戦の影に
旅の最終日は、琵琶湖の北に位置する余呉湖を尋ね、
天女の羽衣伝説の天女から生まれた子、
菅原道真に思いをはせたいと考えていたが、
賎ケ岳から眺めることにした。
一転して情景の思いは戦場と化す。
賎ケ岳頂上に陣取る秀吉の陣。余呉湖をはさんで勝家の本陣。
お市の方の悲劇、勝家と共に自害して果てる。
三人の息女たちは逃げ落ち、淀は秀吉の側室となり秀頼を生む。
ここ湖北の地には11面観音像が多い。
全国の四分の一はこの地方にあり、神奈川県には5体とか。
特に渡岸寺(向源寺)の11面観音(国宝)が有名である。
写真を載せられないのは残念だが、
腰をややひねった立像が魅惑的であった。
以下、渡岸寺の風景数葉。
静かさが安らかさと山門を入る
慈眼、秋風、湖北の寺井上靖の碑あり
本堂の左手におわす11面観音
井上靖「星と祭り」に詳しい。
これからはの付録写真。
茶人より庭園の造詣者として名高い
小堀遠州の寺
近江弧篷庵も捨てがたい
池泉回遊庭園
枯れ山水庭園
良かれ悪しかれ戦は無残。女の一生も男の望をもを踏みにじった。
罪も無い農民たちも、然し、彼らは観音像を守り地を耕し続けた。
観音の慈悲の心が救いだったのかもしれない。
若狭の寺寺も何時の日か回りたい。
若狭の仏像にも興味がわいた。
最後に、須賀谷温泉の経営者Nさんの心配りに甚大の感謝を。
お市の方も入ったと言い伝えられる秘湯、
是非一度お出かけ下さい。