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先日歌舞伎座で観た近松門左衛門の代表作「曽根崎心中」、その文楽公演を収録放送した番組を録画したものを観ました。とはいってもそれは最近のものではなく録画したのは2002年のNHKにおける放送、だからかなり前となる。ボクもよくよく物好きで、録画してもそれを観ることもなく7年後にやっとお目にしたというわけで。まだ20代であったころに近松の「曽根崎心中」は宇崎竜童が徳兵衛を演じた映画を深夜のテレビ番組で放送されたのを観たことがあり大層感動した記憶がある…。そしてその映画はかなり強烈に印象に残りボクにとっては忘れえぬ映画となったのですが。そんな由縁もあって観ることもないままその文楽の番組を録画しておいたのです。
その文楽が上演された場所は秋田県にある康楽館、アナウンサーの山川静岡夫が番組の冒頭で劇場の中をナビゲートするのですが、その劇場の中の雰囲気が浮世絵などに見るような昔の芝居小屋という風で、一度こんなところで文楽とか歌舞伎を観てみたいなと思ったりします。
さて幕が開いて口上と続き、文楽の人形たちが登場します。気付くことはこれまで歌舞伎にしろ現代演劇にしろ収録されたものをテレビで何本も観てきましたが、そのライブ感というか印象が大きく違うなと感じたのはこの文楽公演を収録したものを観たときでした。なんでかなといろいろ考えてみたのですが、劇場で観ている時は人形の動きに意識が集中しているため、それを動かしている人形遣いは段々と気にならなくなり作品世界へと入り込んでいくのに対して、テレビで観ている場合はその人形の動きの細部までをじっくりと観ることができるのですが、どうしてもそれを動かしている人形遣いまでがはっきりと映ってしまうため気になってしまいます。それによって作品世界にどっぷり浸かることがもしかしたら難しいのかも知れません。
とはいいながらも「曽根崎心中」は素晴らしいものでした。特にラストのお初を殺すところでは、あっと声がでましたし、徳兵衛も自らを刺して彼女の上に重なって死ぬところは涙腺が思わずゆるくなりました。それを演じているのが人形とはいえ迫りくるものがあったので、「曽根崎心中」をライブで観たならどんなにか凄いのだろうと思ってもしまいます。愛する女とともに自らの命を絶つ行為、=心中とは、いくら「恋の手本」にと歌い上げてもやっぱり尊くも悲しいものです。
ところで上にも書いたように、以前に観た文楽の公演とライブ感が違ったのでその番組をもう一度観てみました。ライブ感の印象はやはり同じようなことを感じたのですが、より細部の微妙なところが、特に人形の動きについて、が見えてきてその細かい芸に関心することしきりでした。目を閉じるタイミングとか、足さばき、腰のひねり具合、わずかな頭部の揺れや傾きが感情の襞をうまく表現しているんです。至芸とはこうしたことを言うんだろうななんて。
そしてあらためて思うのは、お初の力強さです。徳兵衛はお初に引っ張られるように死の世界へと向かっていくように見えます。覚悟を決めた女性は強し、それは今もかわらないのかもしれません。すくなくともお初と徳兵衛の関係は母子関係のようにも見えたのであります。
実際の心中事件をもとにそれが起こってから近松門左衛門は戯曲を書き上げ、なんと一ヶ月後には上演したと言われている「曽根崎心中」ですが、練習期間なども考えると驚異的なことだと思います。中身も濃く近松の天才ぶりを見ることができる象徴的な作品だと思いました。なんとも言えない味わい深さを感じます。
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話は変わりますが、先週の金曜日、新木場にあるクラブ「ageHa」に行きました。若いモンに誘われたから。当方48歳なので、朝まで大丈夫か不安でしたが、結局へばって寝ている若者横目にこちらは始発で帰ることに。まだまだOK、すこし自信がつきました。
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さて幕が開いて口上と続き、文楽の人形たちが登場します。気付くことはこれまで歌舞伎にしろ現代演劇にしろ収録されたものをテレビで何本も観てきましたが、そのライブ感というか印象が大きく違うなと感じたのはこの文楽公演を収録したものを観たときでした。なんでかなといろいろ考えてみたのですが、劇場で観ている時は人形の動きに意識が集中しているため、それを動かしている人形遣いは段々と気にならなくなり作品世界へと入り込んでいくのに対して、テレビで観ている場合はその人形の動きの細部までをじっくりと観ることができるのですが、どうしてもそれを動かしている人形遣いまでがはっきりと映ってしまうため気になってしまいます。それによって作品世界にどっぷり浸かることがもしかしたら難しいのかも知れません。
とはいいながらも「曽根崎心中」は素晴らしいものでした。特にラストのお初を殺すところでは、あっと声がでましたし、徳兵衛も自らを刺して彼女の上に重なって死ぬところは涙腺が思わずゆるくなりました。それを演じているのが人形とはいえ迫りくるものがあったので、「曽根崎心中」をライブで観たならどんなにか凄いのだろうと思ってもしまいます。愛する女とともに自らの命を絶つ行為、=心中とは、いくら「恋の手本」にと歌い上げてもやっぱり尊くも悲しいものです。
ところで上にも書いたように、以前に観た文楽の公演とライブ感が違ったのでその番組をもう一度観てみました。ライブ感の印象はやはり同じようなことを感じたのですが、より細部の微妙なところが、特に人形の動きについて、が見えてきてその細かい芸に関心することしきりでした。目を閉じるタイミングとか、足さばき、腰のひねり具合、わずかな頭部の揺れや傾きが感情の襞をうまく表現しているんです。至芸とはこうしたことを言うんだろうななんて。
そしてあらためて思うのは、お初の力強さです。徳兵衛はお初に引っ張られるように死の世界へと向かっていくように見えます。覚悟を決めた女性は強し、それは今もかわらないのかもしれません。すくなくともお初と徳兵衛の関係は母子関係のようにも見えたのであります。
実際の心中事件をもとにそれが起こってから近松門左衛門は戯曲を書き上げ、なんと一ヶ月後には上演したと言われている「曽根崎心中」ですが、練習期間なども考えると驚異的なことだと思います。中身も濃く近松の天才ぶりを見ることができる象徴的な作品だと思いました。なんとも言えない味わい深さを感じます。
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