恒例行事のセンター試験まであと僅か。いつも受験生に推薦するのは、東京出版の「センター試験合格マニュアルシリーズ」だ。今の中学2年生からは新テストが導入されるので、現行タイプのセンター試験はあと4年の寿命と言うことになる。ここで、共通一次からセンター試験へと続いた36年間の歴史を振り返って見る。
共通一次試験が始まったのは、1979年1月13,14日から。センター試験が始まる1990年までの11年間実施された。導入の際には「難問、奇問の排除が目的」であると喧伝された。教科によって、その達成度はまちまちだが、少なくとも国語(古文)に関しては、当初の狙いは達成されず、以前に逆行した形です。(例えば、古文の品詞分解は出題しない旨が共通一次導入当初言われていた。)それがいつの間にやら、復活しているのが現状です。
話を、数学に戻そう。当初は「~を求めよ。」とする、求値問題が大半でした。それが、解法を誘導して、一定の数学的事実を導くタイプになりました。しかし、解法の誘導が練れておらず、一部生徒や教員から「解きづらい」との指摘がなされた。それを受け、センター側も出題形式を研究することとなった。当時の全国高等学校校長会からも、「問題の誘導は歓迎するが、無理のない自然な誘導を望む。」とする申し入れがセンターに対してなされた。
爾来、出題形式、内容とも十分研究され、客観試験でありながら、計算力、発想力その他を検査するのに相応しい試験となって来た。これが数学に関するセンター試験の変遷の結果と言えます。最終的な到達レベルは、地方国公立大学の二次試験に限りなく近いレベルにまで到達しています。そのあたりを、すらすら解けるレベルに到達できるかが、ハイスコアをゲットできるかどうかの分かれ道です。これは、センターが常々発信していた「センター用の対策を特別にしなくとも、二次試験の対策をすれば、それがそのままセンター試験の出来に反映する。そういった問題を出題します。」発言がそのまま実現してきたことを示しています。
4,5年前慶應義塾大学がセンター試験から撤退してしまいました。受験生をセンター試験で篩にかけることが難しくなったことが背景にありました。しかし、共通一次の試行段階から慶應義塾大学は惜しまず協力をして来ました。現在は中央教育審議会会長を務めておいでの安西祐一郎氏(前慶應義塾大学塾長)による、新テストへの移行もそうした流れのなで捕らえると実にリーズナブルです。まともな努力をした人が報われる、そういった試験をセンター試験は目指してきましたし、新テストに見かけは変わったとしても、その精神は受け継がれて行きます。
どうか、受験生の皆さん、日頃の努力の成果を遺憾なく発揮してください。
最後に、とっておきのお話を一つ。
センター試験の解き方。:誘導が基本なので、途中で求めた値、結果を後続の過程で使う
ことがたびたびあります。ですから、なるべく「視野を広くして」問題を見渡しながら解いてください。ヒントが自ずと見えてきます。そして、各問題の最後が難しければ、思い切って飛ばすこと。そして最後まで解ききって、残した問題に全力投球してください。
センター試験、大学入試が最終ではありません。大学、大学院等で本格的に研究をするための一つのステップです。あなたの力を是非、日本の発展のために、発揮してください。宜しくお願いいたします。
共通一次試験が始まったのは、1979年1月13,14日から。センター試験が始まる1990年までの11年間実施された。導入の際には「難問、奇問の排除が目的」であると喧伝された。教科によって、その達成度はまちまちだが、少なくとも国語(古文)に関しては、当初の狙いは達成されず、以前に逆行した形です。(例えば、古文の品詞分解は出題しない旨が共通一次導入当初言われていた。)それがいつの間にやら、復活しているのが現状です。
話を、数学に戻そう。当初は「~を求めよ。」とする、求値問題が大半でした。それが、解法を誘導して、一定の数学的事実を導くタイプになりました。しかし、解法の誘導が練れておらず、一部生徒や教員から「解きづらい」との指摘がなされた。それを受け、センター側も出題形式を研究することとなった。当時の全国高等学校校長会からも、「問題の誘導は歓迎するが、無理のない自然な誘導を望む。」とする申し入れがセンターに対してなされた。
爾来、出題形式、内容とも十分研究され、客観試験でありながら、計算力、発想力その他を検査するのに相応しい試験となって来た。これが数学に関するセンター試験の変遷の結果と言えます。最終的な到達レベルは、地方国公立大学の二次試験に限りなく近いレベルにまで到達しています。そのあたりを、すらすら解けるレベルに到達できるかが、ハイスコアをゲットできるかどうかの分かれ道です。これは、センターが常々発信していた「センター用の対策を特別にしなくとも、二次試験の対策をすれば、それがそのままセンター試験の出来に反映する。そういった問題を出題します。」発言がそのまま実現してきたことを示しています。
4,5年前慶應義塾大学がセンター試験から撤退してしまいました。受験生をセンター試験で篩にかけることが難しくなったことが背景にありました。しかし、共通一次の試行段階から慶應義塾大学は惜しまず協力をして来ました。現在は中央教育審議会会長を務めておいでの安西祐一郎氏(前慶應義塾大学塾長)による、新テストへの移行もそうした流れのなで捕らえると実にリーズナブルです。まともな努力をした人が報われる、そういった試験をセンター試験は目指してきましたし、新テストに見かけは変わったとしても、その精神は受け継がれて行きます。
どうか、受験生の皆さん、日頃の努力の成果を遺憾なく発揮してください。
最後に、とっておきのお話を一つ。
センター試験の解き方。:誘導が基本なので、途中で求めた値、結果を後続の過程で使う
ことがたびたびあります。ですから、なるべく「視野を広くして」問題を見渡しながら解いてください。ヒントが自ずと見えてきます。そして、各問題の最後が難しければ、思い切って飛ばすこと。そして最後まで解ききって、残した問題に全力投球してください。
センター試験、大学入試が最終ではありません。大学、大学院等で本格的に研究をするための一つのステップです。あなたの力を是非、日本の発展のために、発揮してください。宜しくお願いいたします。