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[社会復帰] 出所者支援プロジェクト(広がる輪)

2013-03-01 | Weblog

記事:受け入れ企業

出所者雇い社会復帰支援 関西の飲食業など7社、プロジェクト立ち上げ

2013.2.28 SUNKEI
「職親プロジェクト」の調印式に出席した日本財団の笹川会長(左から4人目)ら=28日午後、大阪市中央区

「職親プロジェクト」の調印式に出席した日本財団の笹川会長(左から4人目)ら=28日午後、大阪市中央区

 刑務所や少年院を出た人に働く場を提供するとともに再犯防止を図ろうと、日本財団(東京)と、大手お好み焼きチェーン「千房」(大阪市)など関西に本社を置く企業7社が28日、雇用促進に取り組む「職親(しょくしん)プロジェクト」を立ち上げた。複数の企業が元受刑者の社会復帰を雇用面でサポートするのは全国初で、同財団は「これをモデルケースとし、全国に広げていきたい」としている。

 平成24年版の犯罪白書によると、23年の再犯者率は過去最悪の43・8%。白書は、再犯防止に向け「安定した就労・住居の確保が重要」と指摘しており、今回のプロジェクトは、こうした社会的要請に寄与する狙いがある。

 参加企業は千房のほか、串カツチェーン店「だるま」を展開する「一門会」(大阪市)▽焼肉チェーン店「但馬屋」の「牛心」(同)▽和食専門店「信濃路」(和歌山市)▽建設会社「カンサイ建装工業」(大阪府岸和田市)▽日本料理「プラス思考」(大阪市)▽美容室「プログレッシブ」(同)。千房は平成21年から出所者を雇用し、信濃路も受け入れ実績がある。

 28日、大阪市で開かれたプロジェクトの調印式では、日本財団の笹川陽平会長が「出所者も社会の人的財産。長期的にサポートしたい」とあいさつした。

 参加企業は出所前から受刑者の面接を行い、採用決定者には教材を送るなどして“研修”を実施。出所後、採用者は各社の店舗で半年以内の就労体験を積み、正社員を目指す。

 出所者の受け入れ目標は5年間で計100人。参加企業の間で人事交流も検討するという。

 

記事:元受刑者

「自分の店持ちたい」夢抱き仕事に打ち込む出所者 社会復帰支援の輪広がる 

2013.2.28 SUNKEI
厨房でお好み焼きを焼く小柳さん。出所者支援の輪が広がることに「うれしい」と笑顔を見せる=大阪市北区(細田裕也撮影)

厨房でお好み焼きを焼く小柳さん。出所者支援の輪が広がることに「うれしい」と笑顔を見せる=大阪市北区(細田裕也撮影)

 大阪市北区の「千房」曽根崎支店。3年前から同社で勤務し、お好み焼きを手際よくひっくり返す社員の小柳拓哉さん(29)は「自分の店を持つ」という目標に向け、日々研鑽(けんさん)を積んでいる。

 平成19年秋、飲酒運転事故の執行猶予中に自動車盗を犯し、懲役2年4月の実刑判決を受けた。「何であんなことをしたのだろうか」。服役した山口県の刑務所で後悔と反省を繰り返す一方、「出所しても仕事にありつけるのか」と不安を抱き続けた。

 千房が受刑者を対象に求人を出しているのを知ったのは21年春。刑務所内の講義室で行われた中井政嗣社長との面接で「将来、独立して店を持ちたいんです」と熱意をぶつけた。

 22年2月に仮釈放となり、間もなく道頓堀支店(大阪市中央区)でパートとして働き始めた。客商売がうまくできるのか、同僚からどう思われているのか…。不安を抱えながらも、与えられた仕事にがむしゃらに打ち込んだ。やがて、勤務態度が高く評価され、刑期満了を受けて同年7月に晴れて正社員となった。

 23年末に曽根崎支店へ異動。現在は経理処理なども任されるようになり、店舗運営にも主体的に関わるようになった。

 「犯した罪と向き合い、出所後は真面目に人生をやり直そうと考える受刑者は少なくない」。小柳さんは、出所者の社会復帰を支える活動が広がることを期待している。