『リーガル・ハイ』第1話
古美門研介 … 堺雅人
黛 真知子 … 新垣結衣
三木長一郎 … 生瀬勝久
沢地 君江 … 小池栄子
加賀 蘭丸 … 田口淳之介
井手 孝雄 … 矢野聖人
服部 … 里見浩太朗
脚本:古沢良太
古沢氏といえば『相棒』の脚本陣の中の一人。今期はTBS系日9で『ATARU』の脚本を櫻井氏も担当しており、どちらも好評のようである。
まあリレー脚本に比べれば1クール一人脚本の方が書きやすいだろうし、キャラクターもストーリーも作り易いだろうと言う話である。
超変人だが超優秀な弁護士・古美門(こみかど)に真面目な新人弁護士・黛が自白の強要による冤罪事件の弁護を手伝って欲しいと頼むところから始まるんだけど、この男強烈です。
正義は金で買えると豪語。
被害者の美談を集め、取調担当刑事の悪評を集め、マスコミを巻き込んで人権団体を動かす。
正義というよりは勝つためになんでもする、というタイプの弁護士という前半の描き方。
しかしプライドが高くて打たれ弱い。性格やその扱いづらさから検事や元所属していた大手弁護士事務所の所長・三木から嫌われ、今回の事件でも一度は陥れられてぐでんぐでんに酔っぱらったりしちゃうんだけどね。
でも黛は諦めず古美門もひらめき、裁判には勝訴する。
警察の強引な取調、自供の強要、不十分な証拠による検察側の起訴。
しかし、被告人が本当に犯人でないかどうかは疑わしいと判決が出た後に黛は気づく。
殺人犯を野に放ってしまったのではないか、と不安になった黛に、古美門は彼が犯人かどうかは問題ではなくそもそも証拠不十分のまま起訴した検察が敗訴するのは当然だと言う。
それなら真実はどうなるのか、と尋ねる黛。
「うぬぼれるな。われわれは神ではない。ただの弁護士だ。真実がなにかなんてわかるわけはない。」
「だったら何を信じればいいんですか?」
「そんなものは自分で探せっ」
多分ここ。脚本家の言いたいことはここだと思う。
ある意味古沢氏は『相棒』では絶対に書けないものを書いているとも言えると思う。
真実を追及することにしか興味がない杉下右京と真実が何かを知ろうとするのは自惚れだと断言する古美門。
相反しているようで、実はテーマは同じだ。
そしてそこに現れる考え方や行動パターンの違うそれぞれの相棒。
リーガル・ハイで、今後真実と正義がどう取り扱われるのか興味深い。
しかし古沢さんはいい脚本書くなあ。
あの無罪を勝ち取った被告人が本当は犯人だったのかも…と思わせるシーンの後味の悪さ。
全体的にはコミカルな構成とエキセントリックな主人公のキャラクターでテンポよく引っ張り、1時間があっという間に過ぎる。
法廷という冗長になりがちな題材を扱っているが、そのテンポの良さに救われている。
そして判事や検事が熱くなり過ぎるところの面白さとリアル感のなさ。
そもそもそういうところで中途半端にリアルを追及する気を最初から放棄しているところが潔い。
音楽も好みだ。ちなみに音楽は林ゆうき氏。『BOSS』や『ストロベリーナイト』を手掛けている。
あとはこの強烈なキャラクターに飽きずについていけるかくらいかな。
まあ1クールだから大丈夫だろうとは思うけど。
ああでも黛がなんかちょっと神戸くんに見えちゃうところが。
なんでも『相棒』と比べるのはなんだけど古沢さん脚本だけにどうしても比較してしまうところではある。
ところで里見浩太朗がこちらでも頑張っておられるが、急に現代劇押し、なんだ、コレは?
事務員の服部。執事みたいな事務員である。ああ、非現実的。面白い。