツ足に響いてきます。
そんなことで意外と疲れます。

 しかし、周りに咲く花が心を癒してくれます。
   
   トムラウシ山の姿が大きくなってきます。

   
   ワタスゲの群落もあります。

   
    ミヤマキンポウゲの群落です。

 目の先に五色だけと思われるピークが見えてくると、右手に虫別岳、その奥に旭岳の姿を見ることが出来ます。
   
   尖った岩の横が五色岳です。
   
   左手が崖のような急斜面になっている山が虫別岳です。

 実は、この虫別岳を目にするのは50年振りになります。
高校2年の夏、大雪山の縦走が夏山の合宿でした。
この合宿で歩いて以来、この周辺を歩いていないのです。
そんなことで、新鮮な気持ちで辺りをキョロキョロ見ていました。

 12:30分、五色岳に到着です。
ここまで来ると虫別岳の避難小屋までもう一息です。
そんなことでゆっくり休みます。

 天気は上々、風が少しあるものの汗をかいた身体には気持ちよく過ごせます。

   
   この花はあまり見かけない花でした。名前を調べなくては・・・

 あまり休んでもいられないので避難小屋へ向かって降ります。
今回はトムラウシ山を登るつもりですのでヒサゴ沼へ向かう方がいいのですが、昨年この小屋を直したとの話があるのでそれを確かめるために泊まることにしました。

稜線の分岐から10分ほど降ると小屋が見えてきました。
   
   なかなか良いロケーションです。

 13:20分、虫別岳の避難小屋に到着です。
小屋の中には単独の男性が先着しています。
   

 水は、小屋から少し降った雪渓の下で汲みます。
その途中にテント場がありましたが、数張り張るのがやっとといった広さです。

 小屋にはツァーの団体も入り、賑やかになってきました。
   

 さて、小屋の中を見ると1階の床が張り替えられたようで黄色いしっかりしたパネルとなっていました。
2階もあるので20人は十分に泊まれるでしょう。
今日は快適な小屋泊まりです。


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  最終的にこの日の小屋利用者はツァーの団体が7人ほど、単独の利用者が私を含めて4人、
 ご夫婦が1組、といったところです。
 
  なかなかの利用者数かと思います。
 この小屋は白雲の避難小屋とヒサゴ沼の避難小屋の丁度中間点にあります。
 白雲の小屋からですと3時間ほどでここへ来ることができるでしょう。
 トムラウシ山を目指す人が多い縦走では、この小屋を飛ばしてヒサゴ沼の小屋へ向かうはずです。
 その方が効率的であり、十分に歩ける距離ですので、この小屋を利用する人は少ないと思っていました。

 しかし、ツァーなどでは、込むことが予想される白雲の小屋やヒサゴ沼の小屋より、
 この小屋の方が確実に泊まれる小屋として利用しているようです。
 また、天候が急変した場合などを考えると歩いて3時間ほどの距離に小屋があるのは心強いですね。

  
   夕方ですが、雪渓の向こう側に鹿が2頭ほど現れ草を飯でいます。
   この高度まで鹿が登ってきて草を食べると食害を心配せずにはいられません。
   草が無くなると笹が増えて植生が変わる原因となります。
   そういう意味でも、増えすぎた鹿は問題です。
   そろそろ、大雪でも鹿の駆除を考える時期に来ているのではないでしょうか。