曇り、9度、64%
本当に、自分でも満足がいく食パン(プルマンローフ)を焼けるようになったのは、ここ数年のことです。つまり、パンを焼きはじめて、20年近くも経ってからです。毎日パンを焼くわけではありません。食パンばかりを焼くのでなく、家庭で焼くパンですから、その時その時の食べたい物を焼きます。すぐにうまく作れるパンもあれば、フランスパンや食パンのように納得が行くパンが焼けるようになるまで、随分時間がかかる物もあります。
パンといっても、相手をしているのは生きたイースト菌です。時折、うまくいくはずのパンがイースト菌のご機嫌が悪くて思うように焼けないこともあります。そんな時、いつも同じ味、同じ大きさに焼き上げる職人さんの知恵と技に脱帽します。機械で、温度湿度の管理をしてパンを焼く工場生産のパンだって、管理する人は、やはりプロだなと感心するのです。
フランスパンは、粉、水、イースト、塩のみで作るので、断然粉の味がはっきりと解るパンです。粉の味って解りにくいかもしれませんが、噛みしめた時、口に拡がる香りと味です。食パンはそれに比べて、バターや、砂糖、ミルクが加わりますから粉は、どちらかというと、縦延びする力強い粉の方がむいています。私が食パンに使うのは日清製粉の特選強力粉。同じ日清のカメリアよりも甘みのある深い味がする粉です。
ちょっと冷蔵庫を覗いて、フランスのエシレバターがあればそれを使います。普通の食パンが、特製食パンに変わります。冷蔵庫の中に生クリームがあれば、スキムミルクの変わりに使います。そこで、超特製食パンの出来上がり。
2ヶ月前に息子のお嫁さんにあった時、彼女が厚めの食パンが食べたいといいました。厚めの食パンなんて、どこにでも売っています。でも、私が焼いたパンを食べてもらいたいと思い、今度来る時焼いて来るね、と約束しました。冷蔵庫にはエシレのバターも生クリームもありました。超特製食パンです。ところがいざ、厚めの食パンと言ってもどのくらいの厚さかな? よく解りませんから、普段の倍の厚さに切りました。
パンを焼くのは、問題がないのですが、さて、このパンを飛行機に乗せて潰さないように持って行くのが大変です。主人が、日本のおいしいパンを時折土産に持って帰って来てくれますが、途中でぺしゃんこになっています。 こんな容器を見つけて、手荷物に入れました。彼女が喜んでくれるといいな。