演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

あなたへ

2022年04月27日 12時43分31秒 | 読書

高倉健の最後の映画「あなたへ」を小説化したものだ。
小説を読んで、知りたかった「なぜ、妻は刑務所の慰問をするようになったのか」は結局分からなかった。
南原慎一がなぜ平戸の漁港の漁師を知っているのかは、小説を読んでよく分かった。
ストーリーは映画で観て分かっているのだが、わき役の描き方が細かく、特にビートたけしが演じていた杉野の過去や主人公の倉島英二とのかかわりなどは小説版の方が書き込まれていて分かりやすい。

しかしまだよく分からないところがあり、もう一度、映画を観たくなった。

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ライオンのおやつ

2022年04月26日 10時00分15秒 | 読書

小川糸の小説である。
33歳で癌で余命一年と宣告された女性が「ライオンの家」というホスピスで亡くなるまでと、亡くなってのちの3日間を描いている。
作者の母親が癌になって、「死ぬのが怖い」と会話したことが、書くきっかけとなったと糸通信に書かれている。作者の母親は強権的でしばしば作者とぶつかってきたらしい。ただ、亡くなる直前から変化があったようだ。糸通信には次のように書かれている。

「母に余命が宣告されたことで、わたしの、母に対する立ち位置が変わった。
今まで見ていた方向から反対側に移動して母を見ると、そこには、わたしが全く気づかなかった母の姿があった。
認知症が出始めた母を、わたしは初めて、愛おしいと感じた。
そして、自分が母を本当は好きだったこと、母もわたしを、母なりの愛情を持って接してくれていたことに気づいた。

母が亡くなったことで、わたしはようやく、それまでずっと繋がっていたへその緒が切れたように感じ、そして母が新たに、わたしの胎内に宿ったような気がした。
母が生きている頃より、亡くなってからの方が、ずっと母を身近に感じる。」


強権的な母親という点ではうちの母親も似たようなものだったのかもしれない。ただ、母親は父親とぶつかるほうが多くて、こっちはなるべくかかわりになりたくなかったので、子供のころからあまり家にいないことが多かった。
昨年の7月に亡くなったのだが、身近に感じることもなく、仏壇にもあまり手を合わせない。認知症になり世話が大変で、文句ばかり言っていた妻のほうが、仏壇の世話もかいがいしくしている。
だから、この物語も頭では理解できるけれども、感情としてはどこか冷めた読み方をしているのかもしれない。人間として、どうかなとも思うがそれも頭の中でのことなのだ。

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あなたへ

2022年04月16日 08時26分48秒 | U-NEXT

高倉健最後の映画。妻、田中裕子の遺言で富山から妻の故郷である長崎まで旅をするロードムービーだ。
いろいろな人と出会い、出会った人の過去や現在のドラマが垣間見えるのだが、やや不自然なところもまま見えて、一番自然だったのは草彅剛のエピソードだったかもしれない。
妻の過去や、どうして結婚に至ったのかはあまり明確に描かれていないので、ややもやもやするところだ。
賞もたくさんとっているのだが、日本アカデミー賞で、主演男優賞には入っていなかった。
ノベライズも出ているようなので読んでみよう。

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理想のヒモ生活

2022年04月15日 04時24分34秒 | 読書

今のところ14巻まで出ている。コミック版は12巻まで出ているらしい。
WEBの「小説家になろう」に連載されていたのだが、こちらは途中で更新されなくなっており、出版されている版は、途中からWEB版とは話が変わってきている。
異世界から召喚された主人公が、何もしなくていいから子種だけ提供してほしい、と言われ女王の婿になるのだが、いつの間にか活躍しているというお話で、普通の異世界物とはやや異なっている。
物語のテンポはゆっくりしているのだが、登場人物が個性的なこともあって、楽しく読める。
ただ、11巻が元の出版社で重版をしていないらしく、中古でもなかなか売っていなくて、ネットの中古通販を探してやっと見つけた。「あいだにはたち」でも思ったが、電子書籍があるからか、今時はすぐに品切れさせるようだ。

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夢町座で星屑の町を観る

2022年04月03日 13時23分49秒 | 映画

夢町座で「星屑の町」を観てきた。
寒の戻りで、手袋をし、ウィンドブレーカーを着なければならないほど寒かったが、桜はほぼ満開だ。

「星屑の町」はもともと舞台なので、映画の時間の流れだと、雨に濡れるブランコ菜などの情景描写が邪魔に感じられる。
また、さすがにみんな年を取りすぎていて、映画のアップにすると少しつらい。
それでも、のんはなかなか素敵で、いい感じだった。
ストーリー的には、実の父を探すためにコーラスグループへ加入し痛がったはずだったのに、いつの間にかその話はどこかへ消えていたのが謎だった。
戸田恵子は歌も演技もうまくて、安心してみていられる。

ストーリーは伏線が多く仕掛けられているし、二転三転して楽しめるものだったが、娯楽性が強すぎて夢町座のいいつもの上映作品と比較すると軽すぎたかもしれない。

座席20席のミニシアター。

歌う時ののんが色っぽかった。

柄本明はタイトルクレジットを観るまで、どの役か分からなかった。

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