RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し印象派と世紀末美術 その2

2013-10-14 21:30:00 | 美術
見てきました

三菱一号館美術館

会期は2013年10月5日から2014年1月5日。

昨日「その1」を書いたので、今日はその続きになります。
全8章の1~4章が「その1」で、今日は5~8章です。

《5章 版画家ヴァロットンの誕生》
スイスの画家ヴァロットンの版画作品です。
ヴァロットンは1881年からドライポイントとエッチングで版画制作を手がけます。
1891年から木版を手がけるようになるのですが、きっかけの一つが1890年にエコール・デ・ボザールで開催された浮世絵展を見たことだとか。

フェリックス・ヴァロットン「ベレー帽をかぶる子ども」
とても丁寧に対象を見つめているんだな、と感じた作品。
なんだろ、、すごく上手、とかではない、そういった感情が先に沸いてきたことにびっくり。

フェリックス・ヴァロットン「アカデミー・フランセーズ会員 Ⅳ.ピエール・ロティ」
アカデミー・フランセーズとはフランスの国立学術団体。
フランス学士院を構成する5つのアカデミーの一角を占め、その中でも最古のアカデミーでもあります。
そのメンバーを描いたもの。
頭部はリアルですが、胴体は小さく、、2頭身ぐらいで描かれていました。
ちょっとかわいらしい。
ピエール・ロティはキラキラした瞳でこっちを見ていたこと&人形を脇に抱えていたことが可愛くて可愛くて。
服装が紳士なのも笑えます。

フェリックス・ヴァロットン「息づく街パリ Ⅳ.切符売り場」
パリの市民を描いたシリーズ。
これは切符売り場を描いたもの、、といってもそれらしきカウンターは見えず。
ぎゅうぎゅうの人が柵の中でてんやわんやしている様子が描かれています。
はっきりした線で描かれていることと人の表情がおもしろいことなど、現代イラストといっても通じる感じです。

フェリックス・ヴァロットン「息づく街パリ Ⅵ.事故」
馬車の馬に引かれた(踏まれた??)事故の様子が描かれています。
被害者が心配ですが、かなり出血している模様。
馬をなだめようと必死な人たちなど現場の騒がしさが伝わってきます。
この「息づく街パリ」のシリーズは他の作品も活気に満ちていて動きがありました。

フェリックス・ヴァロットン「女の子たち」
集団で歩く女の子たちが描かれています。
1人こっちを見ている子がちょっと怖い。
あれだ、ハガレンのグラトニーみたいなんだよ。

《6章 ルドン 夢の色彩》
2章でルドンの版画作品がありましたが、ここでは色彩の時代の作品です。
  
オディロン・ルドン「夜 Ⅲ.堕天使はそのとき黒い翼を開いた」
作品のタイトルから作品を見ると、何か違う!!といいたくなる作品。
ぬぼーとした表情の堕天使?がいます。
背中にある翼は石膏で出来てるんですか??というぐらい厚みがあって重そう。
確実に飛べない。

オディロン・ルドン「小舟」
ベールを被った2人の女性が小舟に乗っている様子が描かれています。
夜空には星がきらめいています。
この2人は聖女でエルサレムからフランスへ逃れたという伝説を元にしていると考えられるそうです。
神秘的な作品でした。

オディロン・ルドン「グラン・ブーケ(大きな花束)」
これはかなり大きな作品。
巾162.9cm、高さが248.3cm。
青い花瓶に入った様々な鼻。
オレンジや黄色、赤に緑など幻想的です。

《7章 ルノワールとモネの後半生》
ルノワールとモネの油彩が3点展示されていました。

クロード・モネ「プティ・タイイの岬、ヴァランジュヴィル」
海の断崖の上に立つ小屋が描かれた作品。
薄めの色彩で明るい感じです。
モネはここに42歳の頃にやってきたそう。
そして、その15年後に再訪してこれを描いたようです。
この頃は仲間のカイユボットやベルト・モリゾたちを相次いで亡くしていたそうで、自らの若いころを振り返り思い出の地を巡っていたようです。
なんだか切ないですね。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「ピクニック」
ルノワール、最晩年の作品。
明るい色彩で輝く光の中ピクニックをする人々の楽しそうなようすが描かれています。
1898年頃からリューマチ性疾患に悩まされ、晩年は車椅子で制作を続けたそうです。
絵筆が自力で握れないため、家族やお手伝いさんに手伝ってもらい、指に筆をくくりつけて描いた、というエピソードも。
これは真偽不明な点もありますが。。
でもそこまでして描き続けた、その作品が幸せそうな作品でなんだか暖かい気持ちになりました。

《8章 画商ヴォラールと画家たち 出版事業を中心に》
最後です。
画商ヴォラールに関係する画家たちの作品が展示されていました。
ヴォラールはセザンヌやゴッホ、ゴーギャンなどの展覧会を開催した画商。
ここにはヴォラールが画家たちとともに出した版画作品などが展示されていました。

オディロン・ルドン「ベアトリーチェ」
淡い色彩が美しい。
シルエットで描かれた女性が神秘的。

モーリス・ドニ「アムール(愛) たそがれは古い絵画のような優しさを持つ」
「アムール(愛)」という版画シリーズ。
優しく淡い色合いです。
このシリーズはどれも素敵で、温かい光を出しているかのような作品ばかりでした。

ピエール・ボナール「パリ生活の小景 街角」
こちらも「パリ生活の小景」というシリーズもの。
これはその名の通り街角を描いた作品なのですが、少し高いところから見下ろしたかのような構図で描かれていて新鮮でした。

今回は素晴らしい作品も多くとても楽しめました。
そして帰りに次回のチラシももらってきました。
今回もいくつか展示があった「ヴァロットン」です!!

"冷たい炎の画家"って気になる~!!
こうゆうフレーズがいいと楽しみさも増す!!


そうそう、高視聴率だったドラマ「半沢直樹」
三菱一号館美術館のカフェ"Cafe 1894"がロケで使われたそうです。
Cafe 1894は銀行営業室を復元したもの。
天井高くてクラッシックな趣があってすごくいい雰囲気なので展示後のランチやお茶におすすめです。
今回の展示に関連したメニューも展開されています。
ランチの「ジヴェルニーのガーデンプレート~菜園風~」はモネがフランス、ジヴェルニーへ友人を招き食事をしたときの料理をイメージしたランチプレート。
リンゴのすりおろしドレッシングで味わう彩り豊かなサラダ、ラズベリーシャムで味わうスコーン、生ハムとクリームチーズのサンドなど書いていて美味しそうでたまらない。
タラとジャガイモのグラタンに鴨の燻製、ハーブティーもしくはグラスワインがついてきます。
また、「美食家ロートレックのおもてなし」というランチメニューも。
メインの肉料理に季節のスープ、サーモンのマリネなどこちらも美味しそう。
ロートレックの料理本に残されたレシピをアレンジして作られたそう。
デザートには「セザンヌのリンゴ 赤ワインコンポートマスカルポーネクリームと共に」を。
これもおいしそう。。
食べに行きたいな。

おまけですが「半沢直樹」と美術つながりだと上野の東京国立博物館は東京中央銀行です。
ま、私、ドラマ見ていないのですが。笑
正確には、第1話だけ見たの。
最終回放送の日にネットで。
そこで、あぁ、やっぱり連ドラを見るっていう気力がないわ、と気づいたのです。。



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