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通勤ローディ、たまにホビーレース

シマノは、カーボンクランクを出すのか?

2012-06-05 23:40:24 | シマノ製品調査
今日もチャリ通、40km。

往路、限界まで追い込んで、ヘロヘロになって会社着。(←仕事、やる気あるのか?)
Ave:27.8km/h。やっといい値に戻ってきたゾ。

復路。駐輪場を出たところから、一人のローディと大バトル。
ロードバイクのフレームにブルホーン、七分丈のパンツ、クリアのメガネ。まぶしいぐらいの前ライトと、でっかい尾灯。
かなり手慣れたツーキニストですね。
時々後ろを気にしては、なんとなく楽しそうにしています。

しかし、やはり速い。ロードバイクの私と同等以上の速さ。
心拍MAX&涎も垂らしながら全力で走って、なんとか付いていける感じ。信号で息を整えるのがあって、なんとか持ち直します。

かれこれ8kmぐらいのバトルが続いた後、「もうこれ以上はキツイかも…」と思い始めた頃、…あらら、わき道に流れていっちゃいました。
まぁ、今日はこれで許してやるとします。(なーんて)

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さて、今日は、予告どおり、「シマノは、カーボンクランクを出すのか?」です。


<結論>
出しません。(多分)


<理由>
覚えている方も多いと思いますが、昔、シマノはカーボンクランクを試作し、発表していました。これですね↓


特許もしっかり出しています。
2005~2007年にかけて、東レとの共同出願で、「C-FRP中にアルミ部材を鋳込む」との特許を複数出しています。
(特許公開:2009-160965、2008-001287、2007-302222)

型番は7800-C。2007年のツールにも使われ(ゲロルシュタイナーとラボバンク)、「7900のクランクに採用されるのでは?」と当時言われてました…が、それっきり。音沙汰がなくなり、消息不明状態です。
これは勝手な予想ですが、きっと樹脂クランクのアームが細すぎて剛性が低く、踏み応えが悪いとか、プロ選手から不評だったからじゃないかと。

「でも折角、試作まで作ったんだから、今でもカーボンクランクの研究を続けているでしょう?」とも思いましたが、さっきの特許の顛末を見てみると、「全て放棄」になっています。
つまり、シマノにとっては、「もはやカーボンクランクには見切りをつけた。何の未練もない」ということらしいです。

7900-Cを過去の失敗作として葬り去り、9000デュラでも中空アルミクランクがBESTと言い張り、カーボンクランクの噂すら立たせない…、製品企画としてはお見事です。

…でもね、2006年当時と今では、C-FRPの技術が全然違うのですよ。今のC-FRPは、(物によっては)アルミを超えてますもの。
もはや、コスト以外はアルミを選ぶ理由なんてないと、個人的には思っています。(耐衝撃性も改善されつつある)

どだい、あの特許を見る限り、そしてあの試作品を見る限り、考え方が安直すぎますよ。
「樹脂は、アルミと同じ物性値じゃないのに、同じ形状で作ってどうするねんっ!」って、ツッコミたくなります。
また、プリプレグカーボンで作るってのも、間違ってます。今は、もっといい工法のカーボンが…(これ以上は言えない)。

結果として、特許の「放棄」ってのは、ちょっと勿体無いかも。
(開発担当者、仕入先(東レ)を変えて)もう少し煮詰めれば、きっと良い物ができるハズです。


シマノさんの「アルミ鍛造、一筋」は、男らしくてステキですが、下手すると「時代遅れの男」になっちゃうかも。(←それはそれでステキじゃない?)
また、シマノ得意の「関西連合(東レは近所の滋賀県)」だけで開発を進めるってのも、カンパみたいなグローバルな開発には勝てないでしょう。


やはり、シマノの製品には、「夢」がありません。
「えっ、こんな製品、できちゃったの?」って驚きが、もはや新型9000デュラにはないのです。(ツッコミ所は多いけど)
「堅実な製品」であることは認めますが、それは「レーシングコンポ」と対極にある言葉になってしまいます。


それでも売れるシマノ。それは、シマノが強いのではなく、市場にライバルがいないからかもしれませんね。


今日はここまで