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ロンドンから徒然に

早寝早起き(しなければいけないんですけどね)

2010-01-22 | 日常
 昨晩遅くロンドンに戻ってきたのですが、明日はまた出かけなければなりません。
 朝早いうえに、評判の悪いターミナル5からの出発なんです。ここはいつでもすごく混み合っていてセキュリティ・コントロールにめちゃくちゃ時間がかかります。結果いつもゲートまで走らなければならないなんてことになります。

 というわけで早く寝なければならないんですが、まだ仕事が残っています。
 本当は昨日の大聖堂に続いて、今日は聖マルティン教会(ここも大聖堂から歩いてすぐのところです)の内部の写真でもアップしようかと思ったんですが、時間がかかりそうなのでまたいつか。

 今日はとりあえず、一昨日載せた夜景とほぼ同じアングルの昼間の写真だけ紹介します。
 では、(もうちょっとして)おやすみなさい。


晴れた日の大聖堂

2010-01-21 | 旅・イベント
 以前シアトルで見つけた絵葉書のことを書いたことがあります。グレー一色に塗りつぶされた隅っこに小さく“シアトルの空”と書かれていました(この手の絵葉書は実はありふれたもので、各地に存在するのだということが後で分かりましたが)。事ほど左様にこの地の空は滞在中ずっと厚い雲に覆われていたような記憶があります。

 実はケルンも同じ印象だったのです。
 と言ってもやっと2回目の訪問なので、土地のせいなのか冬場のヨーロッパにありがちな気候のせいなのかは分かりません。ともかく2年前のブログを読み返しても、やはり天気は悪かったと書いてあります。(そう言えば前回は雨にも祟られたなぁ。今思い出した)
 ところが今日は朝起きた時から快晴です。仕事を終えてロンドンまでの帰りの飛行機に乗るまでの時間、改めて街を歩いてみました。

 中央駅の真横に位置しているということもあって、必ず大聖堂は目に飛び込んできます。やはり青空と太陽の光に恵まれると壁の色のニュアンスも違って、また新たな美しさを発見します。




 中に入るとこれまた夕方や夜とは違ってステンドグラスの光が生きてきます。降り注ぐ光は内部に美しい色の虹を創り出して何とも言えない幻想的な空間を醸し出します。僧衣の赤も映えます。
 



 こうしていつも色んな寺院を各地で訪ねる度に神聖な気持ちになって、今日から生まれ変わって良い人間になろうと決心するんですが.....(苦笑)

観光地にありがちな

2010-01-20 | 旅・イベント
 ヨーロッパ各地はどこに行っても、いわゆる“旧市街”というものが存在します。大抵は狭くて曲がりくねった石畳の道なのですが、ケルンのそれは比較的広い気がします。
 一際美しい姿の聖マルティン教会を中心に、ライン河岸に色とりどりの可愛い家が寄り添い合って立つその風景は、まるでおとぎ話のような気がしないでもありません。





 ここにはたくさんのレストランやインビス(軽食スタンド)が建ち並び、それを目当ての観光客もたくさん訪れます。昨晩僕が食事したのもこの一角でした。

 実は今日はけっこうハードに仕事をこなして凄く疲れたので、何かゆっくりと美味しいものが食べたいと思い、ホテルの近くで見つけたフレンチ・レストラン(外見はビストロなのですが、ミシュランの星を取っている人気店らしいです)に電話したのですがやはり満席でした。

 まぁ、わざわざドイツでフレンチってこともないなと思い直し、昨晩どちらにしようか迷ったもう一軒に行ってみることにしました。
 ところが大はずれ。
 いや、正式に言うと食べずに帰ってきてしまったんです。

 店内はすごく広くて、既に大人数の客でごった返していたのですが、(実は中に入ってもこちらを見向きもしてくれないので仕方なくこちらから)声をかけると、大きなテーブルのグループ客の真ん中に案内されました。
 すぐに来るからと言われたまま放っておかれ、近くを通るウェイターに声かけても同じ返事の“すぐに来るから”。やっと捕まえたひとりにメニューをもらってとりあえずケルシュを、と注文するまでに既に長い時間。そこからまた団体客が続々と現れ、注力は全て向こうに。
 実は隣にいたグループの男性も、同じようにずっと声をかけているのですが、これまた同様の状態で放っておかれています。

 やっと1杯目のケルシュが来た時には既に30分以上が経過。注文を頼もうとすると“すぐに来るから”(笑)
 この分だといつ食事にありつけるかも分からず、このサービスの中にいるのはちょっと今日は耐えられないなと思い、飲み物の料金(にちょっと上乗せした金額)を置いて退散です。
 (上の写真に載っているお店ではありませんので、念のため)

 これ、観光客を相手にした人気店によくありがちなことなんですが、客商売って絶対に一期一会の気持ちを持って接しないといけないと思うんですけどね。
 ちなみにこの後の店は問題なかったです。

 

ケルンと言えば

2010-01-19 | 旅・イベント
 実は今、仕事でケルンにいます。
 例のテロ未遂騒ぎ以来、空港でのセキュリティ・チェックが厳しくなっているとのことなので、念のため早めに着くようにしました。それなのに…..というより、僕にとっては“いつものこと”のように感じるのですが、掲示板に出発遅れの表示が書き換えられること3回、予定よりも2時間近く遅れての出発(当然到着も遅れますね)になりました。

 おかげで昼食を取る時間が取れず、早起きで朝食の時間が早かったこともあって、余計におなかが空いてきました。もう頭の中は……そうケルンと言えばケルシュでしょう。
 これ、シュタンゲという細長いグラスで供されるのですが、量にして200mlくらいの小さな容量ですので、お酒の強い人ならさて何杯になるのやら。その数は次々とコースターにペンで引かれる棒線の数で勘定されます。
 こうして早めの夕食を、これまたケルン特有のソーセージ類とチーズ類の前菜で楽しみました。すごく素朴に見えますが、これけっこういけるんですよ。




 ともかくこういった状況だったので、“ケルンと言えば”の回答はケルシュになりましたが、やはりなんと言っても有名なのは大聖堂でしょう。世界遺産に登録されたことで知名度もぐっと上がり、ゴシック様式の建物としては世界一というこの建物、今日も街の中で威風堂々と聳えていました。



穏やかな一日

2010-01-18 | 日常
 何だかね、青空を見ているとそれだけで幸せだと感じる時があるんですよ。特にこう寒くて暗い日が続いた後に太陽が顔を覗かせてくれると、文字通り暖かい気持ちになれます。
 
 昨日見損ねた映画を観ようと決めていたので、朝一番の上映に出かけたのですが、裏道を通りながら上を見上げると、煉瓦造りの建物と青空(&白い雲)のコントラストが綺麗です。先日から木にひっかかったままの赤い風船も、やっぱりグレーの空よりも映えます。




 遅めの昼食の後、もう少しこの天気の恩恵に与ろうと公園に。
 アメフト(珍しい!)の練習をしていたり、スケッチに耽っていたり、息を切らせながら走っていたり、皆思い思いに楽しんでいます。

 夏だとね、これが9時近くまで続くんですが、春はまだまだ遠いこの季節、随分長くなったとはいえ、やはり日の落ちる時間は早くやってきました。
 それはそれでこんな日は素敵な風景が見られます。やっぱりロンドンは好きですねぇ。


子供連れのアート・フェア

2010-01-17 | アート
 ロンドンでどこの家庭を訪ねて行っても、絵を飾っていないところはまずありません。
 もちろん全てが高価な絵であるわけはなく、複製もあれば、中には自分で描いたというものもあります。でも、それぞれ思い思いの作品で自分のうちを装飾しているわけです。
 日本だと湿度の関係からか窓が多くて、その結果壁の面積が少なくなりますし、こちらと違って白い壁が少ないので、あまり絵が映えないんでしょうか。

 ともかくそういうわけで、こちらでは絵に関しては美術館のみでなく、買いが目的のアートフェアも頻繁に開催され、けっこう多くの人が集まります。
 London Art Fairもそんなフェアの中のひとつで、最初に開催されたのが1988年といいますから、今年で22年目を迎えたわけになります。



 イズリントンIslingtonのビジネス・デザイン・センターで毎年開かれるこのフェアはUKのギャラリーを中心にモダン・アートが集められます。中には有名画家の(高価な!)作品もあって見応えがあるので、今年も行ってみました。あ、もちろん見るだけです(笑)
 何だか全体に小粒でおとなしい作品が多かったような感じを受けたのは、もしかしてこちらがもう慣れっこになってしまって、少々のことでは斬新さを感じなくなっているからでしょうか。

 数日の開催期間中に2万人強の人が集まると言われているのですが、明日の日曜日を残すのみとなった今、ネットのアナウンスでは8千人ほどの入場者だと告げられているので、今年は例年より少ないのでしょうか?そう言えば昨年よりはゆっくり見られたような気が。
 まだ不景気の影響や、もしかして天候(今日は寒くなかったのですが雨模様でした)も関係しているのかもしれません。

 それにしても微笑ましいのは、小さな子供を連れた家族ぐるみの入場者が多いことです。ベビー・シッターの手間を考えたら連れてくる方がたやすいという現実的な理由もあるのかもしれませんが。
 ともかく小さな頃からこういった環境に慣れ親しむのは羨ましいことです。親が子供に解説するだけでなく、ちゃんと子供が意見を言うのも凄い。



 で、こうして子供を背負ったお父さんも。本当に安心し切ってぐったりと寝寝込んでいて、ちょっとやそっとでは起きそうにありません。この子が他の絵画より何より僕にとっては今日一番のヒットかも(笑)

STOMP

2010-01-16 | 映画・演劇
 色んなミュージシャンがいる中で、自分で楽器まで作ってしまう人はそういないでしょう。
 ところがパーカッショニストは違います。自分で色んな楽器を作ってしまいます。ある人のコレクションを覗いたら、そこにはポテトチップの箱や缶コーヒーの空き缶やプラスティックのバケツが。これが見事に“パーカッション”なんです。
 そう、叩いて音の出るものなら全てリズムを生み出せますもんね。

 今日初めて“STOMP”を見に行ってきました。
 イギリスはブライトンのストリートから生まれたこのミュージカル、いやミュージカルとは言えないか、何しろ台詞も歌もストーリーもなく、身近にあるものを使ってリズムを作り出し、身体を動かす(これもまたダンスとは言い難いしな)舞台なんですから。



 その“身近なもの”というのが、例えばデッキブラシやポリバケツだったりするわけですが、数人のコンビネーションで創り出されるグルーヴが見事です。
 お決まりごとのように、そのうちのひとりはコミカルな役柄。彼がなかなか魅せてくれて客席の笑いを誘います。
 その客席との一体感を生むのにも丁度良い大きさの劇場です。

 一言も台詞がなかった出演者から最後の最後で出た言葉。ハイチへの援助のための寄付を呼びかける内容でした。

Vサインならぬ......

2010-01-15 | 日常
 イギリスの宝くじは自分で数字を選ぶ形式が一般的なのですが、当選金の上限がないのか、当選者がいないと次々に金額が加算されてとんでもない額になる時があります。
 運試しにトライしてみたことがあるのですが、その時は1.5ポンドかけて30ポンド強戻ってきました。これは凄いと思ったのですが、何てことはない所謂ビギナーズ・ラックで、その後はダメでした(苦笑)



 宝くじの売場にあるこのマーク。指をこうしてクロスさせるのは幸運を祈るジェスチャーなんです。別に難しい形ではないですが、何だか違和感がありますよね。Vサインなら楽なんですが。

 ところがこのVサイン。イギリスでは気をつけないといけません。
 いや、普通にやるのなら全然構わないのですが、手の甲を相手に向けてはやらないで下さい。これ、アメリカで中指を突き立てるポーズとほぼ同じ意味です。もっとも最近はこのアメリカ式のポーズの方がcoolらしくて(笑)若者はこちらの方を使っているみたいですが。

 いずれにしても、こういった気持ちになるようなシチュエーションは避けたいですけどね。

冬場の読書

2010-01-14 | 文学
 どうも寝ているうちに降ったみたいで、朝起きたら辺りは雪で真っ白でした。(せっかく写真を撮ったのに誤って消してしまったみたいです)
 零度を下回る日がこんなに続くのは30年ぶりだとか言っていましたが、考えてみたらもっと北の国なんてこれよりもきつい天候なんですよね。

 外に出るのが億劫になるからというわけでもないんでしょうが、ひとりあたりの読書数が一番多いのはアイスランドだという話を聞いたことがあります。この冬はイギリスでも読書数が増えたでしょうか。
 それでなくても大不況に陥って以来、旅に出かける人が減って手近なレジャーで済ませているといいます。読書は一番安上がりで、かつ精神的に豊かな時間の過ごし方にはなるでしょう。



 上の写真、別に本棚の安売りをやっているわけではないんです。この数日前にはここにちゃんと本が収まっていたのです。
 これ昨年末の写真なのですが、某書店が倒産して数日間の安売りに入り、最終日にはなんと90%引きというのをやったんです。レジにはすごく長い列ができ、中にはご覧のようにひとりで何十冊も買い占める人もいました。その結果こんな空の本棚が出来上がったという次第です。



 皆が普段から、せめてこの何分の一かでも買ってあげたら、この書店も潰れずにいたのかもしれないんですけどね。
 僕ももっと書店に貢献できるくらい英語の書物をたくさん買い込めればいいのですが(笑)

売れる絵

2010-01-13 | アート
 アーティストが自分のために、というか自分の魂の発露として絵を描き始めたのは印象派の前後からじゃないかと思います。
 それまでは依頼があったものを仕上げる、言わば職人なわけですよね。だから稼げなければ仕方がないし、テーマもごく限られたものになってきます。ポートレート(しかも美人になるように修正された・笑)が多いのもその理由かもしれません。

 この“売れる”というのは、音楽の世界でもそうなんですが、ひとつの物差しになっていますね。言わば嗜好の世界ですから、良し悪しの判断は難しいし、売れている人とそうでない人に分ける方がたやすいのかもしれません。

 アンディ・ウォーホールの有名な言葉“Good business is the best art”
 彼の他にもジェフ・クーンズ、ダミアン・ハースト、そして村上隆なんかを挙げると、確かに皆ビジネスとしてのアートを意識しているアーティストです。それを再認識させるためか、キース・ヘリングのエリアでは(右下の写真のような美術館全体の売店ではなく)展覧会場内なのにショップがオープンしていました。



 あ、何のことを言っているかというと、テート・モダンでずっと開催されていた展覧会POP LIFEのことなんです。始まってすぐに行ったのですが、つい書き忘れていて、昨日例の宗教画のことを書いていて対比的に思い出した次第です。

 “売れる”ということはそれだけ皆に認知されているということで、どれを見ても懐かしい感じがして、さすが時代と共存してきたアートだと感心しました。
 これらのポップ・アートが“クラシック”となる時代にどんな評価を受けるんでしょうね。

 さて、僕の今年最初の楽しみな展覧会はロイヤル・アカデミーで始まる“THE REAL VAN GOGH”です。65点の油絵、30点のデッサン、そして35通の彼の手紙から成るこのユニークなゴッホの展覧会、The Artist and His Lettersという副題が付いています。

 ゴッホは皆さんご存じのように生前に買い手の付いた絵がわずかに1点のみという“売れない”画家でした。でも、やっぱり僕はこちら作品の方が好きだな。