英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

もう1つ

2015年06月15日 23時10分04秒 | 英語
最近の号だけでも取り上げておきたいので、すみませんがまだ誤訳の指摘を。同雑誌の2014年11月号。

Question 168-171

社内で健康促進プログラムを導入することになったという話題の後、以下の文が続きます。

Beginning next month, we will be offering a comprehensive wellness program designed to address everything from managing workplace stress to avoiding illness to meeting personal fitness goals.


解説部分の訳。

「来月からの提供を予定している健康に関する包括的なプログラムで取り組むことになるのは、職場でのストレス管理から、病気の予防、個人の健康に関する目的の達成までのすべてです。」

分かりますよね。どこがオカシイか。分からない人はマズイですよ。正しい訳は以下です。

「来月から、病気の予防に向けた職場でのストレス管理から個人の健康に関する目的への対応に至るまでの全てに対処できるよう設計された包括的な健康増進プログラムを提供します」

from A to B の構造を正しく掴めていないのです。avoiding の前のtoはfromに呼応するtoではなくて、workplace stress をmanageして illness をavoidする方向に持って行くという意味のtoです。meetingの前のtoだけが、fromに呼応するtoです。from to to なんて形、あり得ないじゃないですか。もし後ろのtoに二つ以上の事柄を並べたいのなら、カンマで区切ってなきゃおかしい。

また、この雑誌のTOEIC練習問題の和訳部分に非常に特徴的なのが、「~なのは~である」という言い回しの乱発です。上の文章でいうなら、あくまで we will be offeringが S Vなのですから、基本的にはこのSが日本語訳でも主語、Vが日本語訳でも述語となるように訳すべきです。その対応をできるだけ崩さないようにするのが誠実な訳出だと思います。上の訳、ちょっと雑すぎないでしょうか。横着しすぎ。

お金を払って購入している商品である以上、こういうことは言わせていただきます。もちろん、心ある人はこういうのを重々承知しながら購入しているんでしょうけど。でも、自分でこういう事が分かって解決できる力がある人はそもそもこの手の雑誌を買う必要なんてないんですよね。こういう雑誌を本当に必要としているのは初級から中級レベルの人でしょうから、なおさら基本に忠実な、そして、ミスの無いきちんとした訳出で学習者を正しく導く必要があると思うのです。それとも、千数百円の値段のものにあまり期待してはいけないのでしょうか。

ちゃんと読んでくれ

2015年06月14日 21時52分38秒 | 英語
誤訳シリーズはもう最後だと言いましたが、看過できない物があるのでいきます。同雑誌の、前回と同じ2013年3月号。

Questions 191-195

新入社員向けのオリエンテーションのタイムテーブルの予定が事前に各担当者に配られていて、それを読んだ一人の担当者が、まだ担当者が決まっていないセッションの担当者を早く決めてくれと言っている英文です。面倒なので一部略、改編してます。インデントのズレはご容赦ください。

9:00 Introduction // Jim Myers
10:00 Personnel paperwork/Registration // Michelle Shin
11:30 Salary/Vacations // HR dept. TBA
12:30 Lunch with employees
1:30 Video on Hospital Safety // Jenny Thompson
2:30 Health Code Regulations // Dr. Wilkins
3:30 Break
4:00 Q&A Period // Dr.Cho
5:00 Finish

以下の文章は、4時からのセッションを担当している Choさんが発しているものです。

I know the 11:30 session is going to be conducted by someone in the HR department, but it is listed on the schedule as "to be announced." I'd like to know who is going to be leading that discussion, in case we need to coordinate events, or if questions come up at that event that I will need to address in my 4:00 meeting with the new employees. If you haven't decided who will be leading that yet, let me know when you do.

赤字部分の訳ですが、解説では以下のようになっています。

「催しを調整する必要が生じたときや、私が取り組む必要がある4時からの新人職員との集まりで質問があったときのためにです。」

はっきり言って、ムチャクチャです。ここまで酷いと別に私なんかが解説しなくてもお分かりになる方々も多いと思います。決して難しい英文ではないですし。でも、どうしてだか知りませんが、こんな事になってる。

もし、この英文を正しく訳すことができない方が居るとしたら、厳しいようですが、英文解釈に関する基礎が全く出来ていないと申し上げておきます。デタラメな勉強モドキは今すぐやめて、基本からきちんとやり直しましょう。この英文のポイントは接続詞、指示代名詞、関係代名詞ですが、ごく基本的な使われ方しかされてません。正しい訳を載せておきます。

「イベント間での調整が必要になったとき、すなわち、その11時半からのセッションにおいて、私が担当する4時からの新入社員との会合の中で私が回答しなければいけないような質問が出た場合に備えて」

分かりますよね。接続詞orの解釈、指示代名詞を含む that event が指しているもの、そして、関係代名詞thatの先行詞の解釈。先の訳、これらを見事なくらい全部間違えています。

まず、この接続詞or は”または”ではなく、”すなわち”と訳すべきものだということを見抜けないといけません。Choさんが心配している事柄は二つではなくて、一つです。coordinate events という抽象的な言い方をした後に、それを詳しく説明するために "すなわち” と言い換えているのです。これくらいは見抜けないといけません。カンマの後に orが来た場合は”すなわち”となる場合が多いです(もちろん、必ずそうだというわけではない)。カンマ or を見た時にこういうことが頭を霞めない人は、経験不足。

ここで、or には”または”という意味と、”すなわち”という意味があるのだ、などと学生に教える英語教師は三流です。or はorでしかない。実体まで異なる別の物を並記する場合は”または”ということになるし、実体は同じで表現だけ別のものを並記する場合は”すなわち”と訳すのが適しているというだけです。実体 or 別の実体、となっているのか、あるいは、ある表現 or 別の表現(実体は同じ)となっているのか、ということが本質です。

あと、 that eventが指しているのは当然 11:30 からのeventのことだし、その後ろの関係代名詞 that の先行詞は当然 questions です。この辺はいいでしょう。間違え様がないと思うのですが。

なお、念のために付け加えておきますが、Choさんが言っている”イベント間の調整”って、何のことか分かりますか?一言で言えば”事前の根回し”です。11時半のセッションの中で万が一、4時から自分が回答しないといけない難しい質問が出た場合に、4時までに自分に教えるようにしてほしい(そうすれば事前に色々調べられるから)、そういう根回しをしておきたいから、”早く担当者を決定してくれ”と言っているのです。こういうのも、想像力・連想能力が無い人は、何を言っているのかさっぱり分からないという事になると思います。こういう常識的判断のできない人がいくら英語を詰め込んでも無駄です。



TOEICで問われているもの

2015年06月14日 00時02分17秒 | 英語
休みで時間もあるのでもう一丁いきます。あまり誤訳シリーズを続けても何ですので、多分これが最後になると思いますが同雑誌の2013年3月号から。今回の内容は初級から中級の方にとっては結構気づきが多い内容になると思います(もちろん上級者に取っては他愛も無い話です)。別に揚げ足を取っているのではなくて、皆さんの勉強や再発見になればと思い、注意すべき英文、勉強になる英文という意味で取り上げている(今までも)つもりです。

Questions 165-167

Regent Semiconductorsという(名前はどうでもいいですが)、アリゾナに拠点を置く半導体会社、最近では利益のほとんどをコンピュータのプロセッサ製造で賄っている会社が、製造コスト高を解消して競争力を確保するために、工場をアリゾナからメキシコに移すことを決めたという内容が書かれています。で、以下のように続きます。

A spokesman for the company said that it was the best option available to them. It is possible to manufacture the processors even more cheaply overseas, but Mexico is still cheaper than the US, and is not as far from Arizona. This offers a big plus for the company, one they hope will allow them to keep prices down for their customers.

赤字の所の解説部分の訳は以下のようになっています。

「プロセッサーの生産は国外で安く済ませることも可能で、メキシコならば米国よりもコストが掛からず、アリゾナからそれほど遠くないからだ。」

一見よさげですね。でも一カ所、致命的なミスがあります。お分かりでしょうか?常識を働かせて下さい。米国からみて、メキシコを "overseas" と言うでしょうか?

ここを訳した人は文中のoverseasとMexicoが違う場所を指していることに気づいていないようです。少なくとも、はっきりそう表現されていない訳出になっているのでアウトです。そもそも、接続詞のbutをちゃんと反映した訳出になっていません。

この英文では、アリゾナに拠点を置くアメリカ合衆国の会社の話をしているのです。なので、当然アメリカ目線で英文を読む必要があります。で、メキシコです。アメリカから見てメキシコは、確かに国外ではありますが、”海の向こう”ではありませんよね。陸続きのお隣さんなんですから。そういう常識を働かせると、上記のoverseasはメキシコのことではない、ということはすぐに分かるはずです。正しい訳は以下のようになります。

「確かに海の向こうの地には、(メキシコよりも)もっと安くプロセッサーを作ることができる所はある。しかし、メキシコであれば、それでもまだアメリカで生産するよりは安く済むし、海の向こうの地ほどアリゾナからも遠くならなくて済む。」

いかがでしょう。アメリカとメキシコの位置関係に関する常識を働かせたり(大したことないよ)、日本人が苦手な比較表現を上手く処理しないといけないので、この英文の意味を一発で瞬時に取れた人は間違いなく上級者と言っていいと思います。多くの日本人英語学習者にとって簡単な英文ではないと思います。だから、学んでほしいのです。

日本人の感覚からすると、国外=海外、なので、overseasを国外とやりたくなる気持ちも分かりますが、純粋に英語的には文字通り”海の向こう”というのがそもそもの意味のはずです。だとすると、アメリカ合衆国からみてメキシコはあくまで陸続きの”国外”である以上、ここのoverseasはメキシコのことではないと解釈しなければいけません。そう、中国とか東南アジアとか、要するにメキシコよりももっともっと人件費が安い、アメリカからみて海の向こうの国々のことを引き合いに出しているのです。確かに費用のことだけ考えたら、今回決めたメキシコは決して最安ではない。しかし、それでもまだメキシコは今までどおりアメリカでやるよりは安く済むし、アリゾナからも海の向こうの地ほどには遠くはない。だから最適解なのだ、そう言っているのです。

even more cheaplyのevenの部分には、アメリカよりもmore cheaplyであるメキシコを比較対象として、more cheaplyなメキシコよりももっと安いという気持ちが込められているのです(evenを”比較級を強める”などという呪文のような理解の仕方をしている人には、この感覚は分からないでしょう)。また、stillの部分には、最安である海外の地は捨てたけれども、メキシコはそれでもまだアメリカよりは安い、という気持ちが込められているのです。何に対して”それでもまだ”と言っているのか、よく考えて読んで下さい。even とか stillに込められたこういうニュアンスを正確に汲み取ることができないと、この英文の意味は掴めないと思います。

なお、not as far from の所は、後ろに as overseasが省略されています。あまりにも当たり前の比較対象なので as as構文の後ろのas以降が省略されているのです。そう、当たり前だから省略されている。ということは、何が省略されているか分からない人は当たり前の内容が掴めていないということになります。

ちなみに、not as as は”~と同じではない”ではなく、”~ほど~ではない”と言う意味になります。これは、as as を”~と同じ”のように(間違った)理解をしている人には分からない理屈だと思いますが、as asは本当は”~と同じ”ではなく、”~と同じかそれ以上"という意味です。要するに、劣ることはないというのが、as as の本当の意味です(これが分かっていない人が多い)。not as as はそれの否定なので、”~ほど~ではない”、つまり劣るという意味になります。遠いという観点からは、海外の地ほどではないよ、ということです。

どうですか。アメリカとメキシコの位置関係という英語以前の常識、even とか stillというちょっとした単語が表現している正確なニュアンス、これらをちゃんと汲み取って”情報処理”がきちんとできるか、それが問われているのがTOEICなのです。英語の知識というよりは、英語を介した”総合的な情報処理能力”を身につけないといけないのです。だって、英語(圏)で生活できるかどうかを試している試験なんですから。単語帳や文法用語のクソ暗記みたいな事をやっててもダメだということがお分かりでしょう。



誤訳2

2015年06月13日 21時12分35秒 | 英語
先の記事と同雑誌の2015年1月号の中の、クエスチョンが灯る所を取り上げてみます。

Questions 168-171

在宅勤務を取り入れたのはいいけど、結局仕事の質やペースが落ちて、やっぱり皆んな会社に来てよ(笑)と従業員に呼びかけを行っている内容の文書があって、以下のように続いています。

Starting in December, I'm asking all of you with work-from-home arrangements to start coming into the office. If this impacts you, your department manager has already started the discussion about your hours, duties, etc. Please continue to be in communication with him/her to make the transition a smooth one. I'm certain we will all benefit when become one interactive unit again.

解説記事では赤字部分の訳は以下のようになっています。

「これが皆さんに影響を与えるということであれば、所属先の部長が勤務時間や仕事内容などについてすでに話し合いを始めています。」

”~ということであれば、~を始めています。” へっ!?日本語として意味成してないじゃん。英語力云々以前に、こんな日本語にもなっていない訳を掲載していいのでしょうか。たぶんどう訳していいのかわからなかったのでしょう。ifの部分を、”もし~”としても、あるいは、”~かどうか”と訳しても(こちらは名詞節限定ですが)確かにうまくいきません。なので、苦し紛れに”もし”だけとっぱらってお茶を濁したと思われます。

正解、分かりますか?もちろん実力のある人にとっては他愛も無いことですが、これは”譲歩のif"と言われているやつです。

「仮にこれが皆さんに影響を与えるようなものだとしても、もうすでに各部署の部長は皆さんの勤務時間や業務内容等についての話し合いを始めてくれています。この移行をスムーズな物にするために是非彼ら/彼女らとの話し合いを続けて下さい。」

が正しい訳です。この譲歩の意味を表すifは、even ifのevenが省略されたものだという説明がなされることが多いです。私の手元の文法書にも辞書にもそうかかれています。譲歩という場合、”たとえ”で始めるのが一般的でしょうが、ここでは”仮に”の方が日本語として滑らかになると思います。”仮に”なんて書いてしまうと条件節のような印象を与えるかもしれませんが、あくまで”~であったとしても”という譲歩の意味です。雑誌の訳出との違い、分かりますよね。

if this impacts you, please continue to be in communication... の形だったら、if節は”もし~なら”の条件節だと解釈するのが妥当だと思います。しかし、条件節の後ろに”すでに始めています”が来るはずがありません。だから、上記の英文の if 節は条件節と解釈するわけにはいかないのです。

いくらなんでも、もうちょっと訳出のクオリティ上げてもらわないと。。。商品なんだから。私のように、こういう不備を自分で見破れる力を持った人間が使う分には問題ないんですけど(ごめんなさいね,不遜な物言いで)、初級~中級の方々が、”日本語的になんだか変だよなー”という、分かったような分からないようなモヤモヤした感覚を抱きながら、でも確固たる解決を見い出せずに素通りしているとなると。。。

どんな本でもそうですが、勉強していて疑問に思うような箇所がある場合、その疑問が解消するまで徹底的に調べぬいて、考えぬく習慣を付けてほしい、私からはそのように言うしかないです。別に誤訳等に限らず、解説で説明されていない部分によく分からない箇所があるというのは、よくあることだと思います。身近に助けてくれる超実力者がいない場合、1つ1つ頭をひねって地道に解決するしかないでしょう。でも、そうやって自分の頭を酷使した経験こそが、かけがえのない財産(実力)になるのです。手取り足取り教えてもらえる環境にいることが最良とは限りません(大学受験なんかはその程度の幼稚な世界ですけどね。まあTOEICが高級だとも思いませんが)。真の実力、真の思考力は、悩んで悩んで悩み抜いた者のみが手にする物なのです!これ以上は説教臭くなるのでやめます。

以前、私が余白にびっちりと書き込みをしながら問題に取り組むという話をしましたが、一カ所足りとも腑に落ちない所を残さないという姿勢で勉強していれば嫌でもそうなってしまうんですよ。私なんかの実力ではまだまだ、そういう書き込みが大量に発生してしまいます(それが楽しいんですが)。で、そういう姿勢で取り組んでいるからこそ、色々な事が見えるようになりました。そういう事が非常にやり易い、好きな雑誌なので、もっと良くなることを期待したいです。


誤訳。。

2015年06月12日 00時05分34秒 | 英語
TOEIC Test プラス・マガジンの最新号のreading sectionの問題を一通り解きましたが、今月号の中で「これって誤訳じゃね?」と私が感じた所が二カ所ほどありました。揚げ足を取るつもりはないし、訴えられたくもない(笑)のであまり声高に叫ぶつもりはないのですが、ちょっと気になる所を提示しておきます。

(1)Questions 176-180

AC (Air Conditioner) unit のAirCooler1000という品を注文した客に対し、間違ってCoolmax25という品を発送してしまったというストーリーが前半にあって、以下のように続きます。

We would like to send one of our drivers to your office whenever it is convenient to pick up the unit. We can send out the correct order in about a week.

I am including a five-year maintenance contract for your unit for free. These contracts usually run from $200-300, and are a separate purchase. We hope that you sill continue to choose Hvac for your heating and cooling needs.

Please don't hesitate to call me with any questions, or to set up a time to get your new AC unit. 800-555-6767.

雑誌の解説部分では赤字部分の日本語訳は以下のようになっています。

「ご質問いただくさいや、新しい空調機を設置する時間をお伝えいただくさいには遠慮なくお電話ください。」

オイオイ、”空調機を設置する”なんてどこにも書いてないでしょ。それに、カンマの後の二つ目のtoはhesitateに続く二つ目のtoであって、一つ目のtoの後ろにあるcallとは関係ないですよね。call me することと set up a time することを hesitate するなと言っているのであって、set up timeするためにcallすることをhesitate するなとは言っていません。なので、正確に訳すと

「ご質問の際は遠慮なくお電話ください。また、新しい(注文した正しい方という意味で)空調機をお受け取りになりたい日時を遠慮なくお申し付け下さい。」

となるのではないでしょうか。もちろん実際には、set up a timeする際には電話はするでしょうし、new AC を get する時には設置もしてもらうのでしょう。でも、英語そのものはそういう風に書かれていないのですから、勝手にアバウトな訳出をしてはいけません。ちなみに、上の方で、一週間後に(withinじゃないよ、inだよ)発送可能となりますと言っていますが、これはあくまで発送が可能になる時期が一週間後、つまり、それ以前は何があっても発送できないと言っているのであって、実際に(受け取り時期を加味して)発送する日はあなたが set upする時期にしたがう、ということです。もう一つ、間違って発送した方をpick upするのはあなたの都合の良い時ならいつでもいいと言っていますが、これは、正しい品を送り届ける日とは基本的には別でしょうね。これは一週間経っていない間でも、希望すればすぐにでもドライバーさんが取りに来てくれるということでしょう。

このように、TOEICのPart 7の英文を読む時には、英語だけでなく”常識”、”国語力”を働かせて辻褄を把握していく能力が必要です。単語帳ばかり暗記しててもダメですよ。

(2)Questions 191-195

二つの英文記事から成る英文の問題です。一つ目の英文記事は、家の修繕を請け負ってくれる会社とその業務価格などの情報をインターネット上にリストアップしているサービスに対するレビューが載っている雑誌の記事で、二つ目の英文記事はその雑誌にレビュー記事が書かれた当のインターネットサービスを運営する会社がその雑誌宛てに出した(記事掲載の)礼状、という構成です。

一つ目のレビューの中で、そのインターネットサービスの唯一の難点が、修繕業務の価格帯を掲載していない修繕会社を一部含んでいることだという内容が書かれていて、二つ目の記事では、当のインターネットサービスの提供会社がその点について弁解しています。

I did want to point out one fact regarding the review. It is not our policy to require all contractors to post their rate range on their listings, but we do strongly encourage it. Some contractors have told us that their fees are too variable to post an accurate price range. While I disagree, I don't want to tell people how to run their business.

解説部分では赤字部分の訳が以下のようになっています。

「私は賛成しておりませんが、どうやって彼らが事業を経営しているのかまで一般の人々に伝えたくはないのです。」

これは誤訳でしょう。まず、”私は賛成しておりませんが”の部分は誤訳とまでは言えませんが、やや意味不明です。何にdisagreeしているのかがこの訳では伝わりにくいです。下手をすると、”(強く推奨しているにも関わらず)価格帯を載せたがらない業者が一部にいる。それに賛成しかねる”と言っている風にも取られかねません。それは違いますよね。”価格帯が変動し過ぎるために正確な価格帯を載せられないのだ”という業者の主張に対して、”そうは思わない”と disagreeしているのです。それがしっかりと伝わる訳にすべきでしょう。

後半は完全に誤訳ではないでしょうか。how+ to 不定詞ですから、”(実際に)どうやって~しているのか”ではなくて、”~の仕方”という意味ですよね。to 不定詞は実際に行っている事ではなくて未来志向の事柄を述べるわけだし、how toが”~の仕方”というのはもうほとんど決まり文句みたいなものでしょう。なので、赤字部分の訳は

「そういう彼らの主張には賛同しかねるものの、私は人々の商売の仕方にまで口を出したくはないのです。(だから、価格帯を掲載しない一部の業者を許容している)」

となるのではないでしょうか。peopleはこのインターネットサービスの一般利用者のことではありません。商売をする人々という意味だと思います。

そんなに高度な話をしているつもりはありません。私の解釈は間違っていないと思いますし、ブログを読んで下さる方にとっても悩むほどの内容ではないと思います。えっ、と思うような事が時々あるんです。