植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

鶏血石を集める(いつのまにか増えた 笑) 

2021年12月04日 | 篆刻
最近、自分で彫った印を差し上げた友人(近ちゃん)から、お礼の品が届きました。そんな大層なものでもないのに義理堅い友人であります。
彼は親族の医師が運営する高齢者の介護施設をまかせられているようです。すると、入所者にやらせている日常の娯楽や手先の訓練にやらせている「習字」に、篆刻印を活用できないかと相談がありました。

 勿論、習字をして作品にするなら名前を書いて印を押すのが本式で、見栄えもよくなるのでおすすめなのです。20人程度なら、1、2字彫った小さい印を作ってあげようかと思いました。すると、真意は職員に篆刻を学ばせて、所内のイベントの商品などにあてたいということでありました。

うーむ、それはちょっと大変かも。
このワタシは、丸一年ほぼ毎日欠かさず数時間を篆刻の時間に当ててきました。多くの字典・参考書籍・篆書法帖などを取り寄せて勉強し、印材や印泥の設えや刻するために必要な道具なども、沢山の種類や数を揃えました。

 また、沢山彫って経験しないと簡単に彫れません。彫りやすいと言っても相手は石であります。消しゴムに彫刻刀でパパッと彫るのとは訳が違います。近ちゃんの希望やアイデアは理解したうえで、やはりワタシが彫って差し上げるのが現実的だろうと思いますね。

 なにせお金がかかるもの。例えばヤフオクでは、ほとんど篆刻関連のものに特化してチェックし入札しています。もはや自分のライフワークと位置づけしているのです。子細に計算していません。(怖くて集計できない)書籍・印材・印泥・篆刻道具すべて合わせればゆうに落札総額は100万円は超えているでしょう。
 
 印材は数えきれませんが、だいたい2.3千個は有ろうと思います。用途やニーズなどに応じてその中からいくつか選び出して彫るのです。実際に彫る目的で刻印ありのもの、市販されている廉価の流通品などを数十本単位で落札しているものだけで、一個200円見当としても50万円なるでしょう。それ以外に、田黄石、鶏血石や芙蓉石(中国三宝)などの高級印材・数十年から100年以上経過しているような古印、薄意や紐の細密な彫のある印は、一本数千円から1万円を超えて落札したものも百本以上あるのです。

 そこで今日のお題は例によってお宝の石です。
 田黄石だけは特別に価格が高いので「真正」の高額な古田黄は入手していません。似たような石、小石、醤油青田石、まがいものまで入れれば10本くらいは持っています。いずれ何かでまとまったお金でも貰えたなら一回だけ10万円位の奴を狙ってみようかとは思いますが(-_-;)

 そこで目をつけているのが「鶏血石」です。これは、元は、浙江省の昌化地区で産出される 昌化石と言われる石の一種で、硫化水銀が含まれると鶏の血のような真っ赤な模様が入っているものがあり珍重されたのです。なかでもほとんど赤一色の大紅袍と言われる石は、数十万円以上いたします。今では、そうしたものは見つからず、新鶏血と言われる、昌化石ではない鮮やかな赤い色が混じった石が出回っているのです。最近多いのが巴林鶏血(内モンゴル産) とか、寿山石の石の中で明るい赤みが入ったものです。

 田黄石同様これも偽物まがい物が多いと聞きます。ネットやヤフオクでもなかなか区別が出来ません。

 どこで取れようが赤い部分の面積が広い、下地の部分が美しい半透明な石質であれば高値になるようです。この石の最大の特徴が、ひどく硬くて刃がたたないということです。通常の印刀では跳ね返されてしまします。持ち手の紐も彫れないし、側面の浮彫(薄意)も施すことは困難なのです。もう一つは、赤い部分は酸化しやすく、日光や空気、手の油に触れていくうちにだんだん変化し、朱の部分だけ表面がへこむ(無くなる)、変色して黒ずむという特性であります。そこが田黄石と異なるので、田黄石の方に人気が傾いているのです。

 ワタシは、鶏血石として出品された一品ものを5,6個入手しました。一番高かったのはオークションではなく、中国雑貨輸入品を取り扱うネット販売で、25千円でした。これが本物の可能性が高いので、自分が今後鶏血石を見極める鑑定眼を持つための授業料と考えました。おかげでだんだん目も肥えて、ぽつぽつ、それらしきものをヤフオク数千円で入手しているうちに、ヤフオクに「まとめて印材数十本」みたいなものに紛れ込んでいるのことがあるのに気づいたのです。篆刻家さんや書道家さんは中国三宝には興味があるのは当然でしょうから、何かの折に買ったり入手しているのですね。でもまともに彫れないし、田黄石のような超貴重品でもないので、そのうち何本かまとめてヤフオクに出されるのでしょうか。

 そうした鶏血石らしきものが紛れ込んだ出品物を求めているうちにだいぶ溜まりましたよ(笑)。特別高い貴重品ではありませんが、まごうことなき自然石、赤い血の色のようなものが流れる「広義」の鶏血石であります。基本的には小さな丸石程度のものなので、青田石などのように、岩盤層があって大きな石塊を立柱形に切り出すようなことはありません。小さく切り分けていくので、どこかしら自然の丸石の曲面が残されています(偽物をわざと丸く削って磨くのも多いのですが)

ワタシも、さほど値打ちものと思っていないので、素手で触って平気でそのまま一箱に収納してますが・・・、もう少し大事に扱った方がいいのかもしれませんね。

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