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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

ドンキとPTSD、二次被害

2010-05-29 14:23:19 | 日記
2007年、「ドン・キホーテ浦和花月店」が放火され3人の若い従業員が亡くなった痛ましい事件があったけど、遺族が消防署の怠慢を訴えた裁判で、昨日、訴えを棄却する判決が出た。ニュースで裁判長の顔が映ったとき、少し憎悪を感じた。知らない人に憎悪を感じるなんて久しくなかったことだ。

電話の録音を聴くと、20歳の従業員は「火事なんですけども」と、確かに落ち着いた感じで切り出していた。判決は従業員のその落ち着きぶりがゆえに、「(通報者が)問いかけに対して比較的冷静に受け答えをしている。客観的にも、直ちに避難を要するような危険な状況にあったとまで言えない」と、市側の言い分を全面的に認めた。

はっきり言ってこの裁判官は愚鈍だ。人間の心理も法律も分かっていない。一般の人間は滅多に火事に遭ったりはしていないし、大きな建物での火災であればなおのこと、その危険性を理解できていない。それに、20歳の女の子であれば、年配の119のオッサンを相手にしたら、落ち着いて丁寧に話さなくちゃって思うのも当然だろう。裁判官はこの辺のことが全く頭に入っていない。さもなくば、無知な大衆からいかに役所を守るかということに躍起になっているとしか思えない。

消防署で給料もらっているなら、電話の相手が「煙がすごいんです」って言った時点で、避難の指示を出して、署員に出動の指示を出して、それから改めて詳細を電話してもらうべきじゃなかったのか。でも、このオッサン、言葉遣いも鷹揚で、彼女が逃げられる状況なのか確認もせず、「ドンキホーテは何階?」なんて、ダラダラと1分49秒も建物内の女性に質問している。どう考えてもプロだとは思えないし、こうした人を119に配置している市の責任は絶対にゼロではないと思った。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00178140.html

ぼくは幸いなことにまだ119に電話したことがない。でも、110番は何度か電話したことがあって、このニュースを聞いたとき、そのときのことが甦った。110番も基本的に受け答えが同じだ。日本の役人は、いつの間にか、どこか感覚が麻痺してしまったような気がする。判決後、この電話をした女性従業員の母親が目を腫らして「私たちの願いが全く通じなかった」と語った。

日本の裁判は長い。法律家たちはだらだらやることで原告が根負けするのを待っているかのようだ。それに、被告が役所や会社、団体の場合、個人の原告には地獄の生活が待っている。ニュースを見ていて、あの母親の涙に血が混じっていたような気がした。

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