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澁澤龍彦、幻想の世界NO.50・・・「サド侯爵 あるいは城と牢獄」(河出文庫)

2008-10-17 | 澁澤龍彦
「サド侯爵 あるいは城と牢獄」(河出文庫)

澁澤龍彦にとって18世紀ヨーロッパに登場した奇才マルキ・ド・サドは、彼が翻訳した本によって抜き差しならない存在となった。それは出版後の思いもかけない裁判によって、いつまでも消えることなく纏わりついた染みのようなものであったかも知れないのだ。澁澤は著書「サド侯爵 あるいは城と牢獄」の中において、そこに収められているいくつかのエッセイでサドについて言及している。そこで本日はその本を読んで、ボクが赤線を入れた文章を抜粋してみたのであります。

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“サドは現実には獄中に閉じこめられた、あわれな体制と権力の犠牲者にすぎなかったのに、その小説の世界では、あらゆる権力を自由に行使する専制君主だったのだ。牢獄が夢想の場所でもあるということを、ここでふたたび強調しておく必要があるだろうか。”

“サドの牢獄は城だったのである。”

“サド的な旅行には発展とか成熟というものがなく、ただ反復される現在があるのみなのである。…旅行それ自体、一種の堂々めぐりであり、この堂々めぐりの輪はだんだん小さくなって、最後には一つの城に凝固してしまうかのような塩梅なのである。サド的世界では、欲望の渦巻の中心につねに城があると考えたらよいかもしれない。”

“城とは裏返しにされた牢獄であり、牢獄とは裏返しにされた城であるという、サド=マゾヒスティックなイメージの転換もしくは二重性…サド文学の本質的な逆説的性格なるものにぴったり一致するだろう。”

“最も重大な罪として社会の非難する性癖が、彼にとっては自分の生存の本質のようにも思われたので、彼は自分の総力をあげて、その社会の基礎にあるあらゆる価値を検討し、それが根拠薄弱なものであることを証明しようと試みるのだ。”

“牢獄が監禁のための場所であると同時に、また夢想のための場所でもあるという逆説は、サド文学と不可分一体であろう。”

“異常な行為を異常でないと証明するのが彼の目的だったわけだ。…その一つは、異常と見なされた性行動の生ずる原因を追及することであり、もう一つは、この行動を社会的イデオロギー的な一つのモデルのなかに支障なく組み込むことであった。”

“サドの作中のリベルタンたちは、あたかも自動人形のように機械的に残虐行為を反復実践して、飽くことを知らないのである。”

“”部分、澁澤龍彦「サド侯爵 あるいは城と牢獄」(河出文庫)より引用
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