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ロンドンから徒然に

アガサ・クリスティーの家

2008-05-03 | 文学
 ロンドンには世界中から本当にたくさんの人たちが観光で訪れます。ポンド高のせいで以前ほどではないかもしれませんが、もちろん日本人も多く見かけられます。
 せっかくロンドンに来たのだから、昼間の観光地だけでなく夜はミュージカルでも観ようということで、レスター・スクェアのディスカウント・チケットの売り場にはたくさんの列ができます。
 もっと凝った人は演劇のチケットを取る人もいるようですが、その人たちに人気のある演劇のひとつが『ねずみとりThe Mousetrap』です。

 アガサ・クリスティの戯曲によるこの演劇、『三匹の盲ネズミThree Blind Mice』の名前での初演(同名の演劇があったため途中で名称変更を余儀なくされました)から数えると、今年でなんと56年間も続いていることになります。
 実はウェスト・エンドでの上演が終わるまでは出版しないとのクリスティーとの契約があるために、この戯曲は他の国では出版されているにもかかわらず、未だに本国のイギリスでは出版されていないそうです。

 さて、ミュージカルなら言葉が少々分からなくても音楽や踊りで十分楽しめますが、演劇、それもミステリーものとなると、英語が理解できないと辛いと思います。ましてや短い滞在期間中の夜だと時差ボケも取れないでしょう。
 ということで、大抵の日本人は途中でうつらうつらという状況らしいです。ところがこの演劇、途中でピストルの大きな音が響くんです。そこで皆一斉に眼が覚める、というのも何十年も続いている現象です(笑)

 ところで最近は8時頃までは明るいので、早めの夕食の後家の近くを散歩しました。いつもとは違う方向に足を伸ばして、行き当たりばったりに辺りの家並みを楽しんでいたら、青いプレートを見つけました。
 このプレートは、歴史上の人物など有名人がその家に住んでいた場合に記念に取り付けているのですが、なんとそこにはアガサ・クリスティーが住んでいたと書かれています。
 どの時期とまでは書かれていなかったのですが、いずれにしろあの素晴らしい、しかも膨大な数の作品群を生みだした人物がこんな近くに住んでいた(しかも本当にさりげない小ぢんまりした家なのです)と思うとちょっと感動しました。

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