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飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

昭和の黒い霧・松本清張NO.8・・・「張込み」(出演:ビートたけし)

2009-06-19 | 松本清張
■放送:2002年、テレビ朝日
■演出:石橋冠
■出演:ビートたけし、緒形直人、鶴田真由、田辺誠一、他

本日も松本清張の小説「張込み」を原作としたテレビドラマを取り上げたいと思います。刑事の柚木にはビートたけしが演じています。これまで見てきた映画やドラマでは、まず時代は昭和でありましたが、こちらは場所も群馬に変えて現代にその舞台を持ってきています。そして主人公の柚木は若い刑事であったのを、このドラマでは中年のベテラン刑事、それも行き過ぎた捜査を行ってしまう問題児という設定にしています。そのたけしに絡んでくるのが、若いエリートの刑事で捜査上ではたけしの上司にあたるという設定に。つまり今までの、若い刑事が捜査の過程で成長していくという役柄を入れ換えているわけです。この上司としての若い刑事、なかなか難しい役と思いますが、それを演じるのは緒方直人で、捜査が始まるや否やいきなりたけしにじゃまをするなと殴られてしまいます。(その後、殴り返す場面があるのですが)

また、張込む先も旅館ではなく、そもそもそうした所を現代で探すのが困難でしょうが、婦人警官の家としています。偶然そうであったということですね。捜査の記録も手帳ではなくパソコン。こうしたところも今という時代の表現になっています。それはもう一人の主人公、鶴田真由が演じるさだ子にも見ることができて、原作などで主婦としての日常性の象徴として使われていた編物機が消えて手編みとなっていました。ジーコ、ジーコと音をたてて編物をする様子はボクの記憶の中でも子供の頃にしかありません。時代とともに消えていった商品の一つであるわけです。

ただ無理な設定もありました。吝嗇家のさだ子の旦那は彼女に一日の生活費として1000円しか渡さないという部分、地元の金融機関に勤める安定したサラリーマンでそりゃないだろと感じました。

さて、さだ子は結ってた髪の毛をほどいて男に会いに行くのですが、この辺りからこのドラマはオリジナルな展開を見せます。それはネタばれになってしまうのですが、たけし演じる柚木刑事が殉職してしまうという展開。何度も映像化されている作品なので、どこか小説や前作と変えていかねばならないのでしょうが…、変わるたびごとに原作の味わいも変わるのであります。それがいいのかどうかは見る側に委ねられるのでしょうが。

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