植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

エレガントで美しい演技が見たいんだなぁ

2020年12月28日 | スポーツ
一昨日は、羽生結弦選手の1年ぶりの姿が帰ってきました。彼は喘息持ちなので、コロナを警戒して公式の試合には出場せず、コーチのオジサン二人も、海外からな移動不能で、コーチ不在の孤独な練習を続けていたと伝えられています。

 しかしながら、10か月のブランクをものともせず、自分で新たな振り付けをした「天と地と」 を見事に演じてまさに圧巻の演技でありました。初めてのプログラム編成なので、おそらくこれから修正が入ってさらに完成度が上がることでしょう。あの「清明」が彼の代名詞であり頂点であることは紛れもない事実ですが、新たな振付が、これに代わっていくのも楽しみであります。

 今の世界男子では「ネイサンチェン」が第一人者とされ、出る大会はさいきんではすべて優勝、世界最高得点を出しています。それだけでは弓弦君に優るのです。チェンは、5種類の正確な4回転ジャンプが最大の武器で、FS では4.5回跳ぶので、ポイントを荒稼ぎします。でも、それだけ、ほかのスケート技術は凡庸で、何度も見たくなるような流麗な演技ではありません。

 弓弦君は、それに比べると、スピン、ステップなどどれをとっても超一流、エレガントな身のこなしで芸術性が高いスケートです。本来のフィギュアで要求される魅力をすべて兼ね備えているゆえに、世界中で支持され、無数のファンが熱狂するのでしょうね。演技を終えるとワタシですらテレビに向かって拍手喝采いたします。「琴線に触れる」ような

 採点競技のスポーツなので、ルールに照らして採点されるのは仕方ないとしても、ジャンプの加点ばかりで順位が決まるのはどうかと思います。やりたければ、フィギュアジャンプという種目を作ればいいんですよ。

 そして、昨夜の「紀平梨花」ちゃん、やってくれました。公式戦初の4回転ジャンプです。トリプルアクセルを直後に跳ぶという離れ業もやりました。練習では何度も成功していて、時間の問題ではありました。世界ではロシアの少女たちが次々に成功し、複数跳ばないとメダルが取れない程になっています。梨花ちゃんが、世界の頂点に届くためには、必須ともいえるのです。

 彼女のSPでは、片手での側転という初お目見えのしゃれっ気も見え、真央ちゃんにも負けない、魅力と実力を兼ね備えた選手に成長したと実感いたしました。

 4回転ジャンプは、10年位前までは、男子選手すら簡単に跳べないもので、女子はジュニア時代の安藤美姫さんが一度成功しただけです。それ以降「跳ぶ跳ぶ」と言っては回避、それほど成功率は低く、体が大きくなり女性らしい肉体になるシニア世代の18歳過ぎた選手にとっては、とうてい試合でやれるような技ではありません。

 Tアクセルも、以前は世界でも浅田真央ちゃんしか試合で成功しない程の難ジャンプでした。今回の全日本では、ジュニアから上がってきたばかりの川辺選手や樋口新葉 さんがチャレンジしましたが、転倒。残念でしたが、十代のジュニアから高校生までの若い子は、これに挑まなければ上にはいけない時代なんです。
 2位に入った、実力者「坂本花織 」選手は、ダイナミックなジャンプの正確性と、スピードが持ち味です。彼女のポテンシャルから言って、Tアクセルは、ぜひ挑んでもらいたいと思っています。筋力をアップし、真央ちゃんがそうであったように、試合に徹底的に体を絞る(体重を落とす)ことができれば、きっと跳べると思います。

 ロシア選手権 では、ロシアの15歳前後の少女たちが、ぴょんぴょん跳んでいて、梨花ちゃんの総合得点を20点ほど上回ったアンナ・シェルバコワが3連覇したそうです。
 まだ21歳のメドベーゼワ、18歳のザギトワももはや過去の人、ツクタミショワなども敵いません。子供の軽業のように、小柄で体の柔らかい少女たちが次々と「工場生産」される国なんです。ジャンプばかりでエレガンスに欠ける演技など見たくはありません。

 ジャネット・リン、 カタリナ・ヴィット 、ミシェル・クワン ・荒川静香さんなどの名選手が懐かしいなぁ。優雅で美しい演技が女子フィギュアの最大の魅力だと思いますがねぇ。


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