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ロンドンから徒然に

大英博物館のアフリカ・コーナー

2009-03-31 | アート
 昔ニューヨークでベーシストのロン・カーターのうちを訪ねたことがあります。バンドにおけるベースの役割をアメフトのクォーター・バックになぞらえて語る、彼のジャズへの情熱に聞き入った覚えがあります。
 ハドソン川沿いにある(今でもそうかは知りませんが)大きなマンションは各フロアの世帯主がひとりだけという豪華なものでしたが、エレベータを降りてすぐのリヴィングにアフリカ原住民のアートが置かれているのが印象的でした。

 昨日書いた大英博物館のアフリカのコーナーを見ながら、そんなことをふと思い出していたのですが、僕の博物館における趣味はちょっと悪く(笑)思わず顔がほころんでしまうような彫刻を発見することなのです。
 この視点で眺めていくと面白いですよ。どんなショーケースの中にも必ず“掘り出し物”はあって、次回来た時に旧友に再会したような気分になれます。




 こんなアートが名も知られない普通の人によって作られるわけですから、本当に凄い。
 しかし、その一角にきちんと“アーティスト”によって意識的に作られた作品がありました。Tree of Life。これをよく見ると、その周りに置かれている動物などを含めて全て銃の部品で作られているのです。
 かつて争乱の多かったアフリカの村の住民に、武器を供出させる代わりに、トラクターなどの農具を与え、その平和転換の記念にこうしてアートを作っているのです。



 このところのニュースでやけに銃の乱射事件が目に付きます。こんな野放しの状態が良いはずがなく、誰かが大きなモーションをかけるべき時のような気がします。その時のヒントになるようなアフリカ・コーナーでのアートでした。

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1 コメント

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Unknown (Goteauxsson)
2009-04-02 02:09:03
アフリカのアートはブリュッセルにアフリカ・ミュージアムがあるのでなじみになり、帰国前にケニアに家族で遊びに行って、ますます興味を持ちました。いくつか民芸品も買ってきましたし、アフリカの音楽にも発見がありました。実際に行ってみたケニアは想像したような灼熱の国ではなく、天気も曇り勝ちで最初はアフリカにやってきたという実感がわきませんでした。色使いがきれいな布とかにもいいものが多いですね。
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