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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「悪魔のシスター」・・・<恍惚の視線>デ・パルマ監督NO.4

2013-08-02 | ブライアン・デ・パルマ

■製作年:1973年
■監督:ブライアン・デ・パルマ 
■出演:マーゴット・キッダー、ジェニファー・ソールト、チャールズ・ダーニング、他

ブライアン・デ・パルマ監督の「悪魔のシスター」を見ました。彼の特徴の一つとして私は下世話であるとこれまで書いてきましたが、言い換えるとそれは悪趣味とも言えるんだろうなと思っています。悪趣味とは品のなさが連想されるのですが見方をかえると、実は何か根源的に、生理的に、無意識の領域までに踏み込んで刺激する故にもどかしく嫌悪感を抱くこともあり、故に悪趣味であると評されるものの表層に顕れたものは一つの文化記号であり、重要なポイントを示していることがあるのかもしれません。だからではないですが、今回のテーマはシャム双生児であり、その肉体の分断と影響であり、背景として精神を病んだ人達が登場するので下世話という言葉より悪趣味というほうが合っているのかなと思ってみたりします。ちなみに冒頭から見ても、クイズ・ショーの景品で黒人にジャングル・バーへのご招待なんてことも悪趣味だよな~っと。

 

というように悪趣味のデ・パルマ監督の映画ですが、見ていて思わぬ人物の名前を思い出させたのにはびっくりしました。それは登場人物の女性が殺害した男性の死体を長椅子の中に隠し運び出す一連の行動で、江戸川乱歩の「人間椅子」を想起させるのでした。デ・パルマ監督は江戸川乱歩の「人間椅子」を知っていたのか?知らなかったのか?下世話、悪趣味という点でデ・パルマ監督も江戸川乱歩も共通項があるように思うので、発想という点で通低しているところがあるのでしょうか?

 

またもうひとつの監督の特徴である映像ですが、画面が2分割し同時進行で話が展開したり、シャム双生児を肉体分断する手術でとんでもない包丁が出てきてそれがスローモーションで医師の手に渡る部分など、いわゆるブライアン・デ・パルマ調なるものがしっかりと出ていて初期の映画ですが作家性なるものをを感じ取ることができます。ところで、彼の映画はすっきりと終わらず何か後味の悪いところがあります。もしかしたら後味の悪い余韻を残しながら…というのが、あまり気づかない特徴なのかもしれませんね。

 

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