27motorsports & MaruhaMotors Blog

27モータースポーツ&マルハモータースが送るチューニング情報ブログ。

ND用LSD装着に治具が必要

2017年11月23日 | Weblog

ここのところ、急激に寒くなりました。

それでも静岡市は他地域に比べると、雪も降らない比較的温暖な土地で、とてもすごし易いのです。

この辺りではミカンが盛んで、色付きが鮮やかです。 まぁ、簡単に言えば田舎なんです。🍊

さぁ、年末に向けて頑張りますよ。🎅

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さて、先日ND1.5Lの機械式LSD取り付けを行いました。

事前に情報を集めておいた結果、かなり厄介な作業だと分かりました。

問題なのは、LSD本体を押さえるキャップです。

 

この画像はNC用のデフ。



そしてこの画像はND1.5L用のデフ。

NC・NDの大きな違いは、ND用はデフサイドのベアリングを固定するキャップが単独になっていないこと。NC用デフには、単独キャップでしっかりLSD本体を固定しています。

ND用のベアリングキャップは、ケースカバーと一体型なんですね。

これは困る!!!

かなり厄介!!!

キャップでしっかりと固定をしないと、ギヤのバックラッシュ(クリアランス)が測定できないんです。でも、カバー毎で取り付けるとなると、ギヤが隠れてしまいます。

例えば、分解前にフランジ(プロペラシャフトとの連結部)でクリアランスを取ろうとしても・・・↓

かなり難しい。

なぜなら・・・・本来バックラッシュは2つの噛み合うギヤの片側を固定しておいて、測定するものだからです。デフの場合は、リングギヤとピニオンギヤの2つ。

手で左右に振って感触を確かめることは毎回行いますが、それは測定ではありません。

やはり、ギヤ歯にゲージを当てて正確に確認するしかないのです。

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だから、治具が必要になります。



単独のベアリングキャップに見立てた治具です。

今まで、NA,NB,NCと星の数ほどのLSDを取り付けてきましたが、キャップが無いままでバックラッシュ測定をしたこともなく、あるいはキャップを緩めた状態で測したこともありません。

今回、良い機会で、(1)治具キャップなし、(2)緩めた状態、(3)しっかり固定した状態の3パターンでトライ。

結果は、当然ながら(3)でないと、とても仕事にならない。ベアリングを固定できないので、手の感触すら得られません。

結論:ND用LSDを装着するには専用治具がないと厳しい。

MARUHAでは、独自設計で作りました。1.5L用と2.0L用を兼用できる設計です。RFに機械式LSDを装着する場合、あるいはNRAに装着する場合は、異なるサイドベアリングサイズなので、別途治具が必要になりますが、兼用であればコストも抑えられます。  

精度も重要です。 

緩いキャップ内径ではしっかりとベアリングを押さえることができません。

公差をどのように求めるか?で治具の意味が変わってしまいます。

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メーカーマニュアルでは、デフ分解の項目がありません。”触るな”と言っている様なものです。

一方で、内部部品の単独設定がありますので、・・・・意味が分かりません。

言えることは、ND用LSD取り付け依頼を受けるとなると、

*専用治具は用意するべき。

*事前にクリアランス調整用に予備シム・全サイズを用意する。

などの対応が求められます。

これは、かなりの出費で、一般SHOPさんには大変酷な条件です。数回の作業では完全赤字の条件です。ましてや、専用治具など目下製品化さえありません。

ロードスター専門SHOPさんでないと厳しいと思います。

すでに独自治具で対応されているSHOPさんもあります。大変マジメな姿勢であり、敬意を払いたいと思います。

ND用デフの脱着については、別の機会でご紹介します。

ではでは。


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ガンコート / キャリパー塗装

2017年11月13日 | Weblog

大分肌寒くなってきました。

マルハの前の県道27号線も、紅葉観光で日曜日には多くの車・バイクが上っていきます。

ロードスターをオープンにして、峠をドライブする最高の時期ですね。

   ___________

さて、前回のブログで紹介いたしましたキャリパー塗装、”ガンコート”。

今回はその説明を少しいたします。

ウェットブラストを掛けると、見事に地肌を再生する格好で綺麗に汚れを落とすことができます。

ただし、このままでは錆びてしまいます。

そこで、何かしらの塗装が必要になります。

MARUHAではガンコートをオプション採用しております。

アメリカから伝わる特殊塗装です。

代理店の説明はこんな感じです。↓

アメリカ軍の指定塗料でもあるKG GUN-KOTE は、9Hという圧倒的な表面硬度を誇り、
驚異の耐薬品性と高放熱効果を兼ね備えた次世代のコーティングです。
その抜群の性能は2輪4輪を問わず多くのモータースポーツ界から支持を受けております。


大変耐久性に優れた塗料なのですが、塗料自体が高価である事、そして塗装後に高温で長時間焼き入れをしなくてはならない事。



設備がないと、対応できない塗装という事です。
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 上の画像の様に、キャリパーだけでなく、キャリパーサポートも一緒に塗装を掛けると、仕上がりは俄然変わります。

また、非常に美しい。

コツが一つありまして、キャリパーの鋳物肌はゴツゴツしています。

このまま塗装すると、艶が出にくいのです。

だから、エアツールを使って面をなるべくなだらかに仕上げておくのです。

その上で、塗装をすると綺麗な塗装肌になります。

通常ウレタンの様に重ね塗りで、塗膜を厚くすることもできませんので、事前準備が大切な塗装方法です。

手間はかかりますが、とってもお勧めなガンコートでございます。

MARUHAでOHするなら、一気にここまでやってみるのは如何ですか?

 


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