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成果ある台湾の感染症対策とは

2020-04-27 07:00:00 | 報道/ニュース

4月7日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


台湾の新型コロナウィルス感染者は4月6日時点で373人
亡くなった人は5人にとどまっている。
世界各国で感染が拡大するなか
成果をあげている台湾の対策が注目されている。
感染の広がりを食い止めるためどんな取り組みが行われているのか。

感染者の数を低く抑えている台湾。
学校では2月25日から新学期が始まっていて授業は通常通り行われている。
その一方で感染が子どもたちに広がらないように
予防対策が徹底されている。
「隔離中の家族とどのくらい離れますか?」
「1mです。」
台湾では対策が行政だけに任されるのではなく
地域一体となって行っているのが特徴である。
新北市の小学校で週1回行われていた消毒作業は
ボランティアと協力して教室だけでなく遊具や図書館などを消毒するが
新型コロナウィルスの感染が始まってからは毎日行われるようになった。
(ボランティアをしている母親)
「こうすれば子どもたちも自分たちも守れます。
 学校の懸命な取り組みに感謝しています。」
台湾の効果的な感染対策の要となっているのが
関係部局を束ねてトップに立つ対策本部“指揮センター”である。
センターの指揮官は
感染拡大を防ぐにはまずは市民に現状を理解してもらい
ともに活動してもらうことが肝心だという。
(指揮センター 陳指揮官)
「市民と行政が対立したら良い政策も成功しません。
 共に感染防止することが重要です。」
指揮センターがいま警戒を強めているのが
1か月前から始まった“第2の波”である。
台湾の定住者以外の入境は停止されているが
海外から戻った人の中から感染者が相次ぎ
その数は3週間で7倍増えて370人を超えているのである。
到着時に症状がない人は自宅で14日間の隔離が義務付けられているが
隔離中などに渡航歴のない人にうつすケースも確認されている。
海外から戻ってきた人を含む在宅隔離者3万人の発症をいち早くキャッチし
さらなる感染をスピーディーに食い止める。
ここでも行政と市民が協力して感染拡大を防いでいる。
隔離者と直接連絡を取り合っているのは
自治体に設けられた“ケアセンター”。
「ケアセンターですが
 海外から戻って体調はいかがですか?」
地元のボランティアや町内会の協力を得ながら
管理している隔離者約500人に毎日電話をして健康状態を確認。
感染が疑われる症状が出たら
即座にウィルス検査や診察を手配している。
さらに外出できない隔離者のために日常生活の支援まで行なっている。
担当者がひんぱんに通っているのは街の市場やスーパー。
隔離者から頼まれた野菜や肉を買い自宅まで届けているのである。
生鮮食品の買い出しだけでなく弁当の配達や薬の受け取りにも応じる。
その一方で隔離に違反すると厳しく罰せられる。
違反者に課せられる罰金は最大で約350万円。
しかし隔離命令を守らず外出してしまう人は後を絶たない。
この日 取り締まり中の警察が入ったのは台北のクラブ。
中にいたひとりの男性を職務質問したところ
持っていたIDカードで調べた個人記録から「隔離対象者」であることが分かった。
男性は罰金を払い
強制隔離施設に移るよう求められた。
行政と市民の協力で行われている台湾の感染予防対策。
硬軟取り混ぜた取り組みは隔離者からも理解を得ているようである。
(隔離生活を経験した男性)
「誰かと話したかったりつらい時には専用の電話番号があります。
 人の自由を制限しプライバシーを侵害していますが
 今の状況を戦争と考えればこの方法は正しいです。」

 


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