RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

Selfish;yuko sugimoto

2013-10-21 21:30:00 | 美術
見てきました

POLA MUSEUM ANNEX

2013年10月4日から2013年11月4日。

イラストレーター・杉本祐子氏の個展です。
時は、1990年代、雑誌の発行部数がピークを迎えていた時代。
膨大なイメージが溢れる中で、イラストに描かれた女性たちは、洋服・メイク・ジュエリー・バッグなどを纏い輝いていました。
洋服を変えるたびにスタイルを変えてゆき、華やかに生きていたイラストの女性。
今回は、広告・雑誌・パッケージ等のみで発表されてきた作品の未公開原画のベストセレクションを一同に見られる機会となっています。

杉本氏は1967年大阪生まれ。
大学卒業後は森村泰昌氏の「女優」シリーズ撮影チームのメイクアシスタントなどを経て、95年ごろからイラストレーターに。
雑誌「VOCE」のコラムのイラストをきっかけにブレイク。
以後、雑誌・広告・化粧品のパッケージデザインなどで活躍。

チラシもかわいらしい。
入ると作品がずらり。
シンプルに描かれた作品はどれも美しい。
女性が輝いて見える。

センスがよくて、可愛くて、魅力的過ぎる女性のイラストばかり。
今年の秋冬はあんなコートが欲しいな、あんな着こなししてみたいな、と見てしまう。。
今見ても、かっこいい、可愛い、おしゃれって思える作品。

美容、ファッションが大好きだったとのこと。
だからこそここまで女性の欲望と願望をうまく取り入れた作品を描けたのかもしれない。
2011年永眠。
若すぎる死に残念でなりません。
作品の輝きが眩しいです。



ブログランキングよかったらお願いします

家でも分割主義

2013-10-20 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
「印象派を超えて」を鑑賞したあと、ミュージアムショップで購入しました。
(記事はこちら→「その1」、「その2」)

ゴッホの「種まく人」をイメージしたキャンディー。
680円。
レモン、オレンジ、生姜の3つの味が入っています。
他には
モンドリアンの「赤と黄と青のあるコンポジション」をイメージしたイチゴ、レモン、ミルクの味。
シニャックの「ダイニングルーム 作品152」をイメージした抹茶、生姜、黒糖の味。(だった気がする。)
スーラの「ポール=アン=ベッサンの日曜日」をイメージした、、、思いだせない。。。
ここではメモを取らなかったので。笑
色は茶色と緑と青だったので、生姜とメロンとブルーハワイあたりでしょう。(適当)

あとはドイツ産のバスキューブ。

かなり香りが強いです。
158円。
ラズベリーとラベンダーとすずらんとローズ
これで癒しのお風呂タイムです。



ブログランキングよかったらお願いします

印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで (その2)

2013-10-19 21:30:00 | 美術
見てきました

国立新美術館

2013年10月4日から2013年12月23日。

今回の展示は、クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に、フランス、オランダ、ベルギーの画家たちによる色彩の探求を検証するもの。
昨日「その1」を書いたので、今日は続きです。

《Ⅲ.ゴッホと分割主義》
この章はゴッホが9点で、ゴーギャン、ヴラマンク、アンドレ・ドラン。
ゴッホはシニャックと共同制作するなど「分割主義」に触れる機会があったようです。
シニャックは話好きで陽気な正確のため、気難しいゴッホとも争いを起こすこともなく、制作したとか。
アルルでの共同生活には応じませんでしたが、ゴッホが耳を切り落とした事件の直後にはお見舞いにも行っているそう。
シニャック、、いいヤツすぎ。。。
で、分割主義に対するゴッホですが、スーラのことを"独創的な色彩家"と称していました。
ただ、"従おうという気はまったくない"と。
ゴッホのように大胆で素早い筆跡を好む画家に点描は難しいかったのかもしれません。

フィンセント・ファン・ゴッホ「ルビーヌ・デュ・ロワ運河の洗濯場」
これはペンやチョークで書かれた素描。
長さ、太さの違う線を組み合わせて描かれていました。
雲や太陽にゴッホらしさがありました。

フィンセント・ファン・ゴッホ「レストランの内部」
あら、珍しいと声を上げたくなる作品。
テーブルに椅子など描かれているのはよくあるレストランの内部ですが、壁が赤と緑の点で構成されています。
分割主義の強い影響が表れている作品です。
華やかで可愛らしい印象を与えます。

フィンセント・ファン・ゴッホ「種まく人」
「種まく人」はミレーの有名な作品でもあります。
ゴッホはミレーに畏敬の念を抱き、この「種まく人」だけでも30点ほどの作品を残しています。
人の後ろには黄色く大きな太陽が輝き、畑はオレンジと青で彩られています。
手前は大きく、奥は小さな筆致で表現されています。
厚塗りの絵の具がその勢いを表しているかのようです。

フィンセント・ファン・ゴッホ「麦束のある月の出の風景」
手前に麦畑、奥に山、そこからのぞく月。
うずうずしています。
ゴッホ特有の感じがよく出ていました。
色はシンプルで青、緑、オレンジなど。
ゴッホは麦畑を多く描きましたが、成熟して刈り取られていく麦の一生を人生の比喩としても考えていたそうです。

フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像」
キャンバスいっぱいに描かれた自画像。
眉間に皺を寄せ険しい表情をしています。
目は赤の瞳孔に緑の瞳、明るい茶色の髪の毛に対し背景は緑色と補色の関係がうまく取り入れられています。
ゴッホの色彩に関する姿勢が読み取れる作品。

ポール・ゴーギャン「水飼い場」
綜合主義確率前の作品。
牛が池のようなところで水を飲もうとしている場面が描かれています。

モーリス・ド・ヴラマンク「小麦畑と赤い屋根の家」
ヴラマンクは1901年にゴッホの回顧展を見て純粋色で描くことに影響を受けたそう。
赤と青の街並みが厚塗りで力強く描かれています。

アンドレ・ドラン「コリウール港の小舟」
港に浮かぶ舟が描かれています。
三原色と緑を中心として大きな筆致で描かれた景色は明るく日常の暖かさが表現されていました。

《Ⅳ.ベルギーとオランダの分割主義》
ベルギー、オランダにも点描法は伝わりましたが、特にベルギーで多くの画家が影響を受けました。

テオ・ファン・レイセルベルヘ「満潮のペール=キリディ」
岩に押し寄せる波が場所によって大きさを変えた点で描かれています。
明るい色で描かれ爽やか印象です。

テオ・ファン・レイセルベルヘ「《7月の朝》あるいは《果樹園》あるいは《庭園に集う家族》
明るい色彩の細かな点で庭の木陰でくつろぐ人々が描かれています。
穏やかな休日の朝、といった雰囲気です。

ヤン・トーロップ「オルガンの音色」
これが不思議な雰囲気を放っていました。
聖堂のようなところでオルガンをひく女性。
ぼんやりと描かれていて幽霊のようです。
画面ひだりがわにはたくさんの頭蓋骨が転がっていたところも異質な雰囲気に拍車をかけていました。

ヤン・ファイルブリーフ「積み藁のある風景」
ヨハン・アールツ「砂丘の農家」
この2作品、まったく同じ構図、同じサイズで同じ場所を描いています。
2人はハーグの芸術アカデミーで一緒だったようで、1890年代に点描を習得しています。
そのため一緒に制作したのだと考えられているそう。
ヤン・ファイルブリーフの作品のほうが色は暗めです。
ヨハン・アールツのほうが明るい色で眩しい光を感じます。

アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド「夕暮れ」
細かい点で描かれた作品。
一人の人物がこちらに背中を向け歩いています。
夕暮れの光の優しさが、その人に黄色や紫で影を落とし、情緒ある作品でした。
寂しげな雰囲気もよかった。

ヨハン・トルン・プリッカー「十字架の傍らで(チューリップの聖母)」
膝をつき祈るマリアが描かれています。
様々な模様で装飾的。
そのままステンドグラスにもできそうです。

《Ⅴ.モンドリアン -究極の帰結》
モンドリアンといえば抽象絵画の先駆者。
分割主義のつながりが分からない。。。
となりそうですが。
点描を通過したモンドリアンは後年、三原色に分割された抽象絵画へ到達しました。
黒の垂直と水平の線、三原色と白黒、灰色、これだけがモンドリアンが見つけ出した世界の本質をあらわす要素。
今回、分割主義の究極の帰結として展示されています。

ピート・モンドリアン「コンポジションNo.Ⅱ」
黒い垂直と水平の線、灰色、暗いピンク、緑の3色が使われた作品。
色使いからちょっとパウル・クレーを連想しました。

ピート・モンドリアン「赤と黄と青のあるコンポジション」
黒い垂直と水平の線に赤と黄と青と。
大部分を占める白。
シンプルな世界です。

今回、ここまで2時間以上かけて見てきました。
どの作品も素晴らしくてこんな作品を見れたことに感激。
ぜひぜひ、見に行って欲しい展示です。



ブログランキングよかったらお願いします

印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで (その1)

2013-10-18 21:30:00 | 美術
見てきました

国立新美術館

2013年10月4日から2013年12月23日。

今回の展示は、

クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて―点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで

というタイトル。長い。
タイトル長けりゃ私の文章も長い。
ということで(!??) 今回、2回に分けて書いていきます。
今回、HPで事前に出品リストをチェック。
どのような作品かを調べてメモをとり、会場で見て、さらにメモをとる。。
うん、意味不明に頑張った。笑

時代は19世紀末から20世紀前半。
このころのヨーロッパ絵画において、色彩は外界の事物を再現するという役割から解放され、一つの表現として自立していきます。
それらの表現は、印象派の筆触分割に、少し見出すことができます
ポスト印象派の画家、スーラはそれに飽き足らず、科学的な知識を基に、独自の点描技法を開拓。
この、色彩を純色の小さな点に分解して描く分割主義は、フランスを超えてヨーロッパ各地に広がります。
その後はシニャックによる理論化にも後押しされて、抽象絵画の創設にも大きく貢献。
オランダからパリに出たファン・ゴッホは、ポスト印象派の技法に大きな着想を得て色彩を探求。
モンドリアンは後年、三原色に分割された抽象絵画へと到達しました。
今回はそういった画家たちによる色彩の探求を検証するものです。

クレラー=ミュラー美術館ですが、1938年にオランダのオッテルオーにあるデ・ホーへ・フェーリュウェ国立公園の中に創設されました。
ここの所蔵品の中核はヘレーネ・クレラー=ミュラーが夫のアントン・クレラーの潤沢な資金をもとにして1905年から1930年初めまでに収集したコレクション。
うらやましいな、うん。。。
ここの目玉はゴッホ。
なんと269点(うち油彩は88点)を所蔵。
ほかにもスーラにシニャック、モンドリアンにピカソやブランクーシなどなど。
近現代美術の名品を所蔵。
野外には25ヘクタールにも及ぶ彫刻庭園があり、ロダンやムーアなどの彫刻作品を鑑賞できます。
い、行きたい。。
ここの所蔵作品を中心に、油彩画、水彩画、素描など約90点の展示です。

《Ⅰ.印象派の筆触》
身近な光景を生き生きと描いた印象派の画家たち。
ここでは風景を中心に美しい日常が展示されていました。

クロード・モネ「藁ぶき屋根の家」
まずは印象派代表モネの作品。
絵本の中に出てくるような家が描かれています。
雲の多い空、家の手前に咲く花々。
大きめの筆致で描かれています。

クロード・モネ「サン=ジェルマンの森の中で」
「藁ぶき屋根の家」よりも細かい点描の作品。
森の中の道が描かれています。
両側を木に覆われ、地面には落ち葉が。
緑と色づいた葉の組み合わせも美しい。
画面奥に向かってずっと続く道は迷い込んでしまいたいほど魅力的です。

アルフレッド・シスレー「舟遊び」
川に舟を浮かべ遊ぶ人々が描かれています。
といっても舟は小さくどちらかというと風景の中に舟遊びをする人々が描かれている、ちった印象。
川の向こうに橋が描かれ、左側手前に大きな木が。
シスレーは"空の表現は構図上とくに重要"と考えていたそうです。
その空は木々よりも大きめな筆遣い。
同じ青でも手前の川は小さめな筆遣いでした。

アルフレッド・シスレー「森のはずれ、6月」
こちらはもうすぐ森を抜けようかという場所から森の向こうが描かれた作品。
木々の間に見える空は青く晴れやか。
木の隙間から洩れる光の情景もいい。

アルフレッド・シスレー「モレのポプラ並木」
眩しいほどに光を感じる作品。
左側から射す強い光がポプラ並木を照らし大きな影を作っていました。
そして木の影に座る人々。
穏やかな午後の日常、といった感じです。
こちらも木々の隙間から見える青い空がきれいでした。

カミーユ・ピサロ「エラニーの教会と農園」
手前に農園、その奥に教会の屋根が見えます。
水平と垂直を意識した線が独特の世界を作っていました。

《Ⅱ.スーラとシニャック -分割主義の誕生と展開》
スーラはドラクロワなどを研究し、光学理論書を読み漁るなどしました。
純粋色の点で描く「分割主義」という手法を考案し、視覚混合や補色の組み合わせ、コントラストやグラデーションなどがもたらす視覚効果を追求しました。
またシニャックはスーラから大きな影響を受け、点描画を描きます。
早くに亡くなったスーラに変わり、分割主義の理論を世に知らしめた人でもあります。

ジョルジュ・スーラ「入り江の一角、オンフルール港」
スーラといえば点描のイメージですが、この作品では線も描かれています。
水面の表現を点で描くなど細かく変化の多いところに点が使われていました。

ポール・シニャック「ダイニングルーム 作品152」
初期の代表作だそうです。
点描で描かれたテーブルにつく夫人と、新聞を持ってくる女中。
正面を向いている夫人はカップを手にし、夫は葉巻を手にしています。
描かれている3人とも感情のないような表情で、不思議で静かな世界を作り上げていました。

ジョルジュ・スーラ「ポール=アン=ベッサンの日曜日」
港町ののどかな日曜日が点描で描かれています。
点の向き、密度などは描く対象によって違い、空などの大きな空間は大きく描かれていました。
風に吹かれて翻る旗が動きを出していました。
この作品は赤・青・オレンジ・黄色などを使った点描で縁が描かれていました。

ジョルジュ・スーラ「グラヴリーヌの水路、海を臨む」
「ポール=アン=ベッサンの日曜日」と同じく、こちらも同じような色で縁が描かれていました。
全体的に薄く淡い色で海とそこに浮かぶ船が点描で描かれています。

ジョルジュ・スーラ「若い女(「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のための習作)」
「グランド・ジャット島の日曜日の午後」はセーヌ川の島で休日を楽しむパリの人々を描いたスーラの代表作。
教科書などでも目にしたことがあるでしょう。
コンテとクレヨンで描かれたこの作品は光と影を考えて描かれたとても習作とは思えないほどの作品。

ポール・シニャック「ポルトリューの灯台」
スーラに似ています。
細かな点描で海に浮かぶ船と青く可愛らしい灯台が描かれています。
静かでその瞬間を切り取ったような作品。

ポール・シニャック「マルセイユ港の入口」
とてもシニャックっぽい作品。
シニャックの点描はだんだん大きくタイルのようなモザイク画のようになっていきます。
これもそのような作品です。
青、紫、黄色、オレンジ、ピンクなどの点で描かれた朝日が昇り明るくなったマルセイユ港です。

アンリ=エドモンド・クロス「人物たちのいる公園(「ラヌラグ公園」のための習作)」
大きめの点描で木陰で休む人々が描かれています。
これも習作とのことで油彩とチョークで描かれていますが、とても心ひかれました。
そしてなんだか、ゴッホにつながるところが見えた気がしました。

アンリ=エドモンド・クロス「サン・トロヴァーゾ橋(ヴェニス)」
大き目の点描で描かれています。
明るい日差しを感じる作品。
日のあたるところにはピンクと黄色の補色が入れられより強く光を感じます。
水面にうつる緑の鮮やかさと合わせて光あふれる作品でした。

マクシミリアン・リュス「パリ、モンマルトルからの眺め」
このタイトルの作品は様々な画家が描いた作品を見ていますが、この作品は今までと違いました。
小さめの点描で描かれた作品で、手前には緑鮮やかな木々。
その向こうには無数の煙突。
そしてそこから吐き出される煙。
マクシミリアン・リュスは無政府主義に賛同していたということで、労働者などに関心を寄せていたそうです。
描かれているのはサン=ドニ工業地帯です。

マクシミリアン・リュス「鋳鉄工場」
火の粉飛び散る工場内部が描かれています。
奥には大きな釜のようなものが描かれ、男性が取り囲んで作業をしていました。
火は明るいピンクや黄色で描かれ、煙か水蒸気か、、立ち上っていました。
明暗表現が劇的です。

モーリス・ドニ「病院での夕暮れの祈り」
静かに祈る人々が描かれた作品。
微動だにしない人々が描かれた画面下に対し、画面上は揺れ動く蝋燭の炎が描かれています。
静と動がはっきりと描かれた作品。

今日はここまでで。
明日はゴッホから始まります。



ブログランキングよかったらお願いします

台湾、国立故宮博物院の至宝、日本へ

2013-10-17 21:30:00 | 美術
ウキウキなニュースが入りました
2014年6月24日から東京国立博物館で開催です。

台湾の国立故宮博物院が日本で初めてとなる収蔵品の展覧会を東京国立博物館などと共同で開催することが決定しました
ありがとう、台湾!!
ありかとう、故宮!!

正式展覧会名は《台北 國立故宮博物院/神品至宝》
東京国立博物館で2014年6月24日から9月15日。
九州国立博物館で2014年10月7日から11月30日。

以前からこの情報はありましたが、今回正式に調印され、日程も発表されました。
これが来るのにはある法律が深く関わっています。
2011年3月25日賛成235、反対0で、参議院本会議を通過した「海外美術品等公開促進法等」
この法律ができたからこそ、台湾が所蔵する作品が"安心して"展示できるのです。
なぜか、は台湾の故宮の成り立ちにあります。

蒋介石の国民党政権は、1949年の台湾への敗走の際、北京の故宮博物院から、約9割以上の文物を台北に移送。
北京の故宮博物院の文物の多くは、文化大革命のときに大陸中国の各地から奪ってきたものだ、という人もいるほど。
また北京の故宮にはいいものが残っていない、とか色々言われています。。
そのようないきさつで台北に輸送された文物。
日本に入った台北・故宮の文物は「盗品」として、中国政府が所有権を主張し、差し押さえを求める恐れがあったのです。
「海外美術品等公開促進法等」の成立により、文物の台湾への返還が法的に保証されることとなりました。
第三者に渡らないように保護する法律。
中国との関係、台湾を国として認めるか、とか、国交が、とかを考えると安易な貸し出しは出来ません。
この法律あってこその「台湾、国立故宮博物院展」なのです。

交換展として、《日本美術の粋/東京・九州国立博物館精品展》
2016年10月から2017年1月まで、2015年末開館予定の故宮博物院南分院で開催されるそうです。
トーハクがかなりの名品を出すらしいです。。
詳細知りたい。。。
もしかしたら台湾行かなければならないかも……笑
これらを機に一層交流が深まったらいいな。
また、台湾行きたい。
また台湾側としては東北地方での開催も考えていてくれてるとのこと。
2016年以降の開催とのことです。
実現したらすごいな、嬉しいな

で、2014年の展示ですが、国立故宮博物院が収蔵する中国歴代王朝の美術品が231点が来日です!!
絵画や書、陶器などなど。

台湾の故宮といえば白菜をかたどった翡翠の彫刻「翠玉白菜」と角煮のような瑪瑙の「肉形石」
2点とも故宮の看板。
観光客はこれを目的に故宮へ行くのです。

が、その看板娘(!?)も来日です!!!!!

「翠玉白菜」は東京で、「肉形石」は九州で、それぞれ公開初日から2週間の限定公開。
そう、どちらも見るのなら東京と九州へ行かなければならないのです。。。
とはいえこの2つが海外へ行くのは初めてとのこと。
貸し出しを決断してくれた台湾、故宮に感謝です
また、孫過庭の「草書書譜巻」(東京のみ)、書の神様とされ昨年トーハクで特別展も開催された王義之の「定武蘭亭序」(九州のみ)も来日です。

これは大混雑必須ですな。。
北京の故宮博物院の清明上河図を見るために180分待った私ならきっと今回も待てる!!
まぁ、人気の白菜も角煮石も台湾で見ているのですが。。
トーハクでどう展示されるのかが見たいんだよー!!!!!
って、台湾の故宮の記事を読み直したら、私、180分待ちでも待つって書いてある。笑
とりあえず日本語ガイドブック読み直して勉強ですね



ブログランキングよかったらお願いします

Drinking Glass -酒器のある情景

2013-10-16 21:30:00 | 美術
見てきました

サントリー美術館

会期は2013年9月11日から2013年11月10日。

今回はガラス。
そのつややかさと透明さが魅力のガラスですが、最初は不透明な素材として始まりました。
透明になってきたのは紀元前8世紀頃から。
すると中が見える、ということでワインやビールなどのお酒を入れる器として利用されるようになりました。
人生でお酒を飲む場といえば、人と話すとき、祝いの場、別れの場面、、
人生の節目にはその場面がある気がします。
ガラスの歴史はDrinking glass(酒器)とともに発展してきたといっても言い過ぎではないぐらい。
今回はそういったガラスの酒器に焦点をあてた展示です。
約180点、展示されています。

《1.捧ぐ》
今回は歴史順ではなく、シーンごとに登場するグラスを分類し展示されています。
生活の一部としての展示、ということで、より、その情景が浮かびやすい!!
まずは《捧ぐ》
酒は古代から、神や王・権力者に捧げるものとして儀式の場などで用いられてきました。
ガラスの歴史は4000年以上も前。
西アジアやエジプト、エーゲ海ミケーネなどで二酸化ケイ素(シリカ)の表面を融かして作製したビーズが始まりだと考えられてます。
ガラス酒器となったのは紀元前16世紀中ごろ。
メソポタミアやエジプトだそう。

「コアガラス脚付杯」
小さめでキレイな模様の付いたガラス。
青と白と黄色の模様が神秘的な感じです。
コアガラスとは技法のことだそう。

「植物文杯」
こちらも小さめの作品。
健康と安泰を願う奉げ物ではないか、とのこと。
"祝い"とか"幸せになろう"といった文言があるとか。

「カットグラス杯」
ゴルフボールのような模様がついています。
長く土中にあったため変色しています。
この形の杯は各地域で出土しているそうで、交易品としてのガラスの役割も伺えます。

《2.語らう》
紀元前13世紀ごろ、ワイン文化が普及します。
そして紀元前5世紀ごろ吹きガラス技術が発明され、ガラスは一般にも身近になります。

「脚付杯」
きれいな緑色をした杯。
このころ、ワインは水と混ぜて飲んでいたようで、混ぜるための器だとか。

「尖底椀」
底がとがっていて円錐のような形をしています。
これは飲み干すまで机に置くことが出来ないもの。
"可杯(べいはい)"といってこの後にもたびたび登場します。
結構な大きさなのでこれを飲み干せないと置けないのはつらい。

「カット装飾碗」
椀というより皿です。
底が浅くて広い。
ギリシャ陶器に由来するそうで16枚の花弁が彫られています。
このころ(BC4)はだいぶ透明になってきました。

《3.誓う》
誓いの場にお酒は欠かせません。
回し飲みは信頼関係を確認し合う慣わしでした。
愛を誓うとき、運命共同体を誓うとき、忠誠を誓うとき。
様々な"誓い"のお酒です。

「ダイヤモンドポイント彫り蓋付ゴブレット」
青色がキレイで惚れ惚れしてしまいます。
精巧な植物模様が彫られていて繊細です。
これは聖餐式などで使われた物とか。

「ダウメングラス」
薄いグリーンの大きなグラス。
回し飲みをするときのグラスだそう。
両手で持ち上げるような大きさです。
ところどころ窪みがありますが、それは親指を入れるところだそう。
うん、そうやって固定しないと怖いぐらいの大きさ。

「鳥動物文ティアードゴブレット」
今回のチラシにも使われているものです。
上下二つに分かれ、婚礼の席などで使用されたもの。
上の小さなグラスは新婦用。
下の大きなグラスは新郎用とのこと。
こちらには鳩や狐などの動物が彫られていました。
それぞれ意味があるそうです。
(鳩→平和とか)

《4.促す》
ガラスの装飾技術が発達してくるとそこに自らのステイタスを彫ったり、教訓を彫ったりしたものが登場します。

「ドラゴンステム・ゴブレット」
持ち手(ステム)の部分がドラゴン。
1本のガラス棒で形成されているとか。
細かい部分まですごいけど、これをステイタスとして見せられたら趣味合わないな~って思うかも。笑

「ゴールドサンドイッチ聖人文ゴブレット」
文字通り金箔の模様をガラスの中に挟んだもの。
キリスト教の聖人たちが描かれています。
鮮やかでとても美しい。
これはボヘミアのものですが、残念なことに現在ボヘミアではこの技法は途絶えてしまったそう。

「ロンドン風景文ゴブレット」
ロンドンの街並みがガラスの表面をぐるりと覆っています。
大聖堂にロンドン橋のかかるテムズ川。
細密です。

ここで階段を下りて3階の展示室へ。
《酒器のいま》ということで現代ガラス工6名の作品が展示されていました。
中野幹子さんは草花や野菜がエナメルで絵付けされた小さな器。
ほ、ほしい。。
今回出展されていた作家さんの作品はすべてミュージアムショップで購入することができます。
関野亮さんはヴェネツィアン・グラスの技法によるゴブレットや日本の酒器の形を取り入れた器などでした。
この酒器が赤と白の組み合わせでかわいらしい。
これも欲しい。。
松島厳さんは古代オリエントの技法に日本の蒔絵や料紙モチーフを合わせた器。
色使いもおしゃれで華やかでした。
小川郁子さんは江戸切子。
モダンなカットも美しいのですが、ガラスの色も涼しげで美しかった。
あれで日本酒飲んだらさぞおいしいのでしょう。
高橋禎彦さんは吹きガラスで作られたコップ。
飲み口薄くていい。
私が購入するときに重要視するポイント。笑
自身を"コップ屋さん"と称しているそうで、日常使いで、でも生活を美しく彩る作品でした。
由良園さんはゴールドサンドイッチ技法の器。
草花をあしらった器は上品で美しい。

と、すべての作品に惚れ惚れ。
あぁ、全部欲しいよ~!!

《5.祝い、集い、もてなし、愉しむ》
どの場面にもお酒はつきもの。
その場面を鮮やかに彩る酒器が並んでいました。

「鹿形パズルゴブレット」
鹿がゴブレットに乗っているのですが、このゴブレット、普通に飲もうとすると鹿が邪魔で飲めないそうです。
台座の付け根にある穴をふさぐと、別のところからお酒がスムーズに飲めるようになるとか。
お酒の席でこれが出てきたら盛り上がりそうです。

「藍色ちろり」
サントリー美術館のガラスのコレクションの中でもかなり有名なもの。
藍色が美しくそれだけでも見惚れてしまいますが、形も美しい。
冷酒を入れる酒器で、ひねりの付いた取っ手がかわいらしい。
この形を作るのはかなりの技術が必要とのことで、再現は難しいのだとか。
ほ、ほしい。。。

「藍色縁杯」
「藍色ちろり」のとなりにあったもの。
これは小さなコップ。
薄くて繊細なふち。
そのふちが藍色で下にいくにつれ透明に。
グラデーションが美しい。
この2つが並んで展示されていたことに感激。

「金赤リキュールグラスセット」
バカラ社のグラスセット。
豪華です、本当に。
赤いガラスに金のふち。
家にあったらもったいなくて使えなくて鑑賞用にしそう。笑

様々なシーンの器を見れました。
ガラスの始まりから現在まで見れたのもおもしろかった。
繊細で美しいガラスがサントリー美術館の展示室に映え、展示室自体も美しい空間でした。



ブログランキングよかったらお願いします

鎌倉

2013-10-15 21:30:00 | 日常
秋ですね
鎌倉行ってきました。

近いようで遠い鎌倉。
なかなか行く機会がなくて久しぶり。

トップは秋を感じさせない報国寺の竹林。
緑が多いと気持ちいいね


穴子丼。
とってもおいしかった
後ろに見えるナスもおいしかったよ~。
また食べたい


イワタコーヒーのホットケーキ

江ノ電の鎌倉高校前駅で下車。
夕暮れの江ノ島。

疾走する自転車がすごい。笑


スラムダンクのOPにも出てくる踏切。
鎌倉高校前駅のすぐのところ。
写真撮っている人多かったです。
日本人じゃなくてアジア系の方。
中国とか韓国とか。
すごいですね。。
電車が来るときを今か今かと待っていました。


海と月。
日本画的にはたまらなく美しい情景ですな。

おいしいご飯食べて、お寺見て、お茶して。
最後は海眺めて。
休日らしい休日でした。



ブログランキングよかったらお願いします

三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し印象派と世紀末美術 その2

2013-10-14 21:30:00 | 美術
見てきました

三菱一号館美術館

会期は2013年10月5日から2014年1月5日。

昨日「その1」を書いたので、今日はその続きになります。
全8章の1~4章が「その1」で、今日は5~8章です。

《5章 版画家ヴァロットンの誕生》
スイスの画家ヴァロットンの版画作品です。
ヴァロットンは1881年からドライポイントとエッチングで版画制作を手がけます。
1891年から木版を手がけるようになるのですが、きっかけの一つが1890年にエコール・デ・ボザールで開催された浮世絵展を見たことだとか。

フェリックス・ヴァロットン「ベレー帽をかぶる子ども」
とても丁寧に対象を見つめているんだな、と感じた作品。
なんだろ、、すごく上手、とかではない、そういった感情が先に沸いてきたことにびっくり。

フェリックス・ヴァロットン「アカデミー・フランセーズ会員 Ⅳ.ピエール・ロティ」
アカデミー・フランセーズとはフランスの国立学術団体。
フランス学士院を構成する5つのアカデミーの一角を占め、その中でも最古のアカデミーでもあります。
そのメンバーを描いたもの。
頭部はリアルですが、胴体は小さく、、2頭身ぐらいで描かれていました。
ちょっとかわいらしい。
ピエール・ロティはキラキラした瞳でこっちを見ていたこと&人形を脇に抱えていたことが可愛くて可愛くて。
服装が紳士なのも笑えます。

フェリックス・ヴァロットン「息づく街パリ Ⅳ.切符売り場」
パリの市民を描いたシリーズ。
これは切符売り場を描いたもの、、といってもそれらしきカウンターは見えず。
ぎゅうぎゅうの人が柵の中でてんやわんやしている様子が描かれています。
はっきりした線で描かれていることと人の表情がおもしろいことなど、現代イラストといっても通じる感じです。

フェリックス・ヴァロットン「息づく街パリ Ⅵ.事故」
馬車の馬に引かれた(踏まれた??)事故の様子が描かれています。
被害者が心配ですが、かなり出血している模様。
馬をなだめようと必死な人たちなど現場の騒がしさが伝わってきます。
この「息づく街パリ」のシリーズは他の作品も活気に満ちていて動きがありました。

フェリックス・ヴァロットン「女の子たち」
集団で歩く女の子たちが描かれています。
1人こっちを見ている子がちょっと怖い。
あれだ、ハガレンのグラトニーみたいなんだよ。

《6章 ルドン 夢の色彩》
2章でルドンの版画作品がありましたが、ここでは色彩の時代の作品です。
  
オディロン・ルドン「夜 Ⅲ.堕天使はそのとき黒い翼を開いた」
作品のタイトルから作品を見ると、何か違う!!といいたくなる作品。
ぬぼーとした表情の堕天使?がいます。
背中にある翼は石膏で出来てるんですか??というぐらい厚みがあって重そう。
確実に飛べない。

オディロン・ルドン「小舟」
ベールを被った2人の女性が小舟に乗っている様子が描かれています。
夜空には星がきらめいています。
この2人は聖女でエルサレムからフランスへ逃れたという伝説を元にしていると考えられるそうです。
神秘的な作品でした。

オディロン・ルドン「グラン・ブーケ(大きな花束)」
これはかなり大きな作品。
巾162.9cm、高さが248.3cm。
青い花瓶に入った様々な鼻。
オレンジや黄色、赤に緑など幻想的です。

《7章 ルノワールとモネの後半生》
ルノワールとモネの油彩が3点展示されていました。

クロード・モネ「プティ・タイイの岬、ヴァランジュヴィル」
海の断崖の上に立つ小屋が描かれた作品。
薄めの色彩で明るい感じです。
モネはここに42歳の頃にやってきたそう。
そして、その15年後に再訪してこれを描いたようです。
この頃は仲間のカイユボットやベルト・モリゾたちを相次いで亡くしていたそうで、自らの若いころを振り返り思い出の地を巡っていたようです。
なんだか切ないですね。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「ピクニック」
ルノワール、最晩年の作品。
明るい色彩で輝く光の中ピクニックをする人々の楽しそうなようすが描かれています。
1898年頃からリューマチ性疾患に悩まされ、晩年は車椅子で制作を続けたそうです。
絵筆が自力で握れないため、家族やお手伝いさんに手伝ってもらい、指に筆をくくりつけて描いた、というエピソードも。
これは真偽不明な点もありますが。。
でもそこまでして描き続けた、その作品が幸せそうな作品でなんだか暖かい気持ちになりました。

《8章 画商ヴォラールと画家たち 出版事業を中心に》
最後です。
画商ヴォラールに関係する画家たちの作品が展示されていました。
ヴォラールはセザンヌやゴッホ、ゴーギャンなどの展覧会を開催した画商。
ここにはヴォラールが画家たちとともに出した版画作品などが展示されていました。

オディロン・ルドン「ベアトリーチェ」
淡い色彩が美しい。
シルエットで描かれた女性が神秘的。

モーリス・ドニ「アムール(愛) たそがれは古い絵画のような優しさを持つ」
「アムール(愛)」という版画シリーズ。
優しく淡い色合いです。
このシリーズはどれも素敵で、温かい光を出しているかのような作品ばかりでした。

ピエール・ボナール「パリ生活の小景 街角」
こちらも「パリ生活の小景」というシリーズもの。
これはその名の通り街角を描いた作品なのですが、少し高いところから見下ろしたかのような構図で描かれていて新鮮でした。

今回は素晴らしい作品も多くとても楽しめました。
そして帰りに次回のチラシももらってきました。
今回もいくつか展示があった「ヴァロットン」です!!

"冷たい炎の画家"って気になる~!!
こうゆうフレーズがいいと楽しみさも増す!!


そうそう、高視聴率だったドラマ「半沢直樹」
三菱一号館美術館のカフェ"Cafe 1894"がロケで使われたそうです。
Cafe 1894は銀行営業室を復元したもの。
天井高くてクラッシックな趣があってすごくいい雰囲気なので展示後のランチやお茶におすすめです。
今回の展示に関連したメニューも展開されています。
ランチの「ジヴェルニーのガーデンプレート~菜園風~」はモネがフランス、ジヴェルニーへ友人を招き食事をしたときの料理をイメージしたランチプレート。
リンゴのすりおろしドレッシングで味わう彩り豊かなサラダ、ラズベリーシャムで味わうスコーン、生ハムとクリームチーズのサンドなど書いていて美味しそうでたまらない。
タラとジャガイモのグラタンに鴨の燻製、ハーブティーもしくはグラスワインがついてきます。
また、「美食家ロートレックのおもてなし」というランチメニューも。
メインの肉料理に季節のスープ、サーモンのマリネなどこちらも美味しそう。
ロートレックの料理本に残されたレシピをアレンジして作られたそう。
デザートには「セザンヌのリンゴ 赤ワインコンポートマスカルポーネクリームと共に」を。
これもおいしそう。。
食べに行きたいな。

おまけですが「半沢直樹」と美術つながりだと上野の東京国立博物館は東京中央銀行です。
ま、私、ドラマ見ていないのですが。笑
正確には、第1話だけ見たの。
最終回放送の日にネットで。
そこで、あぁ、やっぱり連ドラを見るっていう気力がないわ、と気づいたのです。。



ブログランキングよかったらお願いします

三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し印象派と世紀末美術 その1

2013-10-13 21:30:00 | 美術
見てきました

三菱一号館美術館

会期は2013年10月5日から2014年1月5日。

今回はコレクション展。
三菱一号館美術館の展示は今のところ、皆勤賞ですが、コレクション展って初めてじゃないかな。。

1回目の展示はルノワールの描いたベルト・モリゾが印象的だった「マネとモダン・パリ」
2回目は「三菱が夢見た美術館」
3回目は「カンディンスキーと青騎士」
4回目は「ヴィジェ・ルブラン」
5回目は「もてなす悦び」
6回目は「トゥールーズ=ロートレック」
7回目は「ルドンとその周辺 -夢見る世紀末」
8回目は「KATAGAMI Style」
9回目は「バーン=ジョーンズ」
10回目は「シャルダン」
11回目は「奇跡のクラーク・コレクション」
おぉ、全部行ってる!!笑
そしてコレクション展初めてじゃない。笑
それにしても昔の記事はひどいですね。。
追記したい。。
見ないで欲しい。。。
ってワケでリンクははらない。笑

今回はたっぷり2つに分けて書いていきます。
ルノワールやモネらの印象派。
ルドン、ロートレック、ヴァロットン。
19世紀から20世紀初頭にかけて、フランス・パリを中心に、互いに刺戟し影響し合った画家たち。
様々な画家が現れた、美術史上でも類を見ないほど輝かしく、また大きく変革した時期。
今回は三菱一号館美術館のコレクションから、その後の芸術に大きな影響を与えた29人の作家たちの作品で構成されています。
収蔵後初公開を含む149点の展示です。

《1章 ミレーと印象派》
まずは大好きなミレーと、印象派の画家たちの作品。
ここにあるのはみんな大好き、といった感じの作品です。
もちろん、私も大好き。

ジャン=フランソワ・ミレー「ミルク缶に水を注ぐ農婦」
農民を描き続けたミレー。
この作品も井戸から汲んだ水を瓶に移している農婦が描かれています。
その後ろにはアヒルかな?
のどかな日常の一幕がありました。

アルフレッド・シスレー「ルーヴシエンヌの一隅」
柔らかな光と震えるような空気で"印象派の典型(byピサロ)"といわれたシスレー。
枯れ木があったりと寂しげな空気もありましたが、日常ってこうゆうもの、といった感じです。

カミーユ・ピサロ「窓から見たエラニーの通り、ナナカマドの木」
穏やかな色使いの点描画。
手前に赤い実のなった木が描かれ、その奥に道と立ち並ぶ家々が描かれています。
これも"ザ・印象派"という感じ。
温かみのある作品です。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「長い髪をした若い娘(麦藁帽子の若い娘)」
今回のチラシにも使われている作品。
黄色い麦藁帽子を被り、伏し目がちにこちらを見る女性。
ルノワールにしてははっきりと描かれています。

ポール・セザンヌ「りんごとテーブルクロス」
あぁ、セザンヌ、といった作品。笑

クロード・モネ「草原の夕暮れ、ジヴェルニー」
草原に生える木の下で座っている男女が描かれています。
ピンク色で描かれた空が優しく穏やかな空気を出していました。

《2章 ルドンの「黒」》
オディロン・ルドンの版画作品です。
ルドンの初期は黒色ばかりを使っていました。
ここは初期の作品です。
版画集「夢の中で」と「ゴヤ頌」が展示されていました。
このシリーズ、ルドン展で何度も見たことあるのですが。。

ディロン・ルドン「夢の中で Ⅹ.皿の上に」
もう過去にどの作品をとりあげたか調べるのもめんどくなってしまったので。笑
これは細い足の長い円卓の上に頭がのっているもの。
それが毎回りんごに見えてしまうのです。。。
妖しい世界です。

オディロン・ルドン「ゴヤ頌 Ⅱ.沼の花、悲しげな人間の顔」
沼に生えた植物。
そこから伸びているのは人の顔。
光っています。。
この人の顔がどことなく笑っているように見える私は疲れているのかな。。

《3章 トゥールーズ=ロートレックと仲間たち》
ここではロートレックの作品がずらり。
後半はレスタンプ・オリジナルに関する作品が出ています。
レスタンプ・オリジナルは4章にも続くので詳細はそちらで書きます。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「メイ・ベルフォール」
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「メイ・ミルトン」
この2つは並んで展示されていました。
メイ・ベルフォールのほうは白くて大きなリボンの飾りを頭につけ、赤いドレスを着た黒髪の女性。
背景も白く少女のような印象。
メイ・ミルトンは、金髪で白いドレスのすそを広げるように持っています。
背景は紺でメリハリ利いています。
この2人、恋人同士でついになるように制作されたのでは、とのことです。
色や、文字の位置、歌うメイ・ベルフォールに踊るメイ・ミルトン。
ただ同時にパリの街に貼られることはなかったそう。
メイ・ミルトンはアメリカ公演用のポスターだそうです。
このメイ・ミルトンに関しては記録もほとんどなく謎の人物だとか。
ピカソがこのロートレックのポスターを画中に背景として描いたため知れ渡ったそうです。

ほかには有名な「アリスティド・ブリュアン」「快楽の女王」「ムーラン・ルージュ・ラ・グーリュ」もありました。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「第1年次のための表紙」
これは「レスタンプ・オリジナル」という版画集の表紙。
1号と最終号はロートレックが表紙でした。
ピンク色の服を着た女性が手に持った紙を読んでいる姿が描かれています。
その後ろには出版の作業をしている男性の姿も。
刷り上がった版画の確認作業中とのこと。
控えめな色使いです。

《4章 レスタンプ・オリジナル》
「レスタンプ・オリジナル」とはアンドレ・マルティという出版者が発行した版画集。
アンドレ・マルティは敏腕出版者とのこと。
この版画集には先ほどのロートレックをはじめ、ルノワールやロダン、ピサロやゴーガンなど豪華なメンバーが参加しています。

オーギュスト・ロダン「アンリ・ベックの肖像」
ロダン、、そう、彫刻で有名なロダンです。
劇作家のアンリ・ベックという人を描いたもの。
3つ顔が描かれていて、それぞれ前、横、斜めの向きから描かれていました。
かなり細かく描き込まれていました。

ウジェーヌ・カリエール「ネリー・カリエール」
これは今回見た中でも一番印象に残った作品。
女性の横顔が描かれたもの。
灰褐色ベースに顔が浮き上がるかのように描かれています。
目が描かれていないからか幽霊のような印象。
儚げで幻想的でした。

アンリ・ファンタン=ラトゥール「聖アントニウスの誘惑」
骸骨を手に持つ聖アントニウスとその後ろには2人の裸婦。
全体的に黒い聖アントニウスと白い裸婦が対照的。

アレクサンドル・シャルパンティエ「ヴァイオリンを弾く少女」
多色リトグラフ、とのことで淡い色合いがとてもきれい。
背景には彫刻の技法を生かして空彫りを取り入れているそうで、ちょっと触ってみたくもなります。
(もちろん、そんなこと禁止です。)

というわけで今日は1~4章まで。
明日、5~8章まで書いていきます。



ブログランキングよかったらお願いします