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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鏡花幻想譚への接近#98・・・らふとのやぶしらず「鏡花・陽炎座」を見た

2013-09-06 | 泉鏡花

■日時:2013年8月24日(土)、18:30〜
■劇場:RAFT
■作:泉鏡花  
■演出:チェリー木下
■朗読・演技:椿屋蜂、チェリー木下、他

 

記事にするのが遅くなりましたが先月下旬、泉鏡花の「陽炎座」をあつかった朗読をベースとするパフォーマンス「らふとやぶしらず 鏡花・陽炎座」を見に行きました。会場は東中野の小さなスペース、運営はNPOにより、みると文学をテーマ(芥川龍之介など)としたこじんまりとしたイベントを開催しています。このようなスペースがあったのは知りませんでした。がんばってほしいですね。さて、パフォーマンスですがどんな感じになるのかなと思っていたら、泉鏡花の「陽炎座」の一説の朗読が始まりました。そこから本を離し、2人芝居のように掛け合いに移ります。そして、泉鏡花の糸あやつり人形が登場し、小説の世界、これが後半になると同じ鏡花の「眉かくしの霊」の話が「陽炎座」に呼応するように導入され朗読され、それらを元にした作り手の解釈の世界と人形(=作者である泉鏡花)の世界が交錯するという多層構造になります。なので話が複雑化し、原作を読んでいないと解りづらいのではなかったかなと思いました。

 

「陽炎座」は念を残し死んだ女性に似た女性が登場する幻想的な子供芝居の話ですが「眉かくしの霊」を持ってきたことによりそちらの大団円には至らず、「似合いますか。」と問いかける女性の霊の話にワープしました。泉鏡花の人形をあやつるのが元・結城座の方で近くで見れたのは興味深かったです。朗読した椿屋蜂は着物姿で大人の女性でした。やはり鏡花を読むには大人が相応しいと。なかなか凝った構成でしたが、解りづらさとともに全体の段取りの悪さが目立ったのも事実です。特に演者が台詞を忘れフォローする場面はいただけない。その辺りは練習をして臨んでほしいなあと。ともかくも、「似合いますか。」と一度でいいから着物姿の美しい女性から誘われてみたい。

 

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種村 季弘
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