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300年前の“宝船”「サンホセ号」発見

2016-01-02 07:30:00 | 報道/ニュース

12月11日 キャッチ!


1708年にカリブ海で行われたイギリスとスペインの海戦を描いた絵画。
砲撃を受けて煙を上げているのはスペイン軍の「サンホセ号」。
この後沈没してしまう。
この船が11月海底で発見されたというニュースが飛び込んできた。
詳細な位置は明らかにされていないが
コロンビアのカルタヘナという町の沖合だということである。
サンホセ号はスペインに持ち帰る新大陸の金銀を満載していたとされ
その額は2兆円にのぼると言われている。

壺や大砲そしてコインのようなもの。
コロンビアのサントス大統領は
船だけでなく大量の金を発見したと強調する。
(コロンビア サントス大統領)
「水中での歴史上そして人類史上最大の発見です。」
1708年9月 コロンビア沖のカリブ海で撃沈されたスペインの船「サンホセ号」。
全長46m。
64丁の銃で武装していた。
積んでいたのはエメラルドや金銀などの財宝とされている。
アメリカの調査会社がSNSに掲載しているような金貨も眠っているようである。
その価値は最高で170億ドルにものぼるとされている。
(調査隊員)
「多くの人間が長い時間をかけてつかんだ大勝利です。」
海底数百メートルでのハイテク技術を駆使した宝探し。
沈没場所を秘密にしておくのもうなずける。
しかし世界で最も価値があると言われた沈没船のありかはもはや謎ではない。
今回の大発見で今後どのように引き揚げが行われ
財宝を目にすることが出来るのかに注目が集まりそうだが
話はそう簡単ではないようである。
船の元々の所有者であるスペインがコロンビアによる引き揚げに異議を唱え
「サンホセ号」の保護を主張している。
そのよりどころになっているのが水中文化遺産保護条約である。
水中文化遺産保護条約というのは
2001年 ユネスコ総会で採択され
2009年に発効した。
水中文化遺産は
海・川・湖などにおいて
少なくとも100年間水中に沈んでいる。
文化的・歴史的または考古学的な価値がある遺産
と定義されている。
そして
水中に置いたままの保全管理が原則としていて
商業目的の利用を禁止している。
サンホセ号は条約が定める水中文化遺産に該当し
引き揚げを行ったり財宝を売却したりすることは原則できない。
この条約には52の国と地域が参加しているが
日本やアメリカなどは参加していない。
スペインは参加している。
参加国のスペインは条約にもとずくサンホセ号の保護を求めているが
コロンビアは条約には参加していない。
スペインはサンホセ号の所有権をあきらめるつもりはない。
外相はコロンビア訪問で友好的に同意にこぎつける考えである。
(スペイン ガリシアマルガリョ外相)
「もし友好的な外交関係で解決しない場合は
 スペインとコロンビアがそれぞれ所有権を主張しあう事態になるでしょう。」
コロンビアはサンホセ号が見つかったのは自国の海域だと主張している。
一方スペインは自国の船だとして
ユネスコの水中文化遺産保護条約に従って解決すべきだと主張する。
(遺産に関する弁護団 歩セ・マリア・ランチョ代表)
「サンホセ号は国際法上れっきとしたスペインの船だし
 歴史的な価値もある。
 各国の法律ではなく国際法にのっとって処理すべき問題。」
しかしコロンビアは水中文化遺産保護条約の適用には否定的で
国内の博物館に展示するとしている。
また金貨はもともとペルーのものだとして
ペルーが所有権を主張する可能性もある。
解決はまだ先のようである。

 
 


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