Adelaideはまだ今日までは40℃くらいの酷暑が先週の週半ばから続いている。車の中のエアコンを20℃くらいに設定しても、外から窓を通して刺してくる日差しの強さで冷房がおっ付かなく、おまけに肌が痛い…。砂漠に住む民族が肌をすっぽり覆うような衣服を身に着けているのはとても理にかなうことだとつくづく思う。でも、暑さと肌の保護を天秤にかけて、どっちを選ぶべきだろうか。
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そんな暑さの中の、先週金曜日の事。朝9時頃に長男を学校に送り届けてすでにかなり暑くなっている中、学校の校庭の片隅にある砂場で次男を遊ばせていたら、校長先生が「アレはもう見たかしら?」といってニコニコ話しかけてきた。「…?(アレ?)何のことですかー?」と答えたら、もうそれは楽しそうに、「いらっしゃい!」といって、学校の入り口にある大きなガムツリーの下に連れて行かれ、ほら、と促されて見上げると何と、サイズLのコアラが木の上のほうの木股に心地よさそうに納まっていた…。校長先生によると、この学校のすぐ裏にある林にポッサムやコアラが住んでいて、この猛暑で少しでも多くの水分を取るために、木から木へと移動して葉っぱを食べているのだそうだ。コアラもポッサムも夜行性だから、夜こっそりと学校の中を移動したのだろうとの事。
この校長先生はとてもとてもオープンでいつも笑顔。気軽に話しかけてくれる。そして、彼女は毎朝必ず校庭でニコニコしながらオージーハットをかぶって生徒達が登校してくるのを楽しそうに眺めている。股関節を痛めているらしい歩き方をしているのに、そんなこと気にもせず、朝だけではなく下校時にもよく学校中のあちらこちらを歩き回っている。オフィスにこもっているだけではなく、生徒達と親達の様子を観察したり、コミュニケーションを積極的に図ったりするためだろうと思う。素晴らしい…。さすが、Adelaideでも評判の小学校の校長先生を勤めている人だけのことはある。
このサイズLのコアラ君、すっかり学校のアイドルになって、子供達はキャアキャアはしゃぎながらコアラを眺め、親達の中にはデジカメや果てはF眼レフまで持ち出してコアラ撮影をしている。月曜日の今日は、さすがにこのコアラ君、暑さに耐えられないようで、木の上の太陽が良くあたる場所から、木の枝や葉っぱなどでちょっと陰がかかる様なぎりぎり人の手が届かないくらいの位置まで降りてきて、死んだように身動きひとつせずに眠っている。暑そうー。あんな殺人的な日差しを一日中浴びているなんて。コアラは主食の木の葉っぱからほとんど水分を取っていると、校長先生は教えてくれた。随分、効率のよい身体にできているのだろうか…。明日からはちょっと涼しくなるからそれまで頑張れ、コアラ君!