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ロンドンから徒然に

懐かしい機材

2007-07-23 | 音楽
 先日の引越しの際に相当数の音楽機材を放出して来たのですが、もう(おそらく)使わないにもかかわらず、どうしても捨てられなかったものがひとつあります。
 TEACの144というマルチ・トラック・レコーダーです。これはカセット・テープを使う4トラックレコーダーという、現在の基準からすれば音質的にも機能的にもお話にならないものだと思うのですが、これが発売された当時は画期的で、オリジナル曲の殆どはこれで録音したものです。

 4トラックしかないので、レコーディングの回数をかせぐにはピンポン録音(一度録音したものをまとめて他のトラックに移すやり方です)しかなく、でもこれをやるとどんどん音質が落ちて行くので、予めどういう順番で録音して行くのか全体の計画を立てることが必要でした。また音質の劣化は特に高域に著しかったので、最初に入れる音ほどカリカリになるくらい高域を上げて録音しました。

 今みたいにコンピュータでの打ち込みができるでもなく、単体のシーケンサーもそれほど性能がいいものではなかったので(分解能が悪く、とても機械的な音になる)、殆どの楽器を自分でこなしていました。ドラム、ベース、ギター、マンドリン、バンジョー、ハーモニカ、パーカッション、ピアノ、キーボード、etc.....
 そして自分ひとりで何度もコーラス。音が外に響かないように、また外の雑音が入らないように、布団を頭から被ってマイクを持ったことさえありました。

 そうして作った楽曲で、当時は盛んだったコンテストに応募してはいくつもの賞をもらっていました。その頃プロダクションからの誘いもありました。あの時にメジャーのレコード会社からデビューしていたら今頃どうなっていただろう、なんてことも考えます。おそらくはすぐに飽きて引退していたでしょうが(笑)

 あの頃のような熱気を持って今音楽に、あるいは他の何かに取り組んでいるかと問われると辛いものがあります。単に歳を取ったからでは言い訳にならない何かを感じます。そういう自戒も含めて、あの頃のカセットテープをいつかまたゆっくり聴いてみたいと思います。
 でも、特に詩なんて、恥ずかしくて聴けないだろうな(笑)

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