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ロンドンから徒然に

ターナー展とターナー賞

2009-11-03 | アート
 どうしてこんなに色んなことが一気に重なって起こるんだろうと思うくらい、多方面で動き回っています。このところ、土・日まともに2日間とも休んだことがないような気がします。

 で、昨日は久々に朝から何もない日曜日でした。本来だったらこんな時にゆっくり休めばいいのですが、つい遊びも本気になってしまうのが悪い癖(笑)、雨の降る朝のうちから落ち葉の散り敷く道を歩いて美術館に出かけ、午後は天気の悪い休日にありがちな満員の映画を観て、夜はもう大分アルコールで出来上がった人達に囲まれてライヴを楽しんできました。



 ではその美術館の話。
 主立った美術館は会員になっているので、ここテート・ブリテンも企画展に無料で入れます。今行われている特別展示は、まず“Turner and the Masters”。
 ターナーが崇拝して影響を受けたと言われるカナレット、ルーベンス、レンブラント、ティシャンなどの大御所の作品と彼自身の作品をふたつずつ並べて展示するという試みです。

 以前ピカソの作品で同じような企画をナショナル・ギャラリーがやっていましたが、なかなか対峙させると面白いものです。
 もっとも僕はターナーの作品としては、晩年の、もう光しか感じられないような抽象の世界に入り込む寸前のものが好きなのですが。

 さて、同じテート・ブリテンで並行して行われている特別展示が“Turner Prize”。
 ターナーの名前を冠した賞なのですが、似ても似つかないコンセプチャル・アートが受賞する傾向にあって、毎年議論を呼びます。
 周りのイギリス人に感想を訊いても“rubbish !(ゴミ)”と吐き捨てる人も多いのです。いや、実際タバコやゴミが散乱した作品なんていうのもありましたしね(笑)

 50歳以下のイギリス人アーティストあるいはイギリス在住のアーティストで、その年に活躍した人の中から4人がノミネートされて作品を展示し、会期中に受賞者が発表されます。
 昨年に比べたら、今年の作品は僕は好きでした。中でもRichard Wright(あれっ、昨年亡くなったピンク・フロイドのメンバーと同じ名前だ)という人の作品。

 彼の作品は会場の壁や廃墟に直接描かれるものが多いので、言ってみれば映画に対する舞台作品みたいなもので、後に残らず所有することができません。
 いったいどうやって生計を立てるんだろうなんて下世話な心配をしてしまいましたが、その潔さと共に心情的に応援したくなりました。



 こんな対象的なふたつの展覧会が同時進行っていうのもなかなか面白いですよね。

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