先日、畜産業者さんに「そろそろ、トリッパ欲しいんだよね。」という話をしたところ、後日、屠畜したてのトリッパがやって来ました。
ここ何年もトリッパは、掃除済みで漂白済みのものしか使用しておりませんでしたから、正直言いますと「よっ、新鮮で良いね。」と思ったのと同時に、「これ、今から掃除するのか・・・しかもミノまで付いてるし。」という、少し憂鬱な気分になったのも否めない事実でした。
ここまでお読みになられて、「トリッパ」とは何ぞや?と思われた方のために解説いたしますが、「トリッパ」とは、牛の2番目の胃袋の事を指します。
日本語では「ハチノス」と呼ばれておりますが、フランス語では「トリップ」で、「トリッパ」はイタリア語になります。
なぜ、このブログ上で「トリップ」と明記しないのか、疑問になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、「トリッパ」の方が呼び名としての市民権を得ているので分かりやすいのではないか、という理由と、「トリップ」を連発していると、「飛びます、飛びます。」の方と勘違いされ、某大物女優の次男扱いされかねない、という2大理由です。まぁ、あまり気にしないでくださいよ。
話を戻します。これらの胃袋やミノのいわゆる、内臓系の料理は個人的に好きなものですから、開店当初からメニューに載せている料理です。
開店当初は、「豚足とフォワグラの網脂包み焼き」や「牛ハツのソーセージ仕立て エピス風味」などのヘビーな料理もメニューにリストオンしており、ワイン好きオヤジからは絶大なる支持を受けていたのですが、時を経て、アラカルト中心(オヤジ中心と言っても良い)ではなく、コース料理中心(女性中心と言っても良い)になってきたため、メニューから外す事となりました。さすがに、それらの料理をコースに組み込むのはツライですし、好き嫌いが分かれる料理ですしね。
そこで、代わりにそんなにヘビーではない「トリッパ」をリストオンして、内臓系料理を何とか残したのですが、オーダーなされる方は夜遅くに来店なさる、やはり、ワイン好きオヤジです。内臓系、好きなんですね。私もですけど。
「トリッパ」は、フランス料理ですとノルマンディー地方のカーンというところが有名で、「トリップのカーン風煮込み」は、トリッパをミルポワ(香味野菜)とシードルという「りんごサイダー」やカルバドスという「りんごのブランデー」で煮込む、という伝統料理です。
「トリップのカーン風煮込み」は、微かにりんごの甘い香りがし、トリッパ独特の香りと相まって非常に美味しい料理なのですが、ここ日本、しかも山形では理解されないのが現実です。
ですから当店では、トリッパをトマトで煮込んで、最後に刻んだミントを振り掛ける「ローマ風」でお出ししております。イタリアンなんですがお許しください。この方が食べやすい、と言われたんです。内臓系料理が浸透するまでの辛抱です。
さて、冒頭に書いた「トリッパ」は、屠畜したてでしたので、物凄い匂いを発しておりましたが、すぐに茹で、ヒダの中まで洗浄し、もう一度茹で、更に洗浄します。
それを今度は、水から3回ほど茹でこぼし、フォン・ド・ヴォライユ(鶏のだし汁)と、クローブ(丁子)を刺した玉葱、人参、セロリ、ローリエと共に3時間ほど煮ていきます。
それを1晩、煮汁に漬けて冷まし、次の日、一口にカットし、みじん切りにした玉葱、人参、セロリ、ホールトマトと共に1時間半ほど煮ていきます。これで完成。
手間は掛かりますが、内臓系好きには堪らないでしょう。是非、尿酸値のことなど気にせず食べていただきたいものです。
余談ですが、内臓類やタン、頭、脳みそ、などの副生物の事を、フランス語で「アバ」と言います。今、「ダンシングクイーン」を口ずさんだ人はいませんか?
年末になると、必ず「忠臣蔵」がテレビで放映されますが、その「忠臣蔵」の主役である人物、大石内蔵助(おおいしくらのすけ)を、「おおいし ないぞうのすけ」などと呼んでもいけません。
ここ何年もトリッパは、掃除済みで漂白済みのものしか使用しておりませんでしたから、正直言いますと「よっ、新鮮で良いね。」と思ったのと同時に、「これ、今から掃除するのか・・・しかもミノまで付いてるし。」という、少し憂鬱な気分になったのも否めない事実でした。
ここまでお読みになられて、「トリッパ」とは何ぞや?と思われた方のために解説いたしますが、「トリッパ」とは、牛の2番目の胃袋の事を指します。
日本語では「ハチノス」と呼ばれておりますが、フランス語では「トリップ」で、「トリッパ」はイタリア語になります。
なぜ、このブログ上で「トリップ」と明記しないのか、疑問になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、「トリッパ」の方が呼び名としての市民権を得ているので分かりやすいのではないか、という理由と、「トリップ」を連発していると、「飛びます、飛びます。」の方と勘違いされ、某大物女優の次男扱いされかねない、という2大理由です。まぁ、あまり気にしないでくださいよ。
話を戻します。これらの胃袋やミノのいわゆる、内臓系の料理は個人的に好きなものですから、開店当初からメニューに載せている料理です。
開店当初は、「豚足とフォワグラの網脂包み焼き」や「牛ハツのソーセージ仕立て エピス風味」などのヘビーな料理もメニューにリストオンしており、ワイン好きオヤジからは絶大なる支持を受けていたのですが、時を経て、アラカルト中心(オヤジ中心と言っても良い)ではなく、コース料理中心(女性中心と言っても良い)になってきたため、メニューから外す事となりました。さすがに、それらの料理をコースに組み込むのはツライですし、好き嫌いが分かれる料理ですしね。
そこで、代わりにそんなにヘビーではない「トリッパ」をリストオンして、内臓系料理を何とか残したのですが、オーダーなされる方は夜遅くに来店なさる、やはり、ワイン好きオヤジです。内臓系、好きなんですね。私もですけど。
「トリッパ」は、フランス料理ですとノルマンディー地方のカーンというところが有名で、「トリップのカーン風煮込み」は、トリッパをミルポワ(香味野菜)とシードルという「りんごサイダー」やカルバドスという「りんごのブランデー」で煮込む、という伝統料理です。
「トリップのカーン風煮込み」は、微かにりんごの甘い香りがし、トリッパ独特の香りと相まって非常に美味しい料理なのですが、ここ日本、しかも山形では理解されないのが現実です。
ですから当店では、トリッパをトマトで煮込んで、最後に刻んだミントを振り掛ける「ローマ風」でお出ししております。イタリアンなんですがお許しください。この方が食べやすい、と言われたんです。内臓系料理が浸透するまでの辛抱です。
さて、冒頭に書いた「トリッパ」は、屠畜したてでしたので、物凄い匂いを発しておりましたが、すぐに茹で、ヒダの中まで洗浄し、もう一度茹で、更に洗浄します。
それを今度は、水から3回ほど茹でこぼし、フォン・ド・ヴォライユ(鶏のだし汁)と、クローブ(丁子)を刺した玉葱、人参、セロリ、ローリエと共に3時間ほど煮ていきます。
それを1晩、煮汁に漬けて冷まし、次の日、一口にカットし、みじん切りにした玉葱、人参、セロリ、ホールトマトと共に1時間半ほど煮ていきます。これで完成。
手間は掛かりますが、内臓系好きには堪らないでしょう。是非、尿酸値のことなど気にせず食べていただきたいものです。
余談ですが、内臓類やタン、頭、脳みそ、などの副生物の事を、フランス語で「アバ」と言います。今、「ダンシングクイーン」を口ずさんだ人はいませんか?
年末になると、必ず「忠臣蔵」がテレビで放映されますが、その「忠臣蔵」の主役である人物、大石内蔵助(おおいしくらのすけ)を、「おおいし ないぞうのすけ」などと呼んでもいけません。
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