曇り、24度、82%
乾燥豆が大好きです。日本に比べると、香港で売られている豆の種類は遥かに多いと思います。レンティル豆やガルバンゾーだって、乾燥の豆が以前から売られています。煮豆よりは、シチューやスープ、サラダにマリネ、カレーに使います。種類は沢山あって、お値段も安い香港の豆ですが、やはり美味しさといったら格段に日本の豆が上です。豆の持つ味、噛みしめた時の香り、日本の豆はしみじみおいしいと感じます。
7月に日本で買って来た花豆、うっかりして使わないままでした。暑い夏を越しています、急いで茹でてみたものの、はて、今回は何を作ろうか?主人が、マリネもトマト煮も、スープも飽きたとおっしゃいます。そこで、ラム酒を一杯入れたシロップに漬けておきました。これまた、食べないで冷蔵庫に入れたまま。そこで、 ムーランにかけて裏ごししました。裏ごししながら、きんとんを作ろうと考えていたのですが、モンキーブレッドのことが頭をよぎりました。モンキーブレッド、サツマイモを蒸かしてマッシュしたものをパンの生地に入れて焼くパンです。モンキーブレッドの応用はカボチャでもジャガイモでも出来ます。ラムの香りがするほんのりと甘いこの花豆のペーストを、パンの生地に入れる事にしました。
レシピーなんてありませんから、適当です。強力粉150gに花豆のペーストを100g入れ、ラム酒が効いているので、イーストは少なめ、砂糖も塩もちょっとだけ。水加減は、こねながら少しずつ足しました。手のひらと目で見た感覚で作るパンです。花豆は皮を剥かずにペーストにしたので、所々に赤い皮が見られます。練り込むうちに、生地は全体に薄い小豆色になりました。発酵時間も、生地がおよそ倍に膨らむまで、目安なんてありませんから、度々台所へのぞきに行きます。
野菜のペーストを入れたパンは、野菜が持つ水分とで柔らかいパンが出来上がります。こねている間は、ラムの香りがぷんぷんしています。オーブンに入れて3分後、またひと回り大きく膨らみました。そして不思議なことにラムの香りはすっかり飛んでしまい、花豆の香りが立ってきました。
焼いている間に、残った花豆のペーストで、 おやつ用の茶巾を作ります。
オーブンを開けると、どこからともなくソワソワとやって来る方があります。
しっとり、花豆の香りがするやさしいパンです。私は、こんな残り物で作る自分で焼いたパンが一番大好きです。
こちらの方も、先程からお待ちかね、これならたくさん食べてもいいね。