・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【cinema】『嫌われ松子の一生』

2006-06-11 23:11:53 | cinema
'06.06.10 KTと『嫌われ松子の一生』@六本木ヒルズ

前回の教訓を生かしKTがネット予約してくれて無事鑑賞。

タイトル通り「嫌われ松子」と呼ばれた女性の一生。転落転落の人生だけど、急にミュージカルになったりして、深刻には描いていない。前半はかなり壮絶なのにおかしくさえある。なので伊勢谷友介が出てくるあたりから涙が止まらなかった。

松子の悲劇は父親に愛されていないと思い込んでいたことにある。その空白を埋めるため男にすがる。これがことごとく… そういう男ばかり選んでしまうのか、そんな男にしてしまうのか。心から愛し愛されたのは伊勢谷だけだったと思うけど、2人ともあまりに不器用で傷つき過ぎた。それが悲しくて泣けた。

親友でさえ自ら遠ざけてしまう。精神学的に言えば病名とかあるんだろうけど、あくまで純粋で不器用な人に見える。それがおかしくもあり切なくもある。

中谷美紀良かった。監督とかなり揉めたらしいけど代表作でしょう。自らどんどん不幸になる松子を愛おしく感じるのは、監督や脚本の上手さもあるだろうけど、彼女の演技によるところが大きいと思う。柄本明が堅物で愛情表現の下手な父親を好演。松子のおどけた顔に思わず吹き出す表情がいい。こちらには充分愛情が感じられるのに、松子には伝わらない。でも、そんなものなのかもしれない。人の本当の気持ちは分からない。

親友役の黒沢あすかカッコイイ(笑)伊勢谷は『キャシャーン』(見てしまった(笑))の時は正直下手だと思ったけど、今回は繊細な感じが良かったかも。劇団ひとりはキャラまんまだけどいい。他にも意外な人がチラリと出演してる。スカパラの谷中さんがコートひるがえして去っていく姿イイ!

唐突なミュージカルシーンや、妄想シーン、クセになってしまったおバカ表情など、悲惨な松子の人生がコミカルに描かれているので楽に見れた。正攻法で見せるほど破天荒な人生でもない。あざといくらいやり過ぎな場面も、重い場面との緩急が絶妙でいい。ギャグに見えるベランダシーンも松子の生への執着が一瞬で分かる。そういうのがいい。

楽しくてせつなくてイイ。


『嫌われ松子の一生』公式サイト

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする