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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

『かたり場』でいじめを考えてみた。

2017-03-11 15:42:45 | 日記

土曜の昼に、再放送なのかもしれないけど、「かたり場」っていう番組が始まった。いじめをテーマに、どうしたらなくせるかを現場の人たちが語り合うというものだったけど、出演してくる子供がみんないじめられた側の人たちだったり、いじめを悪いことだと思っている大人だったりしたのが、しょっと不思議だった。いじめた側は出たがらないのか、両者をスタジオに入れると混乱が生じるってことなのか。

むかし、学生時代からの友人が「学校から呼ばれて、ほんと不愉快」っていっていたのを思い出した。彼女の息子はいじめっこで、それで何度も担任から呼び出しを喰らい、そのたびに「うちの息子だけが悪いの? いじめられてるっていう子の方にこそ問題があるんじゃないの?」ってブチ切れてた。

ぼくはその息子にも何度か会っている。一番古い記憶は、学生時代の友人何人かで食事したときで、誰かが冗談で「いやぁ、ご馳走さま。わるいねおごってもらって…」って彼女に言ったとき、間髪を入れずにその子が「オマエら自分の分は払えよな」って怖い顔してどなった。彼がまだ小学生のころだった。

彼女の夫は某劇団の団員で、家庭は夫婦のバイト収入で支えられ、彼女の話ではもう夫婦喧嘩が絶えないとのことだった。だから、幼い彼はいつも自分の生存の危機を感じていたのかもしれない。もし母親が払わされることになったら、明日の家のご飯がなくなるってことを咄嗟に危惧したのかもしれない。ぼくは瞬時にそんな彼の心の奥を読み取ることができた。その子も大きくなって、先日、母親と食事したとき、婚約者を連れて現れた。背丈も大きくなって、母親に暴力を振るおうとした父親を力でねじ伏せたとボソっと話し、父親を「アイツ」呼ばわりした。婚約者は明らかにかなり年上で、髪の毛は金色でクルクルしていた。

ぼくは、だれが何と言おうと、いじめはいじめる側が悪いと思っているけど、いじめる側にもいじめざるを得ない訳があるんだろうってことは認める。そして、いじめは子供の世界だけでなく大人の世界でもなくならないだろうと確信している。人が学習したことを遺伝子に書き込めるなら、ひょっとして世の中からいじめはなくなるのかもしれないけど…。

いじめは複雑な要因が絡んでいる。いじめる側にもめちゃくちゃ心の弱いやつがいたりして、一概に犯人捜しして罰すればなくなるというわけでもないような気がしている。番組の途中、休憩時間に撮ったと思われる映像で、いじめに遭ったという女の子が「自分の過去のいやなことを話せてよかった。強くなれたような気がする」ってことを言ってたけど、それって大事だよなって思った。話せるまでの経過が辛いわけだけど、いじめる側も含めて、話せるようになれる環境とか、話せる場とか、話しを受け止められる人の存在とか、そんなこと、ものがないとヤバい社会になるよなって感じている。


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