RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

世紀の日本画 (後期・その2)

2014-03-21 21:30:00 | 美術
見てきました

東京都美術館

会期は2014年1月25日から2014年4月1日。

今回の「世紀の日本画展」
東京国立博物館で開催の「クリーブランド美術館展」「人間国宝展
この3つの展示で『日本美術の祭典』とされています。
(東京国立博物館開催の展示はすでに終了しています。)

2月に、前期を見てきましたが、今回、後期を見てきました。
(記事はこちら→「世紀の日本画 (前期)」)
前期と後期ですべての作品が入れ替わりました。
後期は2回に分けて書いていきます。
「その1」は描いたので今日は「その2」です。

《第4章 花。鳥。そして命を見つめて》
ここでは花鳥風月といったものが展示されています。

田渕俊夫「流転」
画面いっぱいに描かれているのは薄。
左から右へ、春夏秋冬の薄を描いています。
生き生きとした季節から枯れたものまでリズミカルに描かれています。
細いのにまっすぐ立つ力強さを感じます。
「流転」という題にふさわしく、繰り返す薄を見ているとなんだか人生の不思議を考えてきてしまいます。

今井珠泉「飛翔」
黄金の背景に生い茂る木々。
そこに飛んできたのは大きな鷹。
力強く、また風をまとっているかのよう。
先輩の告別式に出席した際に実際に目にした光景だそう。
なんて素晴らしい光景。
その景色を描きまとめるのも素晴らしい。

齋藤満栄「秋晨」
画家の毎年秋の楽しみは静岡県の三島へ菊を見に行くこと。
そしてそれを描いているのだそう。
赤と白の大きな菊が咲き誇っています。
ぼやけた背景が幻想的に見せています。

前田青邨「芥子図屏風」
6曲1双の屏風です。
尾形光琳の「燕子花図屏風」を真っ先に連想させますが、そこから影響を受けているそうです。
金地に緑色の芥子が目にも鮮やか。
左隻にはつぼみの芥子。
右隻には真っ白な花を咲かせた芥子。
眩しいぐらいです。
葉は葉脈が見えるほど丁寧に描き込まれています。
華やかです。

小林古径「孔雀」
屏風です。
緑色の羽根を広げた孔雀。
その美しさは神々しいほど。
堂々とした姿、色彩の美しさ。
惚れ惚れしてしまいます。

小茂田青樹「虫魚画巻」
前期と後期で巻替えで後期には金魚、蛾、鰻が描かれていました。
特に美しいのは蛾。
暗闇の中、灯りに集う虫たちは幻想的です。

《第5章 風景の中で》
ここには風景画が展示されています。

速水御舟「比叡山」
御舟が群青中毒にかかっていたときの作品。
比叡山が青の濃淡で描かれています。
山の端が白くなっているため輝いているようにも見えます。
静かな美の世界。

近藤浩一路「十三夜」
今までこの画家を知らなかったことを後悔しました。
それぐらい好みの作品。
墨で描かれた作品です。
仏塔を背景に、そこに向かう道が描かれています。
街灯がぼんやりと道と通行人を照らしています。
夜空には星がきらめきノスタルジックな雰囲気も。
"光と影の魔術師"、"外光水墨派"などと呼ばれていたようですが、その名のとおり。
幻想的で美しい世界です。

平山郁夫「絲綢之路天空」
シルクロードの砂漠を行くラクダの隊商。
褐色の地は永遠に続いているかのよう。
シルエットで描かれたラクダたちが効果的。
乾いた空気まで伝わってきます。

今村紫紅「熱国之巻(熱国之朝・熱国之夕)」
紫紅がバンコクなどに行った際に見た景色から着想を得た作品。
架空の熱国です。
立ち並ぶヤシの木、波打ち際の鳥、赤や黄の砂漠。
にぎやかで楽しい日常が描かれています。

福王寺一彦「螢(二)」
夜の闇。
ところどころ明るいのは蛍の光。
静かで幻想的な夏の夜です。

小田野尚之「くつおと」
今は廃駅となっている博物館動物園駅。
かつて上野公園にあった京成線の駅です。
東京都美術館の近くにあり、現在も駅の出入り口は見ることができます。
階段を上ってくる2人の姿が描かれています。
逆光となっているため表情は見えません。
なんだか静かで冷たい空気が流れ、幻想的です。

岩橋英遠「道産子追憶之巻」
約29mにもなる長ーい作品。
北海道の四季を夜・朝・夕と1日の時の流れで表現しています。
始まりは冬の夜。
冬眠する熊、フクロウが描かれ、白樺の木々のすきまから真っ赤な太陽が顔を出します。
白木蓮の花が幻想的。
って今書いてて思ったのはあれは白木蓮だったのか、辛夷だったのか。。。
この2つ、いまいち見分けつけられないのです。。。
雪が解け木々が色づく季節がやってきます。
激しい雨を抜けると緑が広がり空には虹。
田んぼの上を無数のとんぼが飛びかい、夕日で山際は真っ赤に染まります。
稲を刈ると少しずつ雪が景色を覆ってきます。
ひっそり静まる景色。。
豊かな自然が感じられとても美しい作品です。
近くでじっくり見て、離れて全体を眺めて。
どちらから見ても素晴らしい。

《第6章 幻想の世界》
ここでは画家の心眼に映った幻想の世界が展示されています。

中島清之「緑扇」
夏の夕日に照らされた竹林。
折り重なる葉のリズミカルな配置が面白い。
金・銀箔がきらめきを与えています。

郷倉千靱「西王母」
丸みを帯びた西王母が描かれています。
顔つきや体つきはインド彫刻的です。
フクロウや孔雀などが描かれ異国の雰囲気あふれる作品です。

馬場不二「松」
金地に描かれた力強い松。
病気により体力低下していた中、"死んでも描き上げる"と6月から8月下旬の間に書き上げ院展に出品。
院展開催中に亡くなりました。
太い幹からは命のきらめきと強さを感じます。

守屋多々志「無明」
4曲1隻の屏風です。
月に照らされた竹林。
そこに階段があり尼僧が歩いていきます。
左上には大きな月。
白い梅の花が静かに光ります。
大胆な構図がこの作品をより一層不思議なものにしています。
無明とは心理に暗いこと、だそう。

吉村誠司「硝子を透して」
空中に浮かぶようなメリーゴーランドにピエロに、と楽しそうなモチーフが描かれています。
背景が暗いためそれらが浮かび上がるように見え、静かな雰囲気があり幻想的。
脳腫瘍の手術をし、復帰後3か月で描き上げたそう。
それゆえの描く楽しさがつまっているような印象です。

《第7章 人のすがた》
最後です。
人を描いたものが展示されています。

片岡球子「面構(歌川国芳)」
1966年から彼女がライフワークとしていた「面構」
画面右側に描かれた歌川国芳が左側に描かれた国芳作品を眺めているというもの。
大胆な構図です。
片岡球子は国芳の権力にも屈しなかった自由な心意気に感銘を受けていたそう。

北野恒富「茶々殿」
白銀調という色彩を抑えた大正画風に描かれたもの。
10代初めの茶々を描いた作品。
美人と名高い茶々ですがどことなく寂しげな表情に見えます。

手塚雄二「市民」
上野の国立西洋美術館にあるロダン「カレーの市民」を描いたもの。
頭を抱える人など重苦しい雰囲気の人々が描かれています。
彫刻を日本画で表現するという面白い作品。
シルエットで描かれて力強さを感じます。

倉島重友「川風」
光が当たり眩しく輝く水面を背に立つ少女。
インド北部カシミールの光景。
水つぼを運ぶという大変ですが重要な日課。
目に力強さを感じます。

平山郁夫「日本美術院血脈図」
紅白の幕を垂らした日本美術院を背景に、馬に乗り、右手を挙げている岡倉天心、その周りを横山大観、下村観山、菱田春草ら創立メンバーが取り囲むようすが描かれています。
手前には安田靫彦や小林古径、前田青邨も。
白い鳩が飛び、全体的に輝く黄色が使われ眩しい感じです。
日本美術院への敬意、といった感じでしょうか。
その歴史は素晴らしいものだなぁ、と思います。

以上になります。
とてもおもしろい展示でした。
錚々たるメンバーの作品だらけで近代日本画の流れが分かりやすかったかと思います。
秋には近代美術館で日本美術院創立メンバーの一人、菱田春草展もあります。
楽しみです。



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世紀の日本画 (後期・その1)

2014-03-20 21:30:00 | 美術
見てきました

東京都美術館

会期は2014年1月25日から2014年4月1日。

今回の「世紀の日本画展」
東京国立博物館で開催の「クリーブランド美術館展」「人間国宝展
この3つの展示で『日本美術の祭典』とされています。
(東京国立博物館開催の展示はすでに終了しています。)

2月に、前期を見てきましたが、今回、後期を見てきました。
(記事はこちら→「世紀の日本画 (前期)」)
前期と後期ですべての作品が入れ替わりました。
後期は2回に分けて書いていきます。
今日は「その1」です。

昨年、横浜美術館で開催された「横山大観展」「下村観山展(その1)、(その2)」
どちらも日本美術院の創設から立ち会い、再興もした日本美術院にとって重要な画家です。
日本美術院絡みの展示が続くな、と思いきや。
今年は日本美術院の再興から100年。
今回の展示はこれを記念し、前史としての東京美術学校設立から現在に至るまでの約130年の活動を振り返るものです。
狩野芳崖、横山大観、小林古径、安田靫彦、平山郁夫など、近代日本画の巨匠たちの代表作約120点が展示されています。

《第1章 名作で辿る日本美術院の歩み》
日本美術院は岡倉天心が1898(明治31)年に設立したもの。
その後様々な理由からいったんは事実上の解散状態に。
その後、1914(大正3)年に横山大観、下村観山らによって再興されました。
ここではまず院展のハイライトとも言うべき作品たちが展示されています。
なお『院』とつくのは東京美術学校に対して大学院に相当するような研究機関を目指したからだそう。

横山大観「無我」
初期の傑作です。
大きな着物を着て野に立つ、無心な表情の童子が描かれています。
この作品は無我という観念的な主題が先にあり描かれたものだそう。
表情や乱れた髪、大きな着物や鼻緒の緩んだ草履などそれを表現するためのもの、ということでしょう。
日本美術院創設の前年に日本絵画協会の展覧会に出品され銅牌を受賞した作品です。

狩野芳崖「悲母観音」
重要文化財。
芳崖の傑作で絶作でもあります。
宙に浮かぶ観音が細い線で優美に描かれています。
観音が手にする瓶から円に囲まれた子どもに一筋の霊水が垂らされています。
慈愛にあふれた作品。
その姿は思わず拝んでしまいそうです。
院設立の10年前に亡くなった芳崖ですが、近代日本画の父と呼ばれこの作品も日本美術院の原点ともみなされたそう。

菱田春草「四季山水」
点描に近いこまやかな筆遣いで季節が描かれています。
秋の明るく穏やかな色彩は日本の自然の美しさが存分に表現され和やかな気持ちになりました。

横山大観「屈原」
前から強い風が吹く中、野を行くのは中国風の着物を着た髭の長い男性。
第1回院展出品作。
中国の戦国時代の詩人、屈原を描いたもの。
屈原は要職についていたものの同僚の妬みによって左遷させられたそう。
大観はこの屈原に師で東京美術学校を追われた岡倉天心を重ねました。
草木がしなる地を進む姿は力強さを感じます。

橋本雅邦「龍虎図屏風」
6曲1双の屏風です。
左隻は竹林にいる虎、右隻は雲間から現れた龍。
双方が睨み合っています。
風が強く吹き、竹はかなりしなっています。
波が渦巻き、稲妻が走る空は迫力があります。
龍虎図は伝統的な画題ですが、影や立体表現などで明治時代の日本画として表現しています。
虎も龍も動きのある背景のなかで生き生きとしています。

小倉遊亀「コーちゃんの休日」
白い浴衣の女性がサマーデッキにもたれています。
赤い背景にモダンな模様の浴衣が映えます。
大胆な構図とポーズからはマティスが連想されます。
モデルは越路吹雪。
描かれた女性のしぐさや癖はモデル本人が見てもしっかり表現されている、と語るほど。
モデルのくつろぐ様子がみえます。

奥村土牛「門」
姫路城の門の一つ「ろの門」を描いたもの。
所々壊れていますがそういったところも土牛の興味を引いたようです。
門が描かれているだけなのですが、存在感あります。
静かな雰囲気です。

前田青邨「京名所八題(都八題)」
京の名所、8ヶ所を描いた連作。
特に好きなのは「四条大橋」
白黒で描かれた四条大橋は人力車が行き交い、ガス灯があり、着物の人たちが歩いていきます。
モダンな雰囲気です。

《第2章 院展再興の時代 大正期の名作》
ここでは再興日本美術院展の日本画、洋画、彫刻から代表作が展示されています。

木村武山「小春」
6曲1双の屏風です。
再興院展第1回出展作品。
琳派的で装飾的。
竹や柿が描かれきれいな青い鳥がとまっています。
全体的に淡い色彩で描かれ優しい景色です。

安田靫彦「御産の祷」
中宮彰子の安産祈願が描かれています。
燃え上がる炎のオレンジ色がとにかくきれい。
中宮彰子は紫式部が仕えた人。
藤原道長の娘です。
私は中宮定子派です。。
清少納言と定子のやり取り、そして一条天皇とのやり取りが好き。
彰子は父親が父親だから色々大変だっただろうな。。

小杉未醒「山幸彦」
前期に同じところに展示されていた未醒の作品も素敵でしたが、こちらも素敵。
日本神話の海幸山幸の話の山幸彦の世界が描かれています。
勾玉を身に着け、剣を手にした男性が山幸彦。
水を見つめる赤い服の女性はどこか西洋的。
シャヴァンヌから影響を受けていたようで、その装飾的で平面的な感じは確かにシャヴァンヌらしさがあります。
明るく淡い色彩がその不思議な世界を引き立てます。
私、未醒好きだわ。。

戸張孤雁「虚無」
テーブルの上の静物はリズミカルな配置です。
茶系の色彩でまとめられています。
この画家は日本美術院の同人ではなかったそうですが、出展していたそう。
キュビズム的な不思議さがあります。

中原悌二郎「若きカフカス人」
まっすぐこちらを見つめる頭部。
カフカスはコーカサスとも呼ばれる黒海とカスピ海周辺地域。
この東部のモデルはロシア人だそう。
力強い造形です。

平櫛田中「禾山笑」
椅子に腰かけ、肘掛けに両手を置いて、上を向いて大笑いする禾山。
臨済宗の僧侶で禅の道を分かりやすく伝えようとした人です。
見ているだけでこちらも笑顔になれそう。
朗らかな人柄と明るく楽しい雰囲気が伝わってきます。

《第3章 歴史をつなぐ、信仰を尊ぶ》
ここからは日本画のテーマ別に展示されています。
歴史画や信仰をメインとしています。

冨田溪仙「許栖岩(列仙のうち)」
許栖岩は唐代以降の列仙の一人。
市場で手に入れた馬が龍の化身でともに仙境に迷い込みます。
流れるような雲煙の中に描かれています。
まさに不思議の世界。
馬の優しそうな顔つきが印象的。

安田靫彦「項羽」
金色の鎧兜を身に着けた項羽。
その脇には虞美人がもたれ掛かっています。
有名な四面楚歌の場面。
周辺を劉邦の軍に囲まれていますが、毅然とした態度の項羽。
背景には万里の長城。
万里の長城は明時代のものでこの時代にはありませんでした。
そのことをのちに知った靫彦は研究が足りなかったと自戒していたそう。

荒井寛方「涅槃」
釈迦入滅の場面です。
白い服で横たわる釈迦の周りを青い服を着て嘆き悲しむ弟子たちが囲みます。
色の美しさがより幻想的な感じを出しています。

前田青邨「知盛幻生」
能の"船弁慶"の一場面。
壇ノ浦に沈んだ平知盛たちの亡霊が刀を手に義経と弁慶の乗る船に強い風を吹きかけています。
荒れる海、飛び散る波しぶきの力強さが緊迫した場面を伝えています。

新井勝利「源氏物語(薄雲)」
桜の木の下を歩く光源氏。
淡く青い空、ピンクに染まった雲。
美男子かは別として(笑)優しさを感じる好きな色彩です。

鎌倉秀雄「追想王妃の谷」
エジプトから着想を得た作品。
黒髪の美しい女性が空に手を伸ばしています。
祈っているかのような景色。
木棺の彩色も美しく幻想的。
古の美を想像させます。
エジプト旅行で王家の谷に行った際に見たレリーフの中の女性に強く美を感じたのが描いたきっかけだそう。

伊藤髟耳「空点」
平等院の雲中供養仏を描いた作品。
楽器を奏でたり踊ったり。
仏像たちが幻想の世界を作り上げています。
サントリー美術館で見た「天上の舞 飛天の美」の優美な世界が甦ってきました。

以上になります。
かなり面白い作品ばかりでメモを取る手が疲れました。笑
明日は「その2」を書いていきます。



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ランチ

2014-03-19 21:30:00 | 食べ物
してきました。
神田にある洋食のお店、Bonnes Mares.
ときどーき、しか行かないけど。
お気に入りです。
1000円ぐらいで美味しい洋食食べれるので。

今回はハンバーグにしました。

分かるかなぁ。
肉の中央あたりから出ている肉汁。
もう、ウキウキです。

これにサラダとスープ、パンかライス、コーヒーか紅茶が付いて1000円なのです。
平日はもちろん行けないし、日曜日がお休みだから土曜日しか行けないけど。

とってもおすすめ。



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Signature of Elegance リリアン バスマンの仕事

2014-03-18 21:30:00 | 美術
見てきました

シャネル・ネクサス・ホール

会期は2014年3月13日から2014年4月10日。

今回はファッション写真家として世界的な評価を得ている女性写真家、リリアン バスマン(1917-2012)の日本初の展示です。
アーティスト、アートディレクターとしての教育を受けた彼女は写真を斬新で自由な表現としていきました。
両親はウクライナの移民でニューヨークに生まれます。
1935年に写真家のポール ヒンメルと結婚。
1940年にアレクセイ・ブロドヴリッチのクラスに入り、1941年にアシスタントとしてはーパース・バザーでの仕事を始めます。
このときはアート・ディレクターとしての参加でした。
1948年に写真家としてのキャリアをスタートさせ、同誌が大成功を収めた時代の貢献者の一人となりました。
1951年には夫とスタジオ設立。
一時はファッション写真から離れるものの、79歳でファッション写真界に戻り、美しく芸術的な作品を作り出し続けました。

会場は白と黒で構成されています。
モノクロの写真の世界に入り込んだかのようです。
写真はコントラストが強く、まるで絵画かのよう。
ファッション写真なのに、服装がよく分からないものも。
そこにあるのは"女性の美"
体のラインが重視され、しなやかでやわらかく美しい女性たち。
線の美しさがたまりません。

銀座でとにかく美しい世界に浸れます。
少し時間の空いたときにでも行きやすいです。
そして無料です。
おすすめです。



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VOCA展2014 現代美術の展望 -新しい平面の作家たち

2014-03-17 21:30:00 | 美術
見てきました

上野の森美術館

会期は2014年3月15日から2014年3月30日。

今年も見てきました、VOCA展。

VOCA展は全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼。
その作家が平面作品の新作を出品するという方式で行われています。
もともとは第一生命のメセナ活動で始まったもの。
21回目となる今年は33人の作家が参加しています。

今年はチラシが4色。

かわいい。笑

いいな、と思ったものを簡単にあげていきたいと思います。

大槻英世「Sleep」
黒地に白い線がリズミカルに踊ります。
その一定のリズムは確かに眠り。。
ずっと見ているとぐるぐる回って自分も眠くなります。笑

佐藤香奈「マブイグミ(enter)(exit)」
大原美術館賞受賞です。
淡い緑色の背景に鹿が描かれています。
2枚組で片方はこちらに来るかのよう、もう片方は出ていくかのよう。
優しい色彩で描かれているのですが、ほんのり謎めいています。
マブイグミは沖縄の言葉で、抜け出していった魂を呼び戻す行為を言うそう。
これだけでストーリーを紡ぎだせそうですね。おもしろい。
大原美術館賞は毎年楽しみ。
なんとなく好きな作品が選ばれるので。
もちろん今年も好きです。

田中望「ものおくり」
今年のVOCA賞受賞作品です。
おめでとうございます。
大きな画面に描かれるのは大きなクジラと舟を漕ぐうさぎ、踊るうさぎ。
鳥獣戯画的な雰囲気も。
「ものおくり」とは動物の霊を送る狩猟儀礼だそう。
東北では漂着したクジラに対し、「ものおくり」をするそうで、それが主題となっています。
また三陸沖では昔鯨漁がおこなわれていたとか。
細かく丁寧に描き込まれ、うさぎたちの生き生きとした様子も素晴らしいです。
震災犠牲者への鎮魂の思いも込められているとか。
静かで幻想的な雰囲気です。

染谷悠子「かみあわぬ水に沈む月」
佳作賞です。
これ好きー!!
和紙、鉛筆、水彩、墨、リトグラフインク。。。
さまざまな素材を使って描かれたこの作品は幻想的。
青い波紋が広がり美しい光景。
色彩も青がメインですが、優しい色です。

山本雄基「each area」
丸がいっぱい。
カラフルで明るい。
うきうきします。

入谷葉子「シャングリラ」
葬式を描いたもの。
モノクロのはずの葬式がカラフルに彩られています。
私、小さいときにお葬式の夢を見たことがあるんだけど。。
真っ赤だったんです。
すべてが真っ赤。
赤いフィルター越しに見ていた感じで真っ赤。
誰かとしゃべったりもせず、その真っ赤なお葬式を眺めていた夢。
当時は怖くて泣いて起きたね。笑
今は笑って話せるけど。
その夢をふと思い出しました。

大小島真木「遺伝子 / Gene」
VOCA奨励賞です。
4枚組の作品。
色紙がとてもきれいで幻想的。
遺伝子の不思議な感じも表現されていると思います。

平川恒太「trintite -サイパン島同胞臣節を全うす」
真っ黒な画面。
近づいたら見えるのが銃を構える人、倒れている人。
タイトルを見てあぁ、と。
迫力あります。

山本もえ美「植物教会の授業」
すごく不思議で不気味な絵。
だが、好き。笑
額縁の中、こちらを向いている人の顔はぐるぐる。
虫か貝か。。
赤に黒のストライプのドレスが不気味さを増しています。
あと、奥にいる目の大きな緑色の服を着た女性。
こちらをあざ笑うかのようにも見えるその表情も好き。

金光男「row-kanaami #17」「row-kanaami #16」 
VOCA奨励賞
金網の映像が焼けちぎれています。
なんだか力強さを感じる作品。

大坂秩加「そんなに強くなってどうするのあなた」 
佳作賞
継ぎはぎの建物や木の枝に女性たちが取り付いて、上を見上げています。
建物の屋上には女性が後ろ向きに立ち、何かを投げています。
不思議。

他にも松嶋由香利「春の風にさも似たり」や伴美里「Where water goes」なんかも好きです。
毎年楽しくて。
今年も楽しかった。
"デジタル・イメージが日常に氾濫する時代にあって、今回は写真や映像を使ったものがほとんどなかった"
そうです。
確かに。
なんだか興味深い事実です。
新しい作家さん探しに、ぜひぜひどうでしょうか。



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ラファエル前派展、お土産

2014-03-16 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
「ラファエル前派展」ミュージアムショップで購入しました!!

クランチチョコレート
580円。
8個入り。
作品がプリントされた紙のパッケージに入っています。

なんだかなー。
平凡。
ラファエル前派兄弟団!!的な精神がないよね。。
(どんな精神。。)

クランチチョコって先日も買ったし。。
(西洋絵画×キティちゃん)
パッケージも紙でただの箱。。
キティちゃん方も紙だったけどしっかりしたものだったし、形もかわいかったよ。
で、キティちゃんの方が安くていっぱい入っているとか。。

えっ!!??
キティちゃん、安い価格でこき使われてるんじゃ。。

いやいや、ラファエル前派展だもん。
きっとなにか新しいことがつまっているに違いない!!
たとえば斬新なスパイスが入っていて、意外性をもって食べてみたらおいしい、とかね。


。。。別に普通だったよ。

紅茶も販売されていましたが、こちらはちょっとお値段お高め、3500円ぐらいだったため断念。
だって久しぶりに図録買ったから!!
それぐらい作品は気に入ったってこと。

先日の「ザ・ビューティフル展」で購入した紅茶とともに楽しんでいます


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ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢 (その2)

2014-03-15 21:30:00 | 美術
見てきました

森アーツミュージアム

会期は2014年1月29日から2014年4月26日。

1848年、ロンドン、ロイヤル・アカデミーで学ぶ
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ウィリアム・ホルマン・ハント
ジョン・エヴァレット・ミレイ
上記3人が中心となり、
ジェームズ・コリンソン
フレデリック・ジョージ・スティーヴンス
トーマス・ウールナー
ウィリアム・マイケル・ロセッティ
の4人が加わって結成された集団。
正式名称は《Pre-Raphaelite Brotherhood》
《ラファエル前派兄弟団》

その活動を紹介する展示です。
その1」を書いたので今日は「その2」を書いていきます。

《4.近代生活》
ラファエル前派が結成された1848年。
イギリスでは社会改革を求める労働者階級による"チャーティスト運動"が最後の盛り上がりをみせていたときでした。
ラファエル前派の初期の作品もこういった反抗的・反体制的なものが見られるようです。
この時代は産業革命による経済発展と成熟により、貧富の差が拡大、社会問題も増えていきました。
ラファエル前派の画家たちは風俗画に倫理性を持ち込み、売春・貧困といった近代生活に見出せる挑発的主題を取り上げていきました。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「ジェイムズ・ワイアット・ジュニア夫人と娘のセーラ」
椅子に座る母親の膝の上に立つのはおめかしした愛らしい子供。
立っている場所からかもしれませんが、少し不安定な印象です。
全体的に暗い色彩ですが、子供の服の明るさが引き立ちます。
室内にはラファエロの「聖母子像」とダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の模写が見えます。

フレデリック・ジョージ・スティーヴンズ「母と子」
この画家は描くのに膨大な時間がかかり、未完の作品も多いのだそう。
のちに美術批評家へ転身します。
室内に描かれている母と子。
室内にあるものはそれぞれ意味が込められているそうで、この作品にはクリミア戦争への批判が込められている、とも。
母親が手にする手紙は夫の戦死を知らせるもの。
ベッドの上には騎兵のおもちゃがあり、それは夫のことを指すのだとか。
うーん、こういったものは解説がないと理解しづらいな。。。

ロバート・ブレイスウェイト・マーティノウ「我が家で過ごす最後の日」
グラスを片手に乾杯をする陽気な父親と肩を抱かれた息子。
その脇にはその父と子を眺める妻と娘。
和やかな家族の光景、、、と思いきや、実は破産宣告を受け立ち退きを迫られているのです。
妻が夫を眺める視線が悲しげなようにもバカにしたようにも見えます。
豪華な家具には競売の札。
床には競売の目録も。
壁に掛けられた馬の絵は賭博で財を失ったことを示しているそう。
暖炉の火も消えかけ。。
母と娘の悩みは明日以降も続いていくのでしょう。。。
ストーリー性があっておもしろい作品です。

ウィリアム・ホルマン・ハント「良心の目覚め」
立ち上がって外を見る女性とその女性の腰を掴んでいる男性が描かれています。
当時は愛人や娼婦に身を落とす女性が社会問題になっていたそうで、これはその問題をストレートに指摘しています。
この作品に描かれている室内には寓意がたくさん込められています。
ピアノの上の楽譜は女性の過去の純真さを思い出させる曲。
派手な色のじゅうたんなどは男性の皮相的な愛。
机の下の小鳥や猫もこの2人の関係を揶揄するものだそう。
その状態から目を覚ました女性は真剣な表情で外を見つめ、決意の固さを感じられます。
昨年、東京藝術大学大学美術館開催「夏目漱石の美術世界展
ここで見たウォーターハウスの「シャロットの女」をなんとなく思い起こしました。

《5.詩的な絵画》
ロセッティは1850年代半ばには油彩作品を展覧会に出品するのを止め、初期ラファエル前派の自然主義からも離れて、ダンテの詩やアーサー王伝説を題材に濃厚な彩色を施した水彩作品を制作するようになりました。
そのモデルの女性はエリザベス・シダル。
ロセッティの恋人でもあり、のちに妻となります。
ミレイの「オフィーリア」のモデルも務めたミューズでした。
彼女自身もロセッティの影響を受け絵を描きます。
同じころにはロセッティの作品に感激したバーン=ジョーンズとウィリアム・モリスが彼のもとに集まります。
50年代も終わろうとする頃には家具、ステンドグラス、壁紙など装飾芸術までその範囲を広げていきました。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「ダンテが見たラケルとレアの幻影」
ロセッティは自身をイタリアの詩人ダンテ・アリギエリに擬えていました。
この作品はそのダンテ「神曲」から。
煉獄のおだやかな一時を描いたもの。
石造りの水盤に腰掛け水面を見つめるラケル。
緑色の服を着たレアはスイカズラで花輪を作っています。
優しい色使いと筆遣いが印象的。

50エリザベス・エレノア・シダル「《「サー・パトリック・スペンス」より淑女たちの哀歌」
ミレイ「オフィーリア」のモデルであり、ロセッティの妻であるシダル。
「ベアタ・ベアトリクス」などロセッティの代表作のモデルも務めました。
ロセッティとは長い婚約期間ののちに結婚しましたがほどなくしてアヘンの服用で事故とも自殺ともつかぬ死を遂げます。
この作品から少し離れてしまいますが、ロセッティに欠かせない女性としてシダルともう一人、ジェーン・バーデンという女性がいます。
ウィリアム・モリスの妻となった人で、ロセッティの「プロセルピナ」などのモデルを務めています。
ロセッティとジェーンはロセッティがシダルと婚約中に出会います。
ジェーンがモデルを務めることは繊細で病気がちだったといわれるシダルには心痛の種となります。
結局、ロセッティはシダルと結婚。
ジェーンはロセッティの弟子にあたるモリスと結婚するのです。
しかしこの複雑な人間関係が幸せをもたらすはずもなく。
ロセッティのジェーンに対する思慕は止まず。
シダルとジェーンの相手モリスは深く悩むこととなります。
そしてこの2人が互いの相談相手となる、ということも。。
シダルは女児の死産など心痛める出来事ののち、アヘンを服用し亡くなりました。
享年32歳。
ロセッティやミレイ、ハントに霊感を与えたミューズとしては悲しい最後です。
この作品は水彩で描かれた作品。
スコットランドの東海岸で朽ちる運命のスペンスとスコットランド王の帰還を待つ女たちが描かれています。
その表情は期待と絶望とが織り交じり、微妙な心模様がとてもよく表現されていました。
淡い色彩も美しい。
画家としてはロセッティの陰に隠れてなかなか正当な評価を受けられなかったそうですが、この作品を見る限り、伝えようとする力は負けていないんじゃ、というより、シンプルに訴えかけている分、心に響きます。

ラファエル前派の人間関係ですが、先ほども描いたようにかなり複雑。
展示の途中にはその相関図などもあり、とても分かりやすくまとめられていました。
ロセッティってモテるんだねー。
まぁ一言でいうと、「巻き込まれたくない」関係。笑
ミューズたちの紹介はとてもよかったです。
モデルがしっかりスポットをあてられるってことは少ないので。。

エドワード・バーン=ジョーンズ「クララ・フォン・ボルク 1560年」「シドニア・フォン・ボルク 1560年」
2枚で対となった作品。
魔女裁判を題材としたゴシック小説「修道院の魔女シドニア・フォン・ボルク」から。
クララは白い鳩を抱き、足元の黒猫から守っています。
シドニアは黒い蛇の模様のドレスです。
"黒い蛇模様"って聞くと"怖い"、"気持ち悪い"ってイメージですが、装飾的で私はすごく好き。笑
この対照的な2人。
それぞれの立場が小説を知らなくても理解できます。
クララのモデルは、妻のジョージアーナ・マクドナルド。
シドニアのモデルは、ロセッティの愛人ファニー・コーンフォース。
ロセッティ……。

シメオン・ソロモン「ミティリニの庭園のサッフォーとエリンナ」
サッフォーがエリンナに顔と体を寄せるところが描かれています。
エリンナは肩から胸が大きく露出したドレス。
サッフォーは女性とも男性とも取れるような顔つきで描かれています。
妖艶な雰囲気です。
サッフォーはギリシャの女流詩人。
根拠がなかったのですが、女性同性愛者の象徴とされてきました。
そして彼女の故郷、レスボス島はレズビアンという言葉の語源とされてしまいました。。。
エリンナもギリシャ生まれの女性詩人。
時代が違うためこの2人が一緒にいることは絶対なかったのですが、同性愛がタブーの時代にこの2人の著名な詩人の名を借りることにより表現したように思います。
さて、当時タブーの同性愛を扱ったソロモン。
1873年に逮捕されています。。。
彼の作品は「ザ・ビューティフル展」でも見ていますが、そこで描かれていたものは腐女子が歓喜しそうな男性2人でした。。笑

《6.美》
1860年代に入るとラファエル前派は新たな表現形式を模索し始めました。
それまでの文学的な主題や自然、社会、宗教から離れ、絵画制作の美的な可能性を探ろうとしました。
物語性を排し、画面の色彩や形式の美を追求するなど新しい絵画を生み出します。
"芸術のための芸術"を目指す唯美主義運動へと接近していきました。

フレデリック・サンズ「オリアナ」
物思いにふける女性の横顔が美しい。
服の表現も素晴らしいです。
眼下には城や橋。
城壁に立つ彼女は戦う恋人の姿を追っているのです。
ですが、恋人の放った矢に当たって死んでしまうというせつない作品。
空の青さが眩しく印象的。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「安息の谷間「疲れし者の安らぎの場」」
墓堀りをしている尼僧と、墓石に腰掛けている尼僧が描かれています。
ドクロのついた十字架を持っていたり、花輪が掛けられていたりと意味がありそうなものが並んでいますが、ストーリー性はないそう。
黄昏の空、そよぐ木々。
色彩も美しく、日常の美といったものがありました。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「モンナ・ポモーナ」
リンゴを手にし、こちらを見る女性。
深い緑色の背景に緑色のドレス。赤いバラ。白い花の入ったカゴ。
全体的に暗い中、彼女の肌の白さが眩しいです。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「最愛の人(花嫁)」
旧約聖書の雅歌を題材としたもの。
未来の夫の前でヴェールを脱ぐ女性です。
中央の花嫁は日本の着物のような衣装。
周りには黒人の少女など異国を感じさせる雰囲気がいっぱいです。
髪飾りの百合も存在感あります。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「ベアタ・ベアトリクス」
ロセッティの代表作でもあります。
自らをダンテになぞらえていたロセッティは妻シダルの死後にこの作品を描きました。
ダンテの妻ベアトリーチェになぞらえています。
光に照らされた女性は光悦の表情。
背景にはフィレンチェの景色と愛の化身、そして日時計。
この日時計はシダルが亡くなった時間を示しているそう。
死の使いである赤い鳥が運ぶ花はケシの花。
これはシダルがアヘンで亡くなったことから。
神秘的で儚い印象。
切ない作品です。

ロセッティは世間的な成功は得たものの、人妻への思慕と自分の妻への罪悪感にさいなまれて次第に心身を病みます。
1872年には自殺を図ったこともあったそうです。
晩年は酒と薬に溺れる生活だったそう。。。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「プロセルピナ」
今回のポスターなどにも使われている作品。
ロセッティ作品が続いていますが、こちらもロセッティの代表作。
柘榴を手にこちらを見つめる美女。
プロセルピナはローマ神話の春の女神。
冥界で柘榴の実を食べてしまったため1年のうち半分は地上、半分は冥界で過ごすこととなります。
この作品のモデルはジェイン。
先ほども書きましたがモリスの妻。
シダルの死後、深い中になりモリスも許容していたそうです。
訳分からん。。。
てか「ベアタ・ベアトリクス」の近くにあるっていうのも切ないよ!!
黒くつややかな髪、真っ赤な唇。
確かに怪しく美しい。

《7.象徴主義》
唯美主義的な絵画をロセッティとともに推し進めたバーン=ジョーンズ。
彼は1870年ごろから円熟期を迎えヨーロッパ大陸に起こった象徴主義に大きな影響を与えたそう。
現実生活には主題を求めず、自然主義的な描写も退けます。
それは、初期の水彩画から円熟期の油彩画までほぼ一貫していました。
登場人物は感情を出さず、絵の具も半透明で幾重にも重ねられ、謎めいた世界です。
近代社会に背を向けてひたすら理想化された世界を描いたバーン=ジョーンズ。
それは、ヴィクトリア朝期の英国の物質至上主義に対抗するものだったそう。
ここにはそのような作品が展示されてます。

エドワード・バーン=ジョーンズ「愛に導かれる巡礼」
20年の月日を費やしたという大作です。
手に矢を持つ愛の神に手をひかれいばらの道を進むのは黒いマントとフードをかぶった詩人。
周りの薔薇は棘だらけ。
バーン=ジョーンズらしい色彩で厚みがあります。

71エドワード・バーン=ジョーンズ「夕暮れの静けさ」
うつろな瞳の女性です。
不思議な建物を背景にし、なんとなくモナリザ的な印象。
右手小指のリング

以上になります。
ラファエル前派の作品をまとめて見れて、かなり楽しく過ごせました。
これだけの作品が日本に来たことに感謝です。
美術ファンなら見逃せない展示となっています。



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ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢 (その1)

2014-03-14 21:30:00 | 美術
見てきました

森アーツミュージアム

会期は2014年1月29日から2014年4月26日。

【それは懐古か反逆か】
このフレーズとともにチラシに使われているのははラファエル前派の画家、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「プロセルピナ」
詳細の日程が決まる前からチラシを集め、楽しみに楽しみに待っていました。

2014年1月 笑
2008年のミレイ展(Bunkamura)、2013年のターナー展(東京都美術館)に続くテートと朝日新聞の共催展だそう。

さて。
ラファエル前派についてですが。
1848年、ロンドン、ロイヤル・アカデミーで学ぶ
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ウィリアム・ホルマン・ハント
ジョン・エヴァレット・ミレイ
上記3人が中心となり、
ジェームズ・コリンソン
フレデリック・ジョージ・スティーヴンス
トーマス・ウールナー
ウィリアム・マイケル・ロセッティ
の4人が加わって結成された集団。
正式名称は《Pre-Raphaelite Brotherhood》
《ラファエル前派兄弟団》となります。

その由来はルネサンスの画家、ラファエロより前、ということになります。
19世紀のアカデミーには古典偏重の美術教育がなされていて、ラファエロの絵画を模範としていました。
しかし、その劇的な描写はわざとらしいと考えた若者たち。
彼らはそれよりも前の芸術、中世や初期ルネサンスを範とし、素朴な絵画に立ち戻ろうという意味を込め"ラファエル前派"と付けました。
ラファエロ、、、悪くないのに悪者扱い。笑
今回はそんなラファエル前派の活動を取り上げた展示となります。
これまでラファエル前派の画家の作品は見てきていますが、この運動をしっかりと取り上げた展示は初めてかもしれない。
展示は1章から7章までで構成されています。
今回2回に分けて書いていきます。
今日は「その1」
第1章から3章までです。

《1.歴史》
17世紀、ヨーロッパでアカデミーが創設されて以来、最も重要だったジャンルです。
聖書、神話、文学、歴史的事件などを描きました。
ラファエル前派はこの分野で、新しい形式を作り上げます。
彼らはシェイクスピアやアーサー王伝説などに題材を見出し、服装や背景は史実に忠実で本物らしい道具立てを再構成。
登場人物は仲間うちのモデルを使い真実味のある作品を作り上げました。
これらの作品は写実性と豊かな人物像を特徴とし、ヴィクトリア朝の新興富裕層の心をとらえますが、アカデミーの慣行からはかけ離れていたため、批判を受けました。

アーサー・ヒューズ「4月の恋」
青い服の女性がとにかく目をひきます。
美しい色彩に惚れ惚れ。
これから男性と会うのかな。。
はにかんだようにも不安げなようにも見えるその表情。
まわりを咲く花々もこの恋が咲くのを祝っているかのよう。
紫、青、緑はヒューズ独特の色だそうです。
美しい。

ウィリアム・ホルマン・ハント「クローディオとイザベラ」
シェイクスピアの"尺には尺を"に着想。
描かれているのは鎖につながれた兄クローディオと妹で修道女のイザベラ。
死刑となった兄の命を救うため純潔の提供を求められた妹。
イザベラはその申し出を断ります。
その兄に運命を受け入れるようなだめている場面が描かれています。
暗い室内に対し、窓の外の明るさが目立ちます。
青い空やピンクの花など。
細部まで丁寧に描き込まれています。

フォード・マドックス・ブラウン「リア王とコーディリア」
シェイクスピアの"リア王"から。
リア王とコーディリアの再会の場面です。
野営地で眠る王に両手を差し出す娘コーディリア。
古代風の衣装は細かく描き込まれ、とても美しい。

フォード・マドックス・ブラウン「黒太子45歳の誕生日にシーン宮殿で父エドワード3世と延臣たちに「タスタンス姫の伝説」を読んで聞かせるジェフリー・チョーサー(エドワード3世の宮廷に参内したチョーサー)」
人々はチョーサーの話に耳を傾けつつ思い思いの格好で過ごしています。
エドワード3世は愛人とともに、黒太子と呼ばれたエドワード皇太子は妻のひざにもたれています。
この作品ではロセッティがチョーサーのモデルを務めました。

フィリップ・ハーモジニーズ・コールデロン「破られた誓い」
あぁ、と思わず声が出そうになります。
腰に手をやりあきらめたような表情の女性。
破れかけた木の戸の向こうには男性と女性。。。
あぁぁぁぁぁ。。。
もういやだ。考えただけでも切なくって。。
手前の女性の周りにはかれた花びらや萎えたアイリスなどが意味ありげに描かれています。
この作品、とっても色彩が美しい。
美しいだけに余計切ない感じが伝わってきます。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「マリアナ」
この作品、2008年のBunkamuraの展示でも来日しました。
たしか。
「オフィーリア」ばかりに目が行きがちでうろ覚えなのが残念。。。
シェイクスピアの"尺から尺を"を引用したアルフレッド・テニスンの詩"マリアナ"から。
船の難破により持参金を失い、婚約者アンジェロに捨てられたマリアナ。
塀に囲まれた館で孤独な生活を送ります。
描かれているのは刺繍の手を止めて伸びをしているところ。
青いドレスの艶やかさ、ステンドグラスの輝き。
外の明るさも伝わってきます。
色彩がとにかく美しい。
床の上にネズミがいますが、こちらもテニスンの詩に登場するのだそう。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」
Bunkamuraで見たとき以来。
相変わらず美しい。
はっとさせられるのです。
シェイクスピアの"ハムレット"からです。
オフィーリアは父親を恋人のハムレットに殺され、正気を失い、歌いながら川辺で花冠を作ります。
それを川縁の枝に掛けようと、枝を掴んだところその枝が折れ、川に転落。
描かれているのは、川に流されながら死が迫っているのに歌を口ずさんでいた、というシーンです。
まさに、これから死にゆく姿。
ゆっくりと流れていく感じが伝わってきます。
顔は蒼白、目もうつろ。
周りの緑の美しさと花々の輝きがその死を際立てているようです。
細かく描かれたドレスも美しい。
ドレスの上に、先ほどまで彼女が握りしめていたであろう花々が散らばっていますが、それも美しい。
花に囲まれ静かに流れていく様子は、まるで棺の中に入れられているかのよう。
ミレイは、サリー州のユールにあるホッグスミル川のほとりで週に6日、毎日11時間、5か月にわたってこの川を描き続けたそう。
だから描かれている花々の季節は混ざっています。
これらの花にはそれぞれ寓意が込められているのだそう。
オフィーリアのモデルは19歳のエリザベス・シダル。
のちにミレイの友人でラファエル前派の代表的な画家、ロセッティの妻となります。
ミレイはバスタブに水を張り、モデルを浮かべて描きました。
時は真冬。
ミレイは絵に集中しすぎてバスタブの水を温めるために燃やしていたオイルランプの油が切れたことに気づきません。
シダルは冷たい水のながでも辛抱し、結果肺炎に。
シダルの母親から医療費の請求書がミレイにだされたことは有名すぎるエピソード。
幻想的で美しい作品です。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「釈放令、1746年」
1746年にスコットランドで起こったジャコバイトによるグレートブリテン王国に対する最後の抵抗。
イングランドに敗れて牢獄に入れられたスコットランド兵が釈放されるシーン。
子どもと犬を連れた妻と抱き合う再会の場面です。
旦那さんは奥さんの方に頭をもたれ、犬は主人に寄りかかり嬉しそう。
子どもは父親に渡すためなのか小さな花束を手にしています。
ですが奥さんは無表情。
左手で子供を抱き、右手は旦那さんの後ろを通して看守に釈放令を突き付けています。
今まで家を、子供を守ってきた強さを感じさせました。

ヘンリー・ウォリス「シェイクスピアが生まれた部屋」
誰もいない静かな空間。
汚れた壁にいくつかのアンティークの椅子。
この部屋は実際にヘンリー・ストリートにある生家。
今も当時のまま保存されているそうです。

ヘンリー・ウォリス「チャタートン」
トーマス・チャタートンは中世詩の贋作で有名となったイギリスの詩人。
野心にあふれ、詩作を続けましたがなかなか認められず、1770年にわずか17歳9か月の若さでヒ素自殺をしました。
描かれているのはそのときの様子。
ベッドの上にぐったりとしていますが、服はきちんとしていて靴も履いています。
窓から差し込む光の具合とかがドラマチックさを演出しています。
右手にはガラスの小瓶。
薬が入っていたのでしょうか。。
なんだか切なくも感じる情景です。

ウィリアム・モリス「麗しのイズー」
モリスが描いた唯一のイーゼル絵画とのこと。
ドレスや部屋の壁などにモリスらしさがいっぱいです。

《2.宗教》
19世紀前半のイギリスではプロテスタント系の英国国教会の中から、教会の歴史的権威や儀式を重んじるオックスフォード運動が起こり、キリスト教信仰の実際のあり方に関心が高まりました・
ラファエル前派は盛期ルネサンス以降あまり顧みられなくなった中世キリスト教絵画の図像や形式を復活させます。
かれらは聖書を人間ドラマの宝庫とみなし、神の教えというより文学的、詩的な意味を求める対象としました。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「両親の家のキリスト(「大工の仕事場」)」
描かれているのは大工の家族。
大工仕事をしている老父。
小さな男の子は手のひらに釘をさしてしまい、血を流しています。
それを心配した母親に安心させるようにキスをしています。
その脇には水を運ぶ子供。
家の外には羊。
人物は愛らしい表情をしています。
これは聖家族を表現したもので怪我をした子供はキリスト。
寄り添う母は聖母マリア。
老父はヨゼフで水を運ぶ子供は洗礼者ヨハネ。
聖家族は理想化されて描く時代だったため、俗っぽすぎると批判されたそう。
手のひらから滴る血が足の甲にも垂れています。
後の受難を示しているかのようです。

フォード・マドックス・ブラウン「ペテロの足を洗うキリスト」
弟子ペテロの足を洗うキリストが描かれています。
師が跪き足を洗う様子に戸惑いのような緊張のような表情のペテロ。
他の弟子たちはそれを覗きこんで見ています。
一番左にいるユダの表情が怪訝な感じにも見えてしまう。。。
当初、キリストは裸だったようですが、批判を浴びて服を着せたそう。
めんどくさいな。。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「見よ、我は主のはしためなり(受胎告知)」
白いベッドに座るマリアに白いユリの花を持った天使ガブリエルが受胎を告げる場面。
ガブリエルには翼がなく、マリアも怯えているような表情をしているなど、これまでの"受胎告知"とはまったく違うもののよう。
白く簡素な部屋は病院のようにも見えました。
マリアのモデルは妹のクリスティーナ、ガブリエルは弟のウィリアムが務めました。
聖書の話というより、人間ドラマといった俗っぽさが感じられます。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「ナザレのマリア」
小川の流れる景色の中、スコップを手にバラと百合の手入れをするマリア。
白いハトがその近くを飛んでいます。
マリアやキリストには頭に金の輪が描かれますが、この作品ではハトにも描かれています。
柔らかな色彩が印象的。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「礼拝」
聖母とイエス、そしてダビデが羊飼いと王の姿でやってきて祝福している場面。
周辺には天使たち。
天使は外からも、屋根の破れたところからも覗いています。
人物は暖かく描かれています。

ウィリアム・ベル・スコット「大洪水の前夜」
お酒を飲んだり食事をしたり。
のんびりと過ごす人々。
動物もくつろいでいます。
右端には巨大な箱舟に乗り込もうとする人々が列をなしています。
遠くには大洪水の予兆の黒い雲。
のんびり過ごす人々は堕落した宮廷で、船に乗る人を笑っているかのよう。
くつろいでいると思われる足元のチーターは退廃の象徴。
色々込められた作品なのです。

《3.風景》
ラファエル前派の画家たちは評論家ジョン・ラスキンの「自然に忠実たれ」という言葉に基づいて、自然を油彩で描く手法を確立します。
彼らの自然の見方はパノラマ的な景観を避け、近くと遠くを一つのまとまりとしてとらえ、すべての要素を均等かつ正確に描いたそう。
またこれらの風景画はダーウィンの『種の起源』発表前後のイギリスの自然科学、地質学、植物学、気象学などの発展に影響を受けています。

ウィリアム・ホルマン・ハント「幽霊屋敷」
どこに幽霊屋敷が??と思う作品。
庭を描いた美しい風景画です。
青々と茂る草、流れる水、木漏れ日。
色彩も美しい作品。
右奥に見える小さな建物がその幽霊屋敷なんでしょうか。。

ウィリアム・ホルマン・ハント「ユールの穀物畑」
青い空と黄金色の畑の対比が美しい作品。
色彩も鮮やかで情景の広がりが容易に想像できます。

トマス・セドン「謀略の丘から望むエルサレムとヨシャファトの谷」
この画家は信仰心が厚く、エルサレムを旅して描いたそう。
なんと5ヶ月も写生したとか。
段々の景色、オリーブ山、モスク。
こまやかに描かれた景色は見事としか言えません。
羊の毛並みまでも見えます。
強い日の光も感じ、その空気まで伝わってくるようでした。

チャールズ・オールストン・コリンズ「5月、リージェンツ・パークにて」
この画家はラファエル前派のメンバーに加わることはありませんでしたが、ロイヤルアカデミーで知り合ったミレイと1840年代後半から親しく交際を続けました。
描かれているのは家から見えたリージェンツ・パーク。
ラファエル前派の風景画としては唯一ロンドン中心部を描いたものだそう。
綺麗に手入れされた公演。
人気も少なくのどかで静寂な日常が描かれいます。
奥に見える池の表現がすばらしいです。

ジョン・ブレット「ローゼンラウイ氷河」
ものすごい表現力。
リアリズムの絵画かと。
石の表現、雪や氷の迫る様子。
目の前で実際に起きているのかと思うほど。

フォード・マドックス・ブラウン「ヘンドンのブレント川」
森の中を静かに流れる小川とそのほとりで本を読む若い女性。
全体的に暗い色調で描かれているのですが、そこに差し込む光が美しい。

ジョージ・プライス・ボイス「サリー州ウォトンの風景、秋」
美しい田園風景。
緑も美しいのですが、目を惹いたのは空。
秋の淡いオレンジ色の優しい光に満ちた空がとにかく美しい。

ジョージ・プライス・ボイス「木立の中でブナの側に立つ少女」
大きな大きなブナの木とそばを歩く少女。
バランスがとても素敵です。
ブナの木は覆い尽くさんとばかりに枝を伸ばし葉を茂らせています。
その奥には遊ぶ子供たち。
少女は一緒に遊ばないのかな。。
それとも先に一人帰るのかな。。
そちらをちらりとみる少女の気持ちが気になります。

36ウィリアム・ダイス「ペグウェル・ベイ、ケント州―1858年10月5日の思い出」
海岸で貝殻を拾う女性たちが描かれています。
描かれている景色がとても美しく壮大で人物に帰って違和感が。。
景色は白亜の崖から空、海、映り込む光までとても細密に描かれていてリアルです。
描かれている人物は画家の家族。
スカーフなどを重ね海沿いの風から身を守ろうとする女性。
こちらも表情までリアルに描かれています。
ここだけ切り取って肖像画にできるのでは、と思うほどです。

以上が1章から3章までです。
明日は4章から7章まで書いていきたいと思います。



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パン

2014-03-13 21:30:00 | 食べ物
中目黒のパン屋さん
TRASPARENTE
ときどーき、行きます。
デニッシュは90円。
食パンと同じ生地で作ったパン(りんご)は60円。
クリームパンが150円。
大好き

デニッシュは生地さくさくでたまりません。

野見山暁治展 いつかは会える

2014-03-12 21:30:00 | 美術
見てきました

ニューオータニ美術館

会期は2014年1月25日から2014年3月23日。

今回は野見山暁治(1920-)のステンドグラスの原画を中心とした展示です。
2011年にブリヂストン美術館で開催された「野見山暁治展」以来かな。。
先ほども書きましたように、ステンドグラスの原画を中心とした展示です。
東京メトロ副都心線明治神宮前駅「いつかは会える」
JR博多駅「海の向こうから」
福岡空港国際ターミナル「そらの港」
の3つのステンドグラスの原画とそれ以前の作品、、22歳の自画像などを含めた36点の展示です。

《第1章 いつかは会える》
東京メトロ副都心線明治神宮前駅に設置されたステンドグラス。
2008年に手がけたこの作品は野見山にとって初めて携わった大型のステンドグラスの作品です。
制作風景の写真も展示されていました。

《第2章 海の向こうから》
2011年にJR博多駅に設置された「海の向こうから」
ここにはその原画が展示されています。
「遠い海から」は白地に青い波。
筆の勢いが感じられます。
「誰にも言うな」は黒や赤茶色など全体的に暗い色を使った作品。
押さえつける手のようなものが描かれ、強く拒否しているかのような印象です。

《第3章 そらの港》
2013年に福岡空港国際ターミナルに設置された「そらの港」
色彩明るく、うきうきするような印象です。
「こんなに遠く」は浮遊する白い何かが描かれています。
夢のなかのようふわふわした印象。

《第4章 これまで見てきた景色》
「自画像」16歳のときの作品です。
まっすぐにこちらを見つめてきます。
「骸骨」は全体的に暗い色彩のなかに骸骨が描かれています。
これは不思議な雰囲気がして好きです。
「花と瓶」はバラの花の入った花瓶と瓶が描かれているもの。
キュビズム的な構成です。

以上になります。
こじんまりとしていますが、ふらりと楽しむには最高です。

今回、ニューオータニ美術館グッズ購入しました。

ジャン=フランソワ・ミレー「田園に沈む夕陽」
アンリ・リヴィエール「エッフェル塔三十六景 セーヌ川の祭り、7月14日」
こちらのポストカードと、同じくリヴィエールの「エッフェル塔三十六景 扉絵」のミニクリアファイル。
どれもニューオータニ美術館所蔵で好きな作品。
クリアファイルは美術館行くときのチケット入れとして使おうかと。
チケットって微妙にお財布に入らないサイズとかもあるんだよね。。
でも折りたくないし。。
そうゆうときに使っているのです。
なお、現在は「草間彌生を知りたい」という雑誌の付録を使っています。笑

これの後に使おうかな。

さて。
なんで普段は買わない美術館グッズを買ったのか。
それはニューオータニ美術館がこの展示を最後に閉館するから。
もー、ショック。。。
展示変わるたびに見に来ていたのに。。。
ぐるっとパスで入れるから助かっていたのに。。
残念で残念でなりません。
今までありがとう、としか。。。泣
所蔵作品に会えなくなるのです。
そしてニューオータニ美術館とかかれたグッズにも会えなくなるのです。。
所蔵作品たちってどうなるのかな。。
どこかで会える機会ってあるのかな。。。

最後の展示が「いつかは会える」
なんだかせつなくてせつなくて。。
今までありがとう。
楽しませてもらいました。
またいつか、会いたい。
ニューオータニ様、期待しております。
最後の展示、ぜひぜひ皆さんも見に行ってください。



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