ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

果樹王国山形の偉大さを知る

2010-07-09 23:02:13 | Weblog
 参議院議員通常選挙がすぐそこまで迫ってきつつあり、その投票行動を促すテレビ広告山形バージョンで大笑いしてしまった今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 山形県民以外の方がこの文章を見たら「何で大笑い?」と不思議に思うかもしれませんが、選挙行動を促すテレビ広告山形バージョンには「あき竹城」さんがご出演なされております。
 その他に山形県出身のお笑い芸人「ロケット団」も出ており、そちらの方が主役的ではあるのですが、私的にはどうしても「あき竹城」さんに目が行ってしまいます。
 「あき竹城のファン」「あき竹城を愛している」といったラブ系ではなく、あのビジュアル、あのボイス、あの訛り、インパクトが強すぎます。
 ご出身が米沢牛で有名な米沢市でありますから訛りも「置賜系訛り」を前面に押し出した台詞回しでありましたが、長く東京に住んでいるはずなのに未だに訛りが取れていない、いや、もしかしたら敢えて取らない姿勢には山形県人の矜持を感じずに入られませんでした、尊敬に値します。
 「7月11日、忘れないでね。」という台詞を「あき竹城」さんはこう言います。

「すずがずじゅういじにじ、わすれんなな!」

 どうです?一回で理解できた人は根っからの山形県人か山形通の人だけだと思われます。
 今、芸能界で活躍している山形県出身(寒河江市だそうです)の訛っているアイドル、通称ナマドルの女の子がいらっしゃいますが、私には作為的な訛りに映ってしまうのです。
 やはり「あき竹城」さんくらい強烈な、強引な、そして、ネイティブな山形訛りを操るくらいの勢いが欲しいものです。
 よく見るとポンキッキに出てくる「ムック」に似てなくもない「あき竹城」さん、これからも山形独自の訛りを駆使して頑張っていただきたいものです。

 さて、話は変わりますが、先日、大量の「さくらんぼ」を頂きました。
 昨年も同じ方から頂きましたので2年連続で頂いた事になりますが、毎回、デセールに仕立てるべく努力しております。
 昨年はキルシュ酒に漬け込んでヴァニラ風味のババロアに混ぜ、ジェノワーズでサンドしてお出ししましたが、今年はコンポートにしてみました。
 昨年はさくらんぼの種取りで苦労した経験から、今年は「さくらんぼ種取り器」を購入して臨んだ次第です。
 「さくらんぼの種取り器・・・そんなものがあるのか・・・」そのように思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、その道具は山形独自のものではなく、ドイツ製でありました。
 山形の、いや、日本のさくらんぼをドイツのさくらんぼ種取り器を駆使して種を取る・・・そこにイタリアの風味を加えてしまえばまさに「三国同盟デセール」が出来上がるわけですが、そこまでしてそれを成し遂げる意味があるのかどうか微妙であります、いや、意味ないでしょう。
 ですから今回はそのような事は頭から切り離しコンポートにしてみたのです。
 丁寧に洗ったさくらんぼの種を取り(全部で10キロくらいあった)、水、白ワイン、グラニュー糖、レモンのスライス、ヴァニラビーンズ(鞘ごと)を沸騰させた中に投入します。
 アクをすくいながら弱火で20分くらい煮込み、そのまま放置して冷まします。
 お出しする際には深めの皿にさくらんぼのコンポートを盛り付け、コンポートの汁をジュレ状にしたものを流し、クレーム・アングレーズ(ヴァニラ風味のカスタードソース、と言えば判りやすいでしょうか)を上から掛け、細かく切ったジェノワーズを散らし、ミントの葉を飾って出来上がりです。
 
 さくらんぼを頂ける、というのは大変有り難いですし、山形に生まれて良かったな、と思う瞬間でもあります。
 
 山形の中では「さくらんぼは買うものではなく貰うもの」という考えが根付いておりますが、その言葉の真の意味は「果樹王国山形万歳!」というものだと解釈しております。
 
 因みに、今までさくらんぼを貰った事がない、という方が先日いらっしゃいましたが、それはですね・・・申し上げにくい事ですが・・・多分ですが・・・

 やっぱり止めておきましょう。











コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする