演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

脚本の手直し

2009年04月14日 15時27分15秒 | 脚本を書く技術

こんな文章も書いてありました。
ネットからはだいぶ前に削除したもの。

脚本の手直し
脚本の手直しは、自分の作品の場合と人の作品の場合とがある。自分の作品の手直しは自分自身との戦いだが、他人の作品を手直しする場合にはかなり気を使う。
本来的には他人の作品には著作権があるから手直ししないのが原則だが、選んでしまったあとで、どうしても表現できない部分が見えてくることがある。
演出上の処理で解決できる場合にはいいが、処理できない場合には書きかえということになる。
これの例としては、2001年春に、ある脚本の手直しを行った。
某高校の演劇部が上演脚本を選定して、パンフレットまで出来ているのにうまく行かないという要望に応えたものだ。
作者に対して失礼にあたるので、作品名や作者名、具体的な作品に即した書きかえ作業の工程を明らかに出来ないのは残念だが、基本的な作業は以下の通りである。
1.登場人物の性格が混乱しているので、セリフの再配分を行った。
2.物理的に無理な設定がされていたので、この設定をやめた。
3.設定の変更に伴ってストーリーを変更した。
4.口に出す言葉として力を持たない部分は、カットした。
5.単一の時間の中にある設定をやや複雑にしてみた、
それぞれについて説明を加える。

1,登場人物の性格が混乱しているので、セリフの再配分を行った。
作品の中盤までで形成されていた登場人物の性格が、後半になって微妙に変化しているようなので、セリフを入れ替えてみた。
AのセリフをBに。BのセリフをCに、CのセリフをAにというようにである。どうやらこれは作者の中で混乱があったらしく、セリフを入れ替えることで性格は観客に受け入れやすくなったようだ。これは数ページにおよぶ大幅な書き換えとなった。なお、講評のために事前に修正前の脚本を読んでいた人たちも、この書きかえには気が付かなかったようなので、きっとうまくいていたのだろう。

2.物理的に無理な設定がされていたので、この設定をやめた。
これを説明すると脚本がどういうものか分かってしまう可能性があるから、(まあ、可能性は低いが)大ざっぱに説明すると、壁に相手をぶつけて殺すのではなく、壁を剥がしてこれを加速をつけて相手にぶつけようとした、というようなことをやろうといていたのだ。こんなことはプロレスラーだって無理だろう。

3.設定の変更に伴ってストーリーを変更した。
心理的に怖くなるようにしたのだ.
それまでの設定は「相手を許さない」というものだったが,新しいストーリーは相手を全て許してしまう」という形にした.
これはとても怖くなった.上演中も観客はシーンと静まりかえっていたし、講評でも怖くなったといわれた.こういう時に、ストーリーを細かく説明できないのがもどかしい.

4.口に出す言葉として力を持たない部分は、カットした。
最後のシーンがコロスだったので,集団で発して響きのいいセリフだけを残した.

5.単一の時間の中にある設定をやや複雑にしてみた、これは、一言で時間を隔ててみようと思ったもの。
「偽りの青春」というセリフがあるとする。
これはこれで、いいのだが,この後に「そう言ってみたかった夏」と入れると1ヶ月後ぐらいだか、「そう言ってみたかった、あの夏」にすると何年か後になる。
観客は気がつかないかもしれないけれど、こうセリフを変えることで高年齢層にも思い当たるよう普遍性と、芝居の中の時間を重層的にした。

書き直した結果は、おおむね好評だった。
ただ、ラストシーンが頭とつながらなくなったという批判が一部にあった。
本当は頭も書き換えたかったのだ。
しかし、これをやると、最初から最後まで書き換えることになってどこが本来の作品なのか分からなくなる。
書きかえるときの要領は、推理小説を読むときとと同じように考えるのもいいかもしれない。動機を明らかにして登場人物の心理を合理的に並べてみるのだ。ただ、はっきりとさせすぎて含みがなくなってもつまらない。
そのときは、一回「にやり」と笑ってみよう。客をうまくだましてやろうといういう悪意ぐらいもって。

追記
この最後に「にやり」と笑って悪意を持ってというところが、もしかしたら私の欠点なのかもしれない。ブラックユーモアを好まない人も結構いるので。そこらへんは自分の資質をよく自問してやってください。私の場合、おうおうにしてやりすぎだといわれることが間々あるのだ。


脚本を書く技術-2-3

2009年04月10日 00時12分17秒 | 脚本を書く技術

今日はパチンコでボロ負けしました。
というわけで、芝居とかかわらない日々が続いています。


2.4簡単なようで、難しいセリフ

脚本を書いてみようと思ったきっかけのひとつに、脚本はいつもしゃべっている言葉をつかうだけだから、小説よりも楽だ。と、思った人はいないでしょうか?
実は私がそうです。
小説も書いてみたことがありますが、地の文がうまく書けません。
もうひとつには落語をはじめとする話芸が好きだったというのも理由です。

ところが、いざ脚本を書いてみようとするとセリフが浮かんできません。
あるいは、ぱっとしないセリフしか浮かんでこない、ということがありませんか。
実は私がそうでした。

これは、いいアイディアでないからセリフがうまくかけないのだ、と最初は思っていました。
つまり、物語の基盤になる素材がよければいい物語になるという錯覚です。
しかし、何本か脚本を書いて演出をしているうちに、実は違うことが分かってきたのです。

脚本の中の登場人物が何かをしゃべるときには、その登場人物にはそのセリフをしゃべらなくてはならない必然があるのです。
登場人物の持つ性格や立場が台詞を生み出すのです。
特に、立場というものを意識していない作品をよく見ます。
人は立場によって考えることが違う、当たり前のことです。
しかし、登場人物の性格については、いろいろなところで書かれていますが、登場人物の立場について触れていることは少ないように思います。

このことについては、技術だけではない話になりそうなので、とりあえず技術について話を進めることにします。

2.4.1 まずは前提

ここで取り上げる脚本の形態を決めます。
実は脚本の書き方は、最初に書いたように何でもいいのです。
登場人物が誰かわからなくたっていいですし、音だけで意味のない台詞が延々と続いてもかまいません。
ただ、それではその作品を書いた人か、意味をなさないものから意味を見出せるという特殊な能力のある人しか上演できませんから
ここでは、物語があって、一般の劇場で上演できる作品とします。
つまり、世間一般の人が脚本としてイメージしているものと同じか、それに近いものだと考えてください。
これまで書いてきた、「タイトル」「登場人物一覧」「ト書き」での、説明も実はこの前提に立っています。
なくてもいいのだと、何度も繰り返しているので、うすうすは想像がついていたと思います。

2.4.2 セリフの頭には人物の名前が必要

当たり前のことを説明しているので、当たり前の話から入ります。
セリフの頭には登場人物の名前がきます。
普通は、こういうふうに書きます。

和夫   ぼくは和夫っていうんだ。
美由紀  へえ、私は美由紀。

登場人物の名前とセリフとの間に、隙間があるのはここからがセリフですという目印です。
人によってはこう書く人もいます。

 和夫  ぼくは和夫っていうんだ。
美由紀  へえ、私は美由紀。

先頭に空白を入れることによって、中間の空白の大きさを整えています。
私はかぎ括弧を使うことが多いです。

和夫「ぼくは和夫っていうんだ」
美由紀「へえ、私は美由紀」

書いてみるとわかりますが、最初と2番目の方法は速く書こうとするときに、面倒です。3番目の方法が一番速く書けます。
セリフが浮かんでくるときは、スピードが命なんで(手書きでないのなら)かぎ括弧かTABキーを使うのが便利です。
TABキーはキーボードの一番左側にあるキーです。
これを使うと、隙間が開いてくれますが、使うソフトによって機能が違うので、ワードや一太郎で入力していざテキストに変換したら、
隙間が消えちゃったという事態も考えられますので注意が必要です。
かぎ括弧にしておいて、あとで一括置き換えしてしまうというのが楽だと思います。
手書きの場合は、マージン罫入りというノートを使うと、この線から上、もしくは左側に登場人物の名前を書くと分かりやすいでしょう。

ここで注意ですが、途中で登場人物の名前を変えるのは出来ればやめたほうがいいです。
実は、私も時々無意識でやってしまいます。
最初は「男」、と書いていたのに途中から「和夫」になってしまったりしています。
既成の脚本でもたまに見かけますので、絶対だめということはありませんが、読んでいる人が混乱するのは間違いありません。

2.4.3 音になること

セリフの第一条件は声に出して音になることです。
「Ё」と書いてあって「イヨー」と読むことを知っている人はほとんどいないと思います。
このように、一般的でない文字や、記号の類は原則として使わないほうがいいです。
同じように、顔文字が書いてあっても認識が共通でないと、「しくしく」と読ませるつもりが「えんえん」と読んでしまうかもしれません。
そうなると、自分の作品が上演されることになって観にいったら、役者がぜんぜん違うことを言っていたという事態にもなりかねません。
これは最初にも書きましたが登場人物の名前でも同じです。
私はある作品の登場人物に「鑑」という名前をつけました。
「あきら」と呼ばせるつもりだったのです。ところが振り仮名を振っておかなかったので、公演を観にいったら役者はみんな「かがみ」と呼んでいました。
当時、井上鑑さんというミュージシャンのスタッフ方と面識が出来たので、その名前を引用させてもらっただけだったんですけど。
 
最近はブログで「W」を使う人も増えていますが、これも厳密になんと読ませるのか不明です。

2.4.4 分かち書きの復活

分かち書きとは

セリフを書くときに、分かち書きをする人がいます。
坪内逍遥の訳したシェイクスピア作品などは、分かち書きをしています。
一時期こういう書き方をする人はほとんどいなくなっていましたが




物語を急がない
うまくいっていない脚本は往々にして、物語をうまく進行させようとしすぎています。
最初に頭の中で物語が出来てしまうと、それを
説明するならきちんと説明する


はい、書いてあったのはここまでです。
先はどうしようかな。


脚本を書く技術-2-2

2009年04月08日 22時12分52秒 | 脚本を書く技術

前に書いていたものを、切って貼るだけなんですが、もう少しで書きかけの部分が終わります。
予定では6章まで行くつもりだったのですが、2.4.5で挫折した状態です。
どうしようかなあ。いい機会だし、続きを書いてもいいんだけど
あまりに内容が当たり前で、呆れている人もいるかもしれない、って思い始めたら続きが、書けなくなったのです。

2.2登場人物一覧表

タイトルの次に来るのが登場人物一覧表です。
登場人物一覧表はつける人と、つけない人がいます。
なくても、脚本を読んでいるうちに
誰が出てくるのかは分かりますから、
なくてもことは足りますが、あると親切です。

登場人物一覧表には、人物の年齢や関係
職業などが書いてあることがあります。
これも必ずしも必要ありません。
詳細に書き込みがしてあるために、
かえってイメージが混乱することもあります。
ただ、脚本を読み慣れない人だと
読んでいるうちに誰がどういう役なのか、
どういう関係なのか、分からなくなって
一覧表で確認しながら読むこともあるので
関係を書いてあげると、いいかもしれません。
私は、先入観をもたれたくないので、
関係とかは書かないことが多いです。
なお、登場人物が外人ばかりの時には
特に名前を覚えられないことが
しばしばありますので、
関係が書いてあると親切です。

一覧表で一番ありがたいのは、名前によみがながついているときです。
普通の名前だったら、なくても困りませんが
章子などは「しょうこ」とも「あきこ」とも読めますので悩みます。
難しい名前もふりがながついていると助かります。
瑛、瞭はどちらも「あきら」ですが、
めったにこんな名前の人にはお会いしません。

2,3ト書きって
脚本を読んでいると、一番最初に、どういう場所なのかとか、誰がいるのか、とか書いてあります。
途中にも、「誰それ、下手に退場」なんて書いてあるところがあります。
これが、ト書きです。

アメリカやイギリスの脚本は一般に、ト書きがすごく長いです。
それは、脚本を文学として鑑賞する習慣があるから、
より細かく理解してもらおうとするため説明部分が長くなるわけです。
日本の脚本も1960年代までは、ト書きが長かったのです。
余談ですがこういう、文学として読む対象の脚本を戯曲と呼んだりします。
同じものが、台本、脚本、戯曲というように用いられかたによって名前が変わります。

1970年代にはいると「つかこうへいブーム」という、
劇に関わる人たちが巻き込まれた一大ブームがありました。
このつかこうへいが、ト書きをほとんど書かない人なんで、
これ以降のト書きは一般にすごく短くなりました。

私が生徒に上演台本を選ぶのに脚本を読むときの注意としては、
最初読むときには「注意深くト書きを読まない」ようにするように言っています。
これは長いト書きを読むと、読むスピードが遅くなるから、
ある程度とばして読むことで多くの脚本を読むほうがいい、という指導です。
まあ、たいていの作品はト書きなんか読まなくても理解可能です。

では、脚本を書く人間にとって、ト書きの本質はなんでしょう。
私は書いているときの、防備録のようなものだと思っています。
いつ誰がどこでなにをしているのかを、書いている本人もよく忘れてしまうので、
ト書きに書いておくと便利です。
特に、舞台の上にいる人間といない人間は、入退場の指示がないと分かりません。
あと、その人がどこにいるのかも、ト書きがないと分からないですよね。

逆に基本的にやってはいけないのが、ト書きで感情を説明する事です。
「彼女は怒って」と書くよりも、怒った台詞を書くほうがだいじです。
これは、台詞の書き方の技術でももう一度説明しますが、
ト書きで書く習慣をつけると、いきなりその感情にしてしまいがちになります。
怒るには怒るなりの過程があります。

「笑う」
なぜ笑っているんでしょう。

逆の感情を説明する時には、ト書きは有効です。
ものすごく怒っている台詞なのに、「笑って」と
書いてあれば、凄みがまします。

ところで、ト書きというのは必ず必要なものでしょうか。
実は、そんなことはありません。
ト書きなんて、なくたって話は進みます。
シェイクスピアの脚本には本来ト書きはなかったようです。
書いてなければ、演出が適当に設定すればいいだけのことです。

でも、どこの話なのか、いつの話なのか分からないと、
読むときに不便です。

こんな時には5W1Hです。
いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように、どうした。
ってやつですね。
このうち、ト書きで一番必要なのは
いつ、どこで、です。

   江戸末期、京都池田屋、新撰組討ち入りの前夜。


これだけで、なにが起きるのか予想がつきそうです。
ここには、時間を示すものが、ふたつはいっています。
一見「だれが」もはいっていそうですが、
実は「だれが」なにをするのかは
次から始まるセリフが担当することになっているようです。
これに、誰がを付け加えてみます。

   夕暮れ時、居間の中で男がうろうろと歩き回っている。

なぜ、まで入れてしまうと書きすぎかもしれません。
「なぜ」が次のセリフで明らかになるようなときのト書きです。

2.4簡単なようで、難しいセリフ

脚本を書いてみようと思ったきっかけのひとつに、脚本はいつもしゃべっている言葉をつかうだけだから、小説よりも楽だ。と、思った人はいないでしょうか?
実は私がそうです。
小説も書いてみたことがありますが、地の文がうまく書けません。
もうひとつには落語をはじめとする話芸が好きだったというのも理由です。

ところが、いざ脚本を書いてみようとするとセリフが浮かんできません。
あるいは、ぱっとしないセリフしか浮かんでこない、ということがありませんか。
実は私がそうでした。

これは、いいアイディアでないからセリフがうまくかけないのだ、と最初は思っていました。
つまり、物語の基盤になる素材がよければいい物語になるという錯覚です。
しかし、何本か脚本を書いて演出をしているうちに、実は違うことが分かってきたのです。

脚本の中の登場人物が何かをしゃべるときには、その登場人物にはそのセリフをしゃべらなくてはならない必然があるのです。
登場人物の持つ性格や立場が台詞を生み出すのです。
特に、立場というものを意識していない作品をよく見ます。
人は立場によって考えることが違う、当たり前のことです。
しかし、登場人物の性格については、いろいろなところで書かれていますが、登場人物の立場について触れていることは少ないように思います。

このことについては、技術だけではない話になりそうなので、とりあえず技術について話を進めることにします。


脚本を書く技術-2-1

2009年04月07日 20時32分36秒 | 脚本を書く技術

2.脚本を解剖してみよう
2.1タイトルがなけりゃ
脚本を書くときに、タイトルから考える人がいます。
私もどちらかというとそのタイプです。
逆にすべて書き終わってから、タイトルを決める人もいます。
これは好みの問題です。
タイトルが決まれば、話がすべて決まってしまう作品もあります。
つかこうへいの「蒲田行進曲」などは、そのいい例ではないでしょうか。
つかこうへいは、このタイトルを思いついた瞬間に物語がすべて見えたと、
どこかに書いていたような記憶があります。

お客さんは、最初にこの「タイトル」に惹かれて、劇場に来るわけですから、
タイトルを決めることは重要です。
でも、考えすぎてもうまくいきません。
そんなもんなんです。

タイトルを決めるときには、次のやり方があります。
・主人公の名前をタイトルにする。
「ロミオとジュリエット」のように魅力的な主人公を印象づけようとするときに効果があります。
歴史上の人物のときにも使えます。

・物語の主題や事件・事実をタイトルにする。
「帝銀事件」「関ヶ原の戦い」「池田屋騒動」のような歴史上の事件だけでなく、
「生徒大会」といった身近なものでもいいです。
この場合は「ある日の生徒大会」というように
その生徒大会が特別なものであったことを表す説明に当たるものをつける手もあります。

・キーワードをタイトルにする。
感情や事件の中の小道具など、その物語を特徴づけるものをタイトルにします。
「ペーパースノウ」は小道具、「ガッデム!」だったら感情です。

・状態や行動をタイトルとする。
「空騒ぎ」「じゃじゃ馬馴らし」「お気に召すまま」なんかでしょうか。

・風景や情景
「夏色の詩」なんかです。

・地名
「石狩平野」とかです。
「東京慕情」のように、情景を示すものと組み合わせると効果的ですが、
小説の題名みたいになりやすいです。

・意表を突く造語をタイトルとする。
唐十朗の「吸血姫」というのはどうでしょう。「吸血鬼」ではなく「吸血姫」タイトルだけでわくわくしました。

では、タイトルでやってはいけないことは、なんでしょう。

・長いタイトルは基本的につけない
長くてもいいんですけど、覚えられません。
「マルキド・サドの演出のもとに シャラントン精神病院患者によって演じられた
ジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」って、お芝居がありますが、
覚えきれませんので、通常「マラー/サド」と略します。
私の作品でも「どぶ板を踏み抜いた天使」という作品は、
劇団員のあいだでは「どぶてん」と略されています。

・声に出していえないタイトルはつけない
「ウゴッ!」とかでもいいのですが、あとで「「ウゴッ!」観たか」って、
会話になりにくいですよね。

・横文字はあまり多用しない。
簡単なのならいいんですけど、長いと覚えてもらえません。
ましてや、違う意味だったりしたら悲惨です。

・基本的には盗作しない。
実は私はこれは結構好きです。
「黒いドレスの女」とか「グッバイガール」とか、映画の題名と同じものをつけた作品を書いてます。
パロディってやつですね。意図して、同じ題名をつけています。
でも、あとでいろいろ言われることは覚悟しておいて下さい。

どう工夫するのか
まあ、本人が気に入っていればなんだっていいんですが、
なんかしっくりこないときには、こんなことを試してみましょう。

・助詞を変えてみよう
どうしても多く使ってしまうのが、「の」です。
「真夏の夜の夢」なんかそうですね。これは前の部分が状況の説明になっています。
「美人の日本語」、たまたま目の前に本がありました。
これをサンプルに変化させてみます。
「美人な日本語」にすると、ちょっと感情が入ってきます。
「美人と日本語」並列して対比してみました。
「美人が日本語」意味が変わってきます。
「美人さ日本語」「美人だ日本語」「美人に日本語」
だから、なんなのさ、と言われそうですが、「の」でないタイトルはちょっと違って印象づけられます。
「無邪気な遊撃隊」ちょっと観てみたくなりませんか?


脚本を書く技術-1

2009年04月06日 20時59分37秒 | 脚本を書く技術

これはHPで読めますけど、書きかけのやつのひとつです。
ここしか観ない人もいるでしょうから
再掲しました。
当たり前のことしか書いていないんで
がっかりしないように。

脚本の書き方 その技術(初級編)

1.脚本ってナニ?
何かみんなでやろうとするときには、あらかじめどうやろうかを、決めておかなければなりません。
そうしないと、みんなが勝手なことをやったり、なにもしなかったりと、目的のことが達成できなくなるからです。
これは、お祭りであっても、コンサートであっても、映画であっても、演劇であっても同じことです。
ただ、普通のイベントならおおまかな段取りを決めてあるだけでも、進行していきます。
つまり、進行表があるだけでも、十分機能を果たすのです。
しかし、進行表だけだとその場での発言は、アドリブです。
同じ台詞は再現はできませんし、複雑な内容を表現するには向きません。

これは、お話でも同じです。
昔話を再現しようとするときも、誰かが覚えていないといけません。
その人が忘れてしまえば、その物語は永遠に失われてしまうのです。
でも、脚本があれば、何度でも同じ話を再現することができます。
それも、複数の人間で複雑な物語を再現できるのです。
物語を何度でも再現したいという、人間の欲求が脚本を作ったともいえます。

1.1脚本と台本って違います?
脚本と台本は、似たようなものですが、ここでは脚本は上演に当たって選ぶときに読むもの、
台本は上演に当たっていじりながら使うもの、
と私は考えています。つまり、最初は脚本で、次に台本になっていくわけです。
出世魚みたいですね。
脚本は書かれた段階では、完成品ではありません。
舞台で上演されて、初めて完成します。
ところが、練習を始めて台詞を声に出してみたり動いてみると、
矛盾点や明らかな間違いがたくさん出てきます。
これを、実際の上演に適したように改めていくものが台本です。

1.2 脚本を書くために知らなければいけない技術とは

パソコンをどう使うかは
使う人によっていろいろです。
ゲームが主な目的の人もいれば、
インターネットしか使わない人もいるでしょう。
でも、初めてパソコンを使い始める時は
まず、電源を入れる。
それから、ネットの設定をして、メールの設定をして
初めて使えるようになります。

脚本を書くときにも、書きたいことは
人によって、様々でしょうけれども
方法はそんなに変わるわけではありません

脚本の一番最初には
タイトルが付きますし
登場人物一覧表
台詞、と続きます。
でも、自分で脚本を書き始めようとしたときに
タイトルって、どうつけるんだろうとか
登場人物一覧表には
なにを書けばいいのだろうなんて悩み始めます。

そんなときに読んでもらえるように
つまり、パソコンは100Vのコンセントにプラグが差し込まれていないと
電源が入りませんよ、というのと同じように
こんなことを注意さえすればいいんだよ、
ということを書いてみようとしたのです

1.3 脚本を書くのに使う道具

今は基本的に手書きをする人はほとんどいないと思いますので、ここではパソコンを使って書くという前提で話をします。
昔は脚本を書くのに重要なのは、ボールペンの種類だと説明していました。鉛筆やシャープペンは速く書くのに適していないからです。
セリフは浮かんでくるときにはそれこそ泡のようにぶくぶくと浮かんでくるときがあるので、速く書ける道具が適しています。
一般にプロの物書きの方はワープロソフトは使っていないようです。
私が今使っているのもフリーソフトのTerapadというテキストエディターです。
テキストエディターというのはWindowsだとアクセサリーについてくるNotepadやワードパッドのようなものです。
早い話が、文字だけ入力できればいいという機能しかありません。
それに、Notepadより使いやすい無料のソフトがたくさん出回っています。

ワープロとの違いは、きれいに整えて印刷できない(対応しているものもある)、強調などの細かい指定はできない、などです。
その分、軽くてフリーズもほとんどしません。
体裁を整えるのは、別のソフトを使えばいいだけなんで一度使ってみることをお勧めします。
有料のものでは「秀丸エディタ」とか「MZエディタ」とかがありますが、無料のものでも十分使い物になります。
なお、当たり前のことですが、インターネットのHTMLでは基本的にテキストしか使えません。
つまり、印刷しない限りワープロソフトを使うメリットはあまりないのです。