大島渚の映画「少年」を観たのは高校生の時だったが、「この映画は面白いのだろうか?」と思ってしまった。そんなに評価を受けるような映画だとは思えなかったからだ。
この「新宿泥棒日記」も、映画が発表された当時に観たなら、別の感想を持ったかもしれないが、当時でも「なんだこりゃ」と思ったかもしれない。
ただ、唐十郎と状況劇場の面々は当時の雰囲気をよく表していて、横尾忠則が状況劇場のテントの中で由比正雪を演じるシーンなどは、当時の状況劇場の芝居の雰囲気を知るいい資料だ。
ただ、唐十郎、李礼仙、藤原マキ、大久保鷹は分かるのだが、麿赤児、不破万作、四谷シモンがよく分からなかった。
まあ、当時は裸を出せば、それなりに評価されたのかもしれないが、今観るとなんだかなあ、という映画だった。