福見友子

パリで開かれている国際柔道女子48kg級で福見が敗れた。福見というと思いだすのが高校2年で故障明けの田村亮子を効果で破った2002年全日本柔道。そして2007年にも産休明けの谷に有効で再度勝った。でも「実績」重視というお題目を付けて、協会はその年の世界選手権代表に迷わず負けた谷を選んだ。

若くしてそんな悲劇を味わった福見は、その後、「谷」不在の間にコツコツと‘実績’を積み重ねて、2009年の世界選手権では初出場で初優勝を果たした。

でも、2012年ロンドン五輪選考会を来年5月に控えて、いまいち調子があがっていない。始めての五輪出場というプレッシャーがあるのだろうか。2008年北京五輪で谷が負けてから、日本の協会も選考会で勝ったものを代表に選ぶという雰囲気になってきているらしいが、「谷の陰」がなくなったいま、48㎏級は山岸、浅見という強力なライバルが実力をつけてきて、いつの間にか、福見が最年長になっている。

いつの大会だったか忘れたけど、福見は「あきらめようと思えばあきらめられたけど、『でも…』という気持ちが体を勝手に動かした」というコメントを残した。辛いとき、ときどき思い出す言葉である。