パスポートを失くす夢

かつて、空を飛んで自由に滑空し着陸する場所が見つからなくなる夢、家から荷物をたくさん持って空港に向かうけど乗り継ぎしている間に時間に間に合わなくなる夢、建物を出ようとするけど出口が見つからないまま細い廊下をさ迷う夢・・・などなど、繰り返し見る夢があった。だいたい数か月続き、いつの間にか見なくなる。

夢は警鐘であり、自分の状況を振り返ってみなさいというシグナルでもある。漠然と感じているけど、それへの対処が出来ていないか、対策に目をそむけているときに繰り返される。自分から自分への呼びかけである、繰り返される夢、不安に襲われる夢には、自分の本能が感じ取っている危機感が呈示されている。

先日、外国に行くのに家にパスポートがないことに気づき、あわてて発行センターに行こうとしているんだけど、よく考えると出発は今日だ。なんで今日出発ってことに気づかず、出発のための荷造りを始めていたんだろうか。ふつうパスポートが発行されてなければ航空券も買えないはずだけど、記憶に残る夢の始まりは旅支度だった。

夢は現実の瑣末なことにはお構いなしだ。本質的な問題だけを映像で表現してくる。本当は画像であって、覚醒したときに意識がそれを合理的につなげてしまうという説もあって、覚醒して「思い出す」ときには意識の検閲がかかっているという。でも、それでも不安や恐怖を感じさせるストーリーやシーンが夢として記憶されるのはよっぽど重要なことなのかもしれない。

振り返ればいつも夢の意味は当時の実際の状況への警鐘だった。先日の夢もよく考えるまでもなく今の状況への警鐘である。真剣に今の自分を見つめなおさなくてはならない。了解。