英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

on the other handについて

2015年06月02日 21時18分43秒 | 英語
ちょっと間が空きましたが(このところ忙しすぎて記事を書く暇がなかった)、前回の記事の続きです。on the other handの話です。

まあ、これについては私なんかがイチイチ説明しなくてもご存知の方も多いでしょうし、ネットで調べて既に解決された方も多いと思いますが、一応説明しておきますと、on the other handを日本語に訳すとしたら確かに「一方で(は)」になるのですけど、日本語の”一方で”よりは遥かに限定された使い方しかできないんですね。

この熟語(?)は元々、on the one hand xxx, on the other hand yyyという形が基本形で、確かに日本語に訳すとしたら”一方では xxx, 他方では、yyy"という訳し方しかできないのですけど、英語そのものを良く見れば分かるように、”一方の手はxxx, もう一方の手はyyy”と言っているのです。右手はこうだけど、左手はこう、ということなんですね。 同じ一人の人間の右手と左手を対比して物を言っているわけです(別に左が先でもいいですけど)。

つまり、”同じ1つの主題に対して”、一方ではこういう事が言えて、他方ではこういう事が言える、そういう物言いで使うのが on the other hand の正用法なんです。着目している主題が変わっていたり、ただ単に”一方で(こういう事実がある)”という事を付け加えているだけの文脈で使うのは誤りなのです。あくまで同じ主題(同じ人間)の右手側面と左手側面を対比させる言い方。着目している主題は同一のものでなければいけないのです。

だから、前回例に挙げた問題では on the other handは正解とはなり得ないのです。”多くの人が早期退職に直面している”ことと、”全ての人が退職の準備ができているわけではない”という二つの事柄は、同じ一つの主題に対する別側面の対比、ではありませんよね。ただ単に”一方でこういう事実がある”という新情報を付け加えているだけです。だから、これらをon the other handで結ぶことはできないのです。

このように、日本の英語の授業では”一方で(は)”と教えられてしまうon the other handですが、こういう覚え方をしていたのでは絶対に正しい使い方はできないし、前回のような問題を瞬殺することもできません。でも日本の受験英語用の参考書には” on the other hand = 一方で”と書いてある。

我々が受けている(きた)英語教育なんて、こんなもんです。ほとんど詐欺じゃないですか!